『プレーム兄貴、王になる』(原題:Prem Ratan Dhan Payo)
監督:スーラジ・パルジャーティヤ
出演:サルマーン・カーン,ソーナム・カプール,ニール・ニティン・ムケーシュ,ディーパク・ドブリヤル他
「コロナ騒ぎのせいで映画館空いてる?」と尋ねられることが多くなりました。
だけど、この騒動の前からもともと映画館ってそんなに混んでませんから。(^^;
最近よく客が入っているなぁと思ったのは『パラサイト 半地下の家族』ぐらいで。
次年度に繰り越しできない有休消化も続いております。
時間休を取ってなんばパークスシネマへ。
去年の私のお気に入りNo.1は『バジュランギおじさんと、小さな迷子』でした。
その「おじさん」を演じたインドの国民的スター、サルマーン・カーンが主演。
観る前からワクワクします。絶対楽しいはず。
下町に暮らすプレームは、みんなから兄貴と慕われる善人。
町の貧乏劇団に役者として所属し、人々を楽しませている。
稼ぎのすべてを美貌の王女マイティリーが仕切る慈善団体に寄付するプレームに、
彼の親友で同じく役者のカンハイヤはぼやいてばかり。
プリータムプル王国の王子ヴィジャイの国王就任式典を4日後に控えた日、
ヴィジャイの婚約者であるマイティリーがやってくるとの噂を聞いたプレームは、
寄付金を彼女に直接渡すチャンス到来と、カンハイヤを誘ってプリータムプルへ。
ちょうどその頃、国王の座を狙うヴィジャイの異母弟アジャイが陰謀を企て、
ヴィジャイの乗る馬車を崖から墜落させる。
幸い発見が早くて一命は取り留めたものの、意識不明の状態。
忠実な宰相と護衛は密かに城の地下へとヴィジャイを運び込む。
そんな折、ヴィジャイに投じる薬を買うために街を訪れた護衛は、
「一目でいいから王女に会わせてほしい」とすがるプレームを見てびっくり。
プレームはヴィジャイと瓜二つだったから。
さっそく城に連れ帰ると、プレームとカンハイヤに宰相が事情を説明し、
ヴィジャイが快復するまで影武者として演技をしてほしいと言われるのだが……。
インド映画はとにかく長い作品が多い。これも160分超。
最初の約30分はどうしようかと思いましたが、
プレームが影武者を演じることになってからは楽しいのなんのって。
プレームとヴィジャイはそっくりだとは言っても、性格はまるで違う。
お人好しで面倒見のいいプレームとは対照的に尊大なヴィジャイ。
マイティリーはヴィジャイの気持ちが理解できず、
このまま結婚してもよいのかどうか悩んでいました。
ところが人が変わったようなヴィジャイ、
つまりプレームと接して好きで好きでたまらなくなります。
恋い焦がれてきた憧れの女性と一緒に過ごせるというのに、
プレームには下心いっさいなし。
ヴィジャイと仲違いしていた異母弟妹たちのことも見ぬふりはできず、
彼に会うと誰もがそのペースに巻き込まれ、心が溶けてゆくのです。
踊らないインド映画が増えて、踊り手たちの仕事がなくなって困っていると聞きました。
これはボリウッドらしい作品で、踊るシーンもいっぱい。
スーパーハッピーエンドの本作、世間が暗い今、オススメです。
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