『アンチグラビティ』(原題:Кома)
監督:ニキータ・アルグノフ
出演:リナル・ムハメトフ,アントン・パンプーシュニー,ルボフ・アクショノーヴァ,
ミロシュ・ビコヴィッチ,コンスタンチン・ラヴロネンコ他
緊急事態宣言解除後、初めてイオンシネマ茨木へ。
本作は全国のイオンシネマでしか上映されていないからか、情報が少ない。
私も全然知らなくて、何気なく上映スケジュールを開いてみたら、
なんとなくB級感漂う邦題で、しかもロシア作品だという。
ハズレの可能性高いなぁと思ったけれど、
『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』(2018)の製作陣だというじゃないですか。
俄然期待値が上がり、さっそく観に行くことにしました。
原題の“Koma”は英語では“Coma”、昏睡状態を指します。
部屋の中のものが塵のように粉々になって霧散する現象に見舞われる。
それに驚いて表へと飛び出した若者は、
街全体が重力の法則を無視した世界になっていることに気づく。
行き交う人も通り過ぎる車もすべてが霧散してゆき、戸惑うしかない若者。
すると突然、謎の黒い怪物が現れ、彼に襲いかかる。
間一髪のところで武装した集団に助けられる若者。
ここにいるのは現実世界で昏睡状態に陥った人間で、
この世界は彼らの記憶によって創られているのだと教えられる。
自分の名前さえ思い出せない若者だったが、
建築の仕事に携わっていたという記憶だけがあり、
武装集団を統率するヤンから「建築家」と呼ばれるように。
昏睡状態から脱する方法はなく、ここで生きていくしかないらしい。
彼らが死に神と呼ぶ黒い怪物から逃れて安全に暮らせる場所を求め、
ヤンたちは行動を開始するのだが……。
もともとSFを読むのは苦手です。ややこしくて私の頭ではついていけなくて。
それが映画になるとグンとわかりやすくなるから、SF映画大好き。
説明しようとするとやっぱり私はよくわかっていないことに気づく(笑)。
でも、暗くて、重くて、この世界観がすごく面白い。
ロシア語のごつごつした雰囲気が本作にはよく合っています。
大画面で観ると迫力の1本。
ロシア作品を観たことがない人にはお薦めしづらいけれど、
こんなんもどうですか。
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