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『バッド・デイ・ドライブ』

『バッド・デイ・ドライブ』(原題:Retribution)
監督:ニムロッド・アーントル
出演:リーアム・ニーソン,ノーマ・ドゥメズウェニ,リリー・アスペル,ジャック・チャンピオン,
   エンベス・デイヴィッツ,エミリー・クーシェ,アリアン・モーイエド,マシュー・モディーン他
 
仕事帰りになんばパークスシネマまで出向きましたが、師走の道路はたいそう混んでいる。
18:20の予告編開始には間に合わないかもと思っていたものの、
18:30までには到着できるだろうから本編開始には間に合うと高を括っていたら、無理だった(泣)。
始まってからまだ3分は経っていなかったようで、それほど支障はなく。
 
原題も邦題のままかと思いきや“Retribution”、「報復」の意。
オリジナルはスペイン作品の『暴走車 ランナウェイ・カー』(2015)で、
日本では“モースト・デンジャラス・シネマグランプリ 2015”で上映されたそうです。
モースト・デンジャラスって(笑)。ラインナップを今度チェックしてみよう。
 
本作はイギリス/アメリカ/フランス作品。
監督のニムロッド・アーントルはハンガリー移民の両親のもとに生まれたアメリカ人。
そのせいなのかどうなのか、かなりヨーロッパの香りが漂っています。
もっとも舞台がベルリンですから、ヨーロッパ臭がするのは当たり前か。(^^;
 
ナナイト・キャピタルに勤務するマット・ターナーは、投資家から金を集めることに忙しく、
妻子との時間をほとんど持てない日々が続いているが、本人はそれを気にも留めていない。
妻のヘザーが離婚を考えていることにも気づかず、仕事に熱中。
 
「この日だけは子どもたちを学校に送り届ける役目を替わってほしい」とヘザーから言われていた日も、
それをすっかり忘れて出勤しようとしていたが、ヘザーの呆れ顔に耐えきれず引き受ける。
 
父親のマットのことをまるで信用していない長男ザックと長女エミリーを無理やり車に乗せて出発。
ところが、3人のうちの誰のものでもない携帯電話が車中で鳴る。
 
電話の主が誰なのか見当もつかないが、車には爆弾が仕掛けられており、
もしも3人のうち1人でも降車すれば爆発するとの脅迫を受ける。
実際、運転席の下に爆弾があることを確認、相手の話は本当らしい。
 
犯人はそのままマットに走り続けるように指示。通報することも許されない。
子どもたちを必ず無事に家に帰すと決め、マットは考えを巡らせるのだが……。
 
なんてったって主演はリーアム・ニーソンですからね。
バッドエンドは絶対にないから、ドキドキしながらも安心して観られます。
 
正体不明の犯人に振り回され、殺人現場に居合わせるように仕向けられるから、
いつのまにか自分が爆弾犯として報道されている。
犯人ではないことをわかってくれているのは、同じ車に乗っている我が子たちだけで。
離婚を考えていた妻も信じてくれてはいるけれど、夫は何をやらかしたんだとは思っていることでしょう。
恨みを買うことをした人じゃなければこんな目には遭わないよねぇって。
 
さて、ネタバレになりますが、オリジナルのタイトル“Retribution”はミスリードですよね。
だって報復ではないから。そう、恨みを買っていたわけじゃないんです。酷いよなぁ、この犯人は。
こいつじゃなかろうかとちょっと想像はつきます。
犯人の目的が報復ではなくて、マットが犯人に報復したと見ればいいのかしら。
 
ほかの国でもリメイクされ、ドイツ版は『タイムリミット 見知らぬ影』(2018)、
韓国版は『ハード・ヒット 発信制限』(2021)という邦題で、日本でも視聴可能。
どれも知らずに今まで来ました。どこがいちばんデンジャラスか、ぜひ観たい。

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『映画 窓ぎわのトットちゃん』

『映画 窓ぎわのトットちゃん』
監督:八鍬新之介
声の出演:大野りりあな,小栗旬,杏,滝沢カレン,役所広司,
     松野晃士,石川浩司,ダニエル・ケルン,駒田航他
 
封切り日だった先週金曜日、109シネマズ箕面にて鑑賞しました。
 
誰もが知っているであろうタレント、トットちゃんこと黒柳徹子。御年90歳。
私と同世代の人であれば、久米宏と司会を務めた“ザ・ベストテン”のイメージが強いかと。
でも私の場合、それ以上には興味を惹かれることもなかったから、
大ベストセラーとなったこの原作も読んだことはありません。
それゆえ、彼女の生い立ちについては全然知らなくて。
 
父親はヴァイオリニスト、母親はエッセイスト。
本作を観るだけでは詳しいことはわかりませんが、良い家庭の生まれに思えます。
豪邸とは言わないまでも、東京・洗足駅に近い瀟洒な一戸建てに住んでいる。
 
おてんばが過ぎるというのか、今なら確実に病名を付けられそうな行動ぶり。
好奇心旺盛で、ひとところにじっとしていることができず、
学校の外をチンドン屋が通れば授業そっちのけで大声で呼んだりも。
尋常小学校の教師の手に負えず、ほかの児童にも悪影響を及ぼすからと追い出されてしまいます。
 
そんな彼女を受け入れたのは、トモエ学園という私立の小学校。
通っているのはいわば彼女同様に、「普通の学校」には居られない子どもたち。
いわゆる落ち着きのない子どももいれば、小児麻痺で身体に障害のある子どももいる。
でもこの学園の先生は、子どもの話にいつまででもつきあってくれる。
子どもがやりたいと思うことを否定しません。
 
すごいなと感動すらおぼえたのは、トットちゃんが便所に財布を落としたとき。
彼女は先生にそれを言ったりせずに、汲み取り式の便所の中をさらい始めます。
「何をしているんだい?」と彼女に聞く先生。彼女が答える。先生は「ふーん」と言うだけ。
「探し終わったら元に戻しておくんだよ」としか言わない。
結局財布は出てこなかったけど、「でもいいの、いっぱい探したから」と言うトットちゃん。
自分が納得するまでするのって大事なことなんだなぁと思うし、
何にも言わずにそこまでやり遂げさせるのってすごいことだなぁと思いました。
 
小児麻痺の泰明ちゃんとのやりとりも心に残ります。
家の中でも外でも腫れ物にさわるように接せられることが多かったのに、
トットちゃんは思ったことはズバッと口に出す。
「どうしてそんな歩き方なの?」と聞かれても、そこに裏がないのがわかるから素直に答えられる。
木に登ることもプールに入ることも最初からあきらめていた泰明ちゃんもトットちゃんと一緒なら。
 
時代は第二次世界大戦末期。当時の状況に想いを馳せながら。

—–

『フライング・ジャット』

『フライング・ジャット』(英題:A Flying Jatt)
監督:レモ・デソウザ
出演:タイガー・シュロフ,ジャクリーン・フェルナンデス,アムリター・シン,カイ・カイ・メノン,
   ガウラウ・パーンデー,ネイサン・ジョーンズ,シュラッダー・カプール他
 
塚口サンサン劇場にて。
 
2016年のインド作品で、言語はヒンディー語です。
昨今のボリウッド人気に乗じて今ごろ公開することになった模様。
もっとも、すぐに公開されたなかったのは本国での評判がイマイチだったからのようです。
なんとなくそれもわかってしまうぐらい、ちょっと腑抜けの感じが強い(笑)。
 
タイトルを見たとき、最初は「フライング・ジャケット」かと思いました。
空飛ぶ絨毯ならぬ空飛ぶジャケット。
スーパーヒーローものらしいし、魔法のジャケットを着たら空を飛べるとか、って。
それは大きな間違いでした。「空飛ぶシク教徒」の意味だそうです。
 
ディロン家は母親と長男ローヒトと次男アマンの3人暮らし。
父親は癌で他界し、気丈で逞しい母親が、自らの家族のみならず近所のことも守っている。
 
次男のアマンは小学校に勤める武術教師。
亡き父親はシク教徒で初めて少林寺を修得した偉大なる人物だが、
ターバンを巻いているせいでいじめられた過去を持つアマンは、
どれだけ母親から父親のターバンを巻くように言われても拒否している。
 
大手建設会社の社長マルホトラは、自社から排出される有毒廃棄物を容易に処理しようと、
ディロン家が暮らす一帯の買収を目論んでいるが、
マルホトラの悪事を知っているディロン夫人は絶対に売ろうとしない。
そうでなくてもここは夫が遺した大事な土地であり、ほかにも善良な人々が暮らしている。
それに、御神体と崇められている大木が植わるこの土地を決して侵してはならないのだ。
 
業を煮やしたマルホトラは強硬手段に出て、傭兵ラカを雇う。
チェーンソーを携えたラカが夜中にやってきて、神木を伐ろうとするが、
たまたまそこに居合わせたアマンがラカと対決。
ラカの圧勝と思われたのに、アマンの背中が神木に触れた瞬間、
アマンは突然強くなり、ラカを遙か彼方へと吹き飛ばす。
 
不死身となったアマンには人々の苦しむ声が聞こえるようになり、
そのたびに飛んで行っては皆を救うスーパーヒーローに。
正体を明かすことはできないから、“フライング・ジャット”と名乗る。
 
一方、行方不明となっていたラカは有害廃棄物の中から奇跡の生還を果たす。
汚染物質を吸い込めば吸い込むほど力を得るラカがアマンを殺しにやってきて……。
 
序盤のアマンはあり得ないほど頼りなくて、どうしようもない奴。
タイガー・シュロフの鍛え上げられた肉体が美しいだけにその言動が情けない。
同僚の美人教師キルティに想いを寄せているのに打ち明けられず。
ところがキルティがアマンとは知らずにフライング・ジャットに首ったけ。
このキルティもどうかと思いますけどね、スーパーヒーローというだけで惚れちゃって(笑)。
 
まぁしかし、グダグダではあるものの、それなりには楽しい。
スーパーヒーローなのに高所恐怖症で低空飛行しかできないし、犬が苦手。
どんな小さな犬であろうと、吠えられるとビビります。愛嬌はあるヒーロー。
 
また、プロレスファンは喜びそうな出演者がいます。
私はプロレスに詳しくないので、これが誰なのか全然わかりませんでしたが、
ラカを演じるのはネイサン・ジョーンズというオーストラリアの元プロレスラーだとか。
彼がこのうえなくラカにピッタリで、イカツイのなんのって。
 
ダンスのシーンもそこそこあります。
それはとっても楽しくて、つまり「もっとダンスあってもええやん」と思うぐらい、本筋がイマイチでした(笑)。
でもなんでかなぁ、憎めないなぁ。

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『ナポレオン』

『ナポレオン』(原題:Napoleon)
監督:リドリー・スコット
出演:ホアキン・フェニックス,ヴァネッサ・カービー,タハール・ラヒム,ベン・マイルズ,リュディヴィーヌ・サニエ,
   ジョン・ホリングワース,ユーセフ・カーコア,フィル・コーンウェル,イアン・マクニース,ルパート・エヴェレット,
   ポール・リス,キャサリン・ウォーカー,マーク・ボナー,サム・クレイン他
 
『エクソシスト 信じる者』だけ観て帰るのは怖いので、本作も鑑賞。
同じく109シネマズ箕面にて。
 
85歳を過ぎてもこんな作品を撮る体力があるんですね、リドリー・スコット監督。
『グラディエーター』(2000)以来の同監督作出演となるホアキン・フェニックス主演。
面白くないわけがないという顔ぶれだけど、結論から言って、
私にとっては『グラディエーター』のほうが断然面白かったです。
でも158分飽きない作品というのは凄いかな。爆睡しているお客さんもいましたけどね。
 
フランス革命マリー・アントワネットがギロチン処刑されるシーンから始まります。
 
イタリア半島にあるフランス領コルシカ島に生まれたナポレオン・ボナパルトは、
そんなフランス革命のさなかに名を上げた軍人。
まだ20歳そこそこだった頃から活躍し、皇帝までのぼり詰めました。
 
本作では絶対にそんな若さには見えない(笑)ホアキン・フェニックスが、
特に若作りをすることも老けメイクをすることもなく、最初から最後までナポレオンを演じています。
 
マザコンの気も見え隠れして、奥手らしいナポレオンが見初めたのは、
ヴァネッサ・カービー演じる貴族出身の女性ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネ。
夫だった子爵をギロチン処刑されたあと彼女自身も投獄され、釈放後に出会ったのがナポレオン。
本作を観るかぎり、当初の彼女に貴族の品格は感じられず、自分の生活のためであれば誰とでも寝そう。
ナポレオンと一緒になるために息子を使い、見事にそれを果たしてみせます。
 
ジョゼフィーヌにぞっこんのナポレオンは、彼女が浮気していると知ると、遠征先から舞い戻る。
彼女を追い出しかけるけど、ジョゼフィーヌの悲しげな顔を見れば途端に許してしまいます。
 
ジョゼフィーヌの地位も安泰かと思いきや、ナポレオンとの間に世継ぎが生まれない。
妊娠しない理由が彼にあるのか彼女にあるのか、ナポレオンの母親が別の若い女性をあてがって確かめることにゾーッ。
 
こんな時代だったのですね。
世継ぎを埋めないのは国のためにならないから離婚すると宣誓して署名もさせられ、
なのに離婚した後も彼女をなかば幽閉して自分のものにしようとする。
 
夫婦の話に関してはまったく共感できませんが、戦闘のシーンは凄い。
本作ではトゥーロン攻囲戦、アウステルリッツの戦い、ワーテルローの戦いの場面が描かれています。
これこそリドリー・スコット監督お得意のシーンで、大画面で観る価値はある。
 
戦いの話とジョゼフィーヌの話と。ちょっととっちらかった印象があるのは否めません。
でもやっぱり凄いよ、この監督。

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『エクソシスト 信じる者』

『エクソシスト 信じる者』(原題:The Exorcist: Believer)
監督:デヴィッド・ゴードン・グリーン
出演:レスリー・オドム・Jr.,リディア・ジュエット,オリヴィア・オニール,ジェニファー・ネトルズ,
   ノーバート・レオ・バッツ,アン・ダウド,ラファエル・スバージ,エレン・バースティン他
 
109シネマズ箕面にて。
観に行くかどうか相当悩みました。だって怖いでしょ。
ホラーを避けずに観るようになってからまだ数年だし。
 
ウィリアム・フリードキン監督の『エクソシスト』(1973)は私が小学生のときに公開されました。
親しかった同級生が親に無理やり連れて行かれてトラウマ級の恐怖をおぼえ、
彼女はそれ以来グリーンピースが食べられなくなったという曰く付き。
なぜグリーンピースが食べられなくなったか、ご覧になった人はおわかりになりますよね(笑)。
しかし嫌がる子どもに無理やりホラー映画を見せる親ってどないやねん。(^^;
 
そんな思い出話もあるし、予告編はかなり怖そうだったし、スルーすべきでしょう。
怯えながらの鑑賞だから、スクリーンから離れた後方席で、眼鏡を外したまま
来るぞ来るぞと思ったときは眼鏡を外した目さえ薄目にして、直視を避けました。
 
さて、その本家『エクソシスト』の続編として製作された本作の監督は、デヴィッド・ゴードン・グリーン。
ホラー映画ばかり撮っていそうだから私は初めて観る監督だと思ったら、
『ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた』(2017)なんかも撮っている人じゃあないか。意外。
あらら、『選挙の勝ち方教えます』(2015)も同監督だわ。
 
本家『エクソシスト』のファンだった人がどう思うのか、ホラー映画ファンがどう思うのかは知りませんが、
どちらにも詳しくない私はじゅうぶん楽しめました。本作だけ単独で楽しむことも可能かと思います。
 
写真家のヴィクターは、妊娠中の妻ソリーンとハイチを旅行中、地震に遭う。
病院に運ばれたソリーンを診た医師は、彼女かお腹の中の子どものどちらか片方しか救えないと言う。
選択を迫られるヴィクター。
 
そのとき生まれた娘アンジェラをヴィクターが男手ひとつで育てて12年。
ある日、アンジェラが親友のキャサリンのところで宿題をすると言ったまま帰ってこない。
キャサリンの両親トニーとミランダに連絡したところ、娘たちが嘘をついて出かけたことが判明。
ふたりは森の中に入って行ったらしいが、警察が捜索するも姿が見えない。
 
3日後、50キロ離れた牧場の納屋にいるふたりが発見される。
ふたりは数時間しか経っていないという認識を持ち、どこで何をしていたのかも覚えていないと言う。
ただ、森の中を歩いていただけだと。
 
無事に保護されたものの、以降、ふたりに不可解な言動が見られるようになる。
どうやら悪魔に憑依されていると思われ、困り果てる双方の親。
 
そんなとき、ヴィクター親子の隣人で、一度は修道女を志した過去を持つアンが、
かつて娘が同じ体験をしたことがあるという女性クリス・マクニールの著書をヴィクターに見せる。
妻を喪って以来、神など信じられないヴィクターは本を読む気にもなれなかったが、
ふと開いたページの写真がまさにアンジェラと同じ症状を指していて……。
 
娘たちの人相が変わるところは恐ろしすぎてまったく見ていません。
悪魔の声に変わるだけでも怖かったけど、画面を見なけりゃ夜中に思い出すこともなくて大丈夫(笑)。
 
娘たちが森の中に入った理由は、会ったことのないアンジェラの母親ソリーン会いたかったから。
無宗教のヴィクターと違い、キャサリンの親は敬虔なクリスチャンで、
ソリーンの霊を呼び出してアンジェラと話すことが可能だと思っているわけです。
でもそこはそれほど真剣とも思えず、こっくりさんをやるような遊び感覚。
 
こういうのを観ると、ホント、ひやかし気分で交霊を試みるなんてことはしちゃいけないなぁと思います。
いたずらに触ってはいけないものは確かに存在するはず。
 
ふたりに憑いたものが何だったのかは明らかにされないし、
ふたりにそれぞれ憑いていたのか、悪魔はひとりだけだったのかどうかも不明。
ただ、これは最終的に悪魔が勝ったと見るのが良さそう。
アンジェラは助かるからハッピーエンドと取るべきかもしれないけれど、いや~、バッドエンドでしょう。
 
悪魔祓いの話としては、ユーモアもあった『ヴァチカンのエクソシスト』のほうが断然面白かったですが、
私のホラー耐性を上げるためには有効。
つい先日91歳の誕生日を迎えたエレン・バースティンの出演にも敬意を表したい。

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