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『658kn、陽子の旅』

『658kn、陽子の旅』
監督:熊切和嘉
出演:菊地凛子,竹原ピストル,黒沢あすか,見上愛,浜野謙太,吉澤健,風吹ジュン,オダギリジョー他
 
シネ・リーブル梅田にて、前述の『イビルアイ』の次に。
あんなホラー映画がその日観る最後の作品では寝付きが悪くなりますから(笑)。
 
“TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM”で2019年に脚本部門の審査員特別賞を受賞した室井孝介の脚本を映画化。
“TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM”には企画部門と監督・脚本部門があるようです。
『マイ・ダディ』(2021)とか『この子は邪悪』(2022)は準グランプリ受賞作とあります。
脚本部門の受賞作で映画化された作品って、ほかにあるのかなぁ。
 
自ら監督するのもいいでしょうが、自分の脚本を一流監督に撮ってもらえるのも嬉しいものでしょうね。
本作は熊切和嘉監督がメガホンを取り、ご自身の劇場映画デビュー作で起用した菊地凛子を主演に迎えています。
彼女の演技を過去にすごく好きだと感じたことはない気がしますが、これはとても好きでした。
 
42歳の独身女性・工藤陽子(菊地凛子)は、20年以上前に青森から上京し、ひとり暮らし。
引きこもりコミュ障でアパートからはほぼ出られずにいたが、
ある日、いとこの茂(竹原ピストル)が陽子の父親(オダギリジョー)の訃報を携えてやってくる。
茂は妻子と共に車で青森に向かうから、陽子にも一緒に乗っていけと言う。
 
なんとか車に乗り込んだ陽子だったが、サービスエリアで置き去りにされるはめに。
茂一家にトラブルが発生したためで、わざとではなかったのだが、
荷物はすべて茂の車に積んだまま、財布には2千円ちょいしか入っておらず、
スマホはたまたま出発前日に壊れて連絡手段がない。
公衆電話から青森の実家に電話するも、話し中だったり、陽子の状況を伝えられなかったり。
 
父親の出棺は明日正午と聞いている。それに間に合うようになんとかせねば。
致し方なく勇気を振り絞ってヒッチハイクを試みた陽子は……。
 
学生の頃、何度かヒッチハイクをしたことはあります。けれどもそれはごくごく近場。
男子2人と私1人でその辺の山の帰りに単に疲れたからと、軽トラなどに乗せてもらったことがありました。
でもこれ、完全にひとりきりだったら、怖くてできなかったと思います。
乗るほうもそうだし、乗せるほうだって怖い。世の中いい人ばかりじゃないですし。
 
コミュ障の陽子は、誰かに声をかけるのもままならない。
トイレの個室にこもって人に声をかける練習をする様子は、姿が見えないから可笑しくも切ない。
意を決して出てくると、そこら中の人に声をかけてみるけれど、
明らかに「おかしな人」の彼女には誰も優しくはしてくれません。
 
そんな中でも「いいよ」と呆気なく言ってくれる人はいる。
でも、お金を貸してほしいという頼みまでは聞いてくれません。
凍えそうになっている陽子を拾ってくれた男は下心丸出しで、それを断れない彼女は悲惨。
心も体もズタボロになっているとき、心底彼女を心配してくれる人。
握手のシーンには胸がジーンとしました。
 
自分の親が今の私の歳だった頃、私は何歳で、親はどうしていたっけと最近よく考えます。

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『イビルアイ』

『イビルアイ』(原題:Mal de Ojo)
監督:イサーク・エスバン
出演:オフェリア・メディーナ,パオラ・ミゲル,サマンタ・カスティージョ,アラップ・ベトケ,
   イバナ・ソフィア・フェロ,パロマ・アルバマル,マウロ・ゴンサレス他
 
父のこめかみのイボが大きくなっているから皮膚科に連れて行ってほしいと、老健から連絡がありました。
イボぐらいアロエつけとったら治るがなと母は言っていたのですが、見に行ってみて驚いた。
“こぶとりじいさん”のちっちゃいこぶぐらいのデカさはあるイボ。
診察を受けた結果、切除すべき皮膚がんとのことで、日を改めてとっとと切ることに。
その手術が夕方早くには終わったので、父を老健に送り届けたのち、シネ・リーブル梅田へ。
 
できれば観たくなかったメキシコ/スペインのホラー作品。
でも不幸にも上映時間に間に合ってしまったのです(笑)。
ホラーは苦手でも、スペイン語圏やポルトガル語圏のホラーには目がない私。
目がないとは言うものの、本作の予告編が怖すぎてパスするはずだったのに。
 
原題の“Mal de Ojo”は英語で“Evil Eye”、日本語に訳すと「邪視」。
世界的に流布する民間伝承で、悪意を持って睨みつけた相手を呪うことができる。
それは魔女の特徴とも言われ、本作も魔女伝説は本当でしたというお話。
 
13歳の少女ナラは両親と妹ルナの4人暮らし。
病弱なルナは発作を繰り返し、主治医は入院して治療に専念すべきだと言う。
父親のギレルモはルナを入院させようと考えるが、
母親のレベッカは断固反対し、自分が治療法を見つけると主張。
 
そして、一家は数十年ぶりにレベッカの母親ホセファが暮らす田舎へ。
どういう事情があったのか、生まれてから一度も面識のなかった祖母はどこか異様。
ナラは恐怖を感じて早く帰りたいと思うが、レベッカは聞き入れてくれない。
それどころか、両親はナラとルナをホセファに預けて数日どこかへ出かけてしまい……。
 
Wi-Fiなど使えない田舎で、唯一楽しみにしていたプールは何年も使われていない様子。
ホセファの使用人ペドロが掃除してくれると言ったのに、
それを知ったホセファはナラを叱りつけて自分で掃除するように言う。
こんなプールの掃除、何年かかっても終わらんよと思っていたら、ペドロ死亡。(–;
 
めっさ怖いんです、このババァ(笑)。
ナラが少し油断していると、ババーンと真ん前とか真後ろにババァが立っていたりして、
その時の音の派手なことと言ったら。心臓の弱い人は驚いてポックリ逝くかもと思うほど(笑)。
 
ものすごく不気味で、二度と観たくないホラーではありますが、
三姉妹の噂や魔女の伝説が面白くて、逃げ出すことはできず。
味方だと思っていたメイドのアビゲイルも、えーっ、そっちの人なんですか。
もしかしたらこんなふうに見えてババァほんとは良い人、とかいうオチを少し期待したけれど、
そんなふうに終わるわけもないか。超バッドエンド
 
エンディングの曲が明るかったのが救いです。
これでどんよりした曲が流れたら、私は立ち直れなかったことでしょう(笑)。
 
ナラ役のパオラ・ミゲル、本作の子役を演じたことがトラウマになりませんように
眠っているあなたの足もとで、ほら、ババァがうずくまって血を吸っていませんか。
あ~、怖かった。しかし私、もうホラー苦手とは公言できませんね。好きやん!

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『丸木位里・丸木俊 沖縄戦の図 全14部』

『丸木位里・丸木俊 沖縄戦の図 全14部』
監督:河邑厚徳
ナレーション:ジョン・カビラ
 
一昨年の夏に観た『サンマデモクラシー』は川平慈英がナレーションを務めていたなぁと思い出しながら、
今年も十三の第七藝術劇場で沖縄の映画を観る。
 
久しぶりにナナゲイへ行ったら、座席が新装されて綺麗になり、
これまで洋式1、和式2だったトイレもすべて洋式になっていました。
 
知りませんでした。
画家夫妻の丸木位里と丸木俊のことも、その作品『沖縄戦の図』も。
沖縄戦が描かれたこんな大作があったとは。
 
前衛水墨画家の丸木位里とその妻で洋画家の丸木俊。
ふたりが最晩年の1982年から1987年にかけて取り組んだ『沖縄戦の図』は、下記の全14部で構成されています。
「集団自決」「喜屋武岬」「久米島の虐殺(1)(2)」「暁の実弾射撃」「亀甲墓」「ガマ」「ひめゆりの塔」
「沖縄戦の図」「沖縄戦―きやん岬」「沖縄戦―自然壕」「チビチリガマ」「シムクガマ」「残波大獅子」。
 
風景画が得意な位里と、人物を主に描いてきた俊と。
忘れてはいけない、芸術を以て後世に伝えて行かねばならないと、
丸木夫妻は当事者たちに丹念な取材を重ね、それを絵に落とし込んで行ったそうです。
 
俊が人物を描くと、その上に位里が墨を走らせる。
ありゃあ、消えちゃったなと思っていると、しばらくして俊の絵が浮かび上がってきたとか。
その手法も面白いけれど、そこに描かれたものが凄まじくて愕然とします。
 
戦争は終わってから数日経っているにもかかわらず、自決を求められる。
玉砕してこそ日本人。そんなのおかしくないですか。
 
手榴弾を浴びて死んで行った母親。しかしそのお腹の下にいた6歳の男児は生きていました。
子どもを産み、育てた母親は、死ねと言われても死ねなかった。その俊の言葉に涙が出る。
 
これらの絵を劇場の大画面で観ることができてよかった。
ちょうど広島原爆が投下された日のことでした。

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『トランスフォーマー/ビースト覚醒』

『トランスフォーマー/ビースト覚醒』(原題:Transformers: Rise of the Beasts)
監督:スティーヴン・ケイプル・Jr.
出演:アンソニー・ラモス,ドミニク・フィッシュバック,ルナ・ローレン・ベレス,
   ディーン・スコット・バスケス,トベ・ンウィグウェ,マイケル・ケリー他
声の出演:ピーター・カレン,ロン・パールマン,ピーター・ディンクレイジ,ミシェル・ヨー,
     ピート・デヴィッドソン,ライザ・コーシー,ジョン・ディマジオ,コールマン・ドミンゴ他
 
公開2日目に109シネマズ箕面のレイトショーにて。
 
“トランスフォーマー”シリーズの7作目になるそうです。もう何作目かなんて覚えていません。
シリーズのスピンオフという位置づけだと私は思っていた『バンブルビー』(2018)の続編に当たり、
それ以前のシリーズ主役だったマーク・ウォールバーグはもういない。
替わって主役となったアンソニー・ラモスの台詞の中に「マーク・ウォールバーグ」も出てきます。
アンソニー・ラモスってどこで見たんだっけと記憶をたどると、
そうでした、『イン・ザ・ハイツ』(2020)で主人公に抜擢された俳優ですね。
監督は『クリード 炎の宿敵』(2018)のスティーヴン・ケイプル・Jr.。
 
1994年のニューヨーク・ブルックリン
母親と弟クリスと3人暮らしの青年ノアは、電子工学の天才であるにもかかわらず、
米軍を訳あって除隊したことから、次の就職先を見つけられずにいる。
生活苦の中でも明るく振る舞う母親だったが、鎌状赤血球症を患うクリスの治療費を滞納中。
 
今度こそ就職を決めてくると誓って出かけたのに門前払いを食らわされたノアは、
悪友リークの誘いについ乗って、車泥棒を働くことに。
ところがノアが盗んだポルシェ911が突如として暴走、パトカーを巻いて停まったと思ったら、
ロボット(=オートボット)に変身したうえに、その場に次々とロボット仲間が集まってくる。
 
聞けば、この地球のどこかにオートボットたちトランスフォーマーが故郷へ帰るためのキーが隠されていると言う。
それを狙うユニクロン率いるテラーコンという悪のトランスフォーマーからキーを守るため、
ノアは図らずもオートボットたちに手を貸すことになる。
 
一方、エリス島の博物館で古代の像の研究をするインターンのエレーナは、見たことのない像に興味を引かれて調べる。
実はそれこそがオートボットが探すキーで、それに気づいたユニクロンがエリス島にテラーコンを派遣して……。
 
毎度のことですが、誰がどうなっているのか私は理解しちゃいません。
だってこんなに登場人物が多くて、見た目が敵も味方も似通っているとなると、全然わからん。
わからないけれど、どうでもいいやという気持ちになり、楽しめるのが本作のいいとこ。
今回は巨大な動物までいろいろ出てきて、もう何でもありですよね。
 
ひとつ大きな不満があります。それは電子工学の天才だというノアの才能がまったく生かされていないところ。
どこでそれを披露するのだろうと思って待っていたのに、むしろエレーナが活躍。
頭で勝負するはずのノアが体を張ってばかりでした。
彼が才能を発揮するのは次作以降なのかしら。弟のクリスも可愛いので、兄弟の奮闘に今後期待。

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『しん次元!クレヨンしんちゃん THE MOVIE 超能力大決戦 とべとべ手巻き寿司』

『しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 とべとべ手巻き寿司』
監督:大根仁
声の出演:小林由美子,ならはしみき,森川智之,こおろぎさとみ,
     鈴木もぐら,水川かたまり,鬼頭明里,松坂桃李他
 
毎年劇場版の公開が楽しみで仕方ない、大好きな“クレヨンしんちゃん”
公開初日にイオンシネマ茨木にて。
 
3DCGってやつです。私には何が違うんだか皆目わかりませんけれど、なんか絵がふっくらしてる(笑)。
アニメーション制作を担当したのは“STAND BY ME ドラえもん”シリーズの白組。
監督は大根仁。どうにも好きになれない作品もありますが、基本的には好きなほうかなぁ。
 
ある日、宇宙から謎の光がふたつ飛来。
その光のうち、白い光をしんのすけが浴び、黒い光を非理谷充という青年が浴びる。
 
実は白い光は善の光、黒い光は悪の光。ふたりはそれぞれ超能力を得る。
社会に対して強い恨みを抱えていた非理谷は、この力を使って世界への復讐を目論む。
一方のしんのすけは、非理谷の暴走を止めようとするのだが……。
 
なぜかしんのすけの超能力はお尻から発せられます(笑)。
お尻を突き出して力を込めると、物を思いのまま動かせるし、自身もテレポートできちゃう。
世界の一大事だというのに、そんなときに美女の「お胸」の上に移動するのもしんのすけ。
 
しかし毎回思うことですが、私はのび太よりも圧倒的にしんちゃんが好きだなぁ。
いつも前向き。というのかノーテンキ。偏見がない。かまってちゃんでもない。
こうしようとかああしようとか思っているわけじゃないのに、仲間を見捨てない。
狙っている感がないから、いつも最後は泣かされそうになってしまう。
 
好きですけど、なんとなく3DCGじゃないほうがいいかなぁ。
特に“クレしん”に関しては、立体的じゃないほうが合っている気がして。
何はともあれ、次の劇場版も待ってます。(^^)

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