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『僕と幽霊が家族になった件』

『僕と幽霊が家族になった件』(原題:關於我和鬼變成家人的那件事)
監督:チェン・ウェイハオ
出演:グレッグ・ハン,リン・ボーホン,ワン・ジン,ツァイ・チェンナン,
   トゥオ・ツォンホァ,マー・ニエンシエン,アーロン他
 
2023年の台湾作品。2月に本国で公開されて爆発的にヒットしたそうです。
それが日本でも公開されることになり、絶対観たいと思っていました。
しかし上映館は全国で4館だけ。東京の2館と福岡、そして大阪。
シネマート心斎橋でも上映があるものの、上映期間は8月上旬の1週間だけで時間が合わず。
だけど韓国作品はかかっても、台湾作品は塚口であまりかからないよなぁなどと思っていたら。
 
台湾在住の友人からこれオススメだよとのメッセージが。
Netflixで配信が始まっているというではないですか。知らなんだ。
友人は「台湾独特のユーモアが伝わるかどうか」と心配してくれていたけれど、
台湾映画も大好きだし、何の心配もしていなかったわけですが、
観たら想像のはるかに上を行く。笑った笑った、泣いた泣いた。
 
ちなみに台湾は2019年5月に東アジアで初めて同性婚を認めた国で、
それが本作の背景となっているそうです。
 
正港署勤務の刑事ミンハン(グレッグ・ハン)は手柄を取るために日々猛進しているが空回り。
それどころか美人刑事ズーチン(ワン・ジン)に毎度最後を持って行かれてしまって悶々。
 
ある日の捜査中、公園で封筒を見つけたミンハン。
拾い上げて中を覗いていると、周囲にいた女性たちが歓声をあげて近づいてくる。
封筒の中身は故人マオマオことバンユー(リン・ボーホン)の髪の毛と写真で、
それを拾った者はマオマオの冥婚相手に選ばれし者なのだと言う。
 
冥婚の相手というだけでもありえないのに、マオマオは男ではないか。
ノンケの自分が死んだゲイの男の花嫁になるだなんてまっぴらごめん。
マオマオの祖母に拒絶の意思を見せると、彼女は不敵に笑い、
冥婚を断れば不幸に見舞われる、気が変わればおいでと言う。
 
誰がそんな話を信じるものかと思ったが、実際それ以降、踏んだり蹴ったり。
交番に左遷になるわ、事故に遭うわ、これ以上なにか起きてはたまらない。
致し方なく冥婚を受け入れたミンハンは、マオマオの親族に囲まれて挙式する。
ただひとり、マオマオの父親だけは馬鹿げたことに他人を巻き込むなと怒るが、
親族の女性陣は「男が好きで何が悪い。認めてやれ」と一笑に付す。
 
気の重たいまま帰宅したミンハンが渋々マオマオの遺影に線香をあげ、
風呂に入っていると、なんと目の前にマオマオが現れて……。
 
マオマオは自分の願いを叶えることができれば成仏すると言います。
その願いに最初から大笑い。ひとつめが「地球温暖化を止める」ですからね。デカすぎる願いだよ。
ホッキョクグマを救うにはどうすればいいか考えるミンハン。そして砂浜のゴミ拾いなんかも始めます。
ふたつめは野良犬のシャオマオの飼い主を見つけることで、ミンハンが飼うことに。
なぜかミンハン以外の人には見えないマオマオの姿が、シャオマオには見えるんです。
みっつめは婆ちゃんを訪ねる。これは叶えやすいことですが、実はマオマオの目的は別にもある。
自分のスマホから男の裸体や絡みが映るエロ写真や動画を削除するため。
まずはマオマオの父親の手からスマホをもぎとって、気づかれぬうちに削除せねばなりません。
マオマオと一緒にいれば幸運が舞い込んでくると信じて協力するミンハン。
 
マオマオは交通事故で亡くなっていて、犯人は捕まっていません。
正港署はなぜか付近の監視カメラの映像がないと言い、事件を調べようとしません。
マオマオと父親の間にはゲイであることをめぐって確執があり
そのせいでマオマオは死んでしまったとも言えるのですが、
父親は何を思っているのか、捜査をミンハンに託すと決めます。
 
あ〜、あまりに好きだったので、ネタバレしまくりの書きすぎやろと思うぐらい書いてしまった。(^^;
全編に渡って、本当によく笑いました。そして泣きました。面白い、楽しい、切ない。
コメディで、バイオレンスでサスペンス。そして、愛に満ち満ちています。
 
笑いのセンスが同じだ、特に関西人と、と思って爆笑したのは、「バンバン!」のとこ。
関西人は、銃で撃つ真似をされたら、バタンと倒れるふりをするのがお約束。
それは台湾でも同じらしく、犬のシャオマオまでバタンと倒れてバカウケ。
終盤にはその「バンバン!」のせいで泣かされるシーンもあります。あんな涙のバンバン、困る(泣)。
 
あれだけゲイを嫌っていたミンハンが、「餌不要でコスパがいい。今世は俺が養ってやる」というシーンも泣きましたね。
 
大好きでした。未見の方、オススメします。
この世界に感謝。

—–

3回目の『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』は吹替版を。

毎年恒例、職場の節電対策で全館停電の日がやってまいりました。
夜は飲み会の予定だったので、その時間まで映画を観ることに。
3本ハシゴはできそうで、1本目2本目はすんなり決まったものの、
3本目に観るのにちょうどいい時間帯の上映作品がない。
 
どこかでお茶でも飲みながら本を読むか、それとも飲み会の前にひとりで1杯飲むか。
でももし眠くなったらどうしよう。まさか店では寝られない。
劇場だったら、つまらなけりゃ寝たってええやんかと思ったのでした。
『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』の吹替版を観る機会を逸していたからちょうどいい。
TOHOシネマズ梅田のシアター4ほど歪じゃないけど、まぁまぁ歪なシアター6にて。
 
吹替版を担当する声優は、まず、イーサン・ハントに森川智之
この人、トム・クルーズの声もそうだけど、“クレしん”の野原ひろしの声も担当しているのですよね。
両者を同じ声優が担当しているなんて、なんか凄くないですか。
“ファンタスティック・ビースト”シリーズではジュード・ロウ演じるダンブルドア校長の声も。
ほかにもユアン・マクレガーの声はこの人と決まっているそうで。へ~っ。
 
グレース役のヘイリー・アトウェルの声は園崎未恵が担当。
ということは、『プーと大人になった僕』の吹替版は、イーサンとグレースの声優コンビだったということですね。
 
イーサンの良きチームメイトふたり、ルーサーの声は手塚秀彰、ベンジーの声は根本泰彦
美しきイルサの声は甲斐田裕子、そしてホワイト・ウィドウことアラナの声は広瀬アリスが担当しています。
 
広瀬アリス以外の声優さんたちのプロフィールを見てみたら、ベテランばっかり。
若い人はいなくて、男女どちらもアラフィフからアラ古稀じゃあないですか。
トム・クルーズに年齢を合わせたのかしらと思うぐらい(笑)。
 
さてさて、3回目の鑑賞で、かつ日本語で聴くとなると、なんとなくさらにわかってきたような気がします。
とはいうものの、「アレ」がまだまだ理解しきれず。
そもそも「アレ」がそんなに何でもわかるなら、イーサンたちの居場所なんて簡単にわかるでしょうし、
キーを盗もうとせずともシュッと入手できそうですけどね。違う?
 
ところで今回初めて気づいたのが、パリスが死んではいないということ。
字幕版で2回観たのに「まだ息がある」という台詞に気づかず、てっきり彼女は死んだと思っていました。
そうしたら、死んでいないことがわかって嬉しい。いやいや、生きていてくれてよかった。
次ぐらいには彼女もIMFのメンバーになっいたりして。ない!?
 
俳優も声優もみんな、応援したくなります。

—–

『インスペクション ここで生きる』

『インスペクション ここで生きる』(原題:The Inspection)
監督:エレガンス・ブラットン
出演:ジェレミー・ポープ,ガブリエル・ユニオン,ラウル・カスティーヨ,
   マコール・ロンバルディ,アーロン・ドミンゲス,ボキーム・ウッドバイン他
 
前述の『セフレの品格 決意』を観てから大阪ステーションシティシネマへ移動。
 
エレガンス・ブラットン監督自身の実体験を基にした自伝ドラマ
本作がブラットン監督の長編デビュー作だそうですが、ものすごく見応えがあります。
 
25歳のフレンチは、ゲイであるがゆえに母親から見捨てられ、
16歳のときからホームレス生活を送り、同性愛者が集まるシェルターに身を寄せていたが、
ある日、海兵隊に入ろうと決意し、友人たちに別れを告げる。
 
入隊志願者の訓練所(いわゆるブートキャンプ)に入所したフレンチは、
鬼教官ロウズの虐めともいえるような厳しすぎる指導に耐えなければならないばかりか、
ゲイだということがバレてほかの志願者たちからも差別を受けて涙する。
 
それでも、フレンチをこっそり心配してくれる教官ロサレスや、
ロウズの指導に声を上げて反論する志願者などもいて、
なんとか約3ヶ月間の訓練を終えるまで辞めないと心に誓い……。
 
なんでこんな酷い虐めを我慢してまで海兵隊に入ろうとするのか不思議でした。
とっとと辞めりゃええやん。人格が破綻するよと。
ロウズに殺されかけて辞めようとしたフレンチにロサレスが問いかけたときに、
私の「なんで?」に対する答えがうっすら見えたように思いました。
なぜここに居るのか考えろ。
 
泣きながら考えるフレンチは、訥々と言葉を紡ぐ。
黒人のホームレスのオカマでも、海兵隊に入れば英雄になれる。
彼に限らず、自分の居場所を求めて志願する人が多いのですね。
 
これまで観てきたゲイの息子を持つ親が出てくる作品といえば、
父親はたいてい受け入れられない。でも母親は、息子がどうであれ愛す。
それが普通だと思っていました。
だけどフレンチの母親は、絶対に受け入れようとしない。
息子が母親との関係をあきらめないでいるのに、無理だと断じます。
 
修了式の日に参列はしたものの、海兵隊に入ればストレートになると信じて疑わない母親。
それは違うと息子から言われて、教官たちの前で「この子はゲイだ」と自らの息子を罵倒する。
そのとき、あんなに恐ろしかったロウズが「私は尋ねないし、彼も言う必要はない」と言う。
一緒に訓練を終えた者たちも、フレンチを仲間だと言ってかばいます。
派手すぎる感動シーンにしなかったおかげで、より感動的になりました。グッと来る。
 
こんなにも母親に拒絶された息子が海兵隊にカメラマンとして配属され、
今こうして映画監督になった。母親は今、何を想う。

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『セフレの品格(プライド) 決意』

『セフレの品格 決意』
監督:城定秀夫
出演:行平あい佳,青柳翔,片山萌美,新納慎也,髙石あかり,石橋侑大,大嶋宏成他
 
梅田ブルク7改めT・ジョイ梅田にて、10時半からの回を鑑賞。
2部作の前編『セフレの品格 初恋』は今月初めになんばパークスシネマで観ました。
夜の回だったせいもあってか、客層は中年男性がほとんどでしたが、
朝の回に来てみたところでそんなに変わらない、と思いきや、意外と多い女性客。
 
主人公の年齢を40代前半かと思っていたけれど、30代後半の設定だと知る。
アラフォーという括りでは同じになるでしょうか。
前編の最後で別れる話になりそうだったのに、別れちゃったら話が続かない。
 
やっぱりセフレの関係を続けている抄子(行平あい佳)と一樹(青柳翔)。
抄子が自分の年齢を気にしはじめた頃、一樹の自宅を訪ねると、
明らかに未成年の少女が出てきて、「誰?おばさん」と言われる。
 
セフレなのだから、相手の交際に文句など言う立場でないことはわかっているが、
こんなに若い女性にまで手を出しているとは。
怒りを抑えられずにいる抄子をなだめ、一樹は事情を説明する。
 
彼女は咲(髙石あかり)、17歳。妊娠して中絶したいと一樹の産婦人科にやってきた。
親とおなかの子の父親の同意書が必要だと言うと、
そんなことは無理だからもういい、闇医者で堕ろしてもらうと咲は怒る。
咲には過去にも中絶した痕があり、そのときも闇医者にかかった様子。
致し方なく一樹は処置をしたが、おそらく咲は親から虐待を受けているから、家に帰せない。
しばらく安静にする間、咲を家に置くことにしたと言うのだ。
 
一樹の家で咲に料理を教えたりするようになった抄子だったが、
本心では一樹を独り占めしたい咲は、抄子を憎んでいて……。
 
これもネタバレしてよいですかね。
咲は男友だちに頼んで抄子を襲わせます。未遂に終わったものの、ひどく傷ついた抄子。
咲の仕業だとわかったのに、一樹は抄子に被害届を出さないでほしいと言い、
どうして咲の肩を持つのかと怒る抄子に別れを切り出します。
 
一樹への想いを断ち切りたくて、仕事に没頭する抄子。
そんな彼女に恋をするのが会社で清掃のバイトをするプロボクサー・猛(石橋侑大)。
抄子より一回りほど年下の猛に、抄子はセフレとなることを提案。
真面目な猛が気の毒になります(笑)。
 
序盤は結構笑えるシーンも。
騎乗位で事に及んでいるときに、抄子の腰がピキッ。ぎっくり腰になりかねないと中断。
仰向けになって寝ていた抄子がブヒッと鼻を鳴らすシーンには苦笑い。
若いときって、鼻が鳴ることはなかったでしょうか。歳を取ったから!?
 
そして最後は不覚にもこんなAV(アダルトビデオ)まがいの作品で泣いてしまいました。
咲役の髙石あかりがとても良い。彼女は脱がないですからね。ご心配なく(笑)。
 
AVまがいと書きましたが、絡みのシーンは多くとも、きちんとストーリーがある。
日活ロマンポルノもそうですよね。さすがピンク出身の城定監督!

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『マイ・エレメント』〈吹替版〉

『マイ・エレメント』(原題:Elemental)
監督:ピーター・ソーン
声の出演:川口春奈,玉森裕太,伊達みきお,MEGUMI,楠見尚己,塩田朋子,
     山像かおり,大谷育江,高木渉,間宮康弘,濱口綾乃他
 
TOHOシネマズ伊丹にて。
 
字幕版が観たかったのですが、梅田かなんばまで出ていかなければ上映なし。
しかも上映回数が少ないから、機会をつくれそうにもなくて吹替版で妥協しましたが、
鑑賞後に字幕版のキャストを見たら、知らない人ばかり。
なんだ、これなら川口春奈玉森裕太が出ている吹替版のほうが楽しいかもしれない。
 
ディズニー&ピクサーの製作。
両者はいろいろと揉めたことがあり、切って切られて、離れてまたくっつくみたいな関係。
その間に傘下のミラマックスでも騒ぎがあったりして、ゴシップの宝庫。
大きな会社になれば致し方ないことなのでしょうか。という話は置いておくとして。
 
本編の前に、『カールじいさんのデート』という短編も上映されます。
ディズニー同時上映作品は、悔しい哉、いつも良い。どことなく切ないんですよねぇ。
 
さて、監督は『アーロと少年』 (2015)のピーター・ソーン。
『アーロと少年』なんて、つい最近観た気がしていたのに、そんなに前なの!?
まぁ、私にとっちゃ2010年代なんて全部「つい最近」ですけど。(^^;
 
火、水、土、風という擬人化されたエレメントの世界。
 
火のエレメントのバーニーとシンダー夫妻は、火のエレメントだけが暮らしていた国を離れ、
すべてのエレメントが暮らすエレメント・シティへと移住する。
 
熱くて何でも燃やす火はほかのエレメントから鬱陶しがられ、
賃貸物件からは軒並み断られたせいかおかげか、夫妻は空き家だった物件を購入。
そこで火のエレメントを相手に雑貨店“ファイア・プレイス”を始め、大繁盛。
 
夫妻の間に生まれた一人娘エンバーはすくすくと育ち、店を手伝うように。
バーニーはいずれこの店をエンバーに継がせたいと考え、エンバーもそれを当然のことと受け入れる。
 
体力の衰えを感じるようになったバーニーは、そろそろ任せどきかと、
セールの日の店の切り盛りをエンバーに一任したところ、水道管トラブルが発生。
バーニーに心配をかけたくないエンバーは応急処置を試みるが、
折悪くそこへやってきたのが、水のエレメントの青年ウェイド。
 
公務員のウェイドは水道の検査官で、この店には多くの違反が見受けられると言う。
このままでは営業停止になると聞き、エンバーはなんとかそれを阻止しようと、
ウェイドと共にその上司ゲイルに面会を求めるのだが……。
 
エンバーの言い分がずいぶん身勝手で、好きになれないなぁなんて最初は思っていたのですが、
根っからの善人で涙もろいウェイドとのやりとりに慣れてくると面白く。
 
自分たちと見た目からして違う人が入ってくると排除したがる。
あからさまに嫌がらせをしたり、そこまでしなくても無視したり。
私たちの生きる世界と照らし合わせると、同じだよなぁと思います。
けれど、相容れないわけではない。そうしようとしていないだけ。
無理と決めた時点で無理なわけで、ほんの少し、相手を理解しようとすれば、
実はものすごく好きになれる相手かもしれないということ。
 
とはいうものの、力んで脇の下から花を咲かせ、それを贈られるのは嫌だなぁ(笑)。
 
世界は大きい。視野は大きく。もっと広がれ。

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