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『MY SHINee WORLD』

MY SHINee WORLD
監督:イ・フビン
 
一昨日母が亡くなりましたが、今日からしばらくはそれ以前に書き溜めていたものをUPします。
 
3月最後の日曜日。
に面会した後、実家の片付けをぼちぼちと。いろんなものが出てきてついつい見入る。
それから自宅へ帰ろうとしたけれど、もしも母がいよいよということになったら、
箕面にいるよりも茨木にいるほうが病院に近くてすぐに駆けつけられる。
まだ虫の知らせはないから大丈夫と思いつつ、イオンシネマ茨木で2本観ることに。
 
“SHINee”って韓国の新しいアイドルグループかと思ったら、デビュー15周年ですと。
全然知らなくてすみません。読み方も「シニー」と思っていました。「シャイニー」やん。
こんなんで観に行く私みたいは奴はそうそうおらんのでは。(^^;
 
コンサートの様子がメインですが、冒頭はなんだろこれと思う。
デビュー当時からのファンである女性の部屋を模したシーンから始まります。
その部屋に入ってきたメンバーのうちの3人が思い出を語る。
 
デビュー当初は5人だったそうで。
少しずつタイプの違うイケメン、オンユ、ジョンヒョン、キー、ミンホ、テミンが最初のメンバー。
このうちのキーとミンホとテミンが話をします。
 
2008年は5人いたのに、いつのまにか4人になっている。
そもそも今こうして3人だけで集まっているのはなぜなのかと訝っていたら、
メインボーカルを務めていたジョンヒョンが2017年に27歳で急逝。
友人に遺書を託しての練炭自殺だったらしく、悲しい事実。
 
新メンバーを迎えることなく4人で活動を続け、でもどうしてやっぱり3人!?
リードボーカルのオンユが体調不良で活動を休止しているということを鑑賞後に知りました。
 
自ら命を絶ったメンバーがいたり、今はリーダーが休止中だったり、
そんなことを後から知ると切なくなりますね。
いい曲がいっぱいあったから、フルメンバーの時の曲から順にいろいろ聴きたい。
 
K-POPのグループって、みんなイケメンあるいは美人で、歌もダンスもめちゃめちゃ上手い。
ビジュアルがこれだから見なきゃ損だとは思うけど、歌だけ聴いていてもじゅうぶん楽しい。
 
この手のコンサートムービーは『BTS: Yet To Come in Cinemas』(2023)しか観たことがありませんでしたが、
今後は足を運ぼうと思います。

—–

母のこと。その2。

昨日の朝、母が亡くなりました
一夜明け、寂しくはありますが、弟を失ったときの悲しさとは全然違います。
寂しいけれど、悲しみに暮れるというのとは違う。
 
昭和一桁生まれって凄いなぁと改めて思ったのは、大阪府北部地震のとき。
箕面在住の我が家も揺れは過去最大に感じたものの、食器がいくつか割れた程度。
茨木に住む両親に連絡して「大丈夫だった?」と尋ねたら母が「うんうん、大丈夫」。
実家に行ってみてたまげました。「ようこれで大丈夫や言うたね」と。
 
家具という家具はすべて倒れ、食器はほぼすべて見事に割れている。
足の踏み場もないほどの被害で、そのうえガスも止まっているというのに、大丈夫!?
「うん、でもね、生きてるから。命があれば」と母。
 
幼い時分に結核を患ったそうですが、それ以降の母はいたって元気。
女性が車を運転するのはまだ珍しかった時代に仕事で車に乗りこなしていたらしいのに、
父と結婚するとき、自転車すら乗れない父に「車の免許、どうしよう」と聞いたら、
父が「要らないだろう」と言ったらしい。
そう言われてその通りにする母も母ですが、免許を更新せず。
結果、どこに行くにも徒歩か自転車だったおかげで健脚。
水泳も続けていたから、本当に病気知らずでした。
 
私の知る限り、母は寝込んだことがありません。
朝起床して「風邪をひいたみたい」と言っていても、晩には元気になっている。
だから、「今日はしんどいから御飯は作れない」と言ったこともない。
それゆえ私が御飯の支度をしなければいけない状況になったこともなく(笑)。
どんだけ元気やねんと思っていました。
 
今年に入って母の手足と顔にも浮腫が出てきて、私は癌の進行を感じていましたが、
母自身はそんなことを一切感じておらず、「毎日異様に眠たいねん。病人みたい」と言うので、
「お母さん、一応、病人やから」と言ったら「あ、そっか」。ふたりして笑いました。
 
本人はしんどくもなんともないと思っているせいで、末期癌なのにホスピスの面談にも行けず。
昨春に病院の地域連携室担当者がホスピスに連絡を取ってくれましたが、
「自覚症状がもう少し出てきてからでないと」と断られた経緯があります。
そりゃそうだ、本人どこも痛くないしんどくない、何もかも自分でできているのですから。
 
いろんなことを思い出します。
 
池田に住んでいた折、台所の食卓に広げた新聞を読みながら座ったままの母は、
後方のガス台横に置いた炊飯器のスイッチに手だけ伸ばして押さえている。
「お母さん、何してるん」と尋ねたら、「スイッチのバネが壊れてるねん。
お米はちゃんと炊けるから、こうして炊き上がりまでスイッチ押さえてたらええやん」。
確かにそうやけどと大笑いしました。
 
弟が買ってくれた自転車がなくなったと電話してきたこともありました。
「マンションの自転車置き場にないねん」。交番にも届けたそうです。
ところがその夜、ふたたび母から電話がありました。
「自転車でプールへ行って、帰りがけに向かいの関西スーパーへ寄ってん。
関スーからそのまま歩いて帰ってきてしまった」。
実家はマンションの9階。夜になって窓から関スーの駐輪場を見たらチャリが1台。
まさに母が置いてきたチャリがそこに。交番にただちに謝りに行ったとか。
 
笑ってしまう思い出が多いけれど、この数ヶ月は浮腫のせいで転ぶことも何度かあって、
それでもまだ運動不足のせいだからもっと歩かなきゃなどと言っていた姿を思い出すと切ない。
LINEが既読にならない母を心配して実家に駆けつけたら、
寝ていた母が解錠しようと慌てて玄関まで走ってきたために転んだこともありました。
ごめんね、お母さん。
 
悲しかったことはあまり思い出さないようにするわ。それもごめんね、お母さん。
やっぱりありがとう、お母さん。

—–

母、逝く。

2023年4月11日。今朝、が亡くなりました。
 
医者の見立てって凄いものですね。
先月16日の時点で「あと数日か1週間か、2週間か。3週間はもつことがあったとしても、
1ヶ月は絶対にもちません」と断言され、本当に3週間はもったけれど、1ヶ月には足らず。
 
面会の帰り際、「また明日ね」と言うと、「『また』あるかなぁ」と言うので、
「なんでよ、お母さんが危なくなったら、看護師さんがすぐに電話くれはるねんで。
そしたら私、駆けつけるやん。私が来るまで待っててくれるでしょ?
だからあるで、『また』」と言ったら、「うん」と言っていました。昨日も。
 
入院して持ちなおした直後は、自分が死ぬなんて全然思っていなかったのだと思います。
しばらくしてようやくこれは最期に近づいているなと悟った様子。
でも全然取り乱すこともなければ、投げやりになることもなかった母。
 
2週間前、「今からホスピスに移ることできるん?」と母が聞くので
(あと1ヶ月はもたないので、ホスピスに移ることは現実的でないと主治医から言われていました)、
「え、なんで? この病院が嫌なん?」と聞いたら、母は首を振り「ううん、そやなくて、暇やから」。
暇やから転院したいは通らんと思うわ、お母さん。一緒に笑いましたねぇ。
 
面会時はいつも意識がはっきりしていて、笑うことしょっちゅう。
あるときは「もう出してください言おかと思て」。私が問う「何を?」。母「葬式」。
母も私も爆笑。
 
今週初めにやはり意識低下で呼ばれたときは、「お母さん、今日お釈迦様の誕生日なんやて。
お母さんお釈迦様に引かれて行くんかと思たのに」と言ったら、「私もそのつもりやってんけど」。
「誰が『まだ来るな』言うて押し戻してはるんやろな」と笑いました。
 
お葬式でかけてほしい曲を尋ねたら『アヴェ・マリア』だと言う。
「お母さん、そりゃええ曲やけど、御仏前で『アヴェ・マリア』はやっぱりマズイんとちゃう?」と言うと、
「あ、そっか」とまた母笑う。
好きな花を尋ねたら、「野に咲いてるみたいな小さな花。ヒトリシズカみたいなやつ」と言ってました。
それもお葬式では飾りにくい花やなぁ(笑)。
 
昨日までに、会いたい人にはみんな会った。
会えなかった人もいるけれど、母に代わって私が電話して話をした。
もういいわと安心したのかなと思います。
 
今朝3時に母と話したと言う看護師さん。
母が「今日逝くと思う」と言っていたそうです。「有言実行の人ですね」と一緒に泣いてくれました。
 
心拍数が30を切り、いよいよ最期かなというときに耳元で「お母さん、ありがとう」と言ったら、
母の目から涙ひと筋。たまたまかもしれないけれど、聞こえていたのだと思いたい。
 
お母さん、ありがとう。

—–

『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』

『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』(原題:Ghostbusters: Frozen Empire)
監督:ギル・キーナン
出演:ポール・ラッド,キャリー・クーン,フィン・ウォルフハード,マッケナ・グレイス,クメイル・ナンジアニ,
   ローガン・キム,セレスト・オコナー,パットン・オズワルト,ウィリアム・アザートン,
   ダン・エイクロイド,アーニー・ハドソン,アニー・ポッツ,ビル・マーレイ,エミリー・アリン・リンド他
 
前述の『オッペンハイマー』はイオンシネマ茨木で21:15に上映終了。
車に飛び乗って109シネマズ大阪エキスポシティへ向かい、21:30からの本作を鑑賞。
 
1980年代の大ヒットシリーズ“ゴーストバスターズ”。
本作はそれに続く通算5作目となります。
 
前作では科学オタクの地味な女子高生フィービー・スピングラーがサマースクールでこれまたオタクの教師ゲイリーと出会い、
フィービーの兄トレヴァーと母親キャリーと共に幽霊を退治するゴーストバスターズになりました。
本作ではスピングラー一家+ゲイリーがニューヨークに引越し、
ゴーストバスターズとして活動しつつ、ゴースト研究所の仕事も手伝っているという設定です。
 
初代ゴーストバスターズのメンバーのひとり、レイモンド・スタンツ博士はオカルト鑑定店を経営している。
ある日、そこにやってきたナディームという男が持ち込んだ球体の骨董品
調べてみると、それはすべてを一瞬で凍らせる史上最強ゴースト“ガラッカ”を封印するオーブだった。
 
絶対に封印を解いてはならぬものの封印が解かれてしまい、ニューヨーク中が氷の世界と化す。
ゴーストバスターズは世界を守るために立ち上がるのだが……。
 
ものすごく普通です。特に面白いわけでもなければ、かといってつまらないわけでもない。
前作よりスケールが小さくなったようなのは気になるけれど、まぁこんなもんでしょう。
 
国際色豊かなのは時代を反映してのことか。
前作にも共に出演していたフィービーの友だちポッドキャスト役のローガン・キムはアジア系(何人か不明)、
本作でファイアーマスターとして登場するクメイル・ナンジアニパキスタン系アメリカ人
 
ガラッカが自身の封印を解かせるために利用したのが、成仏できずにいる幽霊女子メロディ。
彼女をフィービーに近づかせます。
騙されて、史上最強のゴーストを解き放ってしまったと落ち込むフィービー。
だけどメロディが使う「最後のマッチ1本」は切なくて泣きそうに。
 
前作で監督を務めたジェイソン・ライトマンは父親アイヴァン・ライトマンの後を継いで
続編もメガホンを取り続けるだろうと思っていたのに、本作ではプロデュースに回っています。
確かに、彼の今までの作品は“ゴーストバスターズ”とはイメージが違う。
でも、どんな形であれ、父親の仕事に関わり続けていられるのは親孝行なのかもしれませんね。
 
やっぱりポール・ラッドが好きです。
最近ヒーローものの出演が多いけど、普通の男性役の彼もそろそろ見たい。

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『オッペンハイマー』

『オッペンハイマー』(原題:Oppenheimer)
監督:クリストファー・ノーラン
出演:キリアン・マーフィ,エミリー・ブラント,マット・デイモン,ロバート・ダウニー・Jr.,フローレンス・ピュー,
   ジョシュ・ハートネット,ケイシー・アフレック,ラミ・マレック,ケネス・ブラナー,デヴィッド・クラムホルツ,
   ベニー・サフディ,デヴィッド・ダストマルチャン,トム・コンティ,ゲイリー・オールドマン他
 
封切り日だった3月29日、に面会してから実家の片付けに寄った後、イオンシネマ茨木へ。
 
原爆の父」と呼ばれるロバート・オッペンハイマーの伝記作品。
製作国のアメリカはもちろんのこと、日本を除くほとんどの国では昨夏に公開されましたが
これだと日本に原爆が投下された時期と重なってしまうことから、
昨夏の日本では公開が見送られ、予告編すら目にすることはありませんでした。
はたして日本で公開される日は来るのだろうかと思っていたら、8カ月経ってその日が到来。
 
予告編を含めると190分を超える長尺、180分。
第96回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、撮影賞、編集賞、作曲賞を受賞したほか、
キリアン・マーフィが主演男優賞、ロバート・ダウニー・Jr.が助演男優賞を受賞しています。
 
第二次世界大戦下のアメリカでは、ドイツよりも先に原子爆弾を開発することが最大の目標。
米軍将校レズリー・グローヴスは、目標完遂のために極秘プロジェクト“マンハッタン計画”を始動させるに当たり、
ヨーロッパの名門大学にも留学経験のある天才物理学者ロバート・オッペンハイマーを任命する。
 
オッペンハイマーはこのプロジェクトのためには秘密を貫ける研究所が必要だと主張。
ニューメキシコ州のロスアラモスに研究所を設立すると、全米の優秀な科学者を集めて原爆開発に邁進する。
そしてついに世界初の核実験“トリニティ”を成功させるのだが……。
 
という話だと思っていたのですが、そればかりの話ではなくて、ちょっと衝撃的。
原爆を開発したことによって戦争終結に導いた英雄として崇められていたオッペンハイマーですが、
アメリカ原子力委員会の委員長を務めるルイス・ストローズが実はオッペンハイマーに私怨を持っていて、
仕返しの機会を狙い続けていたらしくて。器のちっちぇえ男です。
 
物語はカラーとモノクロの2通りで構成されており、
オッペンハイマー側の主観をカラーで映し、ストローズ側をモノクロで映し出しています。
ストローズはオッペンハイマーをソ連のスパイだとしてでっち上げ、
自分の手は汚さずに、オッペンハイマーをよく思わない人物に告発させ、FBIの目に留まるようにする。
どうにもよろしくないやり方です。
 
オッペンハイマーに華々しい舞台を与えるのも嫌だから、裁判にはしない。
あくまで非公表の聴聞会という形にして、ストローズが勝つように周りを固めます。
ストローズ役がロバート・ダウニー・Jr.で、“アイアンマン”の彼はどこへやら、
そりゃこんな役を演じた後にオスカー授与式であんな態度を取れば叩かれるでしょう。(^^;
すごくよかったマット・デイモン演じるグローヴスや、デヴィッド・クラムホルツ演じる旧友イジドール・ラビのように、
オッペンハイマーについて尋ねられたときに、どんな相手であろうが変わらない話をする人もいれば、
黒幕の存在を感じ取って簡単にオッペンハイマーを貶める話をする人もいる。がっかりです。
 
一流のキャストが多すぎて名前が出る機会の少ない役者の中にも目を引かれた人がいます。
グローヴスの部下でありながらオッペンハイマーに黒い感情を抱いていた中佐ニコルス役のデイン・デハーンは、
10年前は将来を有望視される若手俳優だったのに今はすっかり脇役俳優。
でも鋭い目つきは健在で、こんな嫌な役を演じるとなおさら印象に残ります。
また、ストローズの側近を演じたオールデン・エアエンライクは、忠実な部下だったはずが、
だんだんとストローズがいかに小物でこじらせた奴かに気づいた後の表情がよかった。
 
原爆を開発するために、荒野に町までつくっていたことを私は知りませんでした。
ナチスに先に開発されてはならない、それはそうだと思う。
けれど、殺戮のためのみに自分の研究が使われることになったら。
『映画 太陽の子』(2021)を観たときのように、科学者の苦悩についても考える。

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