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『劇場版 シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』

『劇場版 シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』
総監督:こだま兼嗣
声の出演:神谷明,伊倉一恵,田中秀幸,一龍斎春水,玄田哲章,小山茉美,戸田恵子,
     深見梨加,坂本千夏,関智一,木村昴,沢城みゆき,堀内賢雄,山里亮太,世界他
 
公開初日、イオンシネマ茨木にてレイトショーを鑑賞しました。
1980年代後半から1990年代にかけて放送された大人気TVアニメ“シティーハンター”
20年ぶりの新作として話題となった『劇場版 シティーハンター 新宿プライベート・アイズ』(2019)に続く劇場版。
やはり人気があるようで、夜遅い時間帯ながら結構な客の入り。
 
裏社会ナンバーワンの腕前を持つ始末屋(スイーパー)、冴羽獠(リョウ)。
ここのところ仕事の依頼がなくて、パートナーの槇村香が困り果てていたところ、
アンジーと名乗る外国人美女から猫を探してほしいと言われる。
猫探しにしては高額すぎる報酬に釣られてさっそく捜索に取りかかる獠と香。
 
しかしアンジーの真の目的は獠を殺すこと。
アンジーはかつて暗殺者組織に属しており、その首領(マイヨール)だったのが海原神という男。
彼のことを父親のように慕っていたアンジーは、海原が自身の最高傑作と称する獠のことを敵対視していたのだ。
 
暗殺者組織では、人間の戦闘能力を高めるために薬物を使用していたが、アンジーは使用を拒んで離脱。
そんなものに頼らなくても自分がいちばん強いことを証明しようとしている。
そして、最新最強の薬物“エンジェルダスト”が人の手に渡らぬように盗んだのもアンジーで、
組織はエンジェルダストを奪い返すべく、アンジーを追い……。
 
私はそもそも“シティーハンター”に思い入れがないんですよね。
だけど、前作は面白かった。コロナ前の“もっこりかけ声応援上映”も非常に楽しめました。
アホくさと思いながら笑ったことを思い出します。
 
でも、これはどうかなぁ。つまらなくはなかったけど、スベり気味じゃないでしょうか。
今の時代にはそぐわないというのか、セクハラだらけだし。
いくら仕事ができるイケメンでも、こんなにエロ目線でしか女性を見られないとキモい。(^^;
それと、申し訳なくも女性陣の声にオバハン臭さを感じてしまう人がいます。
今さら若い声に変えるのは、昔からのファンが納得しないでしょうけれど。
 
香が「アンジーさーん」と連呼しすぎ。もうええっちゅうねん、そないに呼ばんでもと思ってしまいました。
続編つくりたいのも丸出しで「まだまだ行けます」とかもあざとくてかなり目障り。
 
男性が観ると前作と変わらず面白いと思うのかしら。
私は本作に関してはもういいです。獠ちゃん相変わらず凄腕だけどね~。

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『ホーンテッドマンション』〈吹替版〉

 『ホーンテッドマンション』(原題:Haunted Mansion)
監督:ジャスティン・シミエン
出演:ラキース・スタンフィールド,ティファニー・ハディッシュ,オーウェン・ウィルソン,ダニー・デヴィート,
   ロザリオ・ドーソン,チェイス・W・ディロン,ジェイミー・リー・カーティス,ジャレッド・レトー他
声の出演:八代拓,土屋アンナ,片岡愛之助,温水洋一,田村睦心,小林幸子,前田一世他
 
字幕版を観た翌日、遠出をするのはしんどいし、近場の劇場で何か観たい。
でも、前週末までの封切り作品はほぼ制覇してしまったから、本作の吹替版を観るしかありません。
109シネマズ箕面にて。
 
観るまでもなく字幕版のほうが良いに違いないと書きました。そのとおりでした。
子ども連れで観に行った友人が眠くなったと言っていたのがわかります。
 
声を担当しているのが誰なのか調べずに行きました。鑑賞後に調べてビックリ。
え~、霊媒師が土屋アンナで、神父は片岡愛之助、教授は温水洋一
水晶玉に閉じ込められた伝説の霊媒師が小林幸子ってか。全然わからなかったなぁ。
 
なんだか台詞がつまらないのです。字幕では笑えたシーンが笑えない。
たとえば、冒頭、息子のトラヴィスが恐怖に怯えながらも自分の部屋に入ったとき。
壁にかかっている女性の大きな肖像画が今にも襲ってきそうで、
トラヴィスはその絵に向かって“Not today”と言います。字幕は「今はやめて」でした。
吹替版では「来ないでよ」。そうなんだけど、普通すぎて面白くない。
 
ギャビーが卵料理を作ろうとしているとき、亡霊たちがふざけてじゃまするシーンがあります。
卵が宙を飛んで勝手に動いたり、フライパンの上で割られて殻ごと突っ込まれたり。
そこでベンとギャビーが“egg”にからめたギャグを言い合うのですが、
これを「卵」でやられると全然笑えません。もっとも、これに関しては字幕版でもスベっているけれど。
 
何よりも、吹替版はなぜかちっとも切なくないのです。
字幕版では泣いた猫のシーンも吹替版では泣けず。
テンポも吹替版より字幕版のほうが良いように感じます。
 
ただ、どちらを観ても、近親者を亡くした経験のある人ならところどころ響きそう。
泣くところまでは行かずとも、猫にはしんみりするはずです。
そして、「幽霊のウィンク」は信じたい。
 
字幕を読むのが大変だという人以外は、断然字幕版がオススメです。

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『ホーンテッドマンション』〈字幕版〉

『ホーンテッドマンション』(原題:Haunted Mansion)
監督:ジャスティン・シミエン
出演:ラキース・スタンフィールド,ティファニー・ハディッシュ,オーウェン・ウィルソン,ダニー・デヴィート,
   ロザリオ・ドーソン,チェイス・W・ディロン,ジェイミー・リー・カーティス,ジャレッド・レトー他
 
前週『こんにちは、母さん』を観ようと劇場へ向かっていたところ、うんと年下の友人から呼び止められました。
彼女は息子ふたりを連れて本作の吹替版を観るとのこと、私は来週観るわと言って別れたのでした。
その夜、睡魔と戦うのが大変だったとの報告が彼女からあり、そうなのかぁと残念に思っていました。
で、テンション下がり目だったけど、私に「観ない」という選択肢はないから、後日イオンシネマ茨木へ。
もともと洋画は字幕で観る派だから、当然字幕版を鑑賞しました。
 
ディズニーランド人気アトラクションを実写映画化した作品。楽しいじゃあないか。
 
シングルマザー女医ギャビーは、ひとり息子のトラヴィスを連れてニューオーリンズの外れに引っ越し。
古めかしく豪奢な屋敷で心機一転を図るつもりだったが、ここには絶対に何かがいる。
到着してからものの数分と経たないうちに怪現象に見舞われ、すぐに逃げだす。
 
一方、優秀な宇宙物理学者だったベンは、最愛の女性を亡くした後、
彼女に再会したい一心で「幽霊を写すことができるカメラ」を発明、完成させるが、
学会で発表したところ笑いものにされ、以降ずっとふさぎ込んでいる。
 
ある日、神父だという男性ケントがベンを訪ねてきて、「ヒーローにならないか」とのたまう。
どこで知ったのか、ベンが発明したカメラのことを知っているらしく、
ニューオーリンズの屋敷に出没する亡霊を撮影しに行ってほしいと言う。
即座に断わろうとするベンだったが、報酬に惹かれてつい引き受ける。
 
ニューオーリンズの屋敷には、ギャビーとトラヴィス親子がいた。
壊れて使えないカメラを使えるふりをして報酬を受け取ったベンは、亡霊などいないと言ってとっとと帰る。
ところが帰宅すると様子がおかしい。どうやらあの屋敷から何かがついてきたらしい。
どうにもならなくて致し方なく屋敷に戻ると、ギャビーとトラヴィスが「やっぱり戻ってきた」と呆れ顔。
 
そこへケントも現れる。
そう、ギャビーとトラヴィス、ケントの3人は皆、ベン同様に、逃げ出した先まで亡霊についてこられて、
この屋敷へと戻ってきたのだ。ケントに騙されたと怒るベンだったが、時すでに遅し。
 
こうして怪現象の謎を解いて祓う決心をした彼ら。
助っ人として、料金が格安の割には出来ると噂の霊媒師ハリエットを呼び、
幽霊屋敷に詳しい歴史学の教授ブルースにも話を聴くのだが……。
 
すごく楽しかったです。
 
心に傷を負った母子が大きなお屋敷に引っ越してきて恐ろしい目に遭う。
しかし『ヴァチカンのエクソシスト』と違うのは、子どもが「おかしい」と言うのを大人がすぐに信じて、
みんな怖い目に遭うところ(笑)。最初から笑ったなぁ。
 
キャストが楽しいですね。
ベン役のラキース・スタンフィールドはほとんど初めましての役者さんですが、
大好きだった妻を亡くした彼の表情が切ない。
ギャビー役のロザリオ・ドーソンが逞しく明るい母親で最高。
その息子トラヴィス役のチェイス・W・ディロンの屋敷到着後すぐの台詞“Not today.”は
『トップガン マーヴェリック』の同じ台詞を思い出してふきました。
 
神父にはオーウェン・ウィルソン、歴史学者にはダニー・デヴィートでもう鉄板。
水晶の中に閉じ込められている霊媒師役にはジェイミー・リー・カーティス
ラスボスは本当の顔がわからないジャレッド・レトー(笑)。似顔絵のシーンにバカウケ。
ラスボスがかつて住んでいた屋敷のツアーガイド役でウィノナ・ライダーが出演しているのに驚いた。
 
ラスボスを倒すためにほかの幽霊まで味方につけちゃう。
笑って、最後はちょっぴり泣きました。これもやっぱり、気持ちの整理のつけ方
たぶん吹替版より字幕版のほうがずっといいのではないかと思います。
 
ところで、テイタートッツ、ご存じでしたか。私は知りませんでした。
ハインツの子会社オレアイダの商品で、すりおろしたジャガイモを揚げたものなのだそうです。
冷凍のフライドポテトを作るさいに出るジャガイモの切れ端を有効活用できないものかと、
オレアイダの創設者が思いついて1950年代に商品化したとのこと。
この時代にすでに食品ロスを考えた結果に生まれた商品があったのですね。

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『オオカミの家』

『オオカミの家』(原題:La Casa Lobo)
監督:クリストバル・レオン,ホアキン・コシーニャ
声の出演:アマリア・カッサイ,ライナー・クラウゼ他
 
シネ・リーブル梅田にて、前述の『福田村事件』の次に。
 
『福田村事件』は満席でした。それには及びませんが、これも9割の入り。
チリ出身のアーティスト・コンビ、クリストバル・レオンとホアキン・コシーニャによる初の長編作品で、
なんじゃこれは!?とおののいてしまうストップモーションアニメです。
 
どうやって撮影したのだろうと思っていたら、各地の美術館やギャラリーに実物大のセットを組み、
等身大の人形や小道具を使用したというではないですか。いや〜、もう、変、変、変。
 
ある女性がコロニーから脱走してきたという設定なのですが、
このコロニーはピノチェト軍事政権下に実在した“コロニア・ディグニダ”をモチーフにしているという。
独裁者アウグスト・ピノチェトについては後日調べたいと思います。
 
そんな恐ろしげなコロニーから脱走した少女マリアは、森の中の一軒家に逃げ込みます。
人の気配はなく、家にいたのは2匹の子豚。
オスの子豚にペドロ、メスの子豚にアナと名づけて可愛がりますが、
この先、訳がわからなくて睡魔に襲われてしまいました。(^^;
 
子豚たちはいつのまにか人間の姿になり、その変わりゆくさまがグロテスクすぎる。
マリアが体験する数々の悪夢。そして最後はどうなっちゃったのよ、マリア〜。
 
「マリ〜ア〜」と呼ぶオッサンの声も怖くて、私も悪夢にうなされそう。
難解でまったく意味不明だけど、この映像はちょっと見てほしい。
口ではどうにも説明できないほど不気味で、このアーティストコンビの頭の中がどうなっているのかと思う。
凄いセンスです。凡人でないことは確か。
『ミッドサマー』(2019)のアリ・アスター監督絶賛という触れ込みに大納得。
 
何なんこれ!?と話せる相手がほしいので、誰か観に行ってください(笑)。

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『福田村事件』

『福田村事件』
監督:森達也
出演:井浦新,田中麗奈,永山瑛太,東出昌大,コムアイ,木竜麻生,松浦祐也,向里祐香,
   杉田雷麟,カトウシンスケ,ピエール瀧,水道橋博士,豊原功補,柄本明他
 
シネ・リーブル梅田にて。
同日、森達也監督があちこち飛び回って舞台挨拶に臨んでいらっしゃった模様。
第七藝術劇場の舞台挨拶付きの回は早々とチケット完売し、
シネ・リーブル梅田でも同じく舞台挨拶付きの回は完売していました。
私は北新地でひとりランチした後に、通常上映の回を前日に予約して鑑賞しましたが、
こちらも入場時には満席になっていました。いやはや、凄い話題作になっています。
 
森監督といえば、オウム真理教関連の『A』(1998)、『A2』(2001)、
東京新聞社会部記者の望月衣塑子さんを追った『i 新聞記者ドキュメント』(2019)など、
これまでは社会派のドキュメンタリー作品を撮ってこられた方。
本作は実在の事件を基にはしていますが、同監督初の劇映画なのだそうです。
 
1923(大正12)年、千葉県東葛飾郡福田村(現・野田市)。
日本統治下の京城に教師として赴任していた澤田智一(井浦新)は、
妻の静子(田中麗奈)と共に郷里であるこの村に戻ってくる。
 
同時期、四国から関東に向けて出発したのが沼部新助(永山瑛太)ら15人。
彼らは、薬売りの行商の旅に出て、やがて福田村に到着する。
 
9月1日、関東大震災に見舞われると、村にさまざまな流言飛語が飛び交う。
「朝鮮人が襲ってくる」などという噂を聞いた村人たちは、自警団を結成して一帯を警戒。
そこを折悪く通りかかった新助らのことを朝鮮人ではないかと疑うと、
村人を落ち着かせようとする村長の田向龍一(豊原功補)や船頭の田中倉蔵(東出昌大)を振り払う。
村人たちは15人を取り囲むと斬りつけたり撃ったり、皆殺しにしようとして……。
 
おぞましいです。
事実が忠実に再現されているのだとしたら、まともな思考回路を持っていた人もいるにはいる。
けれども、疑念に囚われて暴徒と化した人々には何を言っても無駄。
子どもや妊婦まで躊躇することなく殺してしまうとは、どうなっているのか。
 
新助らはもともと被差別部落の出身で、その日暮らすのも稼ぎがなければ無理だから、
富山の薬売りのように後から薬代を回収する商売の仕方では生きていけません。
生まれたときから差別を受けて、行商先では朝鮮人と疑われて殺されて。
しかし、「この人たちが本当に日本人だったらどうするんだ」という声に対して、
「朝鮮人だったら殺してもいいのか」と叫ぶ新助の声に、その通りだよ、そもそもおかしいよと思う。
 
この事実は村の秘密として長らく隠されていたそうで、50年以上経ってようやく調査が始められたとのこと。
そして昨年、犠牲者の追悼式がおこなわれ、100年経った今、本作がつくられました。
 
なかったことにはできません。知っておかなければいけない事実。

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