『ケナは韓国が嫌いで』(英題:Because I Hate Korea)
監督:チャン・ゴンジェ
出演:コ・アソン,チュ・ジョンヒョク,キム・ウギョム他
テアトル梅田にて2本ハシゴの2本目。前述の『Playground/校庭』の次に。
チャン・ゴンジェ監督は韓国のインディーズ映画業界で活躍する人なのだそうです。
『グエムル 漢江の怪物』(2006)の子役としてキャリアをスタートしたコ・アソンもすでに32歳。
彼女の主演作だと、最近では『サムジンカンパニー1995』(2020)がとても良かった。
本作の予告編を京都シネマに行った折に見かけて、これは観たいと思いました。
数年後には新居を得るつもりの母親は、その費用をケナに出してほしいと迫るうえ、結婚をせっつく。
記者を目指す恋人のジミョンは裕福な家庭に育ち、将来性も性格もこれ以上ないほど良い。
マイナス要素が何もないことが逆に居心地悪く、結婚する気にはなれない。
会社に行けば、馴染みの業者と「なぁなぁ」の関係にある上司から理不尽なことを言われ、
ならば退職しますと言うと、部下に辞められると自身の評価が下がる上司がご機嫌を取ろうとしにくる。
家族の幸せの話ばかりする母親のことがウザいが、父親は自分のために生きろと言ってくれる。
ようやく覚悟を決めて韓国を飛び出し、ニュージーランドへと渡ることしたケナだったが……。
原作はチャン・ガンミョンのベストセラー小説『韓国が嫌いで』。
ガンミョンは『コメント部隊』の原作者でもあるそうで、両者のギャップに驚く。
ケナの放浪記という以外、何もない話であるのですが、ちょっとした台詞に「へーっ」。
ベトナムやタイからニュージーランドに留学するのは金持ちの子。
それに対して日本や韓国からの留学者はお金のない子。
韓国人は、韓国と日本を同等に見て、中国のことは下に見ている。
発展途上国の中で韓国の自殺率が最も高い、などなど。
幸せとは何か。人は「幸せ」という言葉に背負わせすぎている。
なるほどなぁと思うことが多くて。
原作者のガンミョンって男性なんですね。俄然興味が湧きました。
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