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『サイラー ナラシムハー・レッディ 偉大なる反逆者』

『サイラー ナラシムハー・レッディ 偉大なる反逆者』(原題:Sye Raa Narasimha Reddy)
監督:スレーンダル・レッディ
出演:チランジーヴィ,ナヤンターラー,タマンナー,スディープ,ジャガパティ・バーブ,ヴィジャイ・セードゥパティ,
   ヘンリー・メイナード,オスカー・スカガーバーグ,アミターブ・バッチャン,アヌシュカ・シェッティ他
 
最近ハマっている“ひとりなんばグランド花月”。
ひとりでオンライン予約すると、出入り口すぐ横の端っこ席を取れることが多いんです。
前日は祇園で酔っぱらっているから、翌日朝イチの回を取るのは無謀だと思いましたが、
3連休の中日だもの、頑張れば翌日もまだ休み。這うように起きてなんばへ。
 
その後、さらに無謀だとは思いましたが、吉本新喜劇を見て泣くほど笑ったら元気が出て、
塚口サンサン劇場へ向かい、気になっていた本作も観ることができました。
 
昨秋、“熱風!!南インド映画の世界”で上映されていた2019年のインド作品。
『RRR』(2022)のラーマ役、ラーム・チャランの実父チランジーヴィの主演です。
ラーム・チャランがこの先お父さんそっくりになったら嫌だなぁと思っていましたが、親父の印象が変わる。
この人、今年69歳になるというのに、なんだ、カッコイイじゃあないか。
長尺ボリウッドの例に漏れず、本作も167分。寝るかと思ったけど、面白くて寝る暇なし。
 
1840年代、南インドのレーナードゥ地方には61の領主国家がありました。
それを征服しようとしていたのがイギリス東インド会社。
冒頭に登場するのは1857年のウッタル・プラデーシュ州の都市ジャーンシー。
イギリス軍に包囲されて怯える兵士たちを鼓舞しようと女王が話すのがサイラー・ナラシムハー・レッディのこと。
 
領主のうちのひとりだったサイラーは、イギリス東インド会社の言いなりになることに反発。
自分たちの畑を自分たちで耕して育てた穀物を、何もしない連中が根こそぎ持って行くなんて許してはならない。
今後は穀物による税をいっさい支払わないと言い切ります。
 
そんなことを言えばどんな目に遭わされるかわからないと、おとなしく増税に応じようとする領主も多いなか、
サイラーはイギリス東インド会社によって禁じられていた祭りなども再開。
領民たちはサイラーと共に戦うと決め、覚悟を決めて賛同する領主も出てきます。
 
こうして一致団結した彼らは、自分たちを見下して搾取する白人をインドから追い払う戦いに挑みます。
けれど、そこではやはり金が動いて、裏切る者もひとりやふたりではありません。
 
何が何だかわからずにハマった『RRR』も、これを観てからまた観ればよくわかりそう。
『RRR』のエンドロールに登場するインドの英雄たちの始祖がサイラーだということですね。
 
サイラーの妻役のナヤンターラー、想い人役のタマンナー、ふたりともめちゃめちゃ綺麗。
チランジーヴィのみならず、ヴィジャイ・セードゥパティなどボリウッドの人気俳優も出ていることが嬉しい。
 
大作です。面白かった。

—–

『夜明けのすべて』

『夜明けのすべて』
監督:三宅唱
出演:松村北斗,上白石萌音,渋川清彦,芋生悠,藤間爽子,久保田磨希,足立智充,
   宮川一朗太,内田慈,丘みつ子,山野海,斉藤陽一郎,りょう,光石研他
 
イオンシネマ茨木にて、封切り日のレイトショーを鑑賞しました。
その前日に瀬尾まいこの原作は読了。原作の感想はこちら
 
映画版はまず男女ダブル主人公の片方、女性のほうがPMS(月経前症候群)で苦しむ様子や、
PMSとはどういうものかをモノローグで話すシーンで始まります。
 
25日から30日間の周期で1度、生理が始まる前に途轍もないイライラに襲われ、
それを口に出さずにはいられずに爆発させてしまう藤沢美紗(上白石萌音)。
大学卒業後に大手企業に勤めたものの、PMSが原因で上司に暴言を吐くなどの悪態をつく。
それを抑えようと飲んだ薬の副作用で会議室で居眠りも。
どうにも居たたまれずにわずか数ヶ月で辞表を提出した。
現在勤めているのは面接の段階でPMSを打ち明けて採用してくれた唯一の会社・栗田科学。
 
中年以上の社員が何人かいるだけのこの小さな会社に、藤沢の後に入社してきたのが山添孝俊(松村北斗)。
やる気はまるで感じられず、仕事もたいしてしないくせして誰よりも早く帰る。
ある日ちょうどPMSに見舞われた藤沢は、山添についにイライラを爆発させる。
 
しかしそんな山添も実はパニック障害を抱えて苦しんでいた。
希望先に就職して希望の仕事をし、誰とも上手くやってきていたはずなのに、
突然、電車に乗ったり食事に行ったり、人のいるところでは発作を起こすようになったのだ。
 
山添が服用している薬を見て自分と同じような障害に悩まされていると知った藤沢は……。
 
主に原作との違いについて書いてみると、まず原作では「栗田金属」、映画版は「栗田科学」。
「夜明けのすべて」というタイトルから「夜」→「プラネタリウム」としたのでしょうか。
確かに映像にするなら金属を見せるよりもプラネタリウムのほうが美しいか。
 
原作では山添のパニック障害発症後にとっくに別れていた彼女が登場、映画版ではまだ交際中です。
芋生悠演じる彼女は正直言って本作に要らないと思いました。
山添の定期診察についていって精神科医(内田慈)に詰め寄るなど、山添を追い込むことしかしていない。
藤沢のことをわざわざ呼び止めて「彼に寄り添ってくれてありがとうございます」と言うなんて、
心から藤沢に感謝しているというよりは、自分の存在を藤沢に見せつけたいかのようで好きじゃない。
ただ、実際に自分の恋人がこんなふうになったら、カノジョはこう出るでしょうかね。
 
藤沢の母親(りょう)は車椅子生活を送っているなんていうのも原作にはない設定。
母親の介護のために藤沢は実家へ戻ろうと、栗田科学から転職を検討中。
こんなにもいろいろと原作にない設定を盛り込む必要を私は感じません。
映画にするならばこれぐらい「ない」設定を入れなきゃいけないということなのかなぁ。
 
と文句を言い気味になってしまいましたが、キャストはよかったと思います。
主演のふたりに好感が持てるし、会社の人たちを演じる役者陣がとてもいい。
栗田科学の社長に光石研、山添の元上司に渋川清彦
あ、そういえば、このふたりが共に身内を亡くしていて、グリーフケアの会で顔なじみというのも原作にない設定でした。
 
そして何よりも残念だったのは、
原作ではあれほど盛り上がった『ボヘミアン・ラプソディ』の話が映画版にはまったくなかったこと。
ま、映画版にそんな話を入れたところで、ボラプ未見の人にはどうでもいいですもんね。(^^;
 
こんな会社があれば救われる人がいっぱいいると思う。

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『カラーパープル』

『カラーパープル』(原題:The Color Purple)
監督:ブリッツ・バザウーレ
出演:ファンテイジア・バリーノ,タラジ・P・ヘンソン,ダニエル・ブルックス,コールマン・ドミンゴ,
   コーリー・ホーキンズ,H.E.R.,ハリー・ベイリー,アーンジャニュー・エリス=テイラー他
 
公開初日に109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
アリス・ウォーカーは1983年にピューリッツァー賞のフィクション部門を受賞。
それをスティーヴン・スピルバーグ監督が映画化したのが1985年のことでした。
さらにそれが2005年にブロードウェイでミュージカル化されて大ヒットし、
そのブロードウェイミュージカルを映画化したのが本作。
 
そして私は1985年の映画版を観ていないことに気づき、本作鑑賞後に配信で鑑賞して見比べました。
Netflixでは配信なし、Amazonプライムビデオにはあったけど、無料ではなく100円課金。
 
スピルバーグが監督を務めると決まったとき、原作者のアリス・ウォーカーは反対したとか。
ま、そりゃそうでしょう。黒人の話を白人監督が撮れるものだろうかと思う。
渋るウォーカーを説得したのが、音楽を担当したクインシー・ジョーンズだったとのこと。
このミュージカル版リメイクではクインシー・ジョーンズも製作に名を連ねています。
 
内容は概ね同じで、全然違う描写というのは見当たりません。
 
セリーとネティは仲良し姉妹。母親を亡くしても、横暴な父親のもとでも、ふたりでいれば生きて行ける。
そう思っていたのに、父親のアルフォンソは姉のセリーを“ミスター”ことアルバートに売りつける。
 
ミスターといえば、浮気した妻を殺したとの噂。彼は残された3人の子どもの世話を誰かにさせたがっていた。
ミスターは美人のネティを娶ることを希望したが、アルフォンソは不美人のセリーをミスターに売る。
セリーは荒れ放題のミスターの家で家事に追われつつ、性欲のはけ口にされ、
殴る蹴るの暴行を受けながら、わがままな子どもたちの世話までしなければならない。
 
セリーは実家にいる間もアルフォンソから性的虐待を受けて、2度妊娠、出産。
生まれた赤ん坊はすぐにアルフォンソによって取り上げられ、子どものいない牧師夫婦に売られていた。
アルバートのところへセリーが嫁いだ後、今度はネティに手を出そうとしていたアルフォンソ。
たまりかねたネティは実家を逃げ出してセリーに助けを求める。
 
ミスターからネティを家に置いてもよいという許可を得て、
また仲良し姉妹で暮らせると喜んだのも束の間、ミスターがネティを襲おうとする。
ネティが逃げると、ミスターは激怒。ネティを追い出してしまう。
こうしてまたひとりになったセリーは、ネティからの手紙を待ちわびるも、届いた手紙はすべてミスターの手に。
 
ある日、ミスターが想い焦がれる歌手シュグが帰郷する。
村中の男たちを虜にするシュグは、ミスターの家に泊まることに。
セリーは甲斐甲斐しくシュグの世話を焼き、いつしかふたりの間に絆が生まれ……。
 
というような物語。
スピルバーグ版でセリーを演じていたのがウーピー・ゴールドバーグでした。
有名司会者のオプラ・ウィンフリーの映画デビュー作も本作だったそうで、
ミスターの息子ハーポに嫁ぐ豪快な女性ソフィア役を演じています。
 
観る前は人種差別について描かれている作品だと思い込んでいました。もちろんそんなシーンはある。
いけ好かない市長と市長夫人が「私たち、黒人にとても優しくて理解があるの」なんて言うシーンは反吐が出そう。
この市長夫人、車で事故って死ねばいいと思ったけど、そうか、死なないのか~(笑)。
 
本作は、白人による黒人迫害よりも、黒人による黒人女性の迫害が描かれています。
こんな男ばかりじゃないんでしょうが、本当にひどい。
女なんて殴っときゃ従わせることができると思っている男たちが、女性たちの反逆に遭って面食らう。
皆が集う席で、セリーがミスターとその父親に馬鹿野郎と言うシーンは胸がすく。
ソフィアとシュグもいいですよねぇ。
 
ネティが戻ってくるに至った経緯など、ミュージカル版のほうがわかりやすくて優しい。
ラストのセリーと子どもたちが会うシーンはオリジナル版のほうが好き。
そのほかのシーンを見比べても、キャストはどちらも素晴らしいし、良い作品だと思いました。
ただ、テーマがテーマだけに難しい。安易に「良かった」とは言えない雰囲気もあります。

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『ビヨンド・ユートピア 脱北』

『ビヨンド・ユートピア 脱北』(英題:Beyond Utopia)
監督:マドレーヌ・ギャヴィン
 
TOHOシネマズなんば本館で前述の『大室家 dear sisters』を観てから別館に移動しました。
 
さまざまな劇場で上映されているのは知っていましたが、明るい話ではないのは確実で先送りに。
そろそろ上映終了だなと思っていたとき、毎日新聞の紹介記事を目にしました。
公開中と書いてあるけど、その2日後には大阪での上映はどこも終了よ。
んじゃ観に行かねばなるまいと思ったのでした。
記事の効果なのか、上映最終日に結構な客の入り。もしかしたら続映になるかも。
(→この後ほかのニュース番組でも取り上げられ、再上映する劇場が出ています。)
 
シネコンで上映されるのは珍しい、脱北者に密着したドキュメンタリー。
脱北者のその後を描いたフィクションなどはこれまでにもありましたが、
北朝鮮からの脱出劇をリアルタイムで記録したドキュメンタリーはこれまでにないでしょう。
そもそもそんな状況を撮影するのが可能とは思えない。でも実現したんだ。
 
毎日新聞の記事によれば、脱北者を支援する韓国在住のキム・ソンウン牧師のもとへ、
ある日、アメリカの映画監督マドレーヌ・ギャヴィンから連絡があり、
脱北者のドキュメンタリーを撮りたい旨を伝えられたそうです。
冗談じゃない、撮影隊と共に脱北に同行するなんて、捕まえてくれと言っているようなものだと断ります。
そらそうです、殺されてしまうかもしれないのですから。
 
ところがギャヴィン監督はあきらめない。
韓国までやってきて、撮影はすべてキム牧師の指示に従うという。
それを聞いたキム牧師は、このドキュメンタリーを撮ることで脱北の必要を世界に知らしめることができ、
脱北者の何か役に立つならばと引き受けたそうです。
 
脱北を決意した5人家族には幼い子ども2人と80代のおばあちゃんが含まれています。
この家族がキム牧師率いる支援組織の協力を得て過酷な脱出作戦に臨むのですが、その行程約1万2千キロ。
脱北を図ると、北朝鮮国内ではなく中国に入った瞬間に捕まることが多い。
強制送還され、死ぬまで厳しい拷問を受けることになる。
北朝鮮から中国へ入国済みだったその家族は、そこからベトナム、ラオスを経由してタイへ。
最終的には亡命先の韓国を目指します。
 
ぞろぞろと撮影隊を引き連れて移動するわけにはいかず、スマホのみによる撮影のときが大半。
ジャングルを10時間も歩くなど、本当に過酷。
しかも、ブローカーがいい人ばかりではないから、同じところをぐるぐる回らせて金を釣り上げられるなんて場合も。
 
80にもなって祖国を出ることになったおばあちゃん。
彼女も勿論のこと、生まれたときから洗脳されている子どもたちは、将軍様は素晴らしい方だと思っています。
世界中が北朝鮮と同じような状況で、その中で北朝鮮はいちばん裕福で幸せだと思い込んでいる。
糞尿を肥料にするために、すべて袋や箱に詰めて学校や会社に持って行き、それを農家が引き取りに来る話など衝撃的。
動物のじゃないですよ、人間の糞尿ですよ。
 
北朝鮮で聖書を読むことが禁じられているのは、国民を騙していることがバレるから。
全国民を洗脳し、騙しつづけていられることには驚きます。
 
この家族は亡命に成功しましたが、ニュース番組でも取り上げられていたように、
息子を脱北させられなかった女性にも同時に取材しています。
自身は先に脱北していて、念入りな計画後に息子を韓国へ来させようと思ったら失敗。
息子は政治犯の収容所に送り込まれ、今は生きているかどうかもわからない。
 
こんな国でも祖国は祖国。
何も知らないまま自分たちは恵まれていると思って過ごすほうが幸せだったのか。
脱北して今はもう自分の国がどんな国であったのかわかっているけれど、それでも故郷を思う気持ちが切ないです。

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『大室家 dear sisters』

『大室家 dear sisters』
監督:龍輪直征
声の出演:加藤英美里,斎藤千和,日高里菜,倉知玲鳳,伊藤彩沙,古賀葵他
 
平日の仕事帰り、TOHOシネマズなんばへ後述の本命目当てで向かいました。
この日は新御が結構混んでいて、なんばに到着したのが19時前。
後述の作品とハシゴするためにはこれを観るよりほか選択肢がありません。
 
上映時間43分。「特別料金」とあるから安いのかと思ったら1,600円。なんだと!?
まぁほかに観るものがないんだから仕方がない。
 
原作者のなもりのことも、漫画雑誌『コミック百合姫』の存在も初めて知りました。
百合、つまり百合族、レズビアンの恋愛をテーマにした漫画雑誌だそうな。
本作はその雑誌に10年以上に渡って連載中の『ゆるゆり』のスピンオフらしい。
 
『ゆるゆり』に登場する人気キャラクター、大室姉妹。
その「ゆるふわな日常」を描くというものです。
毎度のことですが、前知識なし。「百合」だというのも今知ったぐらい。
初見でわかったことは以下のとおり。
 
大室姉妹の長女は美人でクールな高校3年生、撫子。彼女がおそらく百合。
次女は姉妹の中でいちばんの能天気、明るさいっぱいの中学1年生、櫻子。
三女は勉強も運動もできて、学校中の尊敬を集める小学2年生、花子。
 
本当に、この3人の日常だけが描かれている作品です。
結構面白いといえば面白いけれど、花子の口癖「~し、~だし」が私はどうにも気になる。
また、花子に対抗意識を燃やす高崎みさきのキャラは、実在すればかなりうざい。(^^;
みさきは、花子がみんなから「花子様」と呼ばれるのが気に入らなくて、
自分こそが様付けで呼ばれるのにふさわしいと主張し、何かと花子に張り合います。
その割に何もできないって、普通、めっちゃ面倒くさいやつでしょう。
彼女を嫌いもせずに相手をする小学生たち、優しいなぁ。特に小川こころの優しさはまるで神。
 
こんな感じでイライラしながら観ていました。
が、6月には続編が公開されるのですと。結局観に行くんだろうなぁ、私。(–;

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