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『ユリゴコロ』

『ユリゴコロ』
監督:熊澤尚人
出演:吉高由里子,松坂桃李,松山ケンイチ,佐津川愛美,清野菜名,木村多江他

奈良へ行く前に梅田で2本ハシゴした翌日。
最近の日曜日のお約束、TOHOシネマズ伊丹にて2本。

一時わりと読みあさった沼田まほかる
結婚、離婚、僧侶の経験もあり、倒産に遭うなど、ただならぬ人生を送ってきた人らしい。
お気に入りの桜木紫乃ほど冷え冷えとした感じはないけど、
女ならではの嫌らしさが全編に漂い、読後感も悪い物語が多い。
本作の原作以外は既出の作品を制覇したはずですが、これは未読。
映画を観てから読むつもりでいたけれど、吉高由里子主演でもこれなのに、
原作はもっと暗そうで、う~ん、元気なときじゃないとツライかも。

山間でログハウス風のカフェを営む亮介(松坂桃李)。
オープン前から手伝ってくれているスタッフの千絵(清野菜名)にプロポーズし、
男手ひとつで育ててくれた父親の洋介(松山ケンイチ)に紹介する。
店の経営も軌道に乗り、次々と客が訪れる繁盛店に。順風満帆の日々。

ところがある日、体調不良で店を休むと連絡してきた千絵が失踪する。
さらには洋介が末期癌で余命わずかであることが判明。
洋介のことは致し方ないとして、千絵はなぜいなくなってしまったのか。
絶望する亮介の前に、細谷と名乗る女性(木村多江)が現れる。

細谷は以前千絵と同じ職場だったという。
千絵と細谷は年齢は親子ほども離れているが、親しくしていたらしい。
しばらく連絡を取っていなかったが、先日偶然都内のホテルで再会。
とても急いでいる様子の千絵が、細谷に亮介への伝言を頼んだのだと。
とりあえず千絵の無事を知り、ほっとする亮介。

洋介の様子を見るべく実家を訪れた亮介は、
押し入れの中に見慣れない字で綴られた1冊のノートを発見する。
それはフィクションとは思えない殺人記だった。

夢中で読み進めると、書き手は殺人に心の拠り所を感じる美紗子(吉高由里子)で、
彼女と洋介が運命的な出会いをしていたことがわかり……。

桜木紫乃がそうであるように、心がひりつく話は好きです。
沼田まほかるもそうだと言えなくもないのですが、なんというか、それよりも痛い。
映像化するとさらに痛くなり、心情的にひりつくよりも、ビジュアル的にグロい。
最近は青春ものも多く撮っている熊澤尚人監督ですが、ホラーもお得意。
そのせいか、そんなに痛いところ見せんでもええやろと思うぐらい血が出るので、
直視できなかったシーンが多数あります。

が、幸せだとか嬉しいだとかいう感覚がわからなかった美紗子が、
洋介と出会い、無償の愛に触れて、さまざまな感情を知ってゆく過程は良いです。
吉高由里子と松山ケンイチ、美紗子の友人に佐津川愛美
痛々しくも瑞々しい彼らの演技が光っていました。
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