『デーヴァラ』(原題:Devara Part 1)
監督:コラターラ・シヴァ
出演:N・T・ラーマ・ラオ・Jr. ,ジャンヴィ・カプール,サイーフ・アリー・カーン,プラカーシュ・ラージ他
109シネマズ大阪エキスポシティにて、IMAXレーザーGT版を鑑賞しました。
なんてったって『RRR』は17回観ましたからね。
いくらNTRジュニアよりもラーム・チャランのほうが好きだといっても、スルーすることはできません。
長いわ、これも。172分。
いったいどれぐらいの数の言語で吹き替えているのか知りませんが、冒頭、音声がかぶっています。
『カッティ 刃物と水道管』(2014)で同様の現象を初体験して驚きました。
これはインド作品では普通のことなんですかね。最後までこれだったら嫌だと思ったけれど、最初だけでした。
音声がかぶっているのは、政府高官による会議のシーン。
親玉をそこで捕らえるはずだった警官に向かって長老シンガッパが話しはじめたの英雄デーヴァラの物語。
英国の植民地だった時代、赤海沿いの4つの村の住民は他国の侵略から海を守る戦士だったが、
インドの独立後、その必要もなくなり、生活のために密輸を請け負う業者に成り下がった。
密輸に関わる男たちを統率するのは誰よりも強いデーヴァラ。
武器を積んだ船からそれらをかっさらい、悪徳政治家のもとへ運んで報酬を得るのだ。
しかし、バスの爆破事件が起き、武装した輩に乗客だった住民が殺されてしまう。
こんな生活は間違っていると悟ったデーヴァラは、今後いっさい密輸には手を貸さないと決める。
海に出るのは本来の漁のときだけ。
もしも密輸のためにこっそり海に出る者がいれば、どこからともなくデーヴァラが現れて斬りつけられる。
穏やかな日々が戻るかと思いきや、報酬を得られなくて不満をおぼえる住民も続出。
以前はデーヴァラの友人だったバイラが先頭に立ち、デーヴァラ殺害計画を立てて海辺におびき出し、
50名以上で彼に襲いかかるもデーヴァラは負けず、全員を殺す。
その後、村から姿を消したデーヴァラ。妻子と母親がいるというのに。
やがて成長した息子ヴァラは、見た目はデーヴァラそっくりだが力がまるで違う。
住民たちはヴァラとデーヴァラを比較しては冷ややかに笑うのみ。
父親に捨てられたと思っているヴァラは、いつまでもデーヴァラを心配する母親と祖母に怒りすら見せて……。
最初、音声かぶりに気をとられて高官たちの話が頭に入ってこず、
警官が何の目的で村を訪れたのかわかなくなりました。でも全然大丈夫(笑)。
3時間近いのに眠くなるところはひとつもなし。
父親のデーヴァラと息子のヴァラを特殊メイクもなしにNTRジュニアが演じるのは歳を感じさせられすぎるけど、
特殊メイクが苦手な私としてはこのほうがありがたい。
武器に対するインドの人たちの思いって、私たちには理解しづらい。
他国に支配されていた人たちは、武器さえあれば立ち上がれる、勝てる、そう思ってきたのでしょう。
武器を山盛りにした鉾を作り、4つの村から2人ずつ出して決闘し、
勝った村が次の1年その鉾を自分たちの村で預かることができるという。
きっとこの風習を実際に持っている村もあるでしょうね。
デーヴァラが海と村を守っていると思っていたら、実は……の展開。
とても面白かったけれど、やはり『RRR』には敵わない。1回でじゅうぶんです。
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