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『サン・セバスチャンへ、ようこそ』

『サン・セバスチャンへ、ようこそ』(原題:Rifkin’s Festival)
監督:ウディ・アレン
出演:ウォーレス・ショーン,ジーナ・ガーション,エレナ・アナヤ,ルイ・ガレル,セルジ・ロペス,クリストフ・ヴァルツ他
 
なんばパークスシネマにて、前述の『レザボア・ドックス』の次に。
 
あっちもこっちも性加害のニュースばかりで本当に嫌になっちゃいます。
アレン監督も前作公開時にいろいろと取り沙汰されて、アメリカでは未公開の憂き目に遭いました。
『ミッドナイト・イン・パリ』(2011)が大好きだった私は、やっぱりそんな人だとは思いたくない。
 
……と思っていたのですけれど、これは全然駄目だったなぁ。(T_T)
 
かつて大学で映画について講義していたこともある作家モートは、
映画の広報担当者として活躍する妻スーに同行し、スペイン北部バスク地方の街サン・セバスチャンへ。
この街では映画祭が開催されているのだ。
 
スーが現在広報を担当しているのは、フランス人の若くてイケメンの監督フィリップ。
どうやらスーはフィリップにぞっこんらしいのが見た目にも明らか。
 
スーの浮気を疑うモートは不安のあまり体調不良に陥り、地元の女性医師ジョーの診察を受ける。
ジョーの夫は自由奔放な芸術家パコで浮気もし放題だから、夫婦間の喧嘩が絶えない。
そんなジョーのことも気になりはじめるモートだったが……。
 
モート役のウォーレス・ショーンは、言っちゃ悪いけどハゲちび小デブ。
大画面で見ていたい人ではありません。ごめんなさい。
この人の妻役がもうオバハンではあるというもののイケイケお色気たっぷりのジーナ・ガーション
彼女がモートと結婚したのは知性に惹かれたからであって、
作家だといってももう小説を書けそうにもないモートに興味はありません。
 
スーが若い監督に入れ上げるのもたいがい「オバハンの妄想」ですが、
まったくイケてない中年男が美人女医と良い仲になれるなんて考えるのは確実に「オッサンの妄想」
ワインを飲んで酔ったふうのジョーに向かって、「酔ったのはワインのせい?
それとも僕との魅力的な会話のせいかな」なんてほざくシーンはゾワーッとしました。(–;
 
だから、大嫌いなんだってば、オッサンとかオバハンの妄想。
ものすごくがっかり。
『サンクスギビング』の序盤で無残にも頭をちぎられたジーナ・ガーションが
最後まで美しいまま出演させてもらえていたことだけで良しとしましょかね。
 
あー嫌い。大嫌い。
年間ワースト3入りする気配すらある。まだ2月初旬だけど。(^^;

—–

『レザボア・ドッグス』【デジタルリマスター版】

『レザボア・ドッグス』(原題:Reservoir Dogs)
監督:クエンティン・タランティーノ
出演:ハーヴェイ・カイテル,ティム・ロス,マイケル・マドセン,クリス・ペン,スティーヴ・ブシェミ,
   ローレンス・ティアニー,カーク・バルツ,エディ・バンカー,クエンティン・タランティーノ他
声の出演:スティーヴン・ライト
 
1991年のアメリカ作品のデジタルリマスター版がなんばパークスシネマで上映されていました。
クエンティン・タランティーノの名を一躍世に知らしめた作品として有名ですね。
2005年のイギリスの映画雑誌『エンパイア』が発表したインディペンデント映画ベスト50では1位に選ばれています。
当時の対抗馬は『ユージュアル・サスペクツ』 (1995)などなど。
 
それはきっと私が『パルプ・フィクション』(1994)を教えたからだと思います。
本作のDVDも弟の部屋にあったのを思い出し、観に行ったというわけです。
 
ロサンゼルスの裏社会を牛耳る大物ジョーは宝石店に押し入ることを計画。
息子エディを司令塔に指名し、確かな腕を持つと見込んだ6名を実行メンバーとして集める。
もしもお互いの本名や出身地などを知れば、何かの拍子にポロリとそれを口走ってしまうかもしれないと、
素性を隠すためにコードネームで呼び合うことに。
 
ジョーが決めたコードネームは、ミスター・ホワイト(ハーヴェイ・カイテル)、ミスター・オレンジ(ティム・ロス)、
ミスター・ブロンド(マイケル・マドセン)、ミスター・ピンク(スティーヴ・ブシェミ)、
ミスター・ブルー(エディ・バンカー)、ミスター・ブラウン(クエンティン・タランティーノ)。
 
計画は簡単に実行できるものと思われたが、警報が鳴るが早いか警官が駆けつける。
ホワイトは、銃で撃たれて重篤なオレンジを抱えて車に乗り、なんとか集合場所の倉庫にたどり着く。
しばらくして現れたピンクは、メンバーの中に警察のイヌがいるに違いないと主張。
次にやってきたブロンドは、現場から人質として連れてきた若い警官を拷問し、誰がイヌかを吐かせようとするのだが……。
 
それぞれのキャラクターがよく書き込まれていて面白いですよねぇ。
自分で脚本を書いて、出演もして、明らかな低予算でこんな1本を撮り上げたタランティーノ。
そりゃみんな大騒ぎしたことでしょう。
 
私も30年以上ぶりに観ましたが、やっぱり楽しい。グロいシーンも多いけど。
弟のお気に入りだった作品であることも含めて、いろいろと懐かしくなります。
エディを演じたクリス・ペンはその後40歳のときに亡くなり、もうとっくにこの世にいません。
一方で、ハーヴェイ・カイテル、ティム・ロス、マイケル・マドセン、スティーヴ・ブシェミといった俳優たちは、
相当なオッサン、いえ、ジジイになってはいるものの、まだ現役。
 
懐かしさでいっぱい。
観に行ってよかったと思います。

—–

『哀れなるものたち』

『哀れなるものたち』(原題:Poor Things)
監督:ヨルゴス・ランティモス
出演:エマ・ストーン,マーク・ラファロ,ウィレム・デフォー,ラミー・ユセフ,ジェロッド・カーマイケル,
   クリストファー・アボット,キャスリン・ハンター,ハンナ・シグラ,ヴィッキー・ペッパーダイン他
 
109シネマズ箕面にて。
 
スコットランドの作家アラスター・グレイの同名ゴシック小説をギリシャ出身のヨルゴス・ランティモス監督が映画化。
この監督の日本で初めて公開された作品『籠の中の乙女』(2009)を観たときの衝撃はいまだに忘れられません。
鬼才か奇才かと言うけれど、やっぱり変態だと思います。好きですけどね(笑)。
 
ある日、医学生のマックス・マッキャンドルズは、心酔する天才外科医ゴドウィン・バクスターに呼ばれる。
ゴドウィンの邸宅について行くと、そこには世にも美しき痴人がいた。
 
その痴人の名はベラ。
ゴドウィンはベラの行動の一部始終を書きとめて記録するようにマックスに言う。
大人の女性の容姿でありながら、まるで幼児のごとき振る舞いのベラに驚きつつ、
彼女の魅力に取り憑かれたマックスは、ベラの事情を知りたいと思い、ゴドウィンに詰め寄る。
 
するとゴドウィンが語ったのは信じがたい話。
橋の上から女性が身投げする瞬間を目撃したゴドウィンが駆け寄ると、
女性はすでに息絶えていたが、彼女は妊婦だった。
ゴドウィンは腹の中の胎児を取り出すと、胎児の脳を遺体の脳に移植し、女性を生き返らせる。
肉体は女性、脳は赤ん坊のベラを育てる実験をしているゴドウィン。
マックスはその成長過程を記録する役目を与えられたのだ。
 
目覚ましい成長を見せるベラは、自我の芽生えと共に、外の世界に興味を持ちはじめる。
彼女を外に出したくないゴドウィンは、ベラとマックスを結婚させて邸宅に閉じ込めようとするが、
婚姻の書類を作成しに訪れた放蕩弁護士ダンカン・ウェダーバーンは、ベラを連れて行こうとする。
 
ダンカンとの駆け落ち計画をもゴドウィンに素直に報告するベラは、
いずれ戻ってマックスと結婚するから、しばらく冒険の旅に出たいと告げる。
ゴドウィンとマックスはそれを了承してベラを送り出すのだが……。
 
グロさの点では『サンクスギビング』の上を行く。しかしとても面白い。
この監督のことですから、ひょえ~というオチか、なんじゃいこれというオチを予想していたのに、
なんだかんだでこれはハッピーエンドじゃあないですか。
 
見た目は女性だけれど頭の中は赤ん坊だったベラが成長して行くと、
食べるものへの興味と性への興味がいちばんに出てきます。
性行為を「熱烈ジャンプ」と評する彼女が可笑しい。字幕翻訳松浦美奈さん。最高です。
 
プレイボーイを自認し、ベラとちょっと遊ぶつもりだったのに骨抜きにされるダンカン。
豪華客船に乗ってベラと外界との関わりを断とうとするも失敗し、困り果てます。
船上で知り合った老女に知識欲を刺激され、どんどん賢くなっていくベラ。
ダンカンはベラを思い通りにできずに荒れて泣き崩れるだけですが、
ベラのほうはパリの娼館にたどり着くとそこでたくましく生きるすべを覚えます。
 
凄い脱ぎっぷりを見せてくれたエマ・ストーンの演技が素晴らしい。
ダンカン役はマーク・ラファロ“アベンジャーズ”“ハルク”のイメージが強いですが、
こんなダメダメ男もよく似合っていて上手い。
つぎはぎだらけの顔のゴドウィン役、ウィレム・デフォーは言うまでもなくさすがです。
マックス役のラミー・ユセフにも温かみがあってよかった。
 
万人には鑑賞を勧められませんが、面白くて良い映画を観たなぁと思えます。

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『サイレントラブ』

『サイレントラブ』
監督:内田英治
出演:山田涼介,浜辺美波,野村周平,吉村界人,SWAY,中島歩,円井わん,辰巳琢郎,古田新太他
 
イオンシネマ茨木にて。
 
TVドラマでも同タイトルのものがあったと思っていたら、あっちは『サイレント・ラヴ』なのですね。
こっちは原案と脚本を内田監督ご自身が担当されたらしい。
私の惹かれるオリジナル脚本というやつなのですけれども。
 
音大ピアノ科で首席を取ると目されていた生徒・甚内美夏(浜辺美波)は、交通事故に遭って視力を失う
自暴自棄になって校舎の上から飛び降りようとしたところを助けたのが清掃員・沢田蒼(山田涼介)。
 
蒼はある出来事をきっかけに声が出ないのか出さないのか、ひと言も発することがなくなった。
美夏が落としたガムランボールを拾い、その音色によって雑踏の中で戸惑う美夏を導く。
何も話さない蒼を不思議に思いつつも、蒼といるときには落ち着きを見せはじめる美夏。
 
一度は自殺しかけたものの、いずれ視力が回復する可能性はあると医者から言われており、
作曲科への転向を教師から勧められても絶対にピアノをあきらめたくない。
通常は立ち入り禁止となっている旧校舎に潜り込み、ピアノの練習を始める美夏。
鍵の在処を知っている蒼は、美夏のためにその校舎の扉を開けてやるようになる。
 
蒼のこともピアノ科の生徒だと思い込んでいる美夏は、そのうち蒼のピアノも聴かせてほしいと言う。
困惑する蒼がある日偶然耳にしたのは、金持ちの御曹司・北村悠真(野村周平)のショパン
非合法カジノギャンブルに手を出し、借金をつくっている悠真に、
目の見えない美夏の前で蒼のふりをしてピアノを弾いてほしい、金を払うからと頼み込み……。
 
今まで何作か観てきて思うのは、内田監督のラブストーリーは私はちょっぴり苦手かもしれないということ。
私にはいずれの作品も男性陣が素敵に見えないのです。
『ミッドナイトスワン』でトランスジェンダー役を演じて絶賛された草彅くんも含めて。
 
だいたい、ピアノを弾く人の手なんてすぐわかるでしょうし、
清掃人と御曹司では着ているものもその人もにおいも、たぶん何もかも違う。
なのに美夏がいつまでも気づかないはずがなく、無理があります。
事実、美夏はとっくに気づいているから、無理のない話とも言えますが。
 
野村周平くんは可愛いので好きだけど、この役は似合っていない。
とにかく、出演陣でいちばんカッコイイと思ったのが古田新太なのですから(笑)。
 
この身分違いの恋が果たして上手く行くと思いますか。
そこはまったく描かずなのですから、夢があるといえばあるし、でも無理だって。
殺人の前科のある日雇い労働者とお嬢様。
どんな理由があっても前科のある人間が生きていくところがないなんてのも辛いけど、夢過ぎる。
すれていないカップルで観に行くにはオススメかもしれません。(^o^;
 
唯一嬉しかったのはちょっと私のツボになりつつある円井わんが出演していることかな。

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『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』

『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』
監督:菅原伸太郎
出演:竹内涼真,高橋文哉,堀田真由,板垣李光人,窪塚愛流,橘優輝,
   吉柳咲良,須賀健太,味方良介,黒羽麻璃央,吉田鋼太郎他
 
まったくついていけなくて放心した『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』
気を取り直し、同じくイオンシネマ茨木にてレイトショー。
 
これもコミックが原作なのかと思っていましたが、そうじゃないんですね。
日本テレビとHuluの共同制作によるTVドラマとのこと。
2021年来、Season1からSeason4まであって、その間にはスペシャル版もあった模様。
私はいつものごとくこの劇場版でお初にお目にかかります。
 
自動車整備工の間宮響(竹内涼真)は、医師を目指す小笠原来美(くるみ)(中条あやみ)と交際中。
砂浜でプロポーズしようとしていたある日、エンストして困っているデート中のカップルを見かける。
カップルは鳶職の柴崎大和(高橋文哉)と看護師の羽鳥葵(堀田真由)。
響はそんなことは放っておいて早くプロポーズを進めたいのに、来美は「助けてあげれば」と言う。
仕方なく手を貸す響に、彼女の前でいい格好をしたい大和は喧嘩腰。
無事に修理を終えて帰るときも大和は不機嫌な顔。響と来美に頭を下げ通しの葵。
 
この後たぶん月日が経過するのですよね。
響と来美が結婚したのかどうかこの劇場版ではわかりませんが、
とにかくふたりの間に「ミライ」と名づけられた娘が生まれたことはわかります。
そして、来美がゾンビウイルスに冒されてゴーレムと化し、響の手で命を絶たれたことも。
 
ゴーレムがうようよ徘徊するなか、唯一安全な環境下にある超高層タワーの上階。
“ユートピア”と呼ばれるそのタワーでは、ゴーレムに対するワクチンの研究がおこなわれている。
研究を指示しているのは西条玄(吉田鋼太郎)、研究のリーダーは室田シンジ(須賀健太)。
来美が産んだミライは抗体を持っているらしく、ミライの血液からワクチンを作ろうとしているのだ。
 
ユートピアにミライが囚われていることを知った響は、地下から侵入を試みる。
地下にはまだゴーレム化していない人々が集まって生活している。
上階への侵入経路を確かめに来た響をみんなして痛めつけようとするが、響は動じない。
葵を探すためにユートピアへたどり着いた大和と再会し、
響と葵、地下で暮らしていた若者を仕切る加地裕也(黒羽麻璃央)や天城ジン(板垣李光人)、
また、ワクチンを入手すべくやってきた藤丸礼司(窪塚愛流)らが、上階を目指して行動を開始するのだが……。
 
テレビでいいかなとは思うものの、高層タワーでのアクションシーンは大きな画面で観るのが良し。
本作を観て帰宅したとき、偶然テレビでスタッフの方のひとりが話しているのを聴きました。
テレビだとグロさの演出に限りがあるから、映画のほうが思うぞんぶん特殊メイクができるのだとか。
確かに、ゴーレムの見た目はかなりグロいです。
 
菅田将暉は主題歌を歌っているだけかと思ったら、ジンの兄役で特別出演しています。
もとは医者でワクチンをつくる側の人間だったのに、そのワクチンのつくり方に人道的問題ありと唱えたら治験対象にされ、
今は死ぬに死ねないゴーレムとして生かされている。なんとも切ない役です。
こんな役でもちょうどいい具合に存在感を発揮するのですねぇ、彼は。
 
ひとりの命を救うのか、人類の命を救うのか。
だけど、人類の命が大事だと言っている西条は、自分の命があって金儲けさえできればいいと思っている様子。
世のため人のために薬やワクチンを開発している人も多いのでしょうが、結局そこには金がついてまわる。
 
周囲がみんなゾンビになっても人間として生きたいか、
ゾンビになっちゃうくらいなら人間のまま死ぬほうがいいのかどうかはゾンビものを観るたびに思うこと。
ネタバレになりますが、ミライを救うにはこうするしかなくて、死ねないまま時を過ごしていた響。
彼の心に思いを馳せるとかなり切ない。

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