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『クィア/QUEER』

『クィア/QUEER』(原題:Queer)
監督:ルカ・グァダニーノ
出演:ダニエル・クレイグ,ドリュー・スターキー,ジェイソン・シュワルツマン,ドリュー・ドローギー,
   アンドレア・ウルスタ,デヴィッド・ロウリー,リサンドロ・アロンソ,レスリー・マンヴィル他
 
中津昼呑みの約束をしていた日、大阪ステーションシティシネマにて8:15上映開始の本作を観に。
仕事に行く日より早起きして向かいました。
 
イタリア/アメリカ作品。
監督は『君の名前で僕を呼んで』(2017)のルカ・グァダニーノで、自身ゲイであることをカミングアウトしています。
原作は、同性愛が精神疾患だとされる時代に生きたウィリアム・S・バロウズの同名小説。
ダニエル・クレイグ演じる主人公はバロウズ本人を投影しているようで、自伝的作品とのこと。
 
ちなみにあの『ブレードランナー』(1982)は、バロウズ原作でも何でもないのに、バロウズの著作にこのタイトルがあって、
単にその語感の響きがよかったからまったく別の映画のタイトルに使われたという逸話があります。という余談はさておき。
 
3つの章とエピローグから成る構成。
 
1950年代のメキシコシティ
アメリカ人のウィリアム・リーはゲイでアヘン中毒者。そのせいでアメリカには身の置き所なくここにいる。
酒場に入り浸っては男を物色する生活を続けていたある日、ひとりの美しい青年に目が釘付けになる。
 
彼はユージーン・アラートン。店では上品な御婦人メアリーといつもチェスに興じていて、彼がゲイかどうかはわからない。
しかしウィリアムに気を持たせるような態度を取るものだから戸惑ってしまう。
いつもはタイプの男を見れば躊躇なく誘うウィリアムなのに、ユージーンにはそうできないまま。
 
店の客でやはりゲイのジョン・デュメにユージーンが何やら尋ねているのを見て、ウィリアムはついに声をかけずにいられなくなる。
すると思いのほかあっさりとウィリアムにつきあってくれるようになったユージーン。
ウィリアムの想いは募る一方で、ユージーンが他の誰かと話しているのを見るだけで居たたまれない。
 
南米に生息する“ヤハ”という植物に以前から興味を持っていたウィリアムは、一緒に旅行しようとユージーンを誘う。
ユージーンを縛りつけないという約束のもと、ふたりはエクアドルへと向かうのだが……。
 
ジェームズ・ボンドを引退したダニエル・クレイグが同性愛者役、
しかも若い男性に骨抜きにされる役ということに興味を惹かれて朝イチで観に行ったわけですが、難解だなぁ。
序盤はそう難しい話でもないのですけれど。
 
ウィリアムが男を漁る姿は痛々しい。
ターゲットを決めて「これは行ける」と思ってもやんわり断られ、彼が立ち去ると嘲笑が聞こえてきたりも。
確かにかなりウザいオッサンです。いくつになってもベビーフェイスではあるけれど、立ち居振る舞いが古すぎて、話も面白くない。
下心丸出しで近寄ってこられて退屈な話を聞かされると嫌になるでしょう。
そんなオッサンに対してユージーンもつまらなそうにしているくせに、寝ることには応じるのが罪作り。
 
エクアドルに行く話なんて断りそうなところ、ついて行くユージーン。
ウィリアムによればヤハという植物はテレパシーの力を向上させる効能を持つらしく、ロシアなどが戦争で用いようと狙っているとのこと。
もちろんウィリアムはそんなことに使うつもりはなくて、想いを寄せる相手と心を通わせたいと思っているのです。
 
ジャングルで暮らす女性研究者コッター博士を訪ね、ヤハを煎じて服用するふたり。
この辺りからは一瞬ホラーかと思うような描写もあり、だんだん話について行けなくなりました。
『ミセス・ハリス、パリへ行く』(2022)であんなに愛らしいおばちゃんを演じていたレスリー・マンヴィル
コッター博士と同一人物とは思えません。怖すぎる。ホラーですよ、ホラー。(^^;
 
とどめは晩年のウィリアムの姿。だーかーらー、老けメイクは嫌いなんだってば〜
 
ユージーン役のドリュー・スターキーはこれまで主にTVドラマに出演していた俳優らしい。
うん、こんな知的で美しい青年が現れたら、目も心も奪われるでしょうね。
それにしたってダニエル・クレイグの姿が痛々しすぎて、見ているのがつらかった。

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