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『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』

『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』(原題:Five Nights at Freddy’s)
監督:エマ・タミ
出演:ジョシュ・ハッチャーソン,エリザベス・レイル,パイパー・ルビオ,
   メアリー・スチュアート・マスターソン,マシュー・リラード他
 
イオンシネマ茨木にて。
 

ホラーを観ることもすっかり珍しくなくなりました。

Five Nights at Freddy’s”という世界的人気を誇るホラーゲームがあるそうで。

それを基にした実写映画をブラムハウスが企画、このたび叶う。
 
マイクは少年時代に目の前で弟のギャレットをさらわれた過去がある。
しばらく前に母親は亡くなり、それに耐えきれずに父親も失踪。
後に残されたマイクが歳の離れた妹アビーの面倒を見ている。
 
ギャレットの行方はわからないまま。連れ去った犯人の手がかりも皆無。
マイクは自身の記憶をたどるため、連れ去り場面を夢の中で何度も見ることにより、
見落としている証拠はないものかを考え続けている。
そのせいで睡眠は浅く、イライラしがちで、仕事が長続きしない。
 
マイクとアビーの叔母ジェーンは、そんなマイクの養育権を取り上げようとするが、
アビーを心配してのことではなく、補助金目的なのがあきらか。
どうしてもジェーンとは暮らしたくないと言うアビー。
マイクもそうしたいのは山々だが、仕事が決まらなければどうしようもない。
 
そこでキャリアカウンセラーのウィリアムのもとを訪ねて相談すると、
ただひとつだけマイクに紹介できる仕事があると言う。
それは廃墟と化したピザレストラン“Freddy Fazbear’s Pizzaria”の警備員
このレストランはもう閉店から長く経つが、所有者が手放そうとせず、
夜間は不法進入等を防ぐために警備員が必要らしい。
 
不気味な職場のうえに給料も安い。それでもアビーを養うためには仕事をしなければ。
マイクは致し方なくシッターにアビーを預けてこの職に就くのだが……。
 
口コミを見ると、全然ホラーじゃない、怖くない、なんだこれは!みたいなものが多いのですが、
私にとってはじゅうぶん怖くて面白かったです(笑)。
 
思いっきりネタばれしちゃいます。
 
キャリアカウンセラーのウィリアムが変態で犯人なんです。
子どもをさらっては中枢神経をいじって記憶をなくし、レストラン内のロボットと同体化させます。
人間サイズの動物のマスコットロボットの中には、実はさらわれた被害者が入っているという、
世にも恐ろしくて不気味な話。しかもウィリアム役がマシュー・リラードだから、さらに不気味。
 
彼の娘で女性警察官のヴァネッサが父親に逆らえずに何かと処理を手伝っている。
話に無理がありすぎるとは思うけれど、ヴァネッサ役のエリザベス・レイルが美人だからいいや(笑)。
アビー役のパイパー・ルビオはとても賢そうな可愛い子。
家族に不幸があったせいで想像上の友だちを作り出していると大人は思っていますが、
彼女が事件解決の鍵になります。
 
“ハンガー・ゲーム”シリーズまではまぁまぁ活躍していたジョシュ・ハッチャーソン
その後すっかり姿を見なくなったなぁと思っていましたが、こんなところで主演。
彼ももう三十路なので、こんな幼いアビーと兄役というのも引っかかるけど、
本作の続編が作られるそうですから、仕事にあぶれることはないですね。
かつて恋愛もののヒロインを演じていたメアリー・スチュアート・マスターソンが
こんな意地悪な叔母さん役だということに驚愕。時の流れを感じる1本でした。

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『ストップ・メイキング・センス』【4Kレストア版】

『ストップ・メイキング・センス』(原題:Stop Making Sense)
監督:ジョナサン・デミ
 
1984年の作品の4Kレストア版が公開されていました。
トーキング・ヘッズの主な活動期間は1970年代後半から1990年代だから、
私は絶対聴いているはずなのですが、思い出せない。
それどころかバンド名のせいで思い出すのはザ・ロマンティックスの“Talking in Your Sleap”ばかりです。
だからスルーするつもりでいたけれど、帰り道に簡単に寄れる劇場ではもうこれしか観るものがなくて。
109シネマズ箕面のIMAXシアターで鑑賞。
 
観た結果、やっぱり私はトーキング・ヘッズをまったくと言っていいほど知りませんでした。
聞き覚えがあったのはトーキング・ヘッズの曲ではなくてトム・トム・クラブの1曲のみ。
トム・トム・クラブって聞いたことあるけど何やったっけと調べたら、
トーキング・ヘッズの女性ベーシストのティナ・ウェイマスとドラマーのクリス・フランツのユニットらしい。
このふたりは夫婦なんですね。これもいま知ったこと。
 
トーキング・ヘッズのボーカリストでカリスマ的人気を誇るデヴィッド・バーン
彼がギターを弾きながら踊り歌う姿を見て、どうして私はハマらなかったのかを考えていました。
世代的に私が洋楽にハマるより少し前だったからなのか。
ドンピシャの時代ならばラジオやテレビでかかりまくっているうちに馴染んだかもしれません。
 
字幕で歌詞を見ていると、とてもメッセージ性が高い。
振り返ってみると、洋楽を聴き倒した時代も私はメッセージ性の高いシンガーやバンドの曲には
あまり惹かれなかったような気がします。
たとえばU2は世の中の人気ほどは興味を持てなかったし、ブルース・スプリングスティーンもそう。
後者に関しては『カセットテープ・ダイアリーズ』(2019)を観てようやくその良さがわかったぐらい。
 
トーキング・ヘッズの曲に「時の流れに身を任せろ」とかいう歌詞が字幕にあるのを見たとき、
テレサ・テンのほうが好きだなぁと思った私を許してください。

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『身代わり忠臣蔵』

『身代わり忠臣蔵』
監督:河合勇人
出演:ムロツヨシ,永山瑛太,川口春奈,寛一郎,森崎ウィン,本多力,星田英利,板垣瑞生,廣瀬智紀,濱津隆之,
   加藤小夏,野村康太,入江甚儀,野波麻帆,尾上右近,橋本マナミ,林遣都,北村一輝,柄本明他
ナレーション:森七菜
 
109シネマズ箕面にて。
 
原作は土橋章宏の同名小説、監督は“かぐや様は告らせたい”シリーズや『総理の夫』(2021)の河合勇人
で、ムロツヨシ主演と来ればそこそこ集客できそうなものですが、この日の客は私と1名のみ。
封切りからまだ1週間も経っていなかったのに、寂しいなぁ。
 
乞食同然の僧侶・吉良孝証(たかあき)(ムロツヨシ)は、高家旗本吉良上野介(ムロツヨシの1人2役)の弟。
生まれた順序が違うだけでこうも扱いが変わるものかとぼやきたくなる毎日を送っていた。
 
日々の食事にも事欠き、吉良家に潜り込んで心優しき女中・桔梗(川口春奈)の厚意に甘えていたところ、
兄に仕える家老・斎藤宮内(林遣都)がどうしても孝証に頼みたいことがあると飛び込んでくる。
 
斎藤によれば、江戸城内で赤穂藩主・浅野内匠頭(尾上右近)に兄が斬りつけられて瀕死とのこと。
もしも兄がこのような状態であることがバレれば、吉良家はお取り潰し確実。
顔も声も瓜二つの上野介のふりをしてしばらく過ごしてくれないかと。
断ろうとするも、目の前に積み上げられた金に釣られて引き受ける孝証。
 
ところが上野介が死亡してしまい、身代わりになるのはしばらく程度では済まなくなる。
浅野内匠頭は自らのけじめをつけるために切腹し、浅野家はお取り潰しに。
一方の吉良上野介はお咎めなしということでは納得がいかない浅野家の家臣たちは、
赤穂藩家老・大石内蔵助(永山瑛太)にどうしても仇討ちしたいと言い募る。
仇討ちなどしなくとも、願い出たお家再興が叶うかもしれないと家臣をなだめる内蔵助だったが……。
 
もともと時代小説が苦手で日本史バカです。世界史もですけれど。(^^;
最近は時代ものにもようやく抵抗が少なくなってきたというものの、まだまだ知らないこといっぱい。
本作の登場人物のことも名前ぐらいは知っていますが、何をした人かはわかっちゃいない。
これまで観た映画の記憶をたどっては、ああ、あの人か、程度の理解です。
 
だから、どこまでが史実に基づいていて、どこからが創作なのかがわかりません。
ただ、歴史上の人物って、そのとき死んだと言われていても亡骸は見つかっていなくて、
 
本作を観るかぎり、吉良上野介はものすごく横暴で嫌われ者。
どうしようもないボンクラっぽかった孝証のほうが人の心をわかっていて、家臣を大事にし、民衆にも優しい。
長ひとりが代わることによって、全体の空気が穏やかになってきます。
 
以前、川で溺れかけていた孝証を助けてくれたのが内蔵助で、後日再会して意気投合。
どちらも人の心を持つ人物だったから、こんなことが起こせた。
史実は違うとは思うけれど、こうだったらいいなというロマンを感じます。
 
演技にいちばん目を見張ったのは林遣都でしょうか。めっちゃオモロイやないかい。
彼を夫に選んだ大島優子は見る目あるなぁと思うのでした。

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『ナイアド その決意は海を越える』

『ナイアド その決意は海を越える』(原題:Nyad)
監督:エリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィ,ジミー・チン
出演:アネット・ベニング,ジョディ・フォスター,リス・エヴァンス,アナ・ハリエット・ピットマン,
   ルーク・コスグローヴ,エリカ・チョー,ジーナ・イー,カーリー・ローゼンバーグ,エリック・T・ミラー他
 
Netflixで「あなたへのオススメ」に出てくるたびにスルーしていました。
だって、アネット・ベニングジョディ・フォスターのシワシワの顔、見たいですか。
だけど第96回アカデミー賞主演女優賞助演女優賞にノミネートされて、スルーもしていられなくなりました。
 
監督は『MERU/メルー』(2015) や『フリーソロ』(2018)のエリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィとジミー・チン。
後者では第91回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を獲得。
このふたりは『ニルマル・プルジャ 不可能を可能にした登山家』 (2021)の製作総指揮も務めています。
これまでドキュメンタリー作品ばかりを手がけてきたこのコンビが、初めて長編劇映画に挑む。
ドキュメンタリーではないと言っても、そこはこのコンビらしく、実在の人物を描いた作品です。
 
「マラソンスイミング」という言葉があるのを私は知りませんでした。
海や川、湖などの自然環境の中でおこなわれる水泳競技のことだそうで。
 
アネット・ベニング演じるダイアナ・ナイアドは1949年生まれ、今年75歳。
マラソンスイマーとして数々の挑戦をしてきた人ですが、
28歳のときにキューバからフロリダまで泳いで渡ろうとして失敗。
それをなんと60歳になってからやり遂げようと思い立ち、再び挑戦。
その後失敗を繰り返すも毎年挑戦し、成し遂げたのが64歳のときのこと。
 
泳ぐったって、ただ泳ぐだけじゃないんですよね。
キューバからフロリダまでは約160キロ。サメもいれば、強烈な毒を持つクラゲもいる。
海路を知り尽くしている航海士あってこその挑戦で、
航海士の指示で船を動かす船長も、サメやハコクラゲの専門家も必要。
そして何よりも、ダイアナが最大の信頼を置くコーチ、ボニー・ストールなしでは無理。
 
すべてを用意するにはお金がかかります。
ダイアナのみならず、ボニーも、航海士のジョンまで自宅を抵当に入れて金を工面。
執念でこのマラソンスイミングを成功させようとします。
 
海流のせいで予定していた進路と異なる選択をしなければならないこともあるから、
64歳で成し遂げたときは全行程で177キロ。
62時間眠ることなく、誰も手を触れることなく、見守られて。
 
少女のときには水泳のコーチから性的虐待を受けていたことも明らかになっていて、
フロリダまでの間にそのときのことを思い出したりもしてしまったりする。
こんなにもつらいのになぜ挑戦しつづけるんだろうと思いましたが、
チーム競技としてのマラソンスイミングを成し遂げたときの皆の顔を見れば納得。
 
凄い人がいたものです。
実際の映像も織り交ぜられ、エンドロールでは愉快な彼女の姿を見られます。

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『ニューヨーク・オールド・アパートメント』

『ニューヨーク・オールド・アパートメント』(原題:The Saint of the Impossible)
監督:マーク・ウィルキンズ
出演:マガリ・ソリエル,マルセロ・デュラン,アドリアーノ・デュラン,タラ・サラー,ジーモン・ケザー他
 
前述の『サイラー ナラシムハー・レッディ 偉大なる反逆者』の後、同じく塚口サンサン劇場にて。
シネ・リーブル梅田で見逃した本作を鑑賞することができました。
 
監督はこれが長編デビュー作となるスイス出身のマーク・ウィルキンズ。
タイトルからセドリック・クラピッシュ監督の『スパニッシュ・アパートメント』(2002)のような群像劇を想定していたら、
そんなのほほんとした作品ではありませんでした。相当ヘヴィー。
 
シングルマザーのラファエラは、ウェイトレスをしながら双子の兄弟ポールとティトを育てている。
 
中華料理店のデリバリーのバイトをしながら英語学校に通うふたりは、
挙手しても教師から無視されるなど、まるで透明人間のような生活を余儀なくされていたが、
ある日、クロアチアからの移民だという絶世の美女クリスティンが転入してきてウキウキ。
 
クールなことこのうえないクリスティンからちょっと声をかけられるだけでメロメロになり、
妄想を膨らませていたふたりは、毎日彼女と会いたくてたまらない。
そのせいで、仕事上がりのラファエラを迎えに行く日課をすっぽかすことも。
 
一方のラファエラは、店の客で小説家のエワルドに言い寄られ、部屋に連れ込むようになる。
やがてエワルドはラファエラに店を辞めてブリトーのデリバリー店を始めようと言い出す。
メキシコ人でもないのにブリトーなんてと渋るラファエラだったが、
資金は出す、これはチャンスだなどとエワルドに言われて乗り気になってしまう。
 
母親のことが気になりつつもクリスティンにぞっこんのふたりは、
自分たちがいつまで経っても透明人間なのはイケていない童貞だからなどと自嘲していると、
クリスティンからある条件と引き換えに童貞卒業を持ちかけられ……。
 
なんだかこうして書いていても軽い青春ものに感じられますが、全然そうじゃない。
 
冒頭、おでこを負傷したラファエラが友人らしき女性に伴われてやってきた部屋は、
保健衛生局から立ち入り禁止の貼り紙をされていて、中は荒れ放題。
そこにいるはずの息子たちの姿が見えず、ラファエラが動揺するシーンから始まります。
 
時系列をいじりながら物語は進行。
貧しいながらもまぁまぁ幸せに暮らしていた3人に思えましたが、
クリスティンとの出会いやエワルドの登場によってそれが少しずつ変わってしまう。
 
みんな恋をしたいし、より良い生活を送りたいと思っているのに、それが全部悪い方向へ。
良いことなんていっさい望んではいけないのだろうかと思わされます。
 
金だけは持っているのかと思えたクリスティンも、高級娼婦として体を売っているのには訳がある。
だけど金目当てに騙されていると知ったときの彼女の気持ちは計り知れません。
 
どう考えても行く先は暗い。それでも前向きに生きる人たち。
最後は少しだけホッとする。

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