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『パレード』

『パレード』
監督:藤井道人
出演:長澤まさみ,坂口健太郎,横浜流星,森七菜,黒島結菜,中島歩,若林拓也,深川麻衣,でんでん,
   髙石あかり,北村有起哉,舘ひろし,木野花,奥平大兼,田中哲司,寺島しのぶ,リリー・フランキー他
 
2月29日よりNetflixで独占配信されている藤井道人監督作品です。
藤井監督といえば公安から目をつけられそうな(じゃなくて、つけられたでしょう)『新聞記者』(2019)で
時の人になった感がありますが、その後も硬軟織り交ぜてコンスタントに映画を撮り続けていらっしゃいます。
 
本作はキャストを見ただけで良作が期待できる。
今回はどんな作品を撮られたのか楽しみにして鑑賞に臨みました。
 
大きな地震に見舞われた町。
瓦礫が打ち上げられた海辺で目を覚ましたシングルマザーの美奈子(長澤まさみ)は、
6歳の一人息子・良(岩川晴)と離ればなれになってしまったことに気づく。
慌てて良を探すが、行き交う救助隊の人も避難所ですれ違った人も、誰にも美奈子の姿は見えていないらしい。
 
呆然としている美奈子に声をかけてきたのは、青年・アキラ(坂口健太郎)。
自分のことが見えている彼は何者なのか。
藁にもすがる思いで誘われるがままについていくと、草っ原の陰に現れたのは地震とは無縁の場所。
バーがしつらえられ、テーブルを囲んで和む男女の姿があった。
 
アキラによれば、ここにいるのはみんな亡くなった人。
死んだにもかかわらず、この世に未練を残しているせいで“その先”に行けないのだと言う。
アキラ以外の住人は、元ヤクザ・勝利(横浜流星)、元銀行員・田中(田中哲司)、
元スナックのママ・かおり(寺島しのぶ)、元映画プロデューサー・マイケル(リリー・フランキー)。
 
未練があるというわりには、ただ集まってダラダラしているだけの彼らを見て美奈子は苛立つ。
出て行こうとするとアキラに止められ、あと1日だけつきあってほしいと言われる。
 
ちょうどその日は新月。
出かけるマイケルたちについて行くと、誰かを探している大勢の人が歩いているではないか。
美奈子と同じように、会いたい人を探し続けてその先に行けない人がこんなにもいる。
それはまさに“パレード”。パレードに参加したことをきっかけに、アキラたちに心を開きはじめる美奈子。
 
そんな折、手首を切って自殺を図った女子高生・ナナ(森七菜)がやってくる。
終始ふてくされた態度で、死ねてせいせいしているとナナは言うのだが……。
 
生活の心配なく、毎日飲んで食べて歌って好きなことをして。
死後にこんな世界があるならば、死ぬのも怖くないかもしれないと思いました。
だけどそれぞれに未練がある。
残してきた家族や恋人や友人のことが気がかりだったり、やり残したことがあったり。
その未練をなくすために、会いたい人を探しに行く。
 
死んでいるのだから空間移動もできそうなもんですが(笑)、車やバイクで移動。
どうやら死の瀬戸際にいる人にだけはこちらの姿が見えるようで、
そのおかげで美奈子は良と言葉を交わすことができたのだと思います。
 
心残りがひとつもなく死にゆくことはたぶんできない。それでも人は死んでゆく。
やっぱり、明日死んでもいいように生きたいなぁ。

—–

『映画 ドラえもん のび太の地球交響楽(ちきゅうシンフォニー)』

『映画 ドラえもん のび太の地球交響楽(ちきゅうシンフォニー)』
監督:今井一暁
声の出演:水田わさび,大原めぐみ,かかずゆみ,木村昴,関智一,平野莉亜菜,菊池こころ,
     チョー,田村睦心,賀屋壮也,加賀翔,芳根京子,石丸幹二,吉川晃司他
 
イオンシネマ茨木にて。
 
“映画 ドラえもん”は声優の交代前と交代後で第1期と第2期に分けるそうで、
本作は第2期の第18弾、劇場版の通算では43作目に当たるようです。
 
私は“ドラえもん”よりも“クレヨンしんちゃん”派。
特に近年はのび太の性格が目に余り(笑)、呆れているうちに寝てしまうのがお決まりコース。
今回も絶対寝るよねと思いながら観に行ったら、前夜に睡眠たっぷりだったおかげか、
それとも本作が面白かったせいか、まったく睡魔に襲われませんでした。珍しい。
 
まもなく学校の音楽会
同級生はみんな楽しげにリコーダーを吹いているが、リコーダーはもちろん、
音楽そのものに苦手意識のあるのび太にとっては苦痛でしかない。
そこでこっそりドラえもんのひみつ道具“あらかじめ日記”に音楽がなくなるように書き込んだところ、
音楽の授業がなくなるどころか、町からすべての音楽が消えてしまう。
母親が赤ん坊に聞かせる子守唄縁側で爺ちゃんが聴く演歌、鳥のさえずり、何もかも。
大慌てで音楽のある世界に戻す。
 
観念したのび太がひとりでリコーダーを練習していたところ、不思議な少女ミッカが現れる。
同級生からけなされてばかりののび太のリコーダーの音を彼女は気に入ったらしく、
のび太とドラえもん、ジャイアン、スネ夫、しずかを自らの惑星“ファーレの殿堂”に招待したいと言う。
 
ファーレの殿堂は音楽をエネルギーとする惑星だが、不気味な生命体“ノイズ”に侵されて危機に陥っていた。
もしもノイズをこのまま放置すれば、ファーレの殿堂どころか地球も危機にさらされることになる。
音楽を奏でることでファーレ、そして地球を救えると知ったのび太たちは、ミッカと一緒に演奏し、
音楽の力でファーレの殿堂と地球を守ろうとするのだが……。
 
本作も冒頭は「のび太め~」と言いたくなりました(笑)。
まったく、どうして彼は自分でなんとかしようとしないんでしょうねぇ。
とはいうものの、昔、ホンマもんの音痴だった友人の歌を聴いて衝撃を受けたことがある私は、
音楽のセンスが皆無の人の気持ちを察したくはなります。
 
でも、のび太が人知れずリコーダーの練習を始めた辺りからは応援したくなる。
ファーレの殿堂に音楽が響き渡り、音がノイズをつぶしていくさまも面白い。
楽器も心を持っているのかもしれません。
 
なんというのか、今回のドラえもんがよかったというよりは、
音楽というネタに惹かれたってことになりましょうか。

—–

『ポーカー・フェイス/裏切りのカード』

『ポーカー・フェイス/裏切りのカード』(原題:Poker Face)
監督:ラッセル・クロウ
出演:ラッセル・クロウ,リアム・ヘムズワース,RZA,ブルック・サッチウェル,エイデン・ヤング,スティーヴ・バストーニ,
   ダニエル・マクファーソン,ポール・タッソーネ,エルサ・パタキ,ジャック・トンプソン他
 
TOHOシネマズなんばにて、前述の『52ヘルツのクジラたち』の次に。
 
ラッセル・クロウが監督と主演を務めています。
冒頭映し出された彼の顔を見て、歳を取ったなぁと思いました。そう言うこっちもそうなんですけど。(^^;
 
少年時代からポーカーに親しみ、勝利の術を会得していたジェイクは、
幼なじみのアンドリューと共に世界初となるオンラインポーカーゲームのシステムを開発。
儲けに儲けまくって億万長者となる。
アンドリューとの絆には及ばないが、そのほかの幼なじみたちにも配当を分け与えていた。
 
そんなジェイクが末期の膵臓癌と診断され、自分の財産をどうするか考える。
仲間でありながらジェイクの金を当てにして要らぬことをしていた者がいることも知っている。
最後に彼らの本音を聴き出すことにしたジェイクは、
ある夜、自宅でポーカーナイトを開催すると4人を誘い出す。
 
アンドリュー以外は知らされた時間に集合。
政治家のポール、ベストセラー作家のアレックス、ぶらぶらしているマイケル。
そこにこの日の趣旨を知るジェイクの相続財産管理人で弁護士のサムも同席。
3人はそれぞれジェイクが所有する高級車の中から好きな車を選んでここへ来ていた。
 
ジェイクの提案は、2択。
いま乗ってきた車をそのまま自分たちのものにして持ち帰るか、
ひとり2500万ドルのチップを賭けて勝者の総取りでポーカーをするか。
全員一致の選択をしなければこの話は無し。
しばし迷ったものの、3人はポーカーを選択するのだが……。
 
ジェイクの自宅にはコレクターがよだれを垂れそうな美術品がたくさん。
それをポールから聞いた兄ヴィクターが仲間を連れて盗みにやってきます。
ジェイクはワイングラスの底に自白剤を仕込んでいて、
ポーカーの最中にその毒が少しずつ回りはじめ、3人は不安定な状態に。
また、強盗のヴィクターもワイングラスに手を触れたものだから、ヨレヨレしてきます(笑)。
 
ジェイクの家に美術品があることを不用意に兄に教えたポール。
ジェイクの妻と浮気しているアレックス。
ジェイクからもらった金を酒にばかりつぎ込んでいたマイケル。
弁護士のサムは立場は違いますが、ジェイクの金で儲けようとしています。
みんなジェイクと親しいふりをしながら陰で何をやっているかわかりません。
場合によっては鉄拳制裁を加えてやろうと思っていたところへ強盗。
ついでに、父親の余命を知った一人娘と妻もやってくるんですねぇ。
 
最初のラッセル・クロウの顔を見てハズレかもと思ったものの、意外と楽しめました。
最後はみんな心を入れ替えたのかなぁ。
ひとり5000万ドルもらえることになったら、どうします!?
残りの財産全部こんな若い娘にというのも、行く末が心配だ。この子、イケイケだし(笑)。

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『52ヘルツのクジラたち』

『52ヘルツのクジラたち』
監督:成島出
出演:杉咲花,志尊淳,宮沢氷魚,小野花梨,桑名桃李,金子大地,
   西野七瀬,真飛聖,池谷のぶえ,余貴美子,倍賞美津子他
 
TOHOシネマズなんばにて2本ハシゴの1本目。
衝撃的だったのは、タダで観られる株主招待券をもらっていたのに、持って出るのを忘れたこと。
当日劇場に持参しないと使えないのですよ、この券は。
致し方なく出先でスマホを取り出してムビチケ当日券を購入。
なんでタダで観られるものを1,900円払って観とるねんと自分を呪いながら。
 
原作は本屋大賞を受賞した町田そのこの同名小説。
文庫化される前に単行本を貸してくださった姐さんがいたので、2年半前に読了しています。
そのときの感想はこちら
余談ながら、同著者の作品はこれまで読んだものはどれも好きですが、
本作よりも私はこっちのほうがより好きです。
 
監督は安定安心の成島出
 
東京から大分の海辺の町へと引っ越してきた三島貴瑚(杉咲花)。
小さな町のこと、若い女性の単身転入に噂が飛び交う。
東京の風俗嬢で誰かに追いかけられて逃げてきたとか、そんなふうに噂されていると、
貴瑚が移り住んだ家の修繕を担当した工務店の村中真帆(金子大地)が教えてくれる。
「半分は当たっている」とつぶやく貴瑚。
 
そんな貴瑚がある大雨の日、腹痛に見舞われて倒れていたところ、
傘を差し掛けてくれたのが長髪の少年。
言葉をいっさい発しない彼を家まで連れて行き、びしょ濡れの服を脱がせてみると、
彼の体じゅうに虐待されているとおぼしき傷跡があった。
理由を尋ねようすると一目散に逃げ出す少年。
 
少年を探していることを真帆に相談すると、それはおそらく品城琴美(西野七瀬)の子どもだと言う。
琴美はかつて男子生徒たちのマドンナだったが、町を出て行ったかと思うと、
しばらくしてシングルマザーとなって子どもを連れて帰ってきたらしい。
しかし子どもを学校にも通わせず、母子ともに一緒にいるところは誰も見たことがない。
しかもその子どもは口をきけないのだと。
 
琴美が働いているという食堂を訪れて話しかけると琴美は激怒。
子どものせいで人生がめちゃくちゃになったと毒づく。
貴湖が少年の名前を尋ねると、あんな奴に名前はない、「虫(ムシ)」と呼んでいると。
 
貴湖自身にも母親の由紀(真飛聖)から虐待を受けていた過去があり、
少年のことを放っておけなくなって保護、一緒に暮らしはじめるのだが……。
 
と書くと、貴湖と少年の話が大半を占めているような感じですが、そうでもない。
むしろ貴湖の半生を綴ったシーンのほうが多いです。
 
母親が再婚した相手が倒れてから3年間、ずっと介護をさせられてきた貴湖。
脳梗塞なのかなんなのか、ベッドで寝たきりの継父の食事から下の世話まで全部。
母親は夫の世話をまったくせずに娘に押しつけ、気に入らないことがあれば殴る蹴る。
それでも母親のことが好きで、母親から好きになってほしくて耐えていた貴湖でしたが、
あるとき母親から首を絞められ、ふらふらと自殺しかけたとき、
救ってくれたのがたまたまそこを通りかかった岡田安吾(志尊淳)でした。
 
原作ではいつ明らかにされることだったのか覚えていませんが、
安吾は性同一性障害で、女性としてこの世に生まれながら今は男性として生きている。
それを知らない貴湖は安吾に恋心を抱いて告白するけれど、
期待した返事をもらえなくて、拒絶されたように感じてしまいます。
 
そんな折に出会った職場の御曹司役が宮沢氷魚
今までわりと優しい人の役が多かったと思いますが、こんな演技もするんですね。鬼ですよ鬼(笑)。
こうして見ると、DV加害者は男性でも女性でもどういう立場の人でも同じ。
激昂して相手を痛めつけ、でも好きなのよ、大好きなのよ、
あなたがいなけりゃやっていけない、そばにいてと泣きすがる。最低です。
琴美役の西野七瀬にしても、嫌いになりそうなほど酷い母親でした。
杉咲花は、本作と言い、『市子』と言い、こういう訳ありの女性を演じると絶品。
 
誰かひとりでも自分のことをわかってくれる人がいたら生きていけるでしょうか。
虐待する奴なんて死んでしまえ。みんなが穏やかに暮らせたらいいのに。
 
52ヘルツのクジラの声、聴いてみたい。聴きたい。

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『ARGYLLE/アーガイル』

『ARGYLLE/アーガイル』(原題:Argylle)
監督:マシュー・ヴォーン
出演:ブライス・ダラス・ハワード,サム・ロックウェル,ヘンリー・カヴィル,ブライアン・クランストン,キャサリン・オハラ,
   デュア・リパ,アリアナ・デボーズ,ジョン・シナ,ソフィア・ブテラ,サミュエル・L・ジャクソン他
 
2月は劇場で35本観たので、かなりへろへろ。
3月は自重しようと思ったものの、いきなりファーストデーで、観たい作品の公開初日とかぶる。
実家で母が就寝するのを見届けた後、109シネマズ箕面に寄りました。
 
初めて予告編を観た日から公開を楽しみにしていました。
彼女が女優になった当初は、ロン・ハワード監督の娘ということで親の七光りかと思っていたけれど、
“ジュラシック・ワールド”シリーズですっかりなくてはならない存在になりました。
 
原作の小説などがあるのかと思ったら、映画オリジナルの物語のようです。
 
本作の予告編の最初がカッコよくて大好きだった私としては、本編でも同じシーンを観るのを楽しみにしていたのに、
アンマリだ、シーンは同じでもかかる曲がデヴィッド・ボウイとは違うじゃあないか(泣)。カッコよさ半減。
という文句は置いておくとして。
 
エリー・コンウェイは大人気のスパイ小説シリーズ『アーガイル』の著者。
シリーズは第4作まで出版されており、エリーが出席するイベントはいつも大盛況。
第5作の完成がファンに待ち望まれている。
 
早くも第5作を書き上げたエリーが、原稿完成後の恒例で母親ルースに送信すると、
ひと晩で読んだと言うルースは絶賛後、しかしあと1章加えるほうが良いと進言。
頭を悩ませてもその1章がすらすらと出てこず、
エリーは久しぶりに実家を訪ねようと、愛猫のアルフィーを連れて列車に乗り込む。
 
車内で向かいの席に座った中年男性エイダンはなんと『アーガイル』を読んでいて、
目の前にいるのがその著者エリーだと知ると興奮気味に声をかけてくるが、
エリーが職業を問うと平然とスパイだと答えるではないか。
その直後、近づいてきた別の乗客が突如エリーに襲いかかったところ、エイダンに救われる。
 
いったい何が起きているのかわからないし、エイダンのことも信用できない。
それでもエリーのことを追いかけてくる者たちから逃げるには彼に頼るしかない。
 
エイダンに連れて行かれた先はフランス、葡萄畑の中に佇む一軒家。
そこにはCIAの元副長官アルフィーが隠れ住んでいた。
彼らによれば、エリーが追われている理由は、エリーの小説が事実を示唆するものだから。
しかもエリーは実はレイチェル・カイルという名の凄腕スパイで、
ある日突然姿を消し、負傷しているところを発見された折には記憶を失っていたと。
 
敵も味方もエリーが姿を消している間に何があったかを知りたい。
そして悪事の証拠となる「マスターキー」の在り処を探しているらしく……。
 
序盤はとても面白く観ました。とにかく設定が面白いでしょ。
洗練された雰囲気とは程遠いおばちゃん作家が書く小説がホントの話で、
おばちゃん自身がスパイだったというのにそのことに気づいていない。
こんなおばちゃんが凄腕のスパイだったのかよというところが面白いです。
 
けれどだんだんとダレてきて、飲酒していなくても眠気に誘われる(笑)。
エイダン役のサム・ロックウェルも凄く良いのに、エリー改めレイチェルと共に戦うシーンは、
ブライス・ダラー・ハワードのおばちゃん体型のせいで、少々痛々しい。
エリーが妄想する自身の小説の登場人物をヘンリー・カヴィルジョン・シナが好演しているし、
悪役のブライアン・クランストンとキャサリン・オハラ(“ホーム・アローン”シリーズのママ役女優)、
そして(人間のほうの)アルフィー役、サミュエル・L・ジャクソンが作品を格上げしています。
 
キャストは魅力的だけど、ひねりすぎた脚本のせいでダレちゃった感じ。
続編があれば観に行きますけれど、そのときは期待は控えめにしよっと。

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