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『キリエのうた』

『キリエのうた』
監督:岩井俊二
出演:アイナ・ジ・エンド,松村北斗,黒木華,広瀬すず,村上虹郎,松浦祐也,笠原秀幸,
   矢山花,江口洋介,吉瀬美智子,樋口真嗣,奥菜恵,浅田美代子,北村有起哉他
 
これを観ておけば前週末までにシネコンで公開になった作品は制覇だから、
心置きなく翌日からクライマックスシリーズに没頭することができます。
前述の『ゆとりですがなにか インターナショナル』の後、同じくイオンシネマ茨木にて。
 
監督は岩井俊二、音楽は小林武史、主演がアイナ・ジ・エンド。
知らないにもほどがあると思うのですが、私は本作の予告編で初めてアイナ・ジ・エンドを知りました。
すごい売れっ子なんですね。知らなくてごめんなさい。
 
2011年の大阪。
ザリガニ釣りにいそしんでいた少年たちは、見かけない少女(矢山花)がいることに気づく。
一緒にザリガニを釣るかと誘ったところ、少女はうなずくが何もしゃべらない。
以後、少女と数回遊ぶも、ひと言も口をきかない少女を少年たちは「イワン」と呼ぶ。
少年たちからその話を聞いた小学校教師・寺石風美(黒木華)は少女のことが気になりはじめる。
 
2023年の東京。
小塚路花(るか)(アイナ・ジ・エンド)は「キリエ」と名乗る路上ミュージシャン
通りかかった一条逸子(広瀬すず)はキリエに「何か歌ってよ」とリクエスト。
しゃべるときには声を発することができないキリエを食事に誘い、自分の部屋に泊まらせる。
 
2018年の帯広。
2023年の逸子は最初から気づいていたが、キリエは高校生だった頃に親しかった相手。
逸子は当時真緒里、キリエは路花。
路花は、真緒里の家庭教師だった潮見夏彦(松村北斗)の妹だということで、
夏彦から友だちになってやってほしいと真緒里は言われ、路花と過ごすようになったのだ。
 
イワンがその後の路花で、キリエというのは路花の姉の名前。
アイナ・ジ・エンドが一人二役で姉妹を演じています。
 
夏彦が高校生の頃に交際していたのが、石巻に一家で在住していた希(きりえ)。
希が一方的に想いを寄せていた夏彦にアプローチをかけ、やがて希は妊娠。
戸惑う夏彦は父親になる決意をしつつも大阪の大学へ行くことを選びます。
不安な思いを隠しながら希が夏彦と電話で話していた折、東北を襲うあの地震
 
思いっきりネタバレになりますが、
母親や姉と離ればなれになった路花は、ひとりでトラックに潜り込んで大阪へ。
大阪行きを選んだのは、姉・希のフィアンセが大阪にいると聞いていたから。
頼るあてもないのに知らない土地へ来て、そこで気にかけてくれたのが風美でした。
路花との筆談で夏彦の存在を知った風美がSNSで探す様子はイマ風。
 
地震のシーンは凄まじく、被災者にはきついかもしれません。
被災していない私がそう思うだけで、実際はもっと凄いものだったかもしれませんね。
ここからたったひとりで大阪へとやってきた路花のことを思うと涙が出る。
 
ただ、私はこのたび初めて聴いたアイナ・ジ・エンドの声は苦手です。
面白い声と歌い方で、声量もかなりのものだから、人気があるのはわかる。
でも、低音から高音に移ったときの声に耳をつんざかれるようで、
そのせいで声に気をとられて歌詞がまったく私には入ってきません。
予告編を観たときから苦手かもと思っていたのは当たりでした。
たぶん私の耳のほうがおかしいのですけれど。(^^;
 
広瀬すずが結婚詐欺師というのもなんだか違和感あり。
彼女に騙されていると知った男性・波田目新平を松浦祐也が演じているのですが、
彼の場合、『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』では連続殺人鬼役だったり、
『福田村事件』で率先して暴挙に出る男性役だったりで、
ちょっと気味の悪いイメージが残りすぎているせいで、本作でも怖かった。
自然体でよかったのはプロデューサー役の北村有起哉でしょうか。
 
岩井監督の人脈なのか、名だたるミュージシャンが大勢出演。
七尾旅人、大塚愛安藤裕子水越けいこ、米米CLUBの石井竜也、ムーンライダーズの鈴木慶一など。
樋口真嗣監督まで出演しているとはなかなかの驚き。
真緒里の母親を演じる奥菜恵のやさぐれっぷりにはもっと驚きました。
やさぐれていても綺麗は綺麗。こんなママさんのいるスナックには通いたくなるよなぁ。
 
と、本筋とは関係のないところで「ほうっ」と思った作品でした。
それにしたって178分は長いよ。予告編を入れたら190分。勘弁して。

—–

『ゆとりですがなにか インターナショナル』

『ゆとりですがなにか インターナショナル』
監督:水田伸生
出演:岡田将生,松坂桃李,柳楽優弥,安藤サクラ,仲野太賀,吉岡里帆,島崎遥香,手塚とおる,高橋洋,青木さやか,
   佐津川愛美,矢本悠馬,加藤諒,厚切りジェイソン,木南晴夏,上白石萌歌,吉原光夫,中田喜子,吉田鋼太郎他
 
クライマックスシリーズが始まったらしばらくは映画を観に行っている場合じゃないから
その前日の仕事帰りにイオンシネマ茨木にて2本ハシゴ。
 
封切り前に劇場で流れていた予告編を観るまでは、こんなTVドラマがあったことすら知りませんでした。
脚本が宮藤官九郎で、監督は水田伸生なんですね。面白そうじゃあないか。
 
ゆとり教育を受けて「ゆとり世代」と揶揄されがちな若者たちも今は30代半ば。
 
東京の郊外で造り酒屋を営む坂間家の次男・坂間正和(岡田将生)は、
食品メーカーが経営する居酒屋のカリスマ店員だった茜(安藤サクラ)と結婚し、
可愛い娘ふたりに恵まれたが、茜の尻に敷かれっぱなし。
 
小学校教師の山路一豊(松坂桃李)は童貞のまま三十路に。
かつて教育実習生だった佐倉悦子(吉岡里帆)に振り回された過去がある。
女性と関係を持ちたいのになかなかそれができず、せっかく女性と会う機会ができたというのに、
フリーカウンセラーの麻生巌(吉田鋼太郎)をリモートで同席させてドン引きされる始末。
 
中華料理のようで日本発祥のエビチリで大儲けすべく中国へと渡った道上まりぶ(柳楽優弥)。
一旦はその目論見が成功したものの、中国人にすぐにパクられてどうしようもなくなる。
致し方なく坂間酒造で雇ってもらおうと帰国。
 
TVドラマ版を一度も観たことがないので、わからない点がいろいろありますが、
こんな感じの3人をメインに物語は進行します。
 
正和が勤めていた食品メーカーでは、坂間酒造の酒を居酒屋に卸す独占契約を結んでいたのに、
会社が中国だか韓国だかの企業に買収され、そのトップに就任したチェ・シネ(木南晴夏)の意向で、
契約は継続されないことになってしまう。
大慌ての坂間酒造にシネが突きつけた条件は、ノンアルの日本酒を開発すること。
そんなのはありえねぇと杜氏の服部(吉原光夫)は憤りますが、やってやれないことはない。
 
木南晴夏が韓国語に堪能なのは有名ですが、本当に話しているのを見たのは初めてかも。
マジで堪能。って、私は韓国語がまったくわからないから、これが流暢なのかどうかもわかりませんが。(^^;
 
クドカンの脚本に楽しいキャストでさぞかし面白い作品に仕上がっているのだろうと思いましたが、
これがなかなか笑えないのですよねぇ。ふきだしかけたのはただの一度きり。
中田喜子演じる坂間酒造の女将が仏壇に向かって「私は毎日あの世とリモートよ」と言ったシーンだけ。
 
TVドラマ版を観たことがなくても楽しめる劇場版はあるけれど、
これは最近観たその手の作品の中でいちばん「TVドラマ版を観てからのほうがよかった」と思う劇場版です。
ま、睡魔には襲われることなく最後までは観ました。

—–

『シアター・キャンプ』

『シアター・キャンプ』(原題:Theater Camp)
監督:モリー・ゴードン,ニック・リーバーマン
出演:ノア・ガルヴィン,モリー・ゴードン,ベン・プラット,ジミー・タトロ,パティ・ハリソン,アヨ・エデビリ,
   ネイサン・リー・グレアム,オーウェン・ティール,キャロライン・アーロン,エイミー・セダリス他
 
10月半ばまで京都・永観堂禅林寺にて法然上人立教開宗850年記念イベントの夜間拝観がおこなわれていました。
それに行く前に京都シネマで映画を1本。
京都の劇場にはなかなか足が向かないので、メンバーズカードも更新しないまま。
今回は第七藝術劇場の提携割引を使い、200円だけ安くしてもらう。
 
ドキュメンタリー風であることは鑑賞前に聞いていました。
それでも冒頭のシーンを観たときには、これは本当にフィクションなのかしら、ノンフィクションではと思ったほど。
ちょっと進めばノンフィクションではないし、モキュメンタリーほどドキュメンタリー風ではないこともわかります。
でもこれ、ほぼすべて即興なんですって。凄い。とても楽しい作品。
 
ニューヨーク州北部のアディロンダック。
演劇を学ぶサマーキャンプ“シアター・キャンプ”には、ちょっと癖のある子どもたちがたくさん集まる。
教師のほうも変わり者ばかりで長らく同じ顔ぶれ。
エイモスとレベッカは特に変人だが、もう12年もの間ここで教える子どもたちの人気者。
 
まもなく今年のシアター・キャンプが始まるというとき、主催者ジョーンが倒れて昏睡状態に陥る。
シアター・キャンプを中止にしてはならないと、ジョーンの息子トロイが引き継ぐが、
トロイに演劇の知識は一切なく、子どもたちも彼のノリに違和感をおぼえてスルーする。
 
教師たちにまかせておけばいいと思うものの、想像していた以上の財政難。
経営状態は相当悪化していたらしく、隣接する豪華キャンプサイトを運営する企業から商談が持ち込まれる。
たまたまその場にいた舞台係のグレンに口止めをして、策を練るトロイ。
 
キャンプの終わりには新作ミュージカルを発表するのが恒例。
何も知らない教師や子どもたちはレッスンに励むのだが……。
 
それぞれの教師がおこなうレッスン風景は少々退屈で寝そうになりましたが、終盤はめちゃめちゃ楽しい。
どうしようもない息子に思えたトロイも悪い奴ではなくて、
なんとかシアター・キャンプを盛り上げたいと思っています。
色仕掛けで買収しようとする女のアカンことと言ったら(笑)。トロイが格好良く見えました。
 
何より素晴らしいのは子どもたちの歌声と演技。
出演者はどうやって選んだのですかね。本物のミュージカルの舞台を見てみたいほど。
 
上映終了後は京都シネマと同じCOCON烏丸に入るこちらのお店で飲んで食べる。
そして永観堂へと向かったのでした。

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『オペレーション・フォーチュン』

『オペレーション・フォーチュン』(原題:Operation Fortune: Ruse de Guerre)
監督:ガイ・リッチー
出演:ジェイソン・ステイサム,オーブリー・プラザ,ジョシュ・ハートネット,ケイリー・エルウィズ,
   バグジー・マローン,ピーター・フェルディナンド,エディ・マーサン,ヒュー・グラント他
 
リバイバル上映の『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(1998)を前週観たばかり。
ガイ・リッチー監督でジェイソン・ステイサム主演と来たら面白くないわけがない。
TOHOシネマズ梅田にて。
 
ある日、ウクライナの研究施設から“ハンドル”と呼ばれる最高機密機器が盗まれる。
ところが、この機器がいったい何をするもので、誰が何を企んで盗み出したのかが皆目わからない。
その謎を突き止めて奪還するよう命じられたのがMI6のエージェント、オーソン・フォーチュン。
 
フォーチュンの上司ネイサンが集めたチームメンバー、フォーチュンとサラとJJは、
即座にハンドルの現在地とそれがどこに運ばれるのかを調べ上げる。
すると、ハンドルがまずは武器商人グレッグ・シモンズのもとへと渡ることがわかる。
 
シモンズが豪華客船で開催する戦災孤児のためのチャリティオークションに乗り込みたいが、
フォーチュンらだけではどうにも無理。
そこでフォーチュンは、シモンズが大ファンだというハリウッドスター、ダニー・フランチェスコを利用することに。
 
ビビるダニーだが、そもそも役者なのだから演じるだけだと開き直る。
ダニーの姿を見つけたシモンズは大喜びで、ダニーの恋人のふりをするサラと、
ダニーのマネージャーのふりをするフォーチュンを別荘に招待する。
シモンズから何者かの手にハンドルが渡るのを阻止しようするフォーチュンたち。
 
というお話です。そりゃもう面白いです。
フォーチュン役にジェイソン・ステイサム、ネイサン役にケイリー・エルウィズ、
サラ役にオーブリー・プラザ、JJ役にバグジー・マローン。
それにかつてはちょっとアイドル的人気を誇ったジョシュ・ハートネットがダニー役で、楽しい。
さらには、ネイサンの上司ナイトン役がエディ・マーサンというのも楽しすぎ。
注文の多いエージェント、フォーチュンにナイトンが嫌な顔をするところなんて最高です。
 
最高なんですけど、でも、なんだかな〜。
すっかり売れっ子監督になってアホほどお金を仕えるようになったからか、
昔のピリッと小粒の楽しさはすっかり消えちゃいました。
これがガイ・リッチー監督の作品だと言われても、そうとはわからない。
莫大な費用を注ぎ込めるエンタメ専門監督なら誰でも撮れそうとまでは言わないけれど。
 
ごりごりのイギリス英語てんこ盛りで、
スケールがグッと小さいのに痛快だった『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』。
あんなのをまた観たくなっています。

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『春画先生』

『春画先生』
監督:塩田明彦
出演:内野聖陽,北香那,柄本佑,白川和子,安達祐実他
 
イオンシネマ茨木にて、公開初日のレイトショー鑑賞。
 
春画ですからね、R15+指定もまぁそうかと思いますが、
それよりもヒロイン役の北香那が堂々の脱ぎっぷりを見せ、
柄本佑との絡みのシーンもバッチリこなしています。
この子、どこで見たんだっけと思っていたら、
そうか、“バイプレイヤーズ”でアシスタントプロデューサー役だった子か。
 
塩田明彦監督にしても出演者の顔ぶれにしてもそこそこ客を呼べそうだけど、
109シネマズでもTOHOシネマズでも上映館なし。
新興宗教団体製作の作品を何回も上映するぐらいなら、こっちを上映してほしい。
 
レトロ喫茶に勤める春野弓子(北香那)は、ある地震の日、
激しく揺れる店内で微動だにしない男性客とその手元の春画の本に目を奪われる。
その男性は変人で通る“春画先生”こと芳賀一郎(内野聖陽)。
揺れが収まると、芳賀は弓子に名刺を差し出し、
春画を学びたいならば明日にでも家に来るようにと言って立ち去る。
 
まさか本当に家に行くなどということはするまい。
そう思っていた弓子だが、初めて目にした春画が頭から離れず、芳賀の家へ。
長年仕えるお手伝いの本郷絹代(白川和子)があからさまに嫌そうな顔をしているのに、
芳賀は一向に気にすることなく、弓子を芳賀家へ通わせる。
 
芳賀の指導で春画を学ぶうち、その奥深さに魅了されると共に、
芳賀自身にどうしようもなく惹かれてゆく弓子。
しかし芳賀を担当する編集者の辻村俊介(柄本佑)によれば、
芳賀は妻に先立たれてから肉欲を断ち、彼のもとを訪ねる女性を辻村が抱いているのだと言う。
その場合、辻村は必ず芳賀の了承を得ていたそうだが、
弓子に関してだけはいつもと芳賀の反応が異なり、了承はしたものの弓子だけは特別らしい。
 
弓子こそが執筆の原動力になっていると感じた辻村は、
自分と弓子の情事の声を芳賀に聞かせるという行動に出る。
最初は憤っていた弓子だが、こんな形でしか芳賀を支えられないと開き直る弓子
 
ところが、芳賀の亡き妻の双子の姉、藤村一葉(安達祐実)が現れる。
めらめらと燃え上がる嫉妬の炎を消せない弓子だったが……。
 
弓子がとても幼い気がして、こんなに欲情を掻き立てられるものだろうかと思わなくもないですが、
エロがとてもユーモラスに描かれていて、しばしば笑いました。
春画の見方も映画を通して教えてもらっているかのようで、
そうか、局部だけに目を奪われがちだけど、全体を見なければいけないのですね。
内野聖陽演じる芳賀の解説にいちいちうなずいてしまいます。
 
最後のくだりはこれでいいのかどうか、私には疑問。
芳賀に縋りついていた弓子が、彼をどう愛するべきか気づくというところ。
えーっ、結局、芳賀ってマゾなのかよとツッコミ入れたくなりました。
 
柄本佑をこういう役で見かけることが多くなりました。
相変わらず格好良いとは思えないのに、適当そうなのに善い奴、そんな役柄が似合っています。
でもあの目の覚めるようなマリンブルーのブーメランパンツ姿はご勘弁。(^^;

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