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今年観た映画50音順〈は行〉

《は》
『ハッピー・シェフ! 恋するライバル』(原題:Little Italy)
2019年のカナダ/アメリカ作品。
カナダ・トロントのイタリア系移民が多く住む街リトルイタリー。
幼なじみのニッキー(♀)とレオ(♂)は父親同士が大親友。
両家でナポリピザの店を共同経営しているから家族まるごと仲が良い。
ところがあることをきっかけに両家は断絶。
隣同士でピッツェリアを開いて壮絶な喧嘩を繰り広げている。
そんな状況に嫌気が差してイギリス・ロンドンへ渡り、一流料理店で修行中のニッキー。
念願叶ってシェフに認められ、就労ビザを取るために故郷へ帰る。
相変わらず両家は喧嘩中。レオは親の店を手伝っていて……。
凡庸このうえないラブコメディですが、ピザは美味しそうでした。
ニッキーの父親はソースが得意、レオの父親は生地が得意。
双方合わせてこそ最高のピザになるというオチ。
父親同士の喧嘩の影で、母親同士は仲違いを装いながら亭主の悪口を言い合っているのに笑った。
 
《ひ》
『ヒューマン・フロー 大地漂流』(原題:Human Flow)
2017年のドイツ作品。
「闘う現代美術家」と呼ばれるアイ・ウェイウェイが映画監督に初挑戦。
難民問題に迫るドキュメンタリー。
実に23カ国40カ所の難民キャンプをまわり、難民たちの置かれた苦境をカメラに収めています。
美術家だけあって、映像が美しい。地球が美しいから、より難民の悲惨な状況が胸を突き刺す。
人口の何分の1にも当たる難民を受け入れている国もあるんですね。
みんな助けたい、でもみんな助けるとそれはそれで大変なことになる。
いったいどうすればいいんでしょう。
 
《ふ》
『フローズン・ブレイク』(原題:OTRYV)
 2018年のロシア作品。
スノーボーダーの男女5人は、新年を雪山頂上で祝うことを計画。
業務をすでに停止しているロープウェーに無理やり乗り込もうとする。
内1人のキリル(♂)は、どこかに鞄を忘れたことに気づいて乗らず。
残りの4人のカーチャ(♀)、ロマ(♂)、デン(♂)、ビク(♀)は、
渋るロープウェーの係員に自動運転を頼んで乗り込む。
ロープウェーが動き始めて半ばぐらいまで達した頃、
帰宅しようとした係員が首から掛けていた紐が機械に絡まり、係員は死亡。
ロープウェーは途中で停止してしまい……。
いろいろとあり得ないけれど、いちばん笑ったのは新年のスキー場の在り方。
出勤した係員のおばちゃんらが、前夜の係員のおっちゃんが死んでいるのも知らず、
「退出記録も書いてない。どうせどこかで飲んで倒れてるのよ」とか言って、
ロープウェーが動かないとなると「故障中だから1/10まで閉鎖」と貼り紙して、
ゲレンデにやってきた客たちを追い返す。
かき入れ時やで、何も調べずにそれってあり!?(^^;
 
《へ》
『ペガサス/飛馳人生』(原題:飛馳人生)
2019年の中国作品。
カーレース界のスーパースターだったチャン・チーは、
賭けレースに参加したせいで5年間の出場停止処分を受ける。
チャンがレースから遠ざかっている間に、
若き天才ドライバー、リン・ジェントンが席巻。
やっと処分が解けて復帰を希望するも、スポンサーがいない。
それでもチャンは諦めきれず、かつてのナビゲーター、ソン・ユーチャンに声をかける。
資金集めに奔走した結果、なんとか復帰の目処が立つのだが……。
主演のシェン・トンは中国の人気コメディ俳優らしいのですが、
特典映像はどれもこれもリン役のホアン・ジンユー。そりゃもう彼のほうが映えます。
なんちゅうのか、スベリ気味で笑えない。
最後はそのまま空にダイブして死んじゃったみたいだし。(^^;
 
《ほ》
『放課後ソーダ日和』
2018年の日本作品。
同級生なのにほとんど話したことのなかった、まるでタイプのちがう女子高生3人。
サナ(森田想)、モモ(田中芽衣)、ムウ子(蒼波純)がひょんなことから親しくなり、
クリームソーダを求めて一緒にあちこち回りはじめる。
レトロな喫茶店クリームソーダを見て、
「ウチらの知らない時代の可愛さ」という彼女たちに、へ~、そうなんだと私。
便利な時代に生まれた諸君は、その分、きちんと言葉にしないと、
大切なことは伝わらない、心に溶け込まないんだよというのがなんかイイ。
お行儀悪くクリームソーダをストローでぶくぶくすると、
ソーダとアイスクリームが混じって美味しくなるってホンマですか!?
こんなにいろんなクリームソーダがあるというのも目からウロコ。

—–

今年観た映画50音順〈な行〉

《な》
『7号室』(英題:Room No.7)
2017年の韓国作品。
儲かると聞いて始めた個室DVD店にさっぱり客が来ず、
オーナーのドゥシクは店を早く手放したくてたまらない。
バイトのテジョンはこの2カ月給料をもらえず、不信感を募らせている。
ドゥシクは店が繁盛しているように見せかけるべく、
中国人学生ハヌクを新しくバイトとして雇ったところ、店の買い手が現れる。
ところが、故障した暖房機付近を清掃していたハヌクが感電死
事故物件とバレれば契約がふいになってしまうと考えたドゥシクは、
ハヌクの遺体を店の7号室に隠し、ドアに錠前を付ける。
一方のテジュンは、学費を工面するために闇金で借りた金があり、
それをチャラにするという条件で預かったドラッグがあった。
こっそりとドラッグを7号室に隠していたのにドアを開けられなくなり……。
サスペンスコメディとなっていますが、ちっとも笑えません。
韓国の個室ビデオ店や物件売買のさいの権利金の話に興味を持ちました。
それと、死んでも誰にも気にもかけられない朝鮮族の話が悲しい。
 
《に》
『29歳問題』(原題:29+1)
2017年の香港作品。
同名のヒット舞台劇の主演・演出を務めたキーレン・パンが、自ら映画化。
2005年の香港。30歳目前のクリスティは美人のキャリアウーマン。
部長に昇進した途端にストレスが増え、忙しすぎて恋人ともすれ違い気味。
そんな折、アパートの大家から立ち退きを迫られる。
都合良く部屋が空いているわけもなく、つてを頼りに仮住まいすることになったのは、
パリへ旅行するという見知らぬ女性ティンロの部屋。
彼女の日記を見つけたクリスティは、偶然にもティンロと自分が同じ誕生日だと知る。
読み進めるうち、金もない、恋人もいないティンロが、
毎日を実に楽しく生きている姿に惹かれていくのだが……。
1980年代から90年代にかけての香港映画や俳優へのオマージュたっぷり。
特にティンロが愛するレスリー・チャンの話てんこ盛り。
とても切なく美しい作品で、劇場で観なかったことを後悔しました。
 
《ぬ》
『ヌヌ子の聖★戦 HARAJUKU STORY』
2018年の日本作品。
TSUTAYA DISCASには入荷されたなかったため、Amazonプライムビデオ初体験。
双子コーデタレント“ヌヌ子”として活動する葵(吉田凜音)と里奈(久間田琳加)。
芸能ブローカー・ハイジ(西岡徳馬)の紹介で、
大人気バンド“オリオン”のミュージックビデオに出演するが、
完成したビデオに映っているのは里奈ばかり。
その後、仕事も里奈だけに舞い込むようになり、葵は凹まずにいられず……。
最初はこのノリについていけそうになかったのですが、徐々に楽しく。
イマドキの音楽に乗せられて、こんなのもありだなと思えました。
女子ふたりいれば、どちらが可愛いか比べられるのは仕方ないこと。
好みはいろいろありましょうが、どう見ても里奈のほうが可愛いんだもん。
嫉妬して里奈につきまとう葵は相当ウザイけれど、最後は爽やか。
西岡徳馬のコスチュームがぶっ飛んでいます。オッサン、壊れすぎ(笑)。
 
《ね》
『寝ても覚めても』
2018年の日本作品。
原作は芥川賞作家・柴崎友香の同名小説。
地元の大阪で出会った泉谷朝子(唐田えりか)と鳥居麦(東出昌大)。
朝子は麦を運命の相手と信じて疑わなかったが、
ある日、麦はふらっと出て行ったきり帰ってこなかった。
年月が経ち、東京のカフェで働く朝子は、
コーヒーを配達した会社に勤務する丸子亮平(東出昌大の一人二役)を見てびっくり。
麦と瓜二つだったから。
最初は麦とそっくりだというだけで亮平のことが気になっていたが、
次第に亮平の人柄に惹かれ、ふたりはつきあうように。
穏やかな日々が続いていた矢先、麦が売れっ子モデルとして活躍していることを知り……。
たぶん東出くんっていい人だと思うんです。
でも私のタイプじゃないし、声もあまり好きじゃないんだなぁ。
唐田えりかちゃんが関西弁をけっこう上手に話すことには驚きました。
 
《の》
『劇場版 のんのんびより ばけーしょん』
2018年の日本作品。
大人気TVアニメの劇場版だそうですが、当然初めて知りました。
学年も性格も異なる少女たち5人がかよう田舎の学校。
全校生徒がこの5人だけだから、彼女たちはいつも一緒。
夏休みもそろそろ終わるかなという頃、デパートの福引きで沖縄旅行が当たり、
彼女たちの姉兄や先輩を含む面々でいざ沖縄へ。
「の」で始まる作品はあまりないので、これを書くためだけにレンタルしたら、
意外と面白くて可愛くて、ちょっと好きになってしまった。
5人が皆それぞれ良いキャラでなかなか笑えます。
沖縄で宿泊する民宿の娘とのやりとりも良い感じ。
劇場まで観に行くことは今後もないでしょうけれど、DVDならいいかも。

—–

今年観た映画50音順〈た行〉

《た》
『探偵なふたり:リターンズ』(英題:The Accidental Detective 2:In Action)
かなり楽しかった『探偵なふたり』(2015)の続編。
推理オタクのデマンは、妻に内緒で漫画喫茶を売り払い、
休職中の刑事テスと韓国初の探偵事務所をオープン。
しかし依頼主はひとりも現れず、金がまったく入らない。
仕事が落ちていないかと警察をうろつくうち、
ある施設出身者が次々と死亡していることを知る。
いずれも自殺や事故死となっているが、どう見ても怪しい。
死亡したとされる男性の身重の妻が再捜査を求めている場面に出くわし、
デマンは頼りにならない警察よりも自分たちに依頼をと彼女に持ちかけて……。
このトリオがなかなか可笑しくて、重い事件ながら笑わせてくれます。
シリーズ化してもいいと思う。
 
《ち》
『チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛』(原題:Tulip Fever)
2017年のアメリカ/イギリス作品。
17世紀前半、オランダ・アムステルダムでは人々がチューリップに熱狂。
孤児院でもある修道院で育ったソフィアは(アリシア・ヴィカンダー)、
スパイスで大儲けしている豪商コルネリス(クリストフ・ヴァルツ)に嫁ぐ。
貧困から救い出してくれたコルネリスのために跡継ぎを産みたいが、なかなか。
そんななか、コルネリスは夫婦の肖像画を描かせるために
将来有望な若手画家ヤン(デイン・デハーン)を雇うが、彼とソフィアが恋に落ち……。
チューリップの球根ひとつが邸宅1軒にも相当するほどの投機熱。
色が割れるチューリップが「ブレイカー」と呼ばれて
特に高値で取り引きされていた時代があったことを知りませんでした。
歳の離れた若い嫁を自分なりに愛していたコルネリスの姿が切なかった。
皆それぞれに幸せになったことを匂わせるエンディングがよかったです。
 
《つ》
『妻の愛、娘の時』(原題:相愛相親)
2017年の中国/台湾作品。
定年間近の女性教諭フイインの母親が亡くなる。
フイインの母親はいわゆる第二夫人だが、父親は第一夫人と結婚した直後に村を出て、
生涯をフイインの母親と共に過ごした。
母親を父親と同じ墓に入れたいと考えたフイインは、
第一夫人ツォンが暮らす村へ出向き、決定事項として墓の移設を進めようとする。
しかしツォンは頑として譲らず、自分も愛されていたと主張する。
この騒動のことをフイインの娘ウェイウェイが勤務するTV局で話すと、
上司や同僚が乗り、さっそく取材を始めるのだが……。
墓の移設だなんて罰当たりだと田舎の村では大騒ぎ。
フイインもツォンも自分が妻だと言い募るけれど、結婚証明書がありません。
都会暮らしのフイインは伝手を使って弁護士を雇い、訴訟も辞さない姿勢。
双方がお互いの気持ちに寄り添おうとするラストがとても良かった。
劇場で観たかった作品です。
 
《て》
『テリトリー・オブ・ザ・デッド』(原題:Killer Weekend)
2018年のイギリス作品。日本では劇場未公開。
結婚を控えたサムのために、友人たちがバチェラーパーティーを企画。
元軍人たちが扮するゾンビと戦うサバイバルゲームに参加するが、
迫真の演技で襲いかかるゾンビがあまりに怖くて、
その場に落ちていた木の枝をサムが振りかざしたところ、
それがゾンビの胸に突き刺さって本当に殺してしまう。
トイレを探して迷い込んだ古家にいた暴力的な爺さんも、揉み合いの末に死亡。
2つの死体を車に積んで走っている途中にまたしてもゾンビを轢き殺し、
サムたちは死体もろとも車を湖に沈めるのだが……。
軍人たちとサムたちとの戦いが繰り広げられるわけですが、
相当バカげているうえにほぼ笑えない。
サムとゲームに参加するメンバーに舅もいるのがちょっとだけ可笑しいぐらい。
 
《と》
『トラさん 僕が猫になったワケ』
2019年の日本作品。
主演の子がKis-My-Ft2であることも知らずに観ました。
過去に唯一のヒット作“ネコマン”を出したきりで、
その後は鳴かず飛ばずの漫画家・高畑寿々男(北山宏光)。
妻・奈津子(多部未華子)と娘・実優(平澤宏々路)のおかげで
売れずともお気楽で幸せな日々を過ごしていたが、
ある日、交通事故に遭ってあっけなく死亡。
あの世とこの世の間にある関所で裁判長(バカリズム)に面会すると、
過去の愚かな行為を挽回するために現世に戻してくれるという。
ただし期間は1カ月だけ、しかも猫の姿で。
こうして猫の姿で現世に戻った寿々男は、奈津子と実優に拾われ、
“トラさん”と名付けられて高畑家の飼い猫となるのだが……。
寿々男を含め、猫たちが皆、着ぐるみ姿なのは『猫は抱くもの』(2018)と同じ。
私にはどうもそれが受け入れがたい。
アイドルを起用すると、本物の猫の姿を写して声だけ当てるわけにはいかんのでしょうが。
多部ちゃんは可愛かった。こんな奥さんだといいねぇ。

—–

今年観た映画50音順〈さ行〉

《さ》
『サムライせんせい』
2017年の日本作品。
幕末、失脚して投獄されていた土佐勤王党盟主・武市半平太(市原隼人)。
度重なる拷問を受けて失神、覚めるとそこは平成の日本。
ちょんまげの侍はコスプレでなければアタマのおかしい人にしか思われない。
行き倒れの彼を助けたのは、地元の名士・佐伯(橋爪功)。
半平太は佐伯の厚意により居候させてもらえることになったうえに、
佐伯が経営する学習塾を侍の姿のまま手伝うことに。
当初は好奇の目にさらされていたが、誠実で温厚な人柄ゆえ人気者に。
元の時代に残してきた妻(奥菜恵)を想いつつ、帰るすべがない。
そんな折、ジャーナリスト・楢崎梅太郎(忍成修吾)が半平太を訪ねてくる。
楢崎の正体は、実は幕末の英雄・坂本竜馬で……。
ありがちなタイムトラベルものではありますが、市原隼人がすごくイイ。
最後はホロリ、泣いてしまった。
 
《し》
『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』
2017年の日本作品。
監督はTVドラマを中心に活躍する湯浅弘章で、これが長編商業映画デビュー。
高校に入学初日、吃音に悩む大島志乃(南沙良)は、
自己紹介で自分の名前も上手く言えず、同級生から笑い者にされる。
寂しく過ごしていた志乃だが、孤高の同級生・岡崎加代(蒔田彩珠)と友だちになる。
加代は音楽が好きでギターが得意なのに音痴。
歌うときだけはどもらない志乃を誘い、ふたりでバンド“しのかよ”を結成。
文化祭で披露するために猛練習を始める。
度胸をつけようと夏休みに路上で演奏していたところ、
入学式の日に志乃をからかったお調子者の男子・菊地強(萩原利久)が通りかかる。
実はいじめられっ子の強はバンドに混ぜてほしいと言い……。
これをイマイチだったというのは悪人な気がするのですが、
私の心にはあまり響かず、ちょっとしんどかった。
それにしても先生あかん。吃音の生徒に対して、「いつもそんなしゃべり方なの?」。
「緊張するのかなぁ」「打ち解ければなんとかなる」、空々しすぎる。
 
《す》
『スウィンダラーズ』(英題:The Swindlers)
2017年の韓国作品。
詐欺師だけを騙す天才詐欺師ファン・ジソンは、父親の自殺を疑う。
父親は希代の詐欺師チャン・ドゥチルの依頼でさまざまな偽造を働いていたのだが、
最後となるはずだった仕事の後に自殺したと知らされたから。
本当は自殺ではなく、ドゥチルに殺されたのではないか。
やがてドゥチルが病死したとの報道に、奴は生きているはずだと確信し、
ドゥチルの担当検事だったパク・ヒスに協力して奴を捕まえようと持ちかける。
ヒスに弱みを握られて彼の言いなりとなっているほかの詐欺師3人が加わり、
まずはドゥチルの右腕クァク・スンゴンに接近する作戦を決行するのだが……。
ジソンにヒョンビン、ヒスにユ・ジテ。どちらもカッコイイけれど、
『マッド・ドッグ』でユ・ジテにハマった私としては、両者イイ奴でいてほしかった。
ユ・ジテがこんなめちゃめちゃ悪人の役なんて。
見事に騙されました。めちゃめちゃ面白かったです。もう一度観たいぐらい。
 
《せ》
『世界で一番ゴッホを描いた男』(原題:中国梵高)
2016年の中国/オランダ作品。
広東省の大芬(ダーフェン)は世界最大の「油画村」。
この村では世界中からの注文に応じて複製画を制作。これが大ビジネスに。
趙小勇(チャオ・シャオヨン)は、20年間ゴッホの複製画を描き続けてきましたが、
いまだ本物のゴッホの絵を見たことがありません。
彼が本物を見たいという長年の夢を叶えるためにアムステルダムへ。
その旅に密着したドキュメンタリー。
何十人もの職人が工房に寝泊まりして複製画を制作する姿にまず驚愕。
しかも皆めちゃくちゃ巧い。当たり前ですね、世界の需要に応えているんだから。
ずっと複製画のみを描いてきたシャオヨンが、
自分オリジナルの絵を描きたいと思いはじめるシーンがよかった。
 
《そ》
『ソリス』(原題:Solis)
“未体験ゾーンの映画たち 2019”にて上映された2018年のイギリス作品。
近未来、宇宙で採鉱をおこなう会社に勤めるホロウェイは、
緊急避難船カペラ2号に乗船中に事故に遭い、彼を除く乗組員は全員死亡。
カペラ2号は制御不能で漂流、太陽へ向かって進んでいることが判明。
やっと連絡が取れた別の宇宙船の女性船長ロバーツが遠隔通信で支えつづける。
ロバーツ役のアリス・ロウは声のみの登場で、
全編カペラ2号内で繰り広げられる密室の一人劇。
ホロウェイ役には“ウォーキング・デッド”のサイモン役で知られるスティーヴン・オッグ。
まったく期待しなかったわりにはそれなりの面白さ。
最後は助かったか助からんかったかどっちやねん、
たぶんアカンかってんなという終わり方。そりゃそんだけ太陽に近づいたら無理!

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今年観た映画50音順〈か行〉

《か》
『かごの中の瞳』(原題:All I See You)
2016年のアメリカ作品。
タイ・バンコクに暮らすジーナ(ブレイク・ライヴリー)は、
子ども時代に事故に遭って視力をほぼ失った。
ジェームズ(ジェイソン・クラーク)と出会って結婚、
優しい夫に支えられ、眼は見えずとも幸せな毎日を送っていたが、
急に角膜提供者が現れて手術を受け、片眼だけ視力が回復する。
夫婦そろってさらに幸せなはずが、眼が見えるようになった途端、
美しくセクシーになってゆく妻に気が気でない夫は……。
夫は妻が自分だけを頼るようにいろいろ図った様子。
妻は夫がしたことをすべてわかっていたようで、なんとも観ているのが辛い。
やがて妻は浮気したことを隠して妊娠を夫に告げ、
夫は自分には子どもができないことを知っていながら受け入れる。
監督は私のわりとお気に入り、マーク・フォースター
切なさが好きなのですが、本作は切ないというよりは悲しかった。
ブレイク・ライヴリーが別人に見えたのはなぜかしらん。整形でしょうね。
 
《き》
『キラー・メイズ』(原題:Dave Made A Maze)
2017年のアメリカ作品。
こんなC級、絶対未公開に決まっていると思ったら、
原題の「デイブが迷路を作った」、そのまんまの作品。
冴えない芸術家デイブは同棲中の恋人アニーが外出した間に、
ダイニングに段ボールで迷路を作りはじめる。
アニーが帰るとデイブの姿は見えず、段ボールの山の中から彼の声が。
迷路から出られなくなったらしく、アニーおよび駆けつけた友人、
面白そうなネタだとやってきた取材クルーたちは迷路に入るのだが……。
迷路ではデイブが妄想した罠やモンスターが本物になって徘徊しています。
そいつらに食いちぎられたりなんかもして、結構残虐。
アホくさと思いながら観てしまった。大化けしませんかね、この監督。
 
《く》
『クレアのカメラ』(英題:Claire’s Camera)
2017年のフランス/韓国作品。
映画宣伝会社に勤める女性社員マニは、出張で映画祭開催中のカンヌへ。
女社長から突然呼び出され、突然クビを宣告させる。
女社長とデキている映画監督ソがマニに手を出したことを知ったゆえらしい。
途方に暮れるマニは、カンヌを観光中のフランス人女性クレアと出会い……。
なぜか人気のあるホン・サンス監督、私はどうしても好きになれません。
実生活で不倫関係にある女優を主役にダラダラと撮り続け、
「人生の失敗の95%は酒のせい」なんて言われても、言い訳にしか聞こえない。
酔っぱらって若い美人に手を出して、「魔が差した」とか、
その美人がショートパンツを穿いているのを見て叱ったりとか、
オッサン戯言もいい加減にしろよと言いたくなる。
人気の理由を知りたくてこれまで何本か観ましたが、もうウンザリ。
 
《け》
『けんじ君の春』
2015年の日本作品。女優・森田亜紀の長編初監督作品です。
何もかもにだらしない沢口けんじは、なぜか女にモテモテ。
愛想をつかされてフラれるときにも金を貸してくれと申し込むふてぶてしさ。
ある日、金を返してもらうべくけんじの部屋にやってきた元カノたちが鉢合わせ。
そうとも知らずにけんじは公園で見かけて一目惚れした女子大生を誘う。
元カノたちは最初こそいがみ合っていたが、けんじに復讐したい気持ちは同じ。
何かいい方法はないかと考えはじめる。
けんじ役の戸塚純貴の顔をどうしても好きになれず、
こんなろくでなしの役を田中圭ぐらいが演じてくれればよかったのにと思っていました。
しかし後日『ブラック校則』キンプリ高橋くんの兄役で出演しているのを発見。
けんじの締まらない顔が嘘のように、ちゃんとしたサラリーマン役でした(笑)。
イライラし通しの作品だったけど、けんじを追いかける闇金トリオが
最後はペットショップを開き、けんじもそこに勤めるというオチ。
こう爽やかなラストで来られるとは思いもよらず。終わりよければすべてよし。
 
《こ》
『告白小説、その結末』(原題:D’apres une Histoire Vraie)
2017年のフランス/ベルギー/ポーランド作品。
フランスの女流作家デルフィーヌ・ド・ヴィガンの『デルフィーヌの友情』を映画化。
心を病んで自殺した母親のことを綴った小説がベストセラーになり、
一躍人気作家となったデルフィーヌ。
しかしその後はスランプに陥って何も書けずにいる。
ある日、彼女の熱狂的ファンだという美女エルと親しくなる。
著名人のゴーストライターを務めるエルと、同居生活をはじめるのだが……。
原作の情報を見るとメタフィクションなるものだそうで、
モキュメンタリーみたいなものかと思ったら、違うんですね。
フィクションだということを作品中で意図的に読者に知らしめるものらしい。
エルは虚構だったのかと想像させるオチ。
彼女役のエヴァ・グリーンが綺麗なだけにめちゃくちゃ怖い。

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