『ポリス・ストーリー/レジェンド』(原題:警察故事2013)
監督:ディン・シェン
出演:ジャッキー・チェン,リウ・イエ,ジン・ティエン,クーリー・ナザー,
リュウ・ハイロン,シュウ・シャオオー,ユー・ロングァン他
平日の夜に遅くなるのはツライなぁと思いつつ、
観られる映画があるのに観ないのはやはりもったいなくて、
前述の『万能鑑定士Q モナ・リザの瞳』とハシゴ。
『ライジング・ドラゴン』(2012)で「体を張るのはやめる宣言」したジャッキー。
確かにアクション大作度は低めですが、それでもじゅうぶん痛いでしょ。
クリスマスシーズンに浮かれる北京の繁華街。
真面目で有能な刑事ジョンは、長らく会っていない娘ミャオから呼び出され、
およそ自分とは不釣り合いなナイトクラブにやってくる。
ジョンが妻の死に目に立ち会わなかったことをミャオは許せない。
愛娘だったはずが、いまやジョンに反抗的な態度を取ってばかり。
この日もケバい化粧といでたちでジョンの前に現れる。
呼び出した理由を尋ねると、ナイトクラブのオーナーであるウーを恋人だと紹介。
やばい人間にちがいない、つきあいは認めないと怒るジョン。
しかし、ミャオはいまさら父親づらしないでほしいとキレる。
そんななか、ナイトクラブ内で揉め事が起こる。
見て見ぬふりのできないジョンは仲裁に。
ところがその拍子に背後から何者かに殴られて気を失ってしまう。
意識を取り戻したジョンは、自分とミャオを含む10人あまりの客がクラブ内に閉じ込められており、
これは計画的な監禁で、自分たちが人質となっているのだと知る。
まるで監獄のようなつくりのクラブ内。
周囲を取り囲んで突撃に備える警察に対するウーの要求は、
ウェイという囚人を連れてこいというもの。
一部の人質と自分、そしてウェイという顔ぶれを見て、
ジョンは5年前に起きたある事件を思い出すのだが……。
アクションが抑えられた分、サスペンスフルです。
ある事件の関係者が集められ、真相が明らかにされてゆくのはなかなか面白く、
ウーがこんな行為に走った理由もわからなくもありません。
誰かを失ったとき、誰かのせいにしなければおさまらない。
ちょうどこの日に読み終わった宮部みゆきの『小暮写眞館』にもそんな場面があり、
気持ちの整理のつけ方のむずかしさをあらためて思いました。
ジャッキーは、おそらく演技ではなく、命に大小なんてないと思っているのでしょうね。
どんな人間であろうと、誰にも命を奪う権利はないと。
娯楽大作を観て死刑制度の云々について考えるのもどうかと思いつつ、
そうかジャッキーは死刑に反対か、などということも考えてしまいました。
還暦を過ぎているのですから、どうぞ無茶はしないでください。
あなたが怪我したり死んじゃったりしたら、絶対、世界中の人が悲しみますから。
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