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『ネムルバカ』

『ネムルバカ』
監督:阪元裕吾
出演:久保史緒里,平祐奈,綱啓永,樋口幸平,兎(ロングコートダディ),
   儀間陽柄,高尾悠希,長谷川大,志田こはく,伊能昌幸,山下徳久,吉沢悠他
 
イオンシネマ茨木にて。
 
阪元裕吾監督作品と聞けば観に行かずにはいられないでしょう。
“ベイビーわるきゅーれ”が好きな人ならきっとこれも好き。
同監督作品『最強殺し屋伝説国岡』(2021)で国岡役だった伊能昌幸も出演しています。
 
本作もオリジナル脚本かと思ったらそうじゃなかった。
原作は人気漫画家・石黒正数の同名漫画で、『月刊COMICリュウ』に2006年から2008年にかけて不定期連載されていたそうです。
今春、新装版が発行されたとのこと。根強い人気を持つ作品なんですね。
 
大学の“冴羽女子寮”で同室の鯨井ルカ(平祐奈)と入巣(いりす)柚実(久保史緒里)は先輩・後輩の関係。
ルカはインディーズバンド“PEAT MOTH(ピートモス)”でボーカルとギターを担当している。
一方の入巣は古本屋“古本MAX”でアルバイトする以外にはこれと言って趣味もなければ没頭するものもない。
 
ライブを開けば大盛り上がりを見せるピートモスだが、メジャーデビューにはなかなか至れない。
壊れた炊飯器を折半して買い換えようと入巣が言うけれど、ピートモスのライブチケット代と同額だと思うと凹む。
入巣のバイト代だって知れているから、美味しいものもなかなか食べられない。
こういうときは入巣の友人でボンボンの田口(綱啓永)を呼びつけて食べ物と酒を持ってこさせよう。
 
ところが、呼べばホイホイやってくる田口のことを入巣目当てだと思っていたのに、実は田口はルカのことが好きだと判明。
腹を立てて田口の電話を無視するようになった入巣だが、鈍感な田口は理由がわからない。
田口から相談を受けた伊藤(樋口幸平)がそれに気づき、4人で会うのだが……。
 
と、あらすじを書いてみましたが、こんな話がゆるゆると進むだけ。
ただ、会話がかなり面白くて何度かふきだしました。
たとえば、正直すぎる田口は入巣のことを貶めるつもりなどなくクソミソに言う。
泣きじゃくる入巣に呆れるルカの台詞は「そんなにショックを受けるようなことか。
田口なんて、楽器できないし、金持ちだけど親の金だし、あんな奴に脳の容量使うなんて」。脳の容量か(笑)。
 
ルカは男性3人とバンドを組んでいましたが、メジャーデビューの話が来たのはルカにだけ。
全員でデビューできると思っていたほかのメンバーたちが、ルカのじゃまをしないように努める態度が切ないです。
 
アイドルになったルカを見て、入巣は「こんなことがしたかったのか」とムカつく。
けれど最後の最後にステージでルカが歌うのは。
 
やっぱり大好きです、阪元監督の撮る作品。

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