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2024年2月に読んだ本まとめ

2024年2月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:3010ページ
ナイス数:996ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly/2024/2
■超怖い物件 (講談社文庫)
映画『変な家』の予告編を劇場で観るたび、怖い、観たい、怖いという思いの繰り返し。原作には手を出せなかったけど、これなら読めそうな気がして。書き手は魅力的な11人。曰く付きの家だったり部屋だったりが登場します。内藤了の“よろず建物”シリーズ中にあった座敷牢の話が凄く怖くて、以来座敷牢をイメージさせる物語にビビりまくり。ここにもひとつありました。全話読んで思うのは、「出られない家」は恐ろしいということ。当たり前か(笑)。怖くて飲酒しつつテレビで『アメトーク』をつけたまま読んだ最終話は読み直さなければ。(^^;
読了日:02月02日 著者:平山 夢明,宇佐美 まこと,大島 てる,福澤 徹三,糸柳 寿昭,花房 観音,神永 学,澤村 伊智,黒木 あるじ,郷内 心瞳,芦花 公園
https://bookmeter.com/books/20097635
■処方箋のないクリニック (小学館文庫 せ 2-10)
白衣高血圧の私は『血圧陰謀論』に興味を引かれて読み始めました。でも結果的にいちばんあれこれ考えさせられたのは『奇跡のメソッド』。長期間手指の湿疹に悩まされていましたが、約10年前、もうステロイドが効かなくなっていると感じ、思いきって脱ステ脱保湿に挑戦した過去があります。このタイトルにこの装丁ならばひたすら和みながら読める話だろうと思っていたけれど、弟が癌になったときには自由診療の医師の話も聴きに行ったこともあったりして、私にとっては心穏やかではいられない話となりました。これが自由診療でなくなればいいなぁ。
読了日:02月06日 著者:仙川 環
https://bookmeter.com/books/21489579
■夜明けのすべて (文春文庫 せ 8-5)
タイムリーすぎて笑ってしまいました。というのも、半分ほど読んだ後たまたま『ボヘミアン・ラプソディ』のScreenX版を観に行ったのです。私が劇場で観るのは31回目の『ボラプ』。で、帰宅して続きを読んでいたら、なんとなんと、観に行ってるよ美紗ちゃんが。こんな偶然がありましょうか。余計なお世話かもしれないけれど、『ボラプ』未見の方は観てから読んでと言いたくなる。そしてやっぱり優しく温かい瀬尾さん。手段はひとつじゃないと少し考えればわかりそうなものなのに、焦るとわからなくなるものだなぁ。明日の自分に聞かせたい。
読了日:02月09日 著者:瀬尾 まいこ
https://bookmeter.com/books/21509737
■夜明けのすべて (文春文庫 せ 8-5)
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】まず「栗田金属」ではなくて「栗田科学」であることに驚く。夜明け→夜空→プラネタリウムなのかしら。栗田社長と山添の上司・辻本はグリーフケアの会で顔なじみ、山添の彼女はそのまんまで治療に口出し。いきなり散髪に来たんじゃなくてチャリをあげに来たんだし、雑草抜きではなく洗車する。そして『ボラプ』は観ない(笑)。山添は元の会社に戻る算段を辻本に頼み、藤沢は実家に戻るために転職活動をしている。原作にないことを詰め込み過ぎな気はするけれど、キャストはよかったと思います。景色も。
読了日:02月10日 著者:瀬尾 まいこ
https://bookmeter.com/books/21509737
■白日 (角川文庫)
月村了衛といえば『槐』のアドレナリン全開のイメージが強烈だったので、アクションシーン皆無の本作には乗れそうで乗れないまま、それでもなりゆきが気になって終盤まで引きずり込まれました。出版社の教育部門局長の息子の死亡は事故か自殺か。それが会社の新規プロジェクトの行方に関わるとはどういうことなのか。中学生の自殺がほぼ確定し、その理由が「大人の事情」によって秘匿される。人として恥ずかしくない行動をしようと覚悟を決めた主人公。だからこそのこの結果に現実の社会でもなればいいのに。最終章◎。ゲシュタポ飴屋、グッジョブ。
読了日:02月12日 著者:月村 了衛
https://bookmeter.com/books/21662372
■私の命はあなたの命より軽い (講談社文庫)
どの方向へ話が進むのか皆目見当がつかずにドキドキしながら読みました。里帰り出産することになって帰った実家。仲良し家族だったはずなのに、なんだか様子が変。新築の家を早くも手放そうとしている父親。ぎすぎすとした空気は、両親と妹の間に何かあった故なのか。それともこの家自体に問題があるのか。事故物件の可能性も当然頭によぎるけど、新築だもの。ならば曰く付きの土地に建てられたとか。見事にどれも外れ、最後は最近読んだどのホラーよりもゾワっとした嫌ミスになりました。あ、『スイート・マイホーム』よりは嫌じゃないか。(^^;
読了日:02月13日 著者:近藤 史恵
https://bookmeter.com/books/11916807
■警官の道 (角川文庫)
「警官」という職業に焦点を合わせているのが面白い。するっと読むつもりだったのに、好きな作家が多すぎて没入。急いで読むことができなくて、思いのほか時間を要しました。まずひとつめの葉真中さんで掴みバッチリ。以降コロナに寄せた話もちらほらあり、余りに寄せすぎるのは私は苦手なのですが、世間がパニックになっている間に作家たちはなんとかこれに絡めた話を書けないものかと考えていたのだなぁと思ったりも。警官だって普通の人間。LGBTをカミングアウトする時期に悩む姿なども描かれ、その生き様が興味深い。柚月姐さん、好きです。
読了日:02月20日 著者:呉 勝浩,下村 敦史,長浦 京,中山 七里,葉真中 顕,深町 秋生,柚月裕子
https://bookmeter.com/books/21662351
■カラオケ行こ! (ビームコミックス)
子どもの頃はものすごく漫画を読んだものですが、今は映画と本にもっぱら時間をつぎ込んでいるため、漫画にまで時間を割けません。しかし本作に関しては映画版がめっちゃ楽しかったから。先に原作を読んでいたら、狂児も聡実も組長も、見た目のイメージが違うと思ったかもしれません。でもこの性格なら、これ以上になくピッタリのキャスト。映画版では聡実の悩みを後輩がまったく理解していなかったという点を除けば、とても忠実な映画化。本編後の描き下ろしまで映画版に上手く盛り込まれていました。愛すべき映画であり、愛すべき原作漫画でした。
読了日:02月20日 著者:和山 やま
https://bookmeter.com/books/16043727
■モネのあしあと (幻冬舎文庫)
以前も言ったことがありますが、私は世間で人気なほどにはマハさんファンではないんです。むしろ妹にすっかり追い越されて今やもう追いつけないほどの差をつけられた兄の宗典さんのほうが気になります。でも母の通院に付き添った際に病院の売店で買った本作はよかった。絵画の知識がまるでない者にもこの上なくわかりやすい解説で、強く興味を引かれます。モネの作品そのものについても、人生についても、浮世絵が印象派に及ぼした影響についても、面白く教えてくれる。易しくて優しい。モネ展ではリクエスト通りに《大睡蓮》が展示されていますか。
読了日:02月21日 著者:原田 マハ
https://bookmeter.com/books/17782834
■スワロウテイルの消失点 法医昆虫学捜査官 (講談社文庫)
慣れとは恐ろしい、いや、素晴らしいもので、あれだけ眉をひそめながら読んでいたウジがわくシーンも、今は素通りできるようになりました。それでもプチプチ踏んで歩くところはギョエ~と叫びたくなるけれども(笑)。およそ金持ちには見えず、人から恨まれることもなかった様子の老人が空き巣に狙われたのか殺される。今回も赤堀先生大活躍で心底惚れそう。さらには内藤了の藤堂比奈子シリーズの永久みたいな少年・夏樹も登場して、最後は泣いてしまいました。岩楯刑事はもちろんのこと、新相棒・深水も○。次巻はいったいいつですか。待てません。
読了日:02月28日 著者:川瀬 七緒
https://bookmeter.com/books/18098533
■ふしぎな図書館 (講談社文庫)
ごめんなさい。今月読んだ本をどうしても10冊にしたかったから、昨日書店で目についたいちばん薄い本を買いました。だって今年まだ2月なのに、ひと月10冊の目標をクリアできなかったら来月からテンションが下がる。初出から40年以上経っていて、昔読んだことがあるはずです。そのときは何も思わなかったけれど、なんと黒い話。羊男に体罰を加えるパワハラ老人職員。図書館にやってきた少年を拉致監禁して脳みそチューチュー予定って(笑)。ストップモーションアニメにしてくれたら、『オオカミの家』にも勝るホラーファンタジーになるかも。
読了日:02月29日 著者:村上 春樹,佐々木 マキ
https://bookmeter.com/books/546771

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『梟 フクロウ』

『梟 フクロウ』(英題:The Night Owl)
監督:アン・テジン
出演:リュ・ジュンヨル,ユ・ヘジン,チェ・ムソン,チョ・ソンハ,パク・ミョンフン,
   キム・ソンチョル,アン・ウンジン,チョ・ユンソ,イ・チュウォン他
 
前述の『シモキタブレイザー』の後、同じくシネ・リーブル梅田にて。
 
日本史も世界史もほとんど勉強してこなかったので、疎い。
朝鮮史についても当然知らないものの、李氏朝鮮時代の映画などはいつもとても面白い。
本作は朝鮮王朝の史実として残る王子の怪死事件を基にしたフィクションとのこと。
 
李氏朝鮮時代の第16代国王・仁祖の息子・昭顕世子は、妻と共に8年の間、清に人質として囚われていたが、
李朝と清の架け橋となるべく尽力し、清の皇帝からも一目置かれる働きぶりを見せる。
このたび戻ってくることになり、宮廷は喜びに溢れるかと思いきや、仁祖は渋々迎えに出たという態度。
 
そんな宮廷の内医院に鍼医として勤めることになったのは、盲目のギョンス。
故郷に残してきたまだ幼い弟の病を治すには高額の薬が必要で、
金を工面するためにも良い仕事に就きたいと思っていたところ、その機会に恵まれる。
 
長きに渡る清での生活と旅に疲れたのか体調の優れない世子に施術することになったギョンス。
実はギョンスの眼は明るい日中には見えないが、夜になれば見えるという秘密があった。
ふとしたことからそれに気づいた世子は、最初はギョンスに騙されていたと憤るが、
ギョンスの事情を聴くと、その秘密を守ったまま目をかけてくれるようになる。
 
ある日、御医(内医院で最も位が上の医者)から指名されて世子の施術に同行したギョンスは、
御医が世子の毒殺を企てていることを知る。
施術を装って毒を盛る御医の姿を目撃するも、盲目のふりをしている自分は何も言えない。
ギョンスは御医の退出後にもう一度世子の部屋へ忍び込むが、すでに世子は死んでいて……。
 
歴史バカの私についていく自信はなかったけれど、歴史を知らずとも面白いものは面白い。
昼は見えないけど夜目は利く、そう、まるで梟のギョンスの動きにドキドキハラハラ。
 
ネタバレしても差し支えないと思いますが、黒幕は仁祖。
誰が誰の味方で誰を信用してよいのやら。結局誰も信用できません。
ギョンスは自分に親身に接してくれた世子に報いたかっただけなのに、
誰の指示で動いているのかを仁祖は知りたがる。
純粋に誰かを救いたいという気持ちがあることは信じられないのですね。
 
ギョンス役にはリュ・ジュンヨル。今までの役とは全然違って、イメージが変わりました。
また、仁祖役のユ・ヘジンはいつもおちゃらけたところがあるのに、こんな悪い王役とは。
 
非常に面白い作品でした。朝鮮の時代物、好きだな~。

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『シモキタブレイザー』

『シモキタブレイザー』
監督:安藤光造
出演:佐藤嘉寿人,赤名竜乃介,青木謙,兒玉遥,出口亜梨沙,モロ師岡他
 
シネ・リーブル梅田が、最近見たことがないくらいの数の客で溢れかえっている。
何事かと思ったら、本作の前に上映していた東出昌大主演のドキュメンタリー作品を観に来たお客さん。
上映終了後にサイン会があるらしくて、私もナマ東出昌大を見ることができました。
唐田えりかとの不倫騒動で干されたときは、この人、戻ってこられるのだろうかと思いましたが、
騒動の前より後の彼のほうが明らかに役者として良くなった気がします。
見た目が適度に汚くなって(笑)、色気が出てきたとでも言いましょうか。
 
サイン会に並ぶ行列を横目に見ながら、本作上映のシアター4に入場。
劇場HPの上映スケジュールでは作品名が『シモキタブレザー』となっていたことに笑いました。
 
安藤光造監督、知りません。下北沢出身なのだそうです。
役者陣で知っている顔は、チャンス大城とモロ師岡ぐらい。
前者は『水曜日のダウンタウン』や『千原ジュニアの座王』でよく見かけるけれど、映画で観るのは初めて。
 
KEN(佐藤嘉寿人)とSMOKY(赤名竜乃介)は自家栽培する大麻を売って生活していたが、
SMOKYが栽培のために設備投資しすぎるせいで金がない。
 
ある日、愛犬ブービーの様子がおかしいことに気づき、獣医(杉浦文紀)に診てもらう。
ブービーの腹に腫瘍があるらしく、手術には結構金がかかると言われる。
いくら金がなくても、ブービーを死なせるわけにはいかない。なんとかして金を稼がなければ。
 
ふたりは致し方なくネットで見つけた闇バイトに手を出すことに。
組むことになったBUZZ(青木謙)とSNOW(倉冨なおと)とともに指定された宝石店へと向かう。
宝石を盗むついでに、そこに飾られていたレコードも頂戴したKEN。
 
ところが、宝石強盗自体は宝石店オーナーのゴンダ(佐藤タダヤス)が保険金詐欺のために仕組んだことで、
レコードは時価5億円の価値がつくという伝説の「シモキタブレイザー」だった。
まさか自分が雇った若者にそのレコードを盗まれるなどとは思いもしなかったゴンダは慌てて……。
 
学芸会かよと思いながら観ていました。
なんで私はこんな映画を観ているんだろうと思ったのも事実です。
そうなんですけど、なんだか憎めないんですよねぇ。
みんな、特に若い役者が一生懸命なのがわかるから。
 
アホくさと思いながらも最後まで見て、オチに和みました。
おおっ、逮捕されなかったのはそういうことか!と手を打ちたくなり、
それだけでもうどれだけアホくさくても許すと思った。
 
いずれ私がこの映画を劇場で観たことを人に自慢できるようにみんな大きく育ってや〜。

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『ボーはおそれている』

『ボーはおそれている』(原題:Beau Is Afraid)
監督:アリ・アスター
出演:ホアキン・フェニックス,パティ・ルポーン,ネイサン・レイン,エイミー・ライアン,パーカー・ポージー,
   スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン,カイリー・ロジャース,ドゥニ・メノーシェ他
 
封切り日のレイトショーを観に109シネマズ箕面へ。
ところが入場のさいに提示したQRコードでキンコンカンコンと鳴ってひっかかる。
なんでや!?と思ったら、日を間違えてオンライン予約してるやん、私。(–;
優しいスタッフの皆さんのおかげで交換してもらう。
でもそう簡単にハイどうぞと交換してくれるわけではないので時間がかかる。
で、本編開始に間に合わなくなり、最初の数分を見逃しました。
 
179分の大長編だから、駐車サービスを3時間までしか受けられないこの劇場で、
本編開始ギリギリに入場しようとしたのがそもそもの間違いなんですけど。(^^;
 
というわけで、私が入場したときはボーが精神科医カウンセリングを受けているシーンでした。
どう見ても精神を病んでいるふうのボーは、心を母親に支配されている様子です。
 
そんなボーが暮らしているのは、暴行が日常茶飯事の街のど真ん中にあるマンション。
建物内に入るときも決死の覚悟。でないと、通りでたむろする人々が侵入しようとするから。
 
翌日はボーの母親モナの誕生日で、飛行機で実家に向かう予定。
ところがその晩、ボーはことりとも音を立てていないのに、隣室の住人が騒音を訴えてくる。
そのせいで明け方まで眠れなったボーは寝坊して慌てる。
急いで支度を済ませて空港に向かおうとするも、忘れ物を思い出して部屋の中に取りに戻っている間に、
玄関脇に置いていたスーツケースと鍵を何者かに持ち去られてしまう。
 
荷物も鍵もなくては出かけられない。詫びの電話をモナに入れるとブチ切れられる。
落ち着かなくて、精神科医に処方された薬を服用しようとすると水がない。
水なしで飲むと死の危険があると聞かされていたものだから、ボーは再び覚悟を決め、水を買いに表へ出る。
その隙に部屋には見知らぬ者たちがなだれ込み、外で夜を明かすことになるボー。
 
ほとぼりが冷めた頃、ぐちゃぐちゃに散らかされた部屋に戻り、航空券の再購入を試みる。
しかしカードが無効になっていて買えない。
モナに事情を説明しようと電話をかけると、母親ではない若い男の声が応答する。
配達員だという彼がモナを訪ねるも返事がなく、ドアを開けてみるとそこには頭のもげた死体があったと。
どうやらシャンデリアが落下してモナの頭を直撃したようだと言う。
 
事態を受け入れられないボーだったが、自分は一人息子。
なんとしてでも実家に帰らねばと、支度を始めるのだが……。
 
退屈はしません。3時間の長尺だというのに、眠くはならない。ただ、変。
 
マンションには毒グモ発生中の貼り紙があり、ボーの部屋に侵入した人がそれに襲われたのか死んでいる。
毒グモから逃げようとした人は浴室の天井に張り付いていて、入浴していたボーの上にその人が落ちてくるんです。
驚いて裸のままマンションから飛び出し、表の通りへ逃げたボーは変質者と間違われ、
警官に銃を向けられたうえに、走ってきた車に撥ねられてしまいます。
 
目覚めるとそこはボーを撥ねた夫婦の家。夫は著名な外科医らしく、ボーを治療してくれたらしい。
一見いい人っぽいけれど、息子を亡くした夫婦はボーをその身代わりにしようとしています。
息子と共に出兵して帰還したもののPTSDに悩まされている男を家に住まわせ、
ボーの面倒まで見ようとしていることに夫婦の娘は納得できず、何かと絡んできます。
 
やがてボーは外科医の家からも逃げ出さざるを得なくなる。
命からがら逃げる途中、助けてくれた女性に連れて行かれたのはまるで『ミッドサマー』のコミュニティ。
 
こうして書いていてもしっちゃかめっちゃかで、面白いというのかワケわからんというのか。
暴力が普通になっている街、戦争によって心に傷を負った人たち、新興宗教のいびつさなどなど、
今の社会の問題があれこれ詰め込まれている作品なのでしょうか。
 
最初の数分を見逃したせいなのか、モナが大会社を一代で築いた富豪だということは知らず。
ボーがようやくたどり着いた実家を見たときは、こんな金持ちだったのかと驚きました。
この実家で起きることがまた変だし、その後の「審判」に至ってはまるで理解できません。
 
絶対、普通の人には勧められない映画です。でも、観た人とは「あれ何!?」と話したくなる。
ホアキン・フェニックスの演技が凄すぎて怖くなる。
こんな映画をつくる監督も、こんな演技をする俳優も、頭の中はどうなっているのかしら。

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『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』

『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』(原題:Five Nights at Freddy’s)
監督:エマ・タミ
出演:ジョシュ・ハッチャーソン,エリザベス・レイル,パイパー・ルビオ,
   メアリー・スチュアート・マスターソン,マシュー・リラード他
 
イオンシネマ茨木にて。
 

ホラーを観ることもすっかり珍しくなくなりました。

Five Nights at Freddy’s”という世界的人気を誇るホラーゲームがあるそうで。

それを基にした実写映画をブラムハウスが企画、このたび叶う。
 
マイクは少年時代に目の前で弟のギャレットをさらわれた過去がある。
しばらく前に母親は亡くなり、それに耐えきれずに父親も失踪。
後に残されたマイクが歳の離れた妹アビーの面倒を見ている。
 
ギャレットの行方はわからないまま。連れ去った犯人の手がかりも皆無。
マイクは自身の記憶をたどるため、連れ去り場面を夢の中で何度も見ることにより、
見落としている証拠はないものかを考え続けている。
そのせいで睡眠は浅く、イライラしがちで、仕事が長続きしない。
 
マイクとアビーの叔母ジェーンは、そんなマイクの養育権を取り上げようとするが、
アビーを心配してのことではなく、補助金目的なのがあきらか。
どうしてもジェーンとは暮らしたくないと言うアビー。
マイクもそうしたいのは山々だが、仕事が決まらなければどうしようもない。
 
そこでキャリアカウンセラーのウィリアムのもとを訪ねて相談すると、
ただひとつだけマイクに紹介できる仕事があると言う。
それは廃墟と化したピザレストラン“Freddy Fazbear’s Pizzaria”の警備員
このレストランはもう閉店から長く経つが、所有者が手放そうとせず、
夜間は不法進入等を防ぐために警備員が必要らしい。
 
不気味な職場のうえに給料も安い。それでもアビーを養うためには仕事をしなければ。
マイクは致し方なくシッターにアビーを預けてこの職に就くのだが……。
 
口コミを見ると、全然ホラーじゃない、怖くない、なんだこれは!みたいなものが多いのですが、
私にとってはじゅうぶん怖くて面白かったです(笑)。
 
思いっきりネタばれしちゃいます。
 
キャリアカウンセラーのウィリアムが変態で犯人なんです。
子どもをさらっては中枢神経をいじって記憶をなくし、レストラン内のロボットと同体化させます。
人間サイズの動物のマスコットロボットの中には、実はさらわれた被害者が入っているという、
世にも恐ろしくて不気味な話。しかもウィリアム役がマシュー・リラードだから、さらに不気味。
 
彼の娘で女性警察官のヴァネッサが父親に逆らえずに何かと処理を手伝っている。
話に無理がありすぎるとは思うけれど、ヴァネッサ役のエリザベス・レイルが美人だからいいや(笑)。
アビー役のパイパー・ルビオはとても賢そうな可愛い子。
家族に不幸があったせいで想像上の友だちを作り出していると大人は思っていますが、
彼女が事件解決の鍵になります。
 
“ハンガー・ゲーム”シリーズまではまぁまぁ活躍していたジョシュ・ハッチャーソン
その後すっかり姿を見なくなったなぁと思っていましたが、こんなところで主演。
彼ももう三十路なので、こんな幼いアビーと兄役というのも引っかかるけど、
本作の続編が作られるそうですから、仕事にあぶれることはないですね。
かつて恋愛もののヒロインを演じていたメアリー・スチュアート・マスターソンが
こんな意地悪な叔母さん役だということに驚愕。時の流れを感じる1本でした。

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