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今年観た映画50音順〈は行〉

《は》
『ハート・オブ・ストーン』(原題:Heart of Stone)
2023年のアメリカ作品。Netflixにて配信。
MI6の秘密諜報員チーム、パーカー、ベイリー、ヤンと組む新人IT部員ストーンは、
実は国家を超越した秘密諜報機関チャーターのハート部門のエージェント。
ハートは世界の全情報をハッキングできる量子コンピュータ“ハート”を守っている。
あるとき、MI6のシステムが何者かによってハッキングされ、
追跡の結果、インドの犯罪組織に関わるケヤ・ダワンがハッカーだと判明。
ダワンの狙いはまさしくハートで、ハートを奪われれば世界が危ない。
MI6チームはダワンを追ってリスボンに向かうが、ハートを狙う組織に襲いかかられる。
ITしか扱えない部員を装っていたストーンはやむを得ず戦闘能力を発揮し、
チームのメンバーたちは、ストーンがチャーターのエージェントであることを知る。
ハートを守るという目的は同じだとして行動を共にしようとするが、
チームを裏切ってダワンと組んでいたのがパーカーだった。
ベイリーとヤンはパーカーにあっけなく殺され、ストーンはパーカーを憎む。
また、MI6メンバーを殺すとは聞かされていなかったダワンも、パーカーのやり方に疑問をおぼえ……。
ストーン役はガル・ガドット。ダワン役は『RRR』(2022)でシータを演じたアーリヤー・バット
アーリヤー・バットは30歳だというのに、まだ子どもの天才ハッカーの雰囲気です。
ガル・ガドットって、身長が180cm近いのにカワイイ。美人。素敵。
大画面で観たい作品だから、劇場公開してほしかったなぁ。
 
《ひ》
『人質 韓国トップスター誘拐事件』(英題:Hostage: Missing Celebrity)
2021年の韓国作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
韓国の国民的俳優ファン・ジョンミンが若者5人組に拉致監禁される。
目的はもちろんカネで、ジョンミンの口座から送金せよと言う。
犯人グループはこれより前にとあるカフェに押し入っており、誘拐された店主はすでに殺害され、
共に誘拐された従業員女性パク・ソヨンの行方を警察が捜していた。
ジョンミンが監禁された小屋にソヨンの姿もあり、
ジョンミンはなんとか自分と彼女の命を救おうとするのだが……。
ファン・ジョンミンが本人役を演じる異色のサスペンスアクションで、とても面白い。
犯人から身代金にいくら出すかと聞かれたジョンミンは、5億ウォンと答えます。
日本円にして5千万円ぐらいだからえらく安いなと思ったら、
送金の1日の上限が5千万円なのですと。それを超えると疑われるよと犯人を言いくるめる。
ソヨンは37回就職試験を受けてようやく採用されたばかりで、父親が喜んでくれたのにと涙ぐむと、
ジョンミンが下積み時代にオーディションを100回受けた、自分は田舎出身で、不細工で、
だけどここまで来たよなんて話すところはしんみりしましたね。
同じく本人役でパク・ソンウンがカメオ出演しているのも楽しいです。
 
《ふ》
『ファミリー・スイッチ』(原題:Family Switch)
2023年のアメリカ作品。Netflixにて配信。
ウォーカー家は4人家族。
夫ビル、妻ジェス、長男ワイアット、長女CC、次男はまだ赤ん坊のマイルズ。
クリスマスには揃って歌い踊るビデオを撮る仲良し家族だったはずが、
長男も長女も親の余興につきあう年齢でもなくなり、まったくやる気なし。
このままでは家族がバラバラになってしまうとジェスが懸念していた折、
謎の占い師アンジェリカと出会ったのをきっかけに、
天文台望遠鏡を覗きながらそれぞれがふて腐れたままひそかに心の内を明かす。
翌朝目覚めると、なんと家族の体が入れ替わっているではないか。
ジェスとCC、ビルとワイアット、そしてマイルズはなんと飼い犬のピクルスとチェンジ。
見た目はそのままなのに、中身が入れ替わってしまった4人と1匹は、
何もわかっちゃいないマイルズとピクルスを除いて右往左往。
よりによってその日は4人それぞれにとって人生で最も大事と思われる日。
ビルはおっさんバンド“ダッド・オア・アライブ”のレコード契約がかかる日で、
ジェスは昇進をかけたプレゼンテーションの日。
ワイアットは飛び級で大学入試を受ける日で、CCはサッカーのトライアウトの日。
今まで縁のなかったことをこなせるはずもなく、絶体絶命と思われたが……。
誰かと体がスイッチするという設定は全然目新しくないですよねぇ。
2人きりじゃなくて家族全員の体が入れ替わる点だけが新しい。
でもこういう話は何番煎じであろうと心は温まるもの。
相手の立場になってみなければわからないことがこうしてわかる。
 
《へ》
『蛇に濡れる女』(英題:Obsessed)
2022年のロシア作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
ある夜、自由奔放な監察医リザが友人マーシャを乗せて車を走らせていたところ、
道路の真ん中にヌボーッと立つ全裸の若い女性に出くわす。
危うく轢きかけて怒鳴ろうとするも、明らかに様子がおかしいその女性を放っておくことはできず、
リザは自宅へと彼女を連れ帰って介抱した後、関係を持つ。
後日、殺人事件現場へ検死のために赴いたリザは、遺体があの夜の女性であるのを見てびっくり。
検死の結果、死因は窒息死で、体内からは強力な筋弛緩剤が見つかる。
また、遺体の胸部には薬剤を用いて建物の写真が焼き付けられていた。
リザは刑事たちとともに事件を解決しようとするが、同一犯の仕業とおぼしき殺人が次々に起こる。
しかも被害者はすべて、リザが肉体関係を持った相手ばかりで……。
ロシア作品を観る機会はそうそうありませんから、まぁまぁ期待を抱いて観はじめました。
車に乗ってハイスピードでぶっとばす冒頭シーンなどは夜景も美しくて爽快。しかし後が続かない。
なんといってもこの邦題ですもの、エロティックサスペンス狙いであることは明らか。
リザは相当のヤリマンで(笑)、でも凄い美女というわけでもなければ色っぽくもない。
途中、「犯人がわかった」と言い出すけれど、驚愕(でもないか)の多重人格オチ。
少女の頃から継父に性的虐待を受けていたリザがマリアという女性を生み出し、
リザとは違って残虐な性分のマリアが犯行を重ねていたのだよということで。
なんか、この手のロシア作品は暗いだけでありきたり、つまらない気がします。エロ不要。
 
《ほ》
『炎のデス・ポリス』(原題:Copshop)
2021年のアメリカ作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
ネバダ州の砂漠の真ん中に建つ小規模な警察署、ガンクリーク警察署。
ある夜、路上で暴れている男がいるとの知らせに女性警官ヴァレリーが急行すると、
男はヴァレリーに殴りかかり、応酬したヴァレリーに捕らえられて留置所へ。
調べてみると男はテディという詐欺師
22回も逮捕されているのに1回も起訴されていないのは何かある。おかしい。
するとその直後、泥酔した男が車で警察官を轢きかけて放り込まれてくる。
実はこの男は殺し屋のボブで、泥酔は演技。
大物を繋ぐフィクサーのテディは組織を裏切って追われる身で、
殺されないようにわざと警官を殴って留置所に入り、
テディを殺すために雇われたボブも留置所に入るために泥酔を装っていたのだ。
ところがテディの始末を命じられた別の殺し屋アンソニーもガンクリークにやってくる。
サイコパスのアンソニーは、署内に乗り込むと警官を見つけては撃ち殺す。
アンソニーと撃ち合いになり、重傷を負いつつ留置所に逃げ込んだヴァレリーは、
テディとボブのどちらかに救急セットを取りに行ってもらわねばならなくなり……。
詐欺師のテディは善人なのかと終盤まで思わされますが、実はこいつがいちばんクズ。
殺し屋のほうが詐欺師より信用できるんだわと思いました(笑)。
まるでジェラルド・バトラーの主演作品のような触れ込みですが、
観れば主役はヴァレリー役のアレクシス・ラウダーでしょう。
ヴァレリーがボブを追走するシーンで終わるから、続編もあるのかも。

—–

今年観た映画50音順〈な行〉

《な》
『なまず』(英題:Maggie)
2018年の韓国作品。U-NEXTにて配信。
ある病院で、男女がSEXしているところを盗撮したレントゲン写真が流出する。
盗撮したのが誰かではなく、被写体のカップルは誰なのかと皆が騒ぐ。
看護師のユニョンは、これは自分と恋人ソンウォンの姿だと確信。実はそうではないのに。
噂の的になっているかもしれないとビビりながら翌朝出勤すると、
副院長のギョンジンしか出てきておらず、他の職員は全員体調不良だと言う。
そんなことがあるはずはないと怒るギョンジンをなだめるユニョン。
ちょうどその頃、街のあちこちにシンクホールが出没。
無職だったソンウォンはシンクホールの埋め戻し工事に職を得るのだが……。
『梨泰院クラス』でブレイクする前のイ・ジュヨンがユニョン役。
ソンウォン役のク・ギョファンが脚本と製作を担当。
ギョンジンを演じるのは、一気に作品の格を上げるムン・ソリ
なまず目線で描かれているのが面白くはあるけれど、オフビートすぎてちょっと困る。
ユニョンがソンウォンの元カノからの情報でソンウォンのDV気質を疑って振る。
すがるソンウォンがシンクホールに落っこちておしまいという驚愕のラスト。
思わず「えっ!?」と声に出ました。これで終わるのかよっ。
 
《に》
『苦い涙』(原題:Peter von Kant)
2022年のフランス作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
フランソワ・オゾン監督がドイツ出身の映画監督ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーの戯曲を映画化。
ファスビンダー自身がメガホンを取った『ペトラ・フォン・カント 苦い涙』(1972)のリメイクです。
ゲイの映画監督のピーター・フォン・カントは、恋人と別れて落ち込んでいたところ、
親友で大物女優のシドニーから紹介された青年アミールに一目惚れ。
俳優志望のアミールを自らの手でスターにしようと、自分のアパートに住まわせるのだが……。
40歳で巨漢、著名な映画監督でなければ男も寄ってこないだろうという外見のピーター。
確かに、痩せていたら格好いいかもしれないし、愛嬌のある顔立ちではあるけれど。
そんな彼が若くて美しいアミールにぞっこんになるところを見せられても私は嬉しくない。
アミールのほうは打算ありありだし、相手にされていないこともわからない中年男の情けなさ。
ピーターのことを本当に愛し気遣ってくれているのは秘書のカールなのに。
まったく、観ていて嫌になっちゃいました。
シドニー役には本当に大物女優のイザベル・アジャーニを起用。凄い大物感があります。
 
《ぬ》
『ヌーのコインロッカーは使用禁止』
2022年の日本作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
脱サラに失敗した挙げ句、保険金詐欺で捕まって懲役刑を食らった黒迫和眞(上西雄大)は、
出所後、息子の大学入学資金を工面しようと、知り合いのヤクザを頼る。
ヤクの売人となった和眞は、その受渡場所に指定されているコインロッカーへと向かうが、
“ぬ5515”を使用しようとすると、そばにいた那須叶(なすかなえ)(古川藍)が怒る。
ヌーと呼ばれている彼女は、生まれてすぐに“ぬ5515”に捨てられていたらしい。
発達障害のあるヌーは、絵を描きながら毎日“ぬ5515”を見張っているのだ。
彼女に興味を持った和眞が、自作のふりをしてSNSに絵をUPすると反響があり……。
上西監督の作品は相変わらずVシネマちっくなのですが、人情があって面白い。
最初はどうだかなぁと思っていたヌー役の古川藍も良いものに見えてきます。
彼女を妹のように思うソーシャルワーカーには上西作品の常連、徳竹未夏。
ラーメン店主役の菅田俊にも味があるし、検事役で登場する田中要次も○。
もしも発達障害者への虐待シーンを見せられたら目を覆いたくなるところでしたが、
そこはなくてありがたかった。でも現実にはそういうことが多々あるでしょうね。
 
《ね》
『劇場版 ねこ物件』
2022年の日本作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
同名TVドラマシリーズの劇場版。
2匹の猫と祖父とともに暮らしていた二星優斗(古川雄輝)。
祖父が亡くなり、気持ちの整理をつけられずにいたが、
親切な不動産屋の広瀬有美(長井短)にシェアハウスの再開を促される。
最初は断ったものの、自分には生き別れの弟がいると祖父から聞いたことを思い出し、
シェアハウスの様子を全国に発信すれば、弟を見つけられるのではないかと考える。
そこで、シェアハウスの入居者を大々的に募集して、SNSをフル活用するのだが……。
猫が好きです。猫を見ているのは確かに楽しいけれど、この劇場版だけではどうかなぁ。
人間関係もイマイチわからないから、ぼんやり眺めるだけになってしまいました。
TVでじゅうぶんかもしれません。
 
《の》
『ノーウェア:漂流』(原題:Nowhere)
2023年のスペイン作品。Netflixにて配信。
財政難に悩むスペイン政府は、労働力を見込めない妊婦や子どもを殺すという暴挙に出る。
身重のミアとその夫ニコは、国外へ脱出することを決意。
仲介業者に高い金を払い、アイルランドへ向かう貨物船で密出国することに。
ところが同様の者が押し寄せたためにひとつのコンテナには収容しきれず、ミアとニコは離ればなれに。
しかもミアが入ったコンテナが検問でひっかかり、なんとか隠れたミア以外、全員射殺されてしまう。
出港した貨物船は嵐に遭い、ミアはコンテナごと大海原へ放り出される。
かろうじて繋がった携帯電話でニコに救いを求めるが、ニコのほうも大変な状況。
やがて産気づいたミアは、水位が増してきたコンテナの中、たったひとりで出産。
生まれてきた赤ん坊と共に漂流を続けるのだが……。
冒頭ではボーッとしているミアにイライラさせられましたが、その後は逞しさ全開。
コンテナ内で水に浮かぶ積荷から使えるものを探し出し、必死で生き延びます。
食べるものがなくなってへその緒に齧りつく姿はホラー。
コンテナから外へ出ようとしたときに太ももが切り裂かれるシーンはこっちも絶叫したくなる。
最後はちょっとジーンと来た。あ、でもニコとの再会は叶いませんのであしからず。

—–

今年観た映画50音順〈た行〉

《た》
『タイムボム 爆弾解除、ミスしたら即死。』(原題:Deflagrations)
2021年のフランス作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
日本では劇場未公開で、WOWOWにて放映された模様。
フレッドは自宅の地下駐車場に子どもふたりと車に乗り込むが、エンジンがかからない。
電話で呼び出されたパートナーのソニアは運転席からフレッドを降ろして交代し、
いとも簡単にエンジンをかけてみせるが、と同時に車のディスプレイに時刻の表示が現れ、カウントダウンが始まる。
地雷処理専門家のソニアは、この車に時限爆弾の仕掛けられていると判断し、
車に鍵をかけると子どもたちにできるだけ動かないように指示し、
車外のフレッドにも危険を知らせて近づかないように伝える。
同僚で同じく爆弾の専門家イゴールとカミーユを呼び、爆弾の解除に努めるのだが……。
この邦題ですから、まったく期待せずに観はじめたら意外と面白い。
フレッドとソニアは夫婦ではなく、しかも男児ノアはソニアの息子、
女児ゾエはフレッドの娘ということをこちらはずいぶん経ってから知ることになり、
こんなにもややこしい関係にする必要があるのかと笑ってしまいましたけれど。
重量感知式の対戦車地雷なるものらしく、大変です。
ソニアとイゴールが関わるウクライナの地雷撤去と絡んでいて、なかなかにタイムリー。
地雷に守られている学校もあり、撤去が必ずしもいいことではないと知って驚愕。
 
《ち》
『ちひろさん』
2022年の日本作品。Netflixにて配信。
安田弘之の同名漫画を今泉力哉監督が実写映画化。
海辺の小さな町にある弁当店“のこのこ弁当”の売り子・ちひろ(有村架純)は、
かつて風俗嬢だったことを隠しもせず、誰もから愛されている。
風俗嬢だったとは知らずに彼女に憧れている女子高生・オカジ(豊嶋花)は、時折盗撮
勇気を出して弁当を買いに行くと、自分の行動がちひろにバレていると知って焦る。
少年たちにいじめられていたホームレスのおじさん(鈴木慶一)を助けたちひろは、
おじさんから教えられた廃墟で別の女子高生・べっちん(長澤樹)と知り合い、漫画友達に。
また、あきらかにかまってちゃんの少年・マコト(嶋田鉄太)と公園で出会い、
水商売の母親・ヒトミ(佐久間由衣)の帰りが遅いせいで毎日腹を空かせていることを知る。
こんなふうにちひろが関わる人々を描く優しさいっぱいの作品。
2時間超のそこそこ長尺ではありますが、退屈はしません。
今泉監督の作品って、やっぱり好きだなぁと思う今日この頃。
 
《つ》
『ツーリスト・ガイド・トゥ・ラブ 恋のツアーガイド』(原題:A Tourist’s Guide to Love)
2023年のアメリカ作品。Netflixにて配信。
ロサンゼルスのツアー会社に勤める極めて有能な社員アマンダは、
今日こそ5年同棲中の恋人ジョンからプロポーズされると信じていた日、
仕事のためにオハイオへ引っ越すと言われる。これはフラれたも同じこと。
上司のモナは、傷を癒やしがてらベトナムへ行ってきてほしいと言う。
ベトナムでも事業を拡大したいと考えていたモナは、現地の観光会社の買収を検討。
サイゴンシルバースターという会社に目をつけており、客のふりをしてアマンダにツアーに参加するよう命じる。
ツアーガイドのシンは好青年で、しかもツアーの内容がとても面白い。
計画好きのアマンダとは違い、客たちの様子を見ながらどんどん変更するシン。
やがて、シンといるときがこれ以上になく幸せであるとアマンダは気づくのだが……。
アマンダ役のレイチェル・リー・クックはもう40代半ば。
かなり若くは見えますが、実年齢を知っていると、こんなロマコメいつまでやるのと思わなくもありません。
しかも展開が読めすぎる。いい仲に発展してから買収話が暴露され、シンは疑心暗鬼に。
けれど結局ハッピーエンドという王道中の王道。ちょっと辟易(笑)。
 
《て》
『ティラノサウルス・キング 白亜紀の恐竜バトル』(原題:我是覇王龙)
2022年の中国作品。日本では劇場未公開。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
“緑の森”の王に君臨するティラノサウルス・レックスのローグは、森の秩序を守ろうと細心の注意を払っている。
と同時に、自らの息子ディーを育て上げようと心を砕いているが、
まだまだ子どもで弱虫のディーは、とても父親のように強くなれそうにない。
あるとき、デイノニクス3人組が弱いものいじめをしているのを見てローグが恫喝。
ところが3人組のボスであるスカーズが現れ、縄張り争いで揉めるうち、ローグは崖から落ちて死んでしまう。
悲しみに暮れるディーは、カルノタウルスのルノーに拾われ、徐々に力をつける。
やがて、ルノーも襲われそうになったとき、ディーは暴君と対決する覚悟を決めて……。
中国のアニメは最近とても面白くて注目していますが、これはどうかなぁ。
恐竜オタクならもっと楽しめたかもしれませんが、私、恐竜を知らんし。(^^;
恐竜じゃなくて動物ならありがちな話。ラストはそれなりに○。
 
《と》
『トゥ・ザ・サミット 絶壁のレース』(原題:Duell am Abgrund)
2023年のドイツ作品。Netflixにて配信。
スイス人の登山家ふたりのスピードクライミングに焦点を当てたドキュメンタリー。
山に登るだけでも凄いのに、とにかく短時間で登頂することを競う。
「スイスマシーン」の異名を取るウーリー・ステックと、
もとは彼が憧れの存在にしか過ぎなかったのにライバルとなったダニー・アーノルド。
普通の登山家が2日ほどかけるだろう山を3時間かからずに登るとは信じられない。
アイガー北壁登頂は2時間半ほど、マッターホルンなら2時間を切る。しかも単独でロープなしとは驚愕。
登山はスポーツだというウーリーが無敵の速さを誇っていたところへ現れたのがダニー。
優れた山岳ガイドだけど、たいして準備もせずにウーリーの記録を抜いてしまった彼は、
ズルをしているような言い方もされて、そのシーンは気の毒でした。
良きライバルになり得るものかと思いきや、そうはならないのも寂しいような。
ウーリーが滑落死したのは、速度争いが加熱したせいだとは思いたくありません。

—–

今年観た映画50音順〈さ行〉

《さ》
『サイレント・ナイト』(原題:Silent Night)
2021年のイギリス作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
監督はこれが長編デビュー作となるカミーユ・グリフィン。
明日になれば人類滅亡というクリスマス
サイモン(マシュー・グード)とネル(キーラ・ナイトレイ)夫婦の家に集まった友人たち。
政府によって事態は明らかにされており、謎の猛毒ガスに襲われて死ぬことが確実らしい。
ガスを吸う前に政府から配布された薬を飲めば、苦しまずに死ぬことができる。
誰もがそれを致し方ないこととして受け入れているなか、
サイモンとネルのまだ幼い息子アート(ローマン・グリフィス・デイヴィス)だけは違う。
もしかしたらガスを吸っても死なないかもしれないのに、なぜ死ぬと決めつけるのか、
子どもに死を勧めるなんて親のすることじゃないと泣き叫ぶ。
皆がアートに言い聞かせようとしているというのに、
妊婦のソフィ(リリー=ローズ・デップ)が自分は薬を飲まないとアートに言ったものだから、
飲まない選択肢もあると考えたアートはさらに怒って家から出て行ってしまい……。
前知識なしで観はじめると、単にクリスマスを祝いに集まった家族や友人たちの話かと思います。
ところがこれは世紀末の話なのだと途中でわかる。その割にみんな落ち着きすぎか。
今はコロナ騒ぎも沈静化していますが、もしも人類滅亡が本当に目前に迫ったら、
人はどう決断するでしょう。そんなことも考えたくなる作品でした。
『ザ・ロード』(2001)のような世界で生きるのは絶えられないという台詞には頷く。
 
《し》
『シーフォーミー』(原題:See for Me)
2021年のカナダ作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
女子スキー滑降のU18でトップテン入りするほどの実力者だったソフィは、
網膜色素変性症のため、今はわずかに光を感じるのみの失明状態
パラリンピックを目指すように協会から言われても、そんな気持ちになれない。
すっかり自暴自棄になり、心配する母親にも冷たい態度を取る。
ある日、ソフィは、富豪女性デボラの留守邸で猫シッターのバイトを引き受ける。
セキュリティシステムを起動した後に喫煙のために表へ出ると、鍵がかかってしまう。
出がけに母親から教えられたアプリ“See for Me”をスマホにインストールしたところ、
ヘルパーのケリーに繋がり、スマホの画面を見せながらなんとか家の中に戻ることに成功。
これで万事OKと思われたが、夜中に邸に侵入者が現れる。
デボラの元夫が、デボラが金庫に隠し持っている金を盗むために人を雇ったのだ。
身動きが取れないソフィは再びケリーに連絡して協力を求めるのだが……。
序盤のソフィはひねくれていて、とても好感の持てる人物ではありません。
富豪の留守番バイトをするのも、金目の物を盗むつもりだから。
視覚障害者が物を盗むわけがないと世間の人々は思い込んでいるからです。
そんなソフィよりもよほど好感度が高いのがケリー。
彼女は元軍人で、今はFPS(シューティングゲーム)の達人。
彼女の的確な指示でソフィが犯人と相対するシーンは手に汗握る。
 
《す》
『スカイブルーな恋の予感』(原題:Love in the Air)
2023年のオーストラリア作品。Netflixにて配信。
デイナ(♀)は小さな航空会社フラートン航空のチーフパイロット
観光客を乗せる傍ら、離島に住む人々に郵便を配達したり病人を運んだり、
困り事を聞けばすぐに駆けつけて支援を第一に考えている。
そんなことだから、フラートン航空の収益は一向に上がらず、
そこに目をつけたロンドンの投資会社がフラートン航空を潰しにかかる。
調査の名目で現地を訪れたのは、投資会社の社長の息子ウィリアム。
潰すこと前提だとは言えずにデイナを含むフラートン航空の社員たちに会うのだが……。
よくもこんなつまらない作品を映画にしたもんだと驚きすら感じます。(^^;
デイナ役のデルタ・グッドレムはジェニファー・ロペスを意識しているのかと思ったけれど、
オーストラリアでは人気のあるシンガーソングライターだと後から知りました。
と言われてもねぇ、もうアラフォーだし、演技も上手いわけじゃなし。
ウィリアム役のジョシュア・ザッセはジャン・デュジャルダンを少し若くしたみたいな風貌。
つまり、どこにでもいそうな俳優が、どこにでもありそうな映画に出ている、それだけ。
この邦題も(原題もだけど)、アラフォー主演だとちょっと恥ずかしくないですか。
 
《せ》
『千夜、一夜』
2022年の日本作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
離島の海沿い、住民の誰もが知り合いの町。
水産加工工場で働く登美子(田中裕子)は、30年前に蒸発した夫の帰りを待ち続けている。
幼なじみで漁師の春男(ダンカン)は昔から登美子に想いを寄せており、
登美子と所帯を持ちたいと言い募るも断られてばかり。
春男の母親から懇願され、ほかの住民からも登美子は春男との再婚を勧められているが、
登美子は決してうなずかない。
ある日、町長の紹介だと言って登美子を訪ねてきたのは、
2年前に夫が失踪したという看護師の奈美(尾野真千子)。
教師だった夫の洋司(安藤政信)は、ちょっと出かけてくると言ってそのままいなくなった。
拉致された可能性もあるが、待つことに区切りをつけるため、
夫が失踪した理由を求めている奈美は、登美子に相談。
登美子はなんとなく洋司のことを調べはじめるのだが……。
夫婦仲は極めて良くて幸せな日々を送っていると思っていたのは妻だけ。
それでも、妻は自分を待っていてくれるとか、戻れば許してくれるとか思うものらしい。
そんな夫がいると知ったうえで一緒になりたいと言う男たち。幸せになれるといいけれど。
 
《そ》
『“それ”がいる森』
2022年の日本作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
傲慢な義父のせいで、妻子を残して家を出るよりほかなかった淳一(相葉雅紀)は、
田舎町でオレンジを作り、それなりに穏やかな日々を過ごしていた。
そこへ、妻(江口のりこ)と喧嘩したらしい息子・一也(上原剣心)がひとりでやって来る。
ちょうどその頃、森に入った男女が殺される事件が起こり、のせいだと思われていた。
転入した小学校の同級生に誘われて一也がその森に入ると、
銀色の塊のようなものに襲いかかられ、同級生は連れ去られてしまう。
警察も学校も熊の仕業だと判断し、一也の話には耳を傾けようとしないなか、
淳一と一也の担任・絵里(松本穂香)だけは一也のことを信じ、
この事態をなんとかしようと考えるのだが……。
中田秀夫監督のホラー作品なので公開当時は敬遠しましたが、観てみたら怖くない(笑)。
地球外生命体が子どもを捕食すると個体数が増えていくところがグロいですねぇ。
教頭役の野間口徹が徹底的に嫌な奴で、ここまで嫌な奴の役って、
今までの野間口徹のキャリアの中にありましたか。
同じく、人の話を聞こうとしない警察官役に眞島秀和
オレンジ農家の頼れる親父役が宇野祥平で、バイプレイヤーたちの出演が嬉しかった。

—–

今年観た映画50音順〈か行〉

《か》
『カレとカノジョの確率』(原題:Love at First Sight)
2023年のアメリカ作品。Netflixにて配信。
アメリカ人の女子大生ハドリーのもとへ、ロンドンで教鞭を執る父親から連絡が入る。
父親曰く、再婚することになったから結婚式に出席してほしいとのこと。
気乗りせずも致し方なくJFK空港に向かったところ、4分遅刻して搭乗を逃す。
次の便を予約して待つ間、携帯の充電切れに気づいて再びガックリ。
そのとき声をかけてくれたのがイギリス人で数学オタクのオリバー。
ヒースロー空港行きの飛行機の中、隣り合う奇跡に恵まれたふたりは意気投合。
着陸後にオリバーから携帯の番号を教えてもらったのに、
別れた直後に携帯を落として破損、番号がわからなくなってしまう。
沈んだ気持ちのまま父親の結婚式に参列すると、披露パーティーまでの間に近くから聞こえてきた話にびっくり。
参列者のひとりが偶然にもオリバー一家の知り合いらしく、今からオリバーの母親のお別れ会なのだと言う。
パーティーの開始までは4時間。父親に必ず戻ると伝え、ハドリーはオリバーに会いに行くのだが……。
オリバー役が『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)でロジャーを演じたベン・ハーディというだけでもう嬉しいですねぇ。
ベタなラブコメではありますが、生前葬の話がとてもよかった。
父娘で踊るときのBGMがバグルスの“ラジオ・スターの悲劇”というのも楽しい。
 
《き》
『キル・ゲーム』(原題:Apex)
2021年のアメリカ作品。日本では劇場未公開。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
人間狩りゲーム“APEX(エーペックス)”は、6人のハンターが同じ獲物を追い、
見事獲物を殺したハンターが勝者となるエンターテインメント。
近頃獲物が弱すぎるという不満がハンターたちから湧き出て、
主催者が今度こそと選んだのは、仮釈放なしの終身刑に処せられている元刑事マローン。
今さら自由を得るつもりもなかったマローンだが、自分に孫がいると知って意思を翻す。
6人のハンターはいずれも諸般の事情を持つ富豪で、
中でも一代で製薬会社を築き上げたレインズフォードは強くてずる賢い。
ハンター同士が殺し合うように仕向ける作戦も考えたマローンは……。
今年2月に認知症であることが家族を通じて発表されたブルース・ウィリス
本作の彼にはまるでキレ味がなく、こんなヨレヨレの爺さんに勝てるわけがない。
表情もどことなく呆けた感じで、この頃にはもう症状が出ていたのだろうと思います。
そんなことを思いながら観ていると悲しくなってしまいました。
 
《く》
『空気殺人 TOXIC』(英題:Air of Murder)
2022年の韓国作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
2011年に韓国で実際に起きた事件に基づく。
医師チョン・テフンのまだ幼い息子が原因不明の肺の病で突然倒れて重体に。
同日、息子の入院に必要なものを取りに帰った妻が同じ病で亡くなる。
妻の妹である検察官ハン・ヨンジュは、半年前の人間ドックでは姉に異常がなかったことから、
義兄と共に原因究明に乗り出したところ、加湿器用殺菌剤が原因だとわかる。
被害者の会を結成し、製造販売元の大会社オーツーを訴えるが、
オーツーの社長は遣り手の社員ソ・ウシクにすべてを任せ、
どんな手を使ってでも裁判に勝つようにと命じ……。
酷い会社です。毒性があることを認識していながら売ればそれは殺人なのに。
議員や専門家に金を積んで、自社の非を揉み消そうとし、実際に揉み消しに成功する。
と思えたときに、まさかのまさかのドンデン返しがあってびっくり仰天。
ソ・ウシクも実はこの殺菌剤で妻子を亡くしていたのですよねぇ。
一発逆転を狙うには、こうするしか方法がなかった。
遺影に向かってどうしているかと尋ねるシーンは泣きました。
死んだ人に向かってそんなことを聞くのは変なんですが、私もよく思うんです、弟、元気かなって。
 
《け》
『警官の血』(英題:The Policeman’s Lineage)
2022年の韓国作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
佐々木譲の同名ベストセラー小説を韓国でリメイク。
祖父と父親に続き、自らも警察官になった新人刑事チェ・ミンジェ(チェ・ウシク)は、
広域捜査隊の刑事パク・ガンユン(チョ・ジヌン)を内偵捜査するよう、打診される。
不名誉な仕事だと断ろうとするミンジェに、警官殺しが絡んでいるとのこと。
ガンユンはあり得ないぐらいホシを挙げているエース刑事で、闇組織との癒着が疑われる。
それがバレそうになって警官を殺したのではないかというのだ。
かつて父親が殉職した過去を持つミンジェは、父親の死についての真相を知りたくなり、
この任務を果たせば教えてやると監察官から言われて受けることに。
捜査を始めたところ、ガンユンはミンジェをなぜか可愛がる。
人間として魅力を持つガンユンに惹かれ、信用したくなったミンジェは、
監察官にガンユンの嫌疑は何もないと報告するのだが……。
ミンジェ役のチェ・ウシクは、『The Witch/魔女』の冷酷無比な男役が印象に残っています。
冷酷無比でもイケメンだなぁと思った彼がこんな無垢な役をしたらさらに惚れる(笑)。
ばりばり一重まぶたの私は、彼がやはり一重まぶたであるところにも親近感を持ちました。
続編を作ってほしいぐらい面白かったし楽しかった。
 
《こ》
『コンビニエンス・ストーリー』
2022年の日本作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
脚本家の加藤(成田凌)は執筆に集中したいというのに、
同棲中の女優の卵ジグザグ(片山友希)の飼い犬ケルベロスがやかましく吠える。
ジグザグが出かけた隙にケルベロスを捨てに山奥へ。
しかし帰宅したジグザグが騒ぎ立てるものだから、再びケルベロスを連れに山奥へ戻る。
途中、車のエンジンがかからなくなって困り果てていたところ、
不思議なコンビニのオーナー夫人・惠子(前田敦子)が車を直してくれるという。
ところが一緒に車を停めていた場所に戻ると車がない。
彼女の夫・南雲(六角精児)の厚意でしばらく家に泊めてもらうことになるのだが……。
実はこのコンビニではかつて惨殺事件が起きていて、
オーナー夫妻も従業員もみんな殺されていましたというやつ。
三木聡監督お得意の不条理脱力系のはずが、かなり退屈。
惠子が登場する辺りからは少し面白くなりますが、摩訶不思議な話というには物足りず。
幻想譚なのでしょうが、イマイチ幻想的ではないのですよねぇ。
惠子に救われて最後はこっちの世界へ戻ってきたのかと思いきや、オイッ、死ぬんかいっ。

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