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『フライング・ジャット』

『フライング・ジャット』(英題:A Flying Jatt)
監督:レモ・デソウザ
出演:タイガー・シュロフ,ジャクリーン・フェルナンデス,アムリター・シン,カイ・カイ・メノン,
   ガウラウ・パーンデー,ネイサン・ジョーンズ,シュラッダー・カプール他
 
塚口サンサン劇場にて。
 
2016年のインド作品で、言語はヒンディー語です。
昨今のボリウッド人気に乗じて今ごろ公開することになった模様。
もっとも、すぐに公開されたなかったのは本国での評判がイマイチだったからのようです。
なんとなくそれもわかってしまうぐらい、ちょっと腑抜けの感じが強い(笑)。
 
タイトルを見たとき、最初は「フライング・ジャケット」かと思いました。
空飛ぶ絨毯ならぬ空飛ぶジャケット。
スーパーヒーローものらしいし、魔法のジャケットを着たら空を飛べるとか、って。
それは大きな間違いでした。「空飛ぶシク教徒」の意味だそうです。
 
ディロン家は母親と長男ローヒトと次男アマンの3人暮らし。
父親は癌で他界し、気丈で逞しい母親が、自らの家族のみならず近所のことも守っている。
 
次男のアマンは小学校に勤める武術教師。
亡き父親はシク教徒で初めて少林寺を修得した偉大なる人物だが、
ターバンを巻いているせいでいじめられた過去を持つアマンは、
どれだけ母親から父親のターバンを巻くように言われても拒否している。
 
大手建設会社の社長マルホトラは、自社から排出される有毒廃棄物を容易に処理しようと、
ディロン家が暮らす一帯の買収を目論んでいるが、
マルホトラの悪事を知っているディロン夫人は絶対に売ろうとしない。
そうでなくてもここは夫が遺した大事な土地であり、ほかにも善良な人々が暮らしている。
それに、御神体と崇められている大木が植わるこの土地を決して侵してはならないのだ。
 
業を煮やしたマルホトラは強硬手段に出て、傭兵ラカを雇う。
チェーンソーを携えたラカが夜中にやってきて、神木を伐ろうとするが、
たまたまそこに居合わせたアマンがラカと対決。
ラカの圧勝と思われたのに、アマンの背中が神木に触れた瞬間、
アマンは突然強くなり、ラカを遙か彼方へと吹き飛ばす。
 
不死身となったアマンには人々の苦しむ声が聞こえるようになり、
そのたびに飛んで行っては皆を救うスーパーヒーローに。
正体を明かすことはできないから、“フライング・ジャット”と名乗る。
 
一方、行方不明となっていたラカは有害廃棄物の中から奇跡の生還を果たす。
汚染物質を吸い込めば吸い込むほど力を得るラカがアマンを殺しにやってきて……。
 
序盤のアマンはあり得ないほど頼りなくて、どうしようもない奴。
タイガー・シュロフの鍛え上げられた肉体が美しいだけにその言動が情けない。
同僚の美人教師キルティに想いを寄せているのに打ち明けられず。
ところがキルティがアマンとは知らずにフライング・ジャットに首ったけ。
このキルティもどうかと思いますけどね、スーパーヒーローというだけで惚れちゃって(笑)。
 
まぁしかし、グダグダではあるものの、それなりには楽しい。
スーパーヒーローなのに高所恐怖症で低空飛行しかできないし、犬が苦手。
どんな小さな犬であろうと、吠えられるとビビります。愛嬌はあるヒーロー。
 
また、プロレスファンは喜びそうな出演者がいます。
私はプロレスに詳しくないので、これが誰なのか全然わかりませんでしたが、
ラカを演じるのはネイサン・ジョーンズというオーストラリアの元プロレスラーだとか。
彼がこのうえなくラカにピッタリで、イカツイのなんのって。
 
ダンスのシーンもそこそこあります。
それはとっても楽しくて、つまり「もっとダンスあってもええやん」と思うぐらい、本筋がイマイチでした(笑)。
でもなんでかなぁ、憎めないなぁ。

—–

『ナポレオン』

『ナポレオン』(原題:Napoleon)
監督:リドリー・スコット
出演:ホアキン・フェニックス,ヴァネッサ・カービー,タハール・ラヒム,ベン・マイルズ,リュディヴィーヌ・サニエ,
   ジョン・ホリングワース,ユーセフ・カーコア,フィル・コーンウェル,イアン・マクニース,ルパート・エヴェレット,
   ポール・リス,キャサリン・ウォーカー,マーク・ボナー,サム・クレイン他
 
『エクソシスト 信じる者』だけ観て帰るのは怖いので、本作も鑑賞。
同じく109シネマズ箕面にて。
 
85歳を過ぎてもこんな作品を撮る体力があるんですね、リドリー・スコット監督。
『グラディエーター』(2000)以来の同監督作出演となるホアキン・フェニックス主演。
面白くないわけがないという顔ぶれだけど、結論から言って、
私にとっては『グラディエーター』のほうが断然面白かったです。
でも158分飽きない作品というのは凄いかな。爆睡しているお客さんもいましたけどね。
 
フランス革命マリー・アントワネットがギロチン処刑されるシーンから始まります。
 
イタリア半島にあるフランス領コルシカ島に生まれたナポレオン・ボナパルトは、
そんなフランス革命のさなかに名を上げた軍人。
まだ20歳そこそこだった頃から活躍し、皇帝までのぼり詰めました。
 
本作では絶対にそんな若さには見えない(笑)ホアキン・フェニックスが、
特に若作りをすることも老けメイクをすることもなく、最初から最後までナポレオンを演じています。
 
マザコンの気も見え隠れして、奥手らしいナポレオンが見初めたのは、
ヴァネッサ・カービー演じる貴族出身の女性ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネ。
夫だった子爵をギロチン処刑されたあと彼女自身も投獄され、釈放後に出会ったのがナポレオン。
本作を観るかぎり、当初の彼女に貴族の品格は感じられず、自分の生活のためであれば誰とでも寝そう。
ナポレオンと一緒になるために息子を使い、見事にそれを果たしてみせます。
 
ジョゼフィーヌにぞっこんのナポレオンは、彼女が浮気していると知ると、遠征先から舞い戻る。
彼女を追い出しかけるけど、ジョゼフィーヌの悲しげな顔を見れば途端に許してしまいます。
 
ジョゼフィーヌの地位も安泰かと思いきや、ナポレオンとの間に世継ぎが生まれない。
妊娠しない理由が彼にあるのか彼女にあるのか、ナポレオンの母親が別の若い女性をあてがって確かめることにゾーッ。
 
こんな時代だったのですね。
世継ぎを埋めないのは国のためにならないから離婚すると宣誓して署名もさせられ、
なのに離婚した後も彼女をなかば幽閉して自分のものにしようとする。
 
夫婦の話に関してはまったく共感できませんが、戦闘のシーンは凄い。
本作ではトゥーロン攻囲戦、アウステルリッツの戦い、ワーテルローの戦いの場面が描かれています。
これこそリドリー・スコット監督お得意のシーンで、大画面で観る価値はある。
 
戦いの話とジョゼフィーヌの話と。ちょっととっちらかった印象があるのは否めません。
でもやっぱり凄いよ、この監督。

—–

『エクソシスト 信じる者』

『エクソシスト 信じる者』(原題:The Exorcist: Believer)
監督:デヴィッド・ゴードン・グリーン
出演:レスリー・オドム・Jr.,リディア・ジュエット,オリヴィア・オニール,ジェニファー・ネトルズ,
   ノーバート・レオ・バッツ,アン・ダウド,ラファエル・スバージ,エレン・バースティン他
 
109シネマズ箕面にて。
観に行くかどうか相当悩みました。だって怖いでしょ。
ホラーを避けずに観るようになってからまだ数年だし。
 
ウィリアム・フリードキン監督の『エクソシスト』(1973)は私が小学生のときに公開されました。
親しかった同級生が親に無理やり連れて行かれてトラウマ級の恐怖をおぼえ、
彼女はそれ以来グリーンピースが食べられなくなったという曰く付き。
なぜグリーンピースが食べられなくなったか、ご覧になった人はおわかりになりますよね(笑)。
しかし嫌がる子どもに無理やりホラー映画を見せる親ってどないやねん。(^^;
 
そんな思い出話もあるし、予告編はかなり怖そうだったし、スルーすべきでしょう。
怯えながらの鑑賞だから、スクリーンから離れた後方席で、眼鏡を外したまま
来るぞ来るぞと思ったときは眼鏡を外した目さえ薄目にして、直視を避けました。
 
さて、その本家『エクソシスト』の続編として製作された本作の監督は、デヴィッド・ゴードン・グリーン。
ホラー映画ばかり撮っていそうだから私は初めて観る監督だと思ったら、
『ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた』(2017)なんかも撮っている人じゃあないか。意外。
あらら、『選挙の勝ち方教えます』(2015)も同監督だわ。
 
本家『エクソシスト』のファンだった人がどう思うのか、ホラー映画ファンがどう思うのかは知りませんが、
どちらにも詳しくない私はじゅうぶん楽しめました。本作だけ単独で楽しむことも可能かと思います。
 
写真家のヴィクターは、妊娠中の妻ソリーンとハイチを旅行中、地震に遭う。
病院に運ばれたソリーンを診た医師は、彼女かお腹の中の子どものどちらか片方しか救えないと言う。
選択を迫られるヴィクター。
 
そのとき生まれた娘アンジェラをヴィクターが男手ひとつで育てて12年。
ある日、アンジェラが親友のキャサリンのところで宿題をすると言ったまま帰ってこない。
キャサリンの両親トニーとミランダに連絡したところ、娘たちが嘘をついて出かけたことが判明。
ふたりは森の中に入って行ったらしいが、警察が捜索するも姿が見えない。
 
3日後、50キロ離れた牧場の納屋にいるふたりが発見される。
ふたりは数時間しか経っていないという認識を持ち、どこで何をしていたのかも覚えていないと言う。
ただ、森の中を歩いていただけだと。
 
無事に保護されたものの、以降、ふたりに不可解な言動が見られるようになる。
どうやら悪魔に憑依されていると思われ、困り果てる双方の親。
 
そんなとき、ヴィクター親子の隣人で、一度は修道女を志した過去を持つアンが、
かつて娘が同じ体験をしたことがあるという女性クリス・マクニールの著書をヴィクターに見せる。
妻を喪って以来、神など信じられないヴィクターは本を読む気にもなれなかったが、
ふと開いたページの写真がまさにアンジェラと同じ症状を指していて……。
 
娘たちの人相が変わるところは恐ろしすぎてまったく見ていません。
悪魔の声に変わるだけでも怖かったけど、画面を見なけりゃ夜中に思い出すこともなくて大丈夫(笑)。
 
娘たちが森の中に入った理由は、会ったことのないアンジェラの母親ソリーン会いたかったから。
無宗教のヴィクターと違い、キャサリンの親は敬虔なクリスチャンで、
ソリーンの霊を呼び出してアンジェラと話すことが可能だと思っているわけです。
でもそこはそれほど真剣とも思えず、こっくりさんをやるような遊び感覚。
 
こういうのを観ると、ホント、ひやかし気分で交霊を試みるなんてことはしちゃいけないなぁと思います。
いたずらに触ってはいけないものは確かに存在するはず。
 
ふたりに憑いたものが何だったのかは明らかにされないし、
ふたりにそれぞれ憑いていたのか、悪魔はひとりだけだったのかどうかも不明。
ただ、これは最終的に悪魔が勝ったと見るのが良さそう。
アンジェラは助かるからハッピーエンドと取るべきかもしれないけれど、いや~、バッドエンドでしょう。
 
悪魔祓いの話としては、ユーモアもあった『ヴァチカンのエクソシスト』のほうが断然面白かったですが、
私のホラー耐性を上げるためには有効。
つい先日91歳の誕生日を迎えたエレン・バースティンの出演にも敬意を表したい。

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『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』

『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』
監督:増井壮一
声の出演:石川界人,瀬戸麻沙美,久保ユリカ,東山奈央,種崎敦美,内田真礼,水瀬いのり他
 
仕事帰りに2本ハシゴなどということを週明けから敢行するのは止めようと思い、
月曜日はイオンシネマ茨木にて1本だけ。
 
“青春ブタ野郎”シリーズを観るようになったきっかけは、TOHOシネマズの1ヶ月フリーパスポートです。
ブタ野郎って何やねんと思いながら観た『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』(2019)が
たまたま劇場版アニメの第1弾だった模様で、
なんとなく第2弾の『青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない』(2023)も観に行きました。
そして第3弾が本作。
 
こうして3本観たところで、わかっていないことはいっぱいあります。
はっきりとわかっているのは、高校生の梓川咲太はまもなく中学を卒業する妹の花楓と二人暮らし。
咲太の彼女は同じ高校のひとつ年上の先輩で、スター女優の桜島麻衣。
それぐらいしか、わかっている自信なし。
 
高校生と中学生の兄妹が二人で暮らさねばならない理由は、
花楓が思春期症候群という病に罹って記憶障害を起こしたから。で合ってますか。
しかも今回知ったのは(前から明かされていたのでしょうが)、
花楓がその病にかかったせいで、母親が精神的ダメージを受けたような。これも自信なし(笑)。
それゆえ、兄である咲太が親に代わって花楓の世話をしていたらしい。
 
入院していた母親の具合がよくなって、父親のもとへ帰ってくることに。
母親が花楓に会いたがっていると父親から連絡があり、咲太と花楓は両親が暮らす実家へと向かいます。
 
自分のせいで母親を苦しめたと思っている花楓ですが、母親と会うやそんな空気は一掃される。
それを見て嬉しく思う咲太。なのに、翌朝から咲太は誰からも認識されなくなってしまいます。
 
咲太が認識されなくなってしまう部分はよくわかりません。
その後の話によれば、これはかつて麻衣にも起こった現象なのだそうで、
誰にも認識されない咲太のことが麻衣だけには見えています。
パラレルワールドっぽいけれど、そうなのかどうか私には説明できず。
 
と、理解できていないにもかかわらず、面白いのですよねぇ、このシリーズ。
会話のテンポもいいし、ユーモアに溢れているから笑ってしまう。
そして、病室の母親を咲太が訪ねるシーンでは思わず涙。
 
惰性で観に行きはじめたシリーズのわりに、ちょっとハマっています。
次作もすでに決まっているようで、ひそかに楽しみです。

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『怪物の木こり』

『怪物の木こり』
監督:三池崇史
出演:亀梨和也,菜々緒,吉岡里帆,柚希礼音,堀部圭亮,渋川清彦,染谷将太,中村獅童他
 
先週金曜日だった公開初日、封切りが「映画の日」と重なった作品が何本か。
何か観なきゃもったいないから、実家に寄った帰り、109シネマズ箕面へ。
 
原作は第17回(2019年)の『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した倉井眉介の同名小説。
監督は若干お久しぶりの感のある三池崇史
三池監督って、『このミス』関連の作品を映画化されたことはありましたっけ。
『このミス』に食指を動かされる監督という印象はないけれど、
『悪の教典』(2012)を映画化したことを考えると、確かにこれは三池監督が好みそうな内容。
 
不穏な空気しかないエピローグは原作にかなり忠実です。
 
弁護士の二宮彰(亀梨和也)は、目的を果たすためには殺人も厭わないサイコパス
その日も、彼をつけてきた車の男性を事故に遭わせたあと、
助けてくれと懇願する男が何者かを突き止めるとぶっ殺してそこから立ち去る。
 
男は医師の杉谷久朗(染谷将太)の父親が経営する病院の職員で、
杉谷を強請るためのネタを得ようと、杉谷と親しい二宮を追ってきたのだった。
杉谷は二宮の唯一の友人で、実は彼もまたサイコパス。
医師であるのをいいことに、殺人を働いているというわけだ。
それを嗅ぎつけた男を消したのだから何も心配することはないはず。
 
ところが今度はつけられるばかりか、駐車場でひとりになった二宮は、
不気味な仮面をかぶって斧を振り回す謎の人物に襲われる。
そいつは最近連続して起きている事件の犯人、猟奇殺人鬼らしく、
狙った相手に背後から斧で斬りかかり、開頭して脳を持ち去る通称「脳泥棒」。
なんとか一撃をかわした二宮だったが、側頭部を斧の柄で殴られて入院する。
 
自分の手でその殺人鬼を始末したい二宮はカネ目当ての強盗に襲われたふうを装うが、
事件を担当するプロファイラーの戸城嵐子(菜々緒)はそんな二宮の嘘を見抜き……。
 
序盤で原作と異なる印象を受けたのは、二宮の婚約者・荷見映美(吉岡里帆)でしょうか。
親を安心させるためのカムフラージュで二宮と婚約した映美は、
原作ではどちらかといえば菜々緒の雰囲気のほうが合っていそうなほどクール。
 
この先、完全ではないけれど、かなりネタバレです。
 
原作のページの半分に至るか至らないかぐらいまで読んだ段階では、
エピローグのシーンとそれ以降のシーンでは時代が違うことがわかりません。
(これ、鑑賞後にもう一度読んでみたら、はっきり書かれていましたから、私が読み落としただけ。(^^;)
そうか、エピローグの子どもたちに二宮も含まれていたのですね。
 
サイコパスを作り出すために子どもをさらう。
その子どもたちの頭に脳チップを埋め込み、児童養護施設の前に置き去りにする。
精神病院でロボトミー手術がおこなわれていたという話は映画でもしばしばありますが、
サイコパスそのものよりも、この手術行為が私は怖くてたまらない。
 
『首』で最後に首をはねられる茂助役だった中村獅童が、本作ではこんな役でちょっと笑った。
戸城とコンビを組む刑事・乾登人役の渋川清彦は演技が上手いんだか下手なんだかよくわからないときがあるのですが、
どっちにしてもやっぱり好きだな。
 
ひとの心を取り戻した二宮。ラストはちょっぴり切なくもあり。

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