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16回目の『RRR』

2023年最後に観た映画は『RRR』でした。
15回目は吹替版を鑑賞したから、字幕版を観るのはほぼ半年ぶり。
半年ぶりだと結構新鮮ではあるものの、16回目となるとねぇ。
しかも前日まで酒浸りで寝不足が続いていたため、駄目だ、寝てしまう(笑)。
もう何か目新しい発見があるわけじゃなし。
笑うところ、泣きそうになるところ、ツッコミ入れたくなるところは、
今までに書いたことと同じです。
絶対みんなツッコミ入れたくなるのは、「おかん、生きとったんかい!」でしょ。
その、登って登ってくるりと回って見晴台に上がるとこ、絶対落ちひんのはおかしいし。
ラーマの合図でビームが即座に理解できるのも変やろ。
そんな手の合図だけで、単車乗り捨てて火を放つってわかるわけないわい。
などなど、心の中でツッコミを入れながら観るのが毎度楽しい。
スコット役のレイ・スティーヴンソンがもうこの世にいないことが改めて寂しい。
いくら憎らしい役でも、彼あっての『RRR』ですもんね。
そういえば、シータ役のアーリヤー・バットもハリウッドへ進出
初めて『RRR』を観てからは、役者陣にもいろいろ変化があったかもしれません。
本作を観て2023年を終えられたことを嬉しく思います。
明日からは、今年になってから観た作品をUPします。

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『特別編 響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテスト』

『特別編 響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテスト』
監督:石原立也
声の出演:黒沢ともよ,朝井彩加豊田萌絵,安済知佳,石谷春貴,大橋彩香,藤村鼓乃美,
     山岡ゆり,種崎敦美,東山奈央,雨宮天,七瀬彩夏久野美咲杉浦しおり,櫻井孝宏他
 
大晦日の午前中、実家に寄ってから車で塚口へと向かいました。
塚口サンサン劇場近くのコインパーキングに駐め、まず1本。
 
京都アニメーションが手がける武田綾乃原作の人気アニメシリーズの特別編。
こういうアニメを最近観たことがある、きっと本作だと思っていたのですが、
どうやらこれではなかったようで。私が観たのはいったい何!?
高校の吹奏楽部を描いたアニメだった気がするんですけど、謎。
もしかするとアニメじゃなくて『20歳のソウル』(2022)だったのかしらん。
 
そんなわけで、本作のこともまるで知りません。
もとは小説なんですよね。2013年から刊行されて、今も継続中。
京都府宇治市の府立北宇治高校(架空の高校)の吹奏楽部員が主役。
部内外で起きる恋やら、仲間同士の対立や家族の問題などが描かれているらしい。
 
本作はその特別編。
近くおこなわれる府のアンサンブルコンテストに誰が出場するかを、顧問ではなく自分たちで決めます。
3人から8人でチームを組んで出場するコンテストで、誰と組むかも自分たちで決めるんですと。
 
過去に一度も観たことがない作品ですから、人間関係がまるでわかりません。
わからないと入り込めないから、しばしば睡魔に襲われる(笑)。
でも、頼りなさそうな新部長の黄前久美子のおっとりした感じがいいですね。
彼女と練習すると、誰もが自分の問題点に気づかされ、上達してゆく。
さまざまな楽器の音色を聴いているだけで和みます。
 
老後にこのシリーズをまとめて観るのもいいかもしれないと思いました。

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『宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました』

『宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました』(原題:6/45)
監督:パク・ギュテ
出演:コ・ギョンピョ,イ・イギョン,ウム・ムンソク,パク・セワン,
   クァク・ドンヨン,イ・スンウォン,キム・ミンホ他
 
動楽亭に行く前になんばパークスシネマで2本ハシゴの2本目。
前述の『アンブッシュ』の次に本作を観ました。
あまりに楽しくて、ジワッと切なくて、「2023年の好きだった映画」にも入れてしまいました。
 
この邦題はもちろん『愛の不時着』から頂戴したものでしょう。
原題もそうなのかと思ったら全然違う。
かなり無理矢理な邦題に感じるけれど、上手く付けたものだと思います。
原題の“6/45”は日本のロトのような宝くじのことで、1から45までの数字のうち、6つを選んで当てます。
数字をいくつ当てるかで賞金額が決まり、6つとも当てれば賞金額は57億ウォン(=約6億円)。
 
ソウルの居酒屋で商品のオマケに配られていた宝くじ。
誰も当たるなどと思っていないから粗雑に扱い、捨てられた1枚がひらひらと飛んでゆく。
風に乗って宝くじが辿りついた先は朝鮮半島の軍事境界線近く。
 
拾ったのは、韓国軍の兵士パク・チョヌ。
たまたま当選番号の発表を見てそれが1等の当たりくじだと知り、驚喜のあまり挙動不審に陥る。
ところがふとそのくじが手から離れて再びひらひらと飛んで行ってしまう。
 
境界線を超えたくじを今度は北朝鮮の兵士リ・ヨンホが拾う。
これが何なのか知らないヨンホは、韓国の文化に詳しいチョルジンに質問。
嬉々として答えたチョルジンがついでに当選番号を調べると、なんと当たりくじ。
換金するにはどうすればよいかをヨンホとチョルジンは相談する。
 
飛んで行ったくじを探すため、夜中に境界線をくぐり抜けたチョヌはヨンホと遭遇。
くじの持ち主は俺だ、いや、拾った俺のものだと押し問答に。
 
挙動不審が問題視されていたチョヌは病院に送られそうになり、
当たりくじが境界線の向こう側へ飛んで行ったことを上官のウンピョに告白。
最初は信じなかったウンピョだが、証拠写真を見せられて信じざるを得なくなり……。
 
結局、韓国側も北朝鮮側もあと1人ずつが知ることになり、計3名ずつが顔を突き合わせます。
本作のいいところは、このうちの誰も抜け駆けしようとしないところ。
最初は相手の裏をかいて自分たちだけで独占することは考えるものの、
仲間うちでは裏切ることなどまったく考えません。
とても平和で可笑しなやりとりで、いや〜、笑いました。
そしてやっぱり最後にはホロリとさせられる。
 
みんなで相談した結果、チョヌとヨンホが人質として入れ替わることになりますが、
チョヌは畜産に詳しく、ヨンホは北朝鮮仕込みで地雷の撤去なんてお手の物。
目立ってはいけないのに、2人とも北朝鮮と韓国でそれぞれ英雄視されてしまうのです。
 
実際にはこんなことあるわけないけれども、こんなふうなら平和なのにって。
『アンブッシュ』を観た直後だったから、なおのことそう思いました。
 
字幕監修は松尾スズキ。なんで松尾さんなんでしょう。
でもたぶんそのおかげで、より面白い作品になっているのではないかと。
 
何度観ても笑ってしまうと思います。
みんな仲良く。無理ですか。

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『アンブッシュ』

『アンブッシュ』(原題:The Ambush)
監督:ピエール・モレル
出演:マルワーン・アブドゥッラ・サーリフ,ハリーファ・アル・ジャースィム,ムハンマド・アフマド他
 
2023年も押し迫った12月30日の晩、昨年最後の寄席に動楽亭へ行きました。
2本ハシゴの1本目は、ピエール・モレル監督のアラブ首長国連邦/フランス作品。
モレル監督がアラブ首長国連邦(UAE)に招聘されて実話を基に撮り上げたのだそうです。
 
2018年、内戦が続くイエメン南部に駐在するUAE軍の兵士たち。
帰国が間近に迫ったアリ、ビラル、ヒンダシの3人は装甲車に乗り、
戦闘地帯の住民へと支援物資を配りながら、渓谷をパトロールする。
 
すると、待ち伏せしていた敵が現れて急襲を受ける。
どこからともなくRPG(ロケット弾)が飛んできて、回避しようとすると下には地雷が。
必死で背走するうち、装甲車がスタック、どうにも動けなくなる。
3人を捕まえて人質に取ろうとしているのか、煙を焚いて燻り出されそうに。
しかし敵の狙いはパトロール隊を餌に本隊を出動させることで……。
 
タイトルの「アンブッシュ」が「奇襲」を意味すると知らなかったから、
ブッシュ?アン?ブッシュなの?ブッシュじゃないのかなどと阿呆なことを思っていました。
ポスターがまたちょっと私には気持ち悪くて、蟻に狙われる話なのかと思ったりも。(^^;
蟻に見えていたのは、UAE軍を狙う敵で、人海戦術でUAE軍に襲いかかるのですね。
 
装甲車でやってきたUAE軍を足で走って追い詰める。
土地勘がある者ばかり。遥か高い岩の上にはスナイパーがいて、怖いのなんのって。
装備的にはUAE軍のほうが勝っているはずなのに、敵の術中にハマってしまう。
 
正直なところ、敵の正体が何だったのかも私にはよくわからない。
なぜこんなに戦ってばかりいるのかもわかりません。
 
支援物資を運び込んだ村で、アリが子どもたちとボールを蹴るシーンがあります。
サッカーを教えてもらって喜ぶ子どもたち。
駐屯地の兵士たちの会話はサッカーのことで盛り上がっているのに、サッカーをせずに戦う。
子どもたちもいずれボールを蹴らずに銃を持って人の殺し方を覚える。
 
皆が仲間を助けようと必死になるのは素晴らしいこと。
でも、何のために戦っているのかを考えると、虚しくなります。
戦争はなくならない。戦場はいつまで経っても戦場のまま。
 
エンターテインメント性の高い作品で非常に面白いですが、
「面白かった」で済ませると罪悪感に苛まれる。

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『PERFECT DAYS』

『PERFECT DAYS』(原題:Perfect Days)
監督:ヴィム・ヴェンダース
出演:役所広司,柄本時生,中野有紗,アオイヤマダ,麻生祐未,石川さゆり,田中泯,三浦友和他
 
イオンシネマ茨木にて前述の『TALK TO ME トーク・トゥ・ミー』を観た後、
15分後から予告編上映開始の本作に向けて、109シネマズ箕面へダッシュ。
予告編には間に合わないのはもともとわかっていたこと。本編には間に合います。
 
ヴィム・ヴェンダース監督が東京・渋谷を舞台に撮り上げた日本/ドイツ作品。
なんでまたヴェンダース監督が?と思いませんでしたか。私は思いました。
きっかけは、渋谷区内17か所の公共トイレを刷新するプロジェクト“THE TOKYO TOILET”なのだそうです。
このプロジェクトのPR映画の制作が企画され、ヴェンダース監督に依頼が届いたとか。
で、当初は短編が検討されていたものの、ヴェンダース監督が長編作品として撮ることに。
 
下町のアパートに一人で暮らす中年男性の平山(役所広司)は、公衆トイレの清掃員。

毎朝きっちり決まった時間に起き、歯を磨き、軽自動車に乗り込むと、

お気に入りのカセットテープをかけて音楽を聴きながら、渋谷の公衆トイレへと向かう。
 
昼食は公園のベンチに腰掛けてサンドイッチと牛乳。
何十年も使っているカメラで木々をパチリと撮影。
黙々と清掃作業をこなして帰宅した後は、自転車で銭湯へ向かい、駅構内の居酒屋で食事する。
フィルムがいっぱいになれば写真屋に現像に出し、時折行きつけのスナックに顔を出すことも。
 
ほかに寄るところといえば、コインランドリー古本屋ぐらい。
夜は寝床に入って本を読み、眠くなれば就寝。
 
こんなふうに平山のひたすら規則正しい毎日が描かれているといえばそれだけで、
だからちょっと気を抜くと睡魔に襲われそうにもなります。
けれど、なんだかそれがとても心地よい。
平山に過去に何があったかは明かされないままですが、たぶん凄く悲しいことがあったはず。
それでも、日々の幸せを感じ、生きている姿っていいなぁと思う。
 
平山とシフトを組む実にいい加減な清掃員に柄本時生。彼が入れあげる女性にアオイヤマダ
家出して平山を尋ねてくる姪っ子に中野有紗、その母親(=平山の妹)に麻生祐未
駅構内の居酒屋の大将には甲本雅裕、スナックのママには石川さゆり、客にはモロ師岡
公園で踊るホームレスに田中泯、昼食時に隣のベンチに座るOLに(長井短)。
柄本時生演じるいい加減な清掃員が突然辞めた後のピンチヒッター清掃員に安藤玉恵
なんだか観ていて安心できる面々でした。
 
特別なことは何も起こりません。
万人にはお薦めしないけれど、落ち着けます。
公衆トイレのデザインを見るだけでもいいかも。

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