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『俺たち替玉ブラザーズ!』

『俺たち替玉ブラザーズ!』(原題:Sieu Sao Sieu Ngo)
監督:ドゥク・ティン
出演:チューン・ジャン,タン・トゥイ,ドゥク・ティン他
 
イオンシネマでなぜかベトナム映画特集を開催中でした。
イオンシネマ茨木にて鑑賞。
きっと客は私ひとりかせいぜい数名だろうと高を括っていたら、
意外に多く入っていて驚きました。すんません。
ベトナム好きな人って多いのでしょうか。
 
国民的俳優のソンは、売れっ子すぎて自分の時間が持てない。
4年つきあっている恋人で画家のチュックともっと会いたいのに、
マネージャーのトニーは、「あんな画家とはとっとと別れて、
金持ちの女優アナとカップルになれ」と言って恋路を邪魔しようとする。
 
多忙でぶっ倒れかけているソンを見て、トニーが思いついた妙案は、
ソンの双子の弟トゥンを替玉に仕立て上げること。
ソンとトゥンの両親はずっと前に離婚し、
ソンは父親と、トゥンは母親と暮らしているが、真逆の生活。
スーパースターのソンと違い、トゥンは豚飼い。
マナーも何も身についていないトゥンが果たして替玉になれるのか。
 
服装、言葉遣い、歩き方など、特訓を受けたトゥンは、一応それなりに。
雑誌の撮影や芝居の仕事などをソンに代わってこなすようになるのだが……。
それに顔がまったくタイプじゃない。
 ベトナムではこういう顔立ちが人気なのかと最初は目が点になりました。
もっちゃりした顔で七三分け。どこがいいのかさっぱりわからん。
シュッとしているとは言い難いダサさなんですもの。
ラストまで観るに耐えるだろうかとすら思っていましたが、
30分ぐらい経過した頃にはその顔にも慣れ、笑ってるやん、私(笑)。
 
チュックのことを愛しているものの、損得考えて行動しがちなソン。
それに対してトゥンは自由気ままにしたいことをする。
優しい心の持ち主でもあり、金など要らないから母親に会ってほしいとソンに言います。
 
過去にベトナム作品を観たことはあるけれど、こんなドタバタ劇は初めて。
エンドロールにはNGシーンや舞台裏シーンも組み込まれ、
「ベトナム映画は何でもあり」のテロップで終わります。
 
ベトナム映画特集はチケット1,100円。これはお得かも。

—–

『パヴァロッティ 太陽のテノール』

『パヴァロッティ 太陽のテノール』(原題:Pavarotti)
監督:ロン・ハワード
 
勤務先と自宅の間に劇場があるのは本当にありがたいこと。
まったく寄り道じゃならない場所にあるから嬉しい。
ということでまたまた109シネマズ箕面へ。
 
ロン・ハワード監督がオペラ歌手のドキュメンタリーを撮るなんて。
だって、『バックマン家の人々』(1989)とか『バックドラフト』(1991)とか、
『アポロ13』(1995)とか“ダ・ヴィンチ・コード”シリーズとか、
『ラッシュ/プライドと友情』(2013)とかの監督ですよ?
どういう経緯でこんな音楽ドキュメンタリーを撮ることになったのか知りたい。
 
さて、ハワード監督が撮ったのは、ルチアーノ・パヴァロッティ。
「神に祝福された声」の持ち主で、「イタリアの国宝」と称されるテノール歌手。
1935年生まれの彼が1961年にデビューして、世界的に有名な歌手となり、
2007年にこの世を去るまでがフィルムに収められています。
 
何が凄いって、元妻や愛人など、彼に捨てられた女性が皆、彼を悪く言わないこと。
悪く言わない人だけ本作に出演しているのかもしれないけれど、
彼との間に3人の娘を持つ元妻が、「彼の声に恋しない人はいない」なんて言うんですから。
結局最期に一緒にいたのは34歳も下の女性。
パヴァロッティよ、おまえもか!っちゅう感じですが、
不思議と私の苦手なオッサンの妄想的な雰囲気はあまり感じませんでした。
あ、「あまり」感じなかっただけで、やっぱり妄想的なんですけどね(笑)。
 
ロックバンドとジョイントコンサートを開いたり、
誰がなんと言おうと自分がやりたいと思ったことはやる。
いいんじゃないかと思います。
 
彼とプラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラスの三大テノールによるコンサートの模様は
本当に楽しかった。
ダイアナ妃の映像が美しくて切ない。
 
歌声は、人々の心に残る。

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『宇宙でいちばんあかるい屋根』

『宇宙でいちばんあかるい屋根』
監督:藤井道人
出演:清原果耶,桃井かおり,伊藤健太郎,水野美紀,山中崇,醍醐虎汰朗,坂井真紀,吉岡秀隆他
 
109シネマズ箕面にて、仕事帰りに1本だけ。
 
原作は2003年に刊行された野中ともその同名ファンタジー小説。
藤井道人監督の前作は『新聞記者』(2019)だから、
またえらく趣の違う作品に手を出したものだなと思いましたが、
それより前の作品を眺めてみれば、
そうか、社会派一辺倒というわけではないのですね。
 
14歳のつばめ(清原果耶)は、父親・敏雄(吉岡秀隆)と継母・麻子(坂井真紀)の3人暮らし。
実母はつばめが2歳の頃に出て行き、麻子からは惜しみない愛情を受けて育った。
しかし、麻子が妊娠中の今、なんとなく自分だけが家族ではないような気がしてしまう。
 
つばめが想いを寄せているのは、隣家の大学生・亨(伊藤健太郎)。
亨の誕生日前日の深夜、手紙を書いて隣家の郵便受けに入れるが、翌朝になってから激しく後悔、
取り戻しに行こうとしたところ、亨に声をかけられて弱り果てる。
 
結局奪還できないまま登校すると、1カ月だけつきあって振った誠(醍醐虎汰朗)に睨まれる。
同級生女子たちからは気にすることないなどと言われるが、どうも居心地が悪い。
放課後にかよっている書道教室の屋上でひと息つく時間だけが落ち着ける。
 
そんなある日、いつものように屋上に上がると、謎の老婆が現れてびっくり。
「ほしのとよ」というその名前から、つばめは老婆を星ばあ(桃井かおり)と呼ぶことに。
最初はその風貌と物言いに面喰らっていたつばめだが、
「歳を取ったら何でもできる」という星ばあにあれこれ相談するようになり……。
 
ゆるり、良い感じです。ぎすぎすした気持ちのときには溶かしてくれそう。
 
つばめを見ていて『恋恋豆花』(2019)のモトーラ世理奈演じる娘・奈央を思い出しました。
奈央もつばめもとても良い子。
作り笑いで事を荒立てることなく生きているけれど、内心もやもや。
星ばあと出会ってからの彼女には変化が訪れて、後悔を恐れなくなります。
やらずに後悔するよりは、やってみて後悔するほうがいいというのは昔からよく言われることですが、
本作を観ると本当にそうだと思う。当たって砕けろ。
 
まぁ、こんな彼女がそもそも告白されたからって1カ月だけつきあって、
よう振れたなと思わなくもありません(笑)。
それを恨みに思う男子が悪態つくのを見て、
「言いたいことがあるなら直接言って」とつばめがキッパリ言うシーンは気持ちいい。
 
「ママはおまえに一目惚れしたんだ」。
夫とこんな可愛い娘が一度に手に入るなんてと喜んだという継母。
このシーンは泣かずにはいられない。
 
みんないい人。和む。

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『ワイルド・ローズ』

『ワイルド・ローズ』(原題:Wild Rose)
監督:トム・ハーパー
出演:ジェシー・バックリー,ジュリー・ウォルターズ,ソフィー・オコネドー,
   ジェイミー・シーヴェス,デイジー・リトルフィールド,アダム・ミッチェル他
 
昼間から友人と会うつもりで休みを取ったのに、友人が急に出勤になってしまいました。
せっかく取った有休、晩に甲子園に行くまでの間、家で寝て過ごすのももったいない。
ほならやっぱり映画に行っとこかという気持ちが起きて。
 
シネ・リーブル梅田で上映されていたときに観逃してしまった作品が
ちょうど塚口サンサン劇場でかかっている。しかも特別音響上映。ラッキー♪
 
主演のジェシー・バックリーアイルランド出身で実際に歌手。
『ドクター・ドリトル』ヴィクトリア女王の役を演じたのが彼女です。
BBCのオーディション番組に出演したのがきっかけで芸能界入り。
本作中でも吹替なしで本人が歌い、素晴らしい声を披露しています。
 
スコットランドのグラスゴー
良からぬことをして捕まり、刑務所で12カ月服役、出所した女性ローズ=リン。
彼女はシングルマザーで、まだ幼い娘ワイノナと息子ライルがいる。
服役中は厳格な母親マリオンが子どもたちの世話をしてくれていた。
やっと子どもたちのもとへ帰ったものの、カントリー歌手になる夢を捨てきれない。
 
14歳のときから歌っている店を訪ねると、
だれも罪人の歌など聴きたくないはずだと解雇を言い渡され、
すでにローズ=リンに代わる歌手が雇われていた。
稼ぎがゼロではどうしようもなく、富豪の邸宅で清掃の仕事にありつく。
 
富豪の妻スザンナはローズ=リンの歌声を聴き、
これは絶対世に出すべき才能だと考える。
スザンナに背中を押され、夢に向かって進みはじめるローズ=リンだったが……。
 
困った女なんです、このローズ=リンは。
18歳で子どもを産んで上の子が小学生というから、アラサーぐらい。
しかし母親としての自覚に欠け、出所して最初に寄るのは男の家。
ヤってから実家に戻ります。
 
ジュリー・ウォルターズ演じるマリオンは、厳格ではあるものの、
普通に常識的で融通の利かない人ではなく、慈愛にも満ちている。
孫たちはそんなおばあちゃんのことが大好きです。
ローズ=リンは自分の子どもたちを任せっきりだったから、
どう接していいのかわからない。
下の子のライルはまだ幼くて、ママママと一応は言うけれど、
ワイノナはママに捨てられたと思っているのか、にこりともしない。
そんな娘の表情が変化を見せるときがとてもいい。
 
スザンナの支えもいい。
ローズ=リンに請われるがままに金を差し出すのではなく、
ローズ=リン自身の力で前に進ませようとしています。
 
自分はどうしてアメリカ人に生まれなかったのか。
音楽の街ナッシュビルこそ自分の生まれるべき場所だったのに。
グラスゴーにはカントリーをわかる人間などいない。
そう決めつけてナッシュビルへ行こうとしていたローズ=リンが
果たしてたどり着く場所は想像どおりなのが嬉しい。
 
「母親としての自覚を持ってほしかっただけで、希望を奪いたかったのではない」。
そう言うマリオンの言葉に涙が出ました。
 
特別音響上映で観られた幸運に感謝。

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『マイルス・デイヴィス クールの誕生』

『マイルス・デイヴィス クールの誕生』(原題:Miles Davis: Birth of the Cool)
監督:スタンリー・ネルソン
 
甲子園阪神vs巨人を観に行く前にひょっこり時間ができたので、
4月を最後にごぶさたしていた塚口サンサン劇場へ。
いつ行っても美しいトイレが本当に嬉しい。
別に新しいわけでも設備が特に整っているわけでもないのに、
ウキウキさせてくれるトイレがある映画館なんて、ここぐらいでは。
 
“ジャズの帝王”と称されたトランペット奏者マイルス・デイヴィス。
なんとなく知っているというだけで、彼について調べたことはありません。
この機会に彼の素顔を追ったというドキュメンタリーを観てみることに。
 
1926年、アメリカ・イリノイ州で生まれたマイルス。
オールトンという町からイーストセントルイスへと引っ越したそうです。
イリノイ州で2番目に富裕な黒人という証言があるほど、両親はお金持ち。
そんな裕福な家庭であっても、差別の根付く町イーストセントルイスでは
いいことばかりは望めなかったようです。
 
13歳のときに父親からトランペットを贈られたマイルス。
母親はヴァイオリンにしたかったようだというのが可笑しい。
早々と才能を発揮したマイルスはニューヨークへ。
名門ジュリアード音楽院に入学します。
その頃、チャーリー・パーカーと出会ったらしい。
 
以降、革新的な挑戦を死ぬまで続けたマイルス。
エレクトリック楽器を導入したときの話や、
インド料理店でBGMを耳にしてインドの楽器奏者と組んだときの話など、
彼の逸話がどれも楽しくて、私は初耳だから驚くことばかり。
クインシー・ジョーンズハービー・ハンコック、カルロス・サンタナなどなど、
錚々たる顔ぶれのアーティストの証言も楽しくて。
 
音楽の話のみならず、女性遍歴もわかります。
彼の最愛の妻だったフランシスの美しいこと。
まだご健在でインタビューに答えていらっしゃいますが、
そうか、若いときのあの美人が歳を取るとこう変わるのかと感心したりも(笑)。
 
マイルスは『3人のゴースト』(1988)にカメオ出演しているのですね。
観てみなくっちゃ。

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