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2023年7月に読んだ本まとめ

今年は全然読書が進みません。月6冊なんて、涙が出る。(T_T)
映画の観すぎか、それともスマホを持ったせいか。(–;
2023年7月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1848ページ
ナイス数:691ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly/2023/7
■渇水 (角川文庫)
原作が短編小説であることを知ったのは映画の鑑賞後。160頁という薄さにも惹かれて買いましたが、映画とは違うラストが衝撃的。映画を観たとき、幼い姉妹は結局取り残されたまんまなのだから、光が射しているとも思えず、少し甘い最後のように感じていました。ところがこのラストは甘いどころか絶望しかない。表題作とあとの2編にもこの絶望感があって、読みながら佐藤泰志のようだと思っていたら、この著者もすでに亡くなっているというではないですか。自ら命を絶ったわけではないけれど、死を見つめていたように思える3編に言葉を失います。
読了日:07月02日 著者:河林 満
https://bookmeter.com/books/20892016
■緑の我が家 Home,Green Home (角川文庫)
男子高校生がスマホも持たずに独り住まいの部屋にわざわざ固定電話を引くものだろうかと思ったら、30年以上前の作品だったのですね。モジュラージャックを抜いていても鳴る電話というのは、それだけで怖くて十分ホラー要素になる。ホラーを読むときの私の常、素面だと怖いから飲酒しながら。酔っぱらっているのに終盤は涙がダダーッと溢れる。仕返ししたら何かいいことあるのかと不思議そうだった彼。自分はこれ以上死んだりしないからと笑ってかばってくれた彼のことを思うと、切なすぎて、悲しすぎて、泣きながら最後を迎える読書となりました。
読了日:07月06日 著者:小野 不由美
https://bookmeter.com/books/20247061
■アウターQ 弱小Webマガジンの事件簿 (双葉文庫 さ 50-01)
気楽に読める連作ミステリーだと思っていたら、最後に凄絶な復讐劇だとわかって呆然。子どもながらに自身が目にしたことを語っていたつもりがデマの元になっている。知らないうちに人を傷つけていることの重大さに気づかされます。悲しくてたまらない。余談ですが、井出があまりにアレアレと言うのは、大阪出身の澤村さんがアレをアレしてくれたのかと思っていましたが、今年書かれたものではないのですね。アレを予見してのことか(笑)。これを糧にライターとして陸男が成長しますように。練馬姐さんのファンになりました。また出番があるかしら。
読了日:07月13日 著者:澤村 伊智
https://bookmeter.com/books/21219690
■怪談青柳屋敷 (双葉文庫 あ 66-03)
怖がりのくせしてこんな怪談を読んでいられるのは、私が20年前から住んでいる家、そして死ぬまで住むであろうこの家には何も曰くがないとわかっているからなのですよね。しかし本書を読むと、今ここに何もなくても、どこかから連れられて来る可能性はゼロではないなと思ってゾーッ。中扉が何気なく怖い。夜中に読んだら怖すぎる話もあるけれど、そこは「イミカワ」。おどろおどろしい図も明るいほうに想像して「カワイイ」と思うことにします。もういい加減やめようと思いつつ読んでしまう怪談。寝るときに思い出さずに済むのはおそらく歳のせい。
読了日:07月15日 著者:青柳 碧人
https://bookmeter.com/books/21005401
■水底の棘 法医昆虫学捜査官 (講談社文庫)
頁を開くと「夏からの知らせ」の文字があり、いま読むのにピッタリだと思ったら、舞台は冬じゃあないですか。まぁ、夏にウジを見るよりは良し。毎度想像したくないシーンの連続なのがこのシリーズ。そこを我慢して読む価値は十分あります。本作では昆虫のみならずシャコについても詳しくなれそう。見目麗しいとは言えないシャコが性格も獰猛とは(泣)。赤堀先生には惚れざるを得ません。岩楯刑事とのロマンスは今後も要らないけれど、鰐川刑事の懐きぶりはちょっとカワイイ。いちばん悪事に絡んでほしくなかった人の関わりはショック。漁師の実情。
読了日:07月24日 著者:川瀬 七緒
https://bookmeter.com/books/11097097
■営繕かるかや怪異譚 その弐 (角川文庫)
そんなに怖くないやんと思いながら読んでいたのに、3つめの話を読んだ夜、仰向けになって寝ていたら、上から誰かに押さえつけられているような気がして目が覚めました(笑)。内藤了の“よろず建物因縁帳”の曳き屋・仙龍を思わせるけど、そんなにタッパもなさそうで、見た目も地味そうな営繕屋・尾端。どちらも好きです。レトロやアンティーク流行りでも、作った人や使っていた人の想いを無視してはいけないことを知る。化けて出る幽霊にも心優しい人がいて、住人を心配してくれている場合もあることを知る。尾端こそが優しくて、続編を読みたい。
読了日:07月27日 著者:小野 不由美
https://bookmeter.com/books/19732403

—–

15回目の『RRR』は日本語吹替版を。

『RRR』(原題:RRR)
監督:S・S・ラージャマウリ
出演:N・T・ラーマ・ラオ・Jr.,ラーム・チャラン,アジャイ・デーヴガン,アーリヤー・バット,
   サムドラカニ,レイ・スティーヴンソン,アリソン・ドゥーディ,オリヴィア・モリス他
声の出演:杉田智和,日野聡,早川毅,久保ユリカ,野島昭生,今泉葉子,内田真礼他
 
先週金曜日、28日から日本語吹替版が公開されています。
すでにDVDも発売になっているし、配信も開始されているけれど、
やっぱり本作は劇場で観たいと思う人が多いのかしらん。
 
洋画は字幕で観る派ですから、ボリウッドだってそうしたいのは同じ。
ただ、本作だったり『トップガン マーヴェリック』だったりは、
公開されているすべてのパターンを制覇したいと思うじゃないですか。
 
私はイオンシネマ茨木にて初日20:30からの回を鑑賞しました。
上映終了は23:40になるわけですが、結構客が入っています。
 
吹替版は誰が声を担当するのだろうと気になったものの、
調べるのに結構時間を要したので、メモがてらここに記しておきます。
ウィキを見りゃすぐにわかるんですけどね。(^^;
 
ビーム:杉田智和
ラーマ:日野聡
ヴェンカタ(ラーマの父親):早川毅
シータ:久保ユリカ
ヴェンカテシュワルル(ラーマと行動を共にするおじさん):中村和正
スコット(総督):野島昭生
キャサリン(総督夫人):今泉葉子
ジェニファー:内田真礼
 
ちなみに、少年時代のラーマ役の子役について記したことはありませんでしたが、
ヴァルン・ブッダデーヴというそうです。彼、めちゃめちゃ可愛くて、かつ賢そうですよね。
彼の声を担当しているのは田所あずさ。
 
さてさて、吹替版がどうだったかというと、よくできていたと思います。
英語がわからないビームと、テルグ語がわからないジェニファーとの会話など、
どのように吹き替えるんだろうと思っていたら、
吹替版を観るかぎり、両者の会話が成立していないことはわからないつくりになっています。
おそらくこの吹替版で初めて『RRR』を観る人は、ビームは英語ができないなんて思いもしないはず。
 
ジェニファーが何を言っているのかわからないビームが戸惑い、
お互い言葉が通じていないことはわかっているから、身振り手振りで意思の疎通を図る。
その場にラーマがいるときはそれを上手く、時には正反対に通訳したりして仲を取り持ちます。
そこのところの面白さは字幕版のほうが絶対上。
 
たとえば、ジェニファーの名前をなんとか聞き出すことに成功したビームが、
“Don't call me Memsaab. It's just Jenny.”(マダムはやめて。ただのジェニーよ)と言われて、
これ一文まるごと名前だと勘違いして必死に覚えようとするところと、
それを聞いたラーマが優しく爆笑するところなども、字幕版ならではの楽しさがあります。
 
ラストでラーマから何がほしいを聞かれたビームが「読み書きを」と答えるところも、
字幕版を観ている人のほうが意味がよくわかりますよね。
ビームは英語が聞き取れないくせして、なんでスコットの帰還を祝う晩餐会の日程がわかったのさなどと
字幕版ではツッコミを入れたくなりましたが、英語を理解しているふうのビームなら問題なしか。(^^;
 
シータからラーマのことを聴いて愕然とするビームが
「シータはラーマを探さない。ラーマのほうからシータに会いにくる」と言うときに、
「ラーマーヤナのラーマ王子とシータ姫」とさりげなく補足説明が吹替版の台詞に盛り込まれているのも良いところ。
 
吹替版を観てハマった人は今からでも字幕版を観てほしい。
両方観ればより楽しいこと、請け合います。
 
吹替版を観ると、また字幕版が観たくなる。
エンドレスのループ現象に陥ります(笑)。

—–

『五等分の花嫁∽』

『五等分の花嫁∽』
監督:宮本幸裕
声の出演: 松岡禎丞,花澤香菜,竹達彩奈,伊藤美来,佐倉綾音,水瀬いのり他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
観るものがないので本作を観てみることにしました。
もしかしたらこれかなと思う人形があり、確かめがてら。
 
原作は春場ねぎの人気コミックとのこと。
2017年に『週刊少年マガジン』に読み切りとして掲載されたのち、その人気を受けて連載スタート。
2020年の連載終了後も読み切りが掲載されたりして、よほど人気があるのですね。
もちろんアニメ化もされているわけですが、私はまったく知りません。
そしてまったく知らない状態のまま観に行きました。
 
女子高生5人と、同じ高校生でありながら彼女たちの家庭教師を務める男子1人。
ほかの登場人物としては彼の妹がいるぐらいです。
 
どうやら女子高生5人は姉妹らしく、歳も同じということは五つ子か。知らんけど。
一から五までの漢数字を含む名前を持っています。
鑑賞後に思い出すべく調べたところ、姓は中野で、一花、二乃、三玖、四葉、五月でした。
で、彼女たち全員が家庭教師の上杉風太郎に想いを寄せているのかしらん。
 
この劇場版はスピンオフというのかなんというのか、
すでに本編が終わった後にまさか作られることはないと思っていたのに作られたらしく、
修学旅行のときがどうたら、結婚がどうたらという話が出てくるので、
何も予備知識のない私には過去に何があったのか、そして後にどうなったのかさっぱりわからず。
 
わからなかったけれど、意外と楽しめたのです。
最初は5人が全員同じに見えたけど、髪型も違うしキャラも違う。
揃いもそろって爆乳ですけどね(笑)。
 
風太郎にアプローチをかけたいと思いつつ、あからさまな抜け駆けはしない。
それぞれドキドキしながら、5人と風太郎が一緒にいる時間を大切にしている。
「押して駄目なら引け」を実践しようとして失敗したり、
海へ行ったり(正確には行き損ねるのですが)、プールへ行ったり、嗚呼、青春。
 
モテ男という自覚のない風太郎を店長(?)が「生来のたらし」と評したところは笑いました。
 
エンドロール後には声優陣のトークショー映像付き。
6人の顔は覚えられた気がします。
そして、例の人形はおそらく五月だということがわかりました。
今後は「五月ちゃん」と呼ぼう。

—–

2回目の『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』もScreenXにて。

『トップガン マーヴェリック』のように何度も観ようと思っているわけではありません。
ただ、北摂の劇場ではほかに観るものがなかったのと、
この日は天神祭だったため、車で大阪市内へ向かうのは無謀でしょう。
先行上映で鑑賞済みの『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』をもう1回観ることに。
ScreenXが結構気に入ったからまた観てもいいかなとも思いました。
 
何が起きているのかよくわからないながらも面白い“ミッション:インポッシブル”シリーズ。
第7弾に当たる本作も“それ”が結局何なのか、漠然としかわからなくて、
2回観ればもう少しわかるだろうかと思ったのですが、やっぱりわからん(笑)。
 
もういいや、雰囲気だけ楽しめればと考え直し、前と横3面スクリーンを楽しむ。
端っこ好きの私が今回ばかりは最後列中央に席を取りました。絶対最後列真ん中がオススメです。
 
『トップガン マーヴェリック』でウォーロックこと司令官ベイツを演じていたチャールズ・パーネル。
組織のお偉いさん方の一員として顔を見せていますが、速攻でいなくなっちゃいますね。
トム・クルーズ演じるイーサンを追うコミュニティの男ジャスパー役がシェー・ウィガムで、
その相棒の若者ディガス役がグレッグ・ターザン・デイヴィス。
彼、『トップガン マーヴェリック』のコヨーテに似ていると思ったら、同一人物じゃあないか(笑)。
 
というような感じで、ついつい『トップガン マーヴェリック』と比べながら観てしまうんです。
トムがあっちではルースターから、こっちではグレースから“You’re not serious.”と言われているのが可笑しい。
確かに、イカレてる。
 
途中までグレースが本当に信用の置けない女でイライラするんですが、
本作で私がとても好きな台詞は、彼女とイーサンの会話の中にあります。
ルーサーとベンジーから無茶な役目を告げられて不安になり、「命を守ってくれるの?」と聞く彼女に、
ルーサーは「そうだ」と答える。だけどイーサンは「いや、違う。それは保証できない」と言います。
そしてイーサンが言う、「だが約束する。君の命は、僕の命よりいつでも大事だ」。
く~、カッケー。
 
でもね、やっぱりこっちのトムよりあっちのトムのほうがカッコイイですよ。
また観るものがなくなったら行くかもしれませんけれど、一応これで打ち止めに。

—–

『裸足になって』

『裸足になって』(原題:Houria)
監督:ムニア・メドゥール
出演:リナ・クードリ,ラシダ・ブラクニ,ナディア・カシ,アミラ・イルダ・ドゥアウダ,
   メリエム・ムジカネ,ザーラ・ドゥモンディ,サラ・グエンドゥス他
 
なんばパークスシネマで3本ハシゴの3本目。
 
ノーマークでしたが、時間的に合うのがこれしかなくて観てみたら、
とてもよかったフランス/アルジェリア作品。
製作総指揮を務めるのがトロイ・コッツァーであることも話題になっています。
彼は『コーダ あいのうた』(2021)で主人公の父親役を演じ、
ろう者の俳優として初めてアカデミー賞助演男優賞を受賞した人。

 
イスラム国家、アルジェリア
バレエダンサーになる夢を抱く少女フーリアは、やはりダンサーの母親サブリナのもと、
親友のソニアたちと日々熱心に練習している。
 
フーリアにはサブリナに秘密にしていることがある。
それは、賭け事に手を出しているということ。
勝った金で母親に車をプレゼントしたい、その思いのみからしていること。
 
ところが賭けに勝った日、負けたと騒ぐ男から追いかけられる。
逃げるフーリアは階段から突き落とされて転落し、足首を骨折したうえに、
あまりに恐怖が強かったせいで声が出なくなってしまう
 
バレエダンサーとなる夢をあきらめねばならず、心を閉ざしがちのフーリアだったが、
リハビリ中の施設でろう者のグループと出会う。
音楽に合わせて踊るフーリアに魅入られたグループのメンバーは、
彼女にダンスを教えてほしいと懇願し……。
 
フーリアに大怪我を負わせたのはテロリストで、恩赦を受けて自由に闊歩している。
こんな事件を起こしても警察は何もしてくれないんだから、えげつない国です。
 
その恐怖に怯えながら、でもこの少女は屈することがない。
一旦はダンサーになる夢をあきらめた少女が再起にかける話かと思いきや、
自らが踊ることだけではなくて、みんなに踊りを教え、共に踊ることを選ぶ。
 
彼女からダンスを教えてもらうメンバーたちにもさまざまな背景があります。
自閉症の人もいれば、不妊のせいで夫から離縁された人、幼い息子を亡くした人。
声が出ない事情がいろいろとあるのです。
 
生き方がひとつではないことに気づいたフーリアに私たちは勇気づけられる一方で、
アルジェリアから出て行くことを選んだ親友が還らぬ人となるのを見るのは悲しい。
 
ムニア・メドゥール監督の作品は初めて観ましたが、
同じくリナ・クードリが主演に起用されている『パピチャ 未来へのランウェイ』(2019)をぜひ観たいです。
“フーリア”は「自由」の意味。
まさにそれを体現するリナ・クードリは、アルジェリアの期待の星なのでしょうね。

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