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『ドラキュラ/デメテル号最期の航海』

『ドラキュラ/デメテル号最期の航海』(原題:The Last Voyage of the Demeter)
監督:アンドレ・ウーヴレダル
出演:コーリー・ホーキンズ,アシュリン・フランチオージ,リーアム・カニンガム,デヴィッド・ダストマルチャン,
   ハビエル・ボテット,ウディ・ノーマン,ジョン・ジョン・ブリオネス,ステファン・カピチッチ,ニコライ・ニコラエフ他
 
上映劇場も上映回数も少ないのでスルー予定でしたが、
先日観て気に入った『ヒンターラント』の監督が脚本を担当しているという。見逃すわけにはいきません。
しかしこれもオーストリア作品と思いきや、アメリカ作品じゃあないか。
動楽亭に落語を聴きに行く前に、TOHOシネマズなんば別館にて。
 
アイルランド出身の作家ブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』が刊行されたのは1897年のこと。
以降120年以上経つ今まで何度も話題になり、映像化されたり舞台化されたりも。
吸血鬼の話で私の印象に残っているのは池田理代子ベルサイユのばら外伝「黒衣の伯爵夫人」ですかね。
 
余談ですが、ドラキュラの出身地はルーマニアとされているにもかかわらず、
ルーマニアで『吸血鬼ドラキュラ』が出版されたのは1990年になってからだそうです。それまで発禁書だったとのこと。
 
1897年、英国船籍のデメテル号がブルガリアのヴァルナへと入港する。
ルーマニアのトランシルヴァニアから運ばれてきた荷物を積んでロンドンへと届ける予定で、
デメテル号の一等航海士ヴォイチェクが船員となる者を探しているところ。
 
ケンブリッジ大学医学天文学を学んだ黒人男性クレメンスが挙手するが、
いくら賢くても体力のない奴はお呼びでないとヴォイチェクは却下。
いかにも力のありそうな男たちが選ばれ、デメテル号に乗り込もうとする。
 
ところがそのうちのひとりが積荷である木箱のドラゴンのマークを見て突然態度を変える。
こんな不吉な荷物を積むことはできない、呪われた船だと言って走り去ってしまう。
放たれた木箱の下敷きになりそうだった少年トビーをクレメンスが助け、
それが船長エリオットの孫だったものだから、ヴォイチェクは渋々クレメンスを船員として採用する。
船はロンドンに向けて出航。
 
その夜、ひとつの木箱から物音がするのを聞いてクレメンスが開けてみたところ、
何かの感染症に罹っているのか、意識朦朧としている女性アナが入り込んでいた。
女が船にいると良くないことが起こると反対する船員もいるなか、
海に放り出すわけにはいかないとクレメンスは懸命に看病する。
 
そんななか、船内ではおかしなことが起こりはじめる。
まずはトビーの愛犬と家畜たちが惨殺され、いずれも首に噛み痕がある。
およそ人間の仕業とは思えず、魔物がいるのかと皆が怯えるうち、ひとりまたひとりと船員が殺されて……。
 
「ドラキュラ伯爵」ですからね。イメージとしては伯爵然としていたのに、そのイメージがぶっ飛びます。
本作のドラキュラは、最近観た作品の中ではブギーマンかなぁ。
いやぁ、邪悪なエイリアンっぽいから、プレデターとかのほうが近いかな。
あ、どれも容姿を覚えていないのに、すごく適当なことを書きました。ごめんなさい。(^^;
とにかく、愛嬌のかけらもない、キモい奴です。
 
アメリカ作品ゆえなのかと思ったのは、登場人物の人種。
別に全員白人でもよかったんじゃないかと思うのですけれど、
クレメンスが「ケンブリッジ出身で初めての黒人医師なのに、就職がなかった」と黒人の境遇を語ったり、
料理担当の船員がアジア系だったりして、いわゆる「忖度」が感じられてしまうのです。
これをもし『ヒンターラント』のステファン・ルツォヴィツキー監督が撮っていたら、
こういうキャスティングにはならなかったのではないかと。
 
というふうに、なんだか釈然としない部分もありますが、本作の雰囲気はとても好き。
続編もありそうなエンディングだけど、客は入りますかね。

—–

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』(原題:John Wick: Chapter 4)
監督:チャド・スタエルスキ
出演:キアヌ・リーヴス,ドニー・イェン,ビル・スカルスガルド,ローレンス・フィッシュバーン,
   真田広之,シャミア・アンダーソン,リナ・サワヤマ,スコット・アドキンス,イアン・マクシェーン他
 
大腸がんが肝転移しているというのに、驚異的な回復力を見せた母は1週間で退院。
デイサービスやら近所でおこなわれるなんたらサロンにも出席して元気に過ごしておりましたが、
病み上がりだというのにあまりに普通に過ごしたのがよくなかったのか、先週金曜日にまた発熱。
「大丈夫~」と能天気に言う母を慌ててかかりつけのクリニックに連れて行ったら、
39度近くまで熱が上がっているではないですか。すわインフルエンザかと思いきや、コロナもインフルも陰性。
しかしこんな高熱ではひとりにするわけにもいかないと泊まる覚悟でいたら、
1時間後にポソっと起きてきた母が「熱下がったと思う」。マジで37度4分まで下がってた(笑)。
本当に大丈夫そうだったので、私は帰りました。翌朝も「おはよう」の元気な声。
ほなら出かけても大丈夫やなと、日中は連絡がつくようにしておいて、晩にTOHOシネマズ梅田へ。
 
“ジョン・ウィック”シリーズの第4弾。
当然第3弾まですべて劇場で観ていますけれども、話の細部まで覚えているわけではない。
キアヌ・リーヴス演じるジョン・ウィックは、愛犬を殺されて怒りに燃える無敵の殺し屋
ニューヨークのコンチネンタルホテルだけは殺し合いをしてはいけない場所なのに、
その掟を破った彼は賞金首となって街中の殺し屋から狙われるはめに。そんな感じで合ってます?
 
地下に身を潜めていた彼がこの第4弾で主席連合から自由になるために動き出します。
と書いたものの、主席連合って何なのか覚えてないんですけどね(笑)。
 
主席連合の首長を見つけ出して殺害したジョンは、それで終わりのつもり。しかし、終わりになりません。当たり前。
首長亡き後、新たに主席連合の権力者となったグラモン侯爵は、ジョンを守ってきたコンチネンタルホテルを爆破。
ホテル支配人とあの素敵なコンシェルジュのシャロンを呼び出すと、見せしめにシャロンを殺してしまうのです。
 
ホテル支配人としての全権を剥奪されたウィンストンは、ジョンが自由になる唯一の手段を思いつく。
それはグラモン侯爵に1対1の決闘を申し込むこと。
ルールに則り、その結果に誰も異議を申し立てることはできない決闘で勝てばジョンは自由の身。
それに、主席連合の負担でコンチネンタルホテルを立て替えてウィンストンの全権を取り戻せます。
 
決闘の約束を取り付けたジョンでしたが、卑怯者のグラモンが何もしないわけがない。
グラモンはジョンの決闘相手としてジョンの旧知の友人である殺し屋ケインを代理に立てたばかりか、
ジョンが決闘の場所へたどり着けないように画策をするのでした。
 
序盤の見どころは、なんといっても真田広之
ジョンの数少ない友人のうちのひとりで、大阪のコンチネンタルホテルの支配人役。
ホテルのたたずまいはどこが日本やねん、大阪やねんと思ってしまうものですが、
真田広之はすっかりハリウッドスターですね。
トム・クルーズといい、真田広之といい、タッパがなくても周りに見劣りしない。
 
真田広之演じるコウジが死んでしまった後は、ケイン役のドニー・イェンの出番。
盲目の殺し屋なのに、すんごい強さ。
そして、賞金狙いでジョンを追う殺し屋ミスター・ノーバディことトラッカー役のシャミア・アンダーソンも○。
まぁ、彼が犬を連れている時点で、この犬はジョンに助けられるのが見え見えですけれども。
凄腕の殺し屋でありながら、卑怯な真似はしないケインとトラッカー。こうあってほしい。
 
約3時間の長尺ですが、ほぼずっと殺し合っています(笑)。
カーチェイスと殺し合いのシーン以外、何かありましたっけ。
それでも面白かった。
 
クールで素晴らしいコンシェルジュ役のランス・レディックの姿はもう見られないのが残念。
あの世のフロントに立って客の要望を聞き入れてくれそう。ご冥福をお祈りします。

—–

『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』

『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』
監督:酒井麻衣
出演:白岩瑠姫,久間田琳加,箭内夢菜,吉田ウーロン太,今井隆文,上杉柊平,鶴田真由他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて、前述の『アリスとテレスのまぼろし工場』の次に。
 
そんなにヒットしていないのだと思っていたら、若い女性や母子連れがいっぱいでビックリ。
誰目当てなのかしら。白岩瑠姫も久間田琳加も私は知らんねんけど。
てか、どっちがどっちの名前なのかもわからず。前者が男性、後者が女性のお名前なのね。
で、前者はJO1のメンバーだと。JO1もわからなくてすみません。
「しろいわるき」くんに「くまだりんか」ちゃんね。たぶんちゃんと覚えたで!
 
もともとはケータイ小説として公開され、のちに書籍化された汐見夏衛の同名ベストセラー。
監督は『劇場版 美しい彼 eternal』の酒井麻衣です。
 
高校生の茜(久間田琳加)は4人家族。
ずいぶん前に茜の実父と離婚した母・恵子(鶴田真由)は料理人の丹羽隆(吉田ウーロン太)と再婚。
恵子と隆の間には玲奈(佐藤恋和)が生まれ、つまり茜の異父妹となる。
隆はいつか茜に「お父さん」と呼んでもらえる日を心待ちにしているものの、無理強いはしない。
いつも優しくて茜の味方。そんな隆に感謝しつつも、まだ心を開くことはできない茜。
 
両親の離婚のこともあって、幼少時から周囲に気を遣って生きてきた茜は、
心の内を見られるのが怖くてマスクを手放せない。
高校では優等生で通り、学級委員を務めるなどみんなから信頼される存在で、
本当の自分とのギャップに思い悩んでいる。
 
そんななかにあって、茜が気になっているのは同級生の深川青磁(白岩瑠姫)。
青磁は銀髪イケメンの美術部員で、異性からも同性からもモテる学校一の人気者
彼にだけは自分のことを見透かされているような気がしていたら、
面と向かって「おまえは自分を隠している。作り笑いばっかり。大嫌い」と言われてしまう。
 
しかし通学途中にマスクを忘れたことに気づいてパニックになっていたとき、
青磁に助けられた茜は、彼の前でだけはマスクなしでいられるように。
次第にふたりの距離も縮まっていくのだが……。
学芸会かよと思いながら冷めた目で観ていました。
こんなだったかなぁ高校生の頃。いやいやいや、こんなんこっちが恥ずかしいわなどと思い。
ところが最後に結局泣かされているではありませんか、私。
 
このうえなくありきたりな話だと思っていたら、最後の展開が予想外。
さらには初めて「お父さん」と呼ぶシーンは私がお父さんの心境に陥ってしまった(笑)。
 
めっちゃよかったわけじゃない。でも思っていたよりはよかった。
JO1ファンの女子小中高生もお母さんも楽しめるんじゃないですかね。
 
美術教師役の上杉柊平がちょっとイイ。
でも先生は生徒のプライバシーについて口が軽すぎじゃないでしょか。(^^;

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『アリスとテレスのまぼろし工場』

『アリスとテレスのまぼろし工場』
監督:岡田麿里
声の出演:榎木淳弥,上田麗奈,久野美咲,八代拓,畠中祐,小林大紀,
     齋藤彩夏,河瀬茉希,藤井ゆきよ,佐藤せつじ,林遣都,瀬戸康史他
 
運転免許更新のために休みを取った日、警察署→クリーニング店→父が入居する老健へ。
ケアマネさんと雑談後、父の薬代を薬局へ払いに行く。
この時点でふと時計を見ると正午少し前。
わぉ、晩に甲子園で贅沢な消化試合を観る前に映画2本観られるやん♪
109シネマズ大阪エキスポシティへ走ったら、ちょうど本編が始まるところでした。
 
人気脚本家の岡田麿里が手がけた監督第2作となる長編アニメーション。
観はじめたときは難解な話なのかと思いましたが、意外とそうでもありませんでした。
『君たちはどう生きるか』よりずっとわかりやすくて私は好きですね。
とはいうものの、タイトルが「アリスとテレス」である意味はまったくわからない。
アリストテレスにちなんでいるとして、アリストテレスって何をした人でしたっけ。(^^;
 
菊入正宗は企業城下町の見伏町に暮らす14歳の中学生。
あるとき、この町の製鉄所で爆発事故が起きた瞬間に町が孤立し、住民は閉じ込められてしまう。
どこに行くこともできず、どこからも誰も入って来られなくなった町。
住民はいつか元に戻れると信じ、元に戻ったときに困らないようにと、変化することを禁じる。
何も変化のない町で、退屈ながらも平穏な日々が続く。
 
そんな折、正宗が嫌っている同級生の佐上睦実に声をかけられ、製鉄所の立入禁止エリアに誘われる。
そこには、睦実にどこか似ている少女が周囲の目から隠されるように生活していた。
少女は言葉もろくに話せず、手足をついて飛び回る、まるで野生の狼のよう。
睦実がずっと世話をしてきたらしく、正宗に交代で少女の様子を見てほしいと言われ……。
 
爆発事故の後、町はガラスで包まれたかのようになっていました。
事故が起きるまではただの変人と思われていた男(=睦実の継父)が託宣を受けたかのようにふるまい、
何もわからない住民たちは男に従うしかありません。
 
実はこの町は事故のさいに幻の町になり、人々はもはや生きていない。
毎日変化がないのは生きていないから。
痛みを感じず、成長もしないのに、みんなその事実に気づかないふりをしています。
現実の世界から幻の世界に入り込んだ少女を神とみなし、
彼女がいればずっと幻の世界でみんな幸せに生きて行けると説く男。
 
少女が出て行けば幻の世界は終わるかもしれない。
けれど、現実の世界で少女を探し続けている親がいると知った正宗と睦実は、
少女をなんとしでても現実の世界に送り届けようとします。
 
というストーリーだったと思うのですが、一度で全部わかった自信はありません。
 
本作にも「大嫌い!」という台詞が登場します。
あっちの「大嫌い!」は胸に響かなかったけど、これは結構切なかった。
 
歳を取ることなく、悲しんだり思い悩んだりしなければずっと生きていられる世界。
でもそれは生きているわけじゃなく死んでいる。
現実と幻、どちらの世界に居続けるのがいいのかなぁ。

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『ヒンターラント』

『ヒンターラント』(原題:Hinterland)
監督:ステファン・ルツォヴィツキー
出演:ムラタン・ムスル,リヴ・リサ・フリース,マックス・フォン・デル・グローベン,マルク・リンパッハ,
   マルガレーテ・ティーゼル,アーロン・フリース,スタイプ・エルツェッグ,マティアス・シュヴァイクホファー他
 
せっかく仕事帰りにシネ・リーブル梅田までやってきたので、2本観て帰る。
前述の『悪魔の追跡』の後にこれを。
 
オーストリア/ルクセンブルク作品。
監督はウィーン出身のステファン・ルツォヴィツキー。
チラシを見たときに、これは絶対私の好きそうなやつだと思いました。大当たり。
 
捕虜となって収容所生活を強いられていたペーター・ペルクは、ようやく解放されてほかの兵士と共に帰郷。
しかし、敗戦国となった故郷は変わり果て、祖国のために戦った兵士にも人々の目は冷たい。
居場所を亡くした彼らは救貧院に身を寄せるしかないが、そこももちろん劣悪な環境。
 
持ち家のあるペーターは、兵士たちと別れるさいに困ったときは訪ねてくるようにと告げ、
妻子が待つはずの自宅へと向かうが、待っていたのは口うるさい家政婦のみ。
数年間に渡って夫の帰国を待ち続けていた妻は、あきらめて実家に帰ったらしい。
 
そんななか、帰還兵を狙ったとおぼしき猟奇殺人事件が発生。
戦地に赴く前は優秀な刑事だったペーターは、捜査に協力することになるのだが……。
 
戦争になんか行かずに警察に留まっていれば、家族とずっと一緒にいることもできたのに。
警察の元同僚ヴィクトア・レンナーはペーターのいない間にしっかり出世。
しかもペーターの妻に懸想していたヴィクトアは、妻子の面倒を見て妻を寝取ることにも成功しています。
 
皆が祖国のために戦ったはずなのに、誰も感謝してくれない。
それどころかアカ扱いされてどこへ行っても侮蔑の言葉を投げかけられます。
ヴィクトアの部下のパウル・セヴェリンも最初はペーターを信じない。
しかし、ペーターが法医学博士テレーザ・ケルナーの命の恩人であることを知り、見る目を変えます。
 
1918年が舞台となっているから歴史物のはずなのですが、
「全編ブルーバックで撮影された絵画的背景」というものらしくてすごくユニーク。
私はロシア作品の『アンチグラビティ』(2019)を思い出しました。
かなりダークなファンタジー作品で、映像に魅入られます。
 
真相は衝撃的。
捕虜収容所で脱走を企てる者がいたときに連帯責任に問われる話が恐ろしい。
1人でも脱走しようとすれば、どれだけの人数が処刑されることか。
ペーターとパウルの抱擁が切なすぎて、胸が痛くなりました。
 
ルツォヴィツキー監督のことをこれまで知らなかったので、まだお若い人なのかと思っていたら還暦過ぎ。
あとどれくらいの作品を撮られるのかわかりませんが、注目したいと思います。

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