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『元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件』

『元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件』(原題:Horizon Line)
監督:ミカエル・マルシメーン
出演:アリソン・ウィリアムズ,アレクサンダー・ドレイマン,キース・デヴィッド他
 
大阪ステーションシティシネマにて、朝イチの回、8:30から鑑賞。
 
スウェーデン/アメリカ作品。
原題は“Horizon Line”なのに、なぜにこんなに突飛な邦題になったのか。
しかしもとはさらに突飛(でもない?)、
『元カレとセスナに乗ったらパイロットが死んじゃった話』という邦題になる予定だったそうです。
それが、ふたりが乗るのはセスナとちゃうというクレームがあって改題。
突飛だけど、それに釣られて観に行ったのは私です。
 
ハズレの可能性が高いとは思っていましたが、意外と面白かったですよ。
だって製作総指揮を執るのがジャウマ・コレット=セラですから。
彼に目をつけられた人には期待していいと思うのです。
そんな「目をつけられた」監督は、スウェーデン出身のミカエル・マルシメーン。
なんて邦題を付けてくれたんだと嘆いてはるかもしれませんけど(笑)。
 
インド洋に浮かぶモーリシャス。
サラとジャクソンはラブラブの恋人同士だったが、出会ったときから別れる運命。
もともとサラはロンドンで憧れの仕事に就くことが決まっており、
バーで引き留めようとするジャクソンが席を離れた隙に島から出る。
 
2年後、サラは親友パスカルの結婚式に出席するために再びモーリシャスへ。
そこにはやはり翌日の結婚式に出席するジャクソンもいた。
嫌いになって別れたわけではない。相変わらずジャクソンはサラのタイプ。
サラを避けようとするジャクソンを追いかけ、一夜を共にする。
 
パスカルの結婚式がおこなわれるのはさらなる孤島ロドリゲス。
船に乗り遅れないようにとパスカルから釘を刺されていたのに、
目覚めるとすでに船の出発時間目前。隣ではジャクソンがまだ爆睡中。
パスカルに連絡すると、ロドリゲス島への船は1日1便しかないらしい。
 
ジャクソンのことは放置して、サラはなんとかロドリゲス島へ行き着く方法を模索。
小型の飛行機で島へ飛ぼうとしていた老人フレディを捕まえて泣きつく。
そこへジャクソンもやってきて、気まずい雰囲気に。
 
2年前と今回と、二度もサラから置き去りにされたジャクソンは当然不機嫌。
サラを無視しようとする彼だったが、
あろうことか飛行中にフレディが心臓発作を起こして死亡してしまい……。
 
飛行機には彼と彼女のふたりだけ。仲違いしたままではどうにもなりません。
致し方なく力を合わせることになったけど、
飛行機の操縦については2年前にサラがフレディから何度か教えてもらっただけ。
それでもジャクソンよりはわかるから、サラが操縦席へ。
 
方位を示す計器が壊れてどちらを向いているかわからない。
ジャクソンの機転で方位磁石に変わるものは完成。
たまに繋がる無線でどちらを向けばいいかは判明してズンズンそっちへ。
そうしたら嵐に見舞われて、もう踏んだり蹴ったり。
 
荒唐無稽なところはあり、およそこんなふうに生き延びられるとは思えません。
でも、邦題に反して大真面目、笑うところは何もないサスペンスです。
 
知名度の高い役者がひとりもいませんが、
サラ役のアリソン・ウィリアムズは顎に特徴のある美人。
彼女はまさにアメリカ人受けしそうな顔立ちですね。
ジャクソン役のアレクサンダー・ドレイマンはちょっとブレンダン・フレイザー似。
そういえばブレンダン・フレイザーは“ハムナプトラ”シリーズ以降あまり見かけません。
どうしているのでしょう。というのはどうでもいい話で。
 
なんとか逃げおおせたと思ったら最後に鮫にガブリ
とか嫌だなと思ったけれど、そうはならなくてホッ。ドキドキしました。
欲を言えば、ラストは明るく結婚式のシーンで終わってくれたらよかったかも。
ま、そうなったらなったで安直な感じにガッカリだったかしらん。
 
こういう状況がもしも実際にあったら、なんとかできるものでしょうか。

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『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』

『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(原題:Fast & Furious 9)
監督:ジャスティン・リン
出演:ヴィン・ディーゼル,ミシェル・ロドリゲス,ジョン・シナ,タイリース・ギブソン,
   クリス・“リュダクリス”・ブリッジス,ジョーダナ・ブリュースター,ナタリー・エマニュエル,
   サン・カン,ヘレン・ミレン,シャーリーズ・セロン,カーディ・B他
 
封切り日に109シネマズ箕面にて、IMAX字幕版を鑑賞しました。
 
上映スケジュールを見ると、ほかの劇場よりもなんだか上映時間が長い。
なんでかなと思ったら、来夏公開の『ジュラシック・ワールド/ドミニオン』の予告編付き。
これが5分たっぷりのIMAX特別映像らしくて、
そんなもんがあると知らずに観に行ったものだから、“ワイルド・スピード”がもう始まったんかな、
でも恐竜が出てくるのはおかしいよね、今回はそんな設定なんやろかと思ってしまいました(笑)。
迫力のある予告編なので、ぜひ皆様にご覧いただきたいです。
 
で、『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』本編開始。
 
前作から5年が経過。
ドミニクは亡くなった元恋人の息子・リトルBを引き取って暮らしていた。
ドミニクの妻レティも、血のつながりのないリトルBをとても可愛がっている。
こうして3人、仲睦まじく送る幸せな日々。
 
ところがある日、仲間のローマン、テズ、ラムジーがやってくる。
彼らによれば、ミスター・ノーバディから救難信号が送られてきたという。
ミスター・ノーバディはかつて幾度となくドミニクたちと協力し、
サイファーの目論見を阻止してきた仲。
そのミスター・ノーバディがある積荷を空路で輸送する途中に撃墜されたらしい。
積荷の中身は、悪用されれば国家に危機が及ぶもの。
ドミニクらは飛行機が撃墜された地点を目指す。
 
積荷を回収したところへ現れたのは、疎遠になっていたドミニクの弟ジェイコブ。
ジェイコブにかっさらわれたブツを奪還するため、追跡劇が始まるのだが……。
 
こういう作品は大画面で観るに限ります。
どこが、何が面白いというわけでもないのですけれど、まぁ楽しい。
タイリース・ギブソン演じるローマンは、ガタイはええのにビビリ。
そのローマンと、クリス・“リュダクリス”・ブリッジス演じるテズのコンビには笑ってしまう。
ナタリー・エマニュエル演じるラムジーは凄腕のハッカーで、
こういうさまざまな能力が結集するチームは間違いなく楽しい。
 
異彩を放っているのはサイファー役のシャーリーズ・セロン
彼女は死なないからまだまだシリーズが続きそう。
わずかな時間の出演のヘレン・ミレンも存在感たっぷり。
ババァだからってナメちゃいけません(笑)。
 
ヴィン・ディーゼルはますますニヤケ顔になっていませんか。
やっぱり私はハゲならジェイソン・ステイサムが好き。
ノークレジットで最後にちゃっかり姿を見せてくれます。
 
暑い夏は、難しいことを考えなくても観られる映画サイコー。
その割に、磁気の発生については全然理解できていません。理科苦手。(^^;

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『サイダーのように言葉が湧き上がる』

『サイダーのように言葉が湧き上がる』 
監督:イシグロキョウヘイ
声の出演:市川染五郎,杉咲花,山寺宏一,潘めぐみ,花江夏樹,梅原裕一郎,
     中島愛,諸星すみれ,井上喜久子,神谷浩史,坂本真綾他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
アニメーション映像の音楽レーベル“フライングドッグ”の設立10周年記念作品。
監督はTVアニメ版『四月は君の嘘』のイシグロキョウヘイ。
脚本と演出も彼自身によるもの。
『団地ともお』とか『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第2期なども
この人が絵コンテを担当していたそうです。
 
本作もコロナのせいで公開が1年以上延期されました。
その後どうなるのかも不明のまま半年が経過し、今夏の公開がようやく発表された模様。
梅雨時のはずが、それもまたまた延びて先月末なんとか公開に至る。
 
初めて予告編を目にしたとき、主人公の声を市川染五郎が担当していると聞き、
え~、染五郎ってもう50歳ぐらいとちゃうん?高校生役ってあつかましすぎん?
違和感ないほど声は若いんかなぁ?などと思ってしまった私はアホです。
そんなわけないやん。あの染五郎はもう松本幸四郎でしょ(笑)。
20年前に今井美樹と共演したTVドラマ『BRAND』、懐かしくないですか。
はい、本作の主人公の声を務めるのは、もちろんあの染五郎の息子、八代目です。
 
小田市という地方都市に暮らす17歳の高校生、佐倉結以。
佐倉=サクラでみんなからは「チェリー」と呼ばれている。
人づきあいが苦手な彼の趣味は俳句
口には出せない思いを詠んではひそかにSNSに投稿していた。
 
一方、前歯にコンプレックスを持つ16歳の星野ユキは、歯の矯正中。
歯が見えないように常にマスクをしているが、
SNSでは“カワイイ”をコンセプトにライブ配信する人気者。
街を歩けば「スマイル」として方々から声をかけられる。
 
そんなふたりがショッピングモールに居合わせた折、
アクシデントが起きてぶつかった拍子に、スマホを落とす。
マスクも外れて慌てたスマイルは、誤ってチェリーのスマホを持ち帰ってしまう。
スマホの取り間違いに気づいたふたりは再会して無事交換。
以降、少しずつ距離を縮めていくのだが……。
 
おそらく私と同世代の人ならば、この絵を見て思い出すのは、鈴木英人やわたせせいぞう。
はやりのフル3DCGもいいけれど、なんかこういう絵のほうが落ち着きます。
俳句の心得はありませんが、高校生の趣味が俳句というのも昔っぽくて良い。
 
でもいろいろと引っかかるところがあります。
 
チェリーはモール内の福祉施設で腰を痛めた母親に代わってバイトをしていますが、
そこにかよっているのが元レコード店の経営者、フジヤマのおじいちゃん。
記憶が次第に薄れていくおじいちゃんが片時も離さずに持っているレコードジャケット。
中身は空っぽで、レコード本体をどこにやったか思い出せないらしい。
このエピソードを上手く生かし切れていないなぁという印象。
 
それ以上に気になったのは、レコードをあんなふうに持ちますかね。
今はレコードを見たことがない人も多いでしょうが、
貸しレコード屋に頻繁に出入りしていた私たちの世代は、
レコードの端っこを挟むようにして持つと思うのですよ。
あんなにベタッと盤を握ったりしない。その持ち方に興醒め。(^^;
 
スマイルをイマイチ好きになれなかったのも乗れなかった要因。
巷で人気のライブ配信ってこういうものなのか。
モールを歩いてカワイイと思うものをカワイイカワイイ言って回るだけ。
チェリーの俳句もカワイイと言われちゃうんだから。
カワイイって何やねんとイライラするところがおばちゃんか(笑)。
 
カワイイって何が!?
ただ、大貫妙子の曲はとってもよかったです。
 
タイトル自体が五・七・五になっているって、観る前からわかってました?

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『イン・ザ・ハイツ』

『イン・ザ・ハイツ』(原題:In the Heights)
監督:ジョン・M・チュウ
出演:アンソニー・ラモス,コーリー・ホーキンズ,レスリー・グレイス,メリッサ・バレラ,
   オルガ・メレディス,ダフネ・ルービン=ヴェガ,グレゴリー・ディアス四世,ジミー・スミッツ他
 
晩ごはんを六甲でいただくことになっていたため、
大阪ステーションシティシネマで2本観た後、TOHOシネマズ西宮へ移動して。
 
トニー賞で作品賞を含む4冠に輝いた大ヒットブロードウェイミュージカル」、
の「映画化」って怪しくないですか。
たとえば『キャッツ』(2019)、あれはホントに駄目だった。
その例があるから、これも観に行くのは躊躇しました。でも、観なきゃ文句も言えないし
結果、まぁまぁでした。『キャッツ』よりは遙かに良い。
 
監督は『クレイジー・リッチ!』(2018)のジョン・M・チュウ。
面白い作品でしたもんね。
 
マンハッタンのワシントン・ハイツ地区。
ラテン系の移民が多く暮らすこの街で食料雑貨店を営む青年ウスナビ。
彼自身もドミニカからの移民で、大物になる夢がある。
 
真面目にコツコツと働いていればいつか夢が叶う。
そう信じてきたけれど、現実は厳しい。ここにいてもつらいだけ。
今は逆に故郷へ帰る日を夢見ている。
 
ウスナビが想いを寄せているのは、やはり移民のヴァネッサ。
彼女の夢はファッションデザイナーになること。
店の常連客である彼女にウスナビは声をかけるが、ちっとも相手にしてもらえない。
 
そんなウスナビを見てからかうのは、親友のベニー。
タクシーの配車係を務める彼は、同じ街に暮らしていた秀才ニーナに夢中。
ニーナは街の希望の星で、スタンフォード大学へ進学したが、突然帰省して……。
 
映画評論家は大絶賛しているそうですが、そこまで良いとは思えず。
移民の人たちの気持ちを汲み取ることが難しいからかなぁ。
とはいうものの、先日『東京クルド』を観たばかり。
日本にやってきたクルド人も、こうしてハイツで暮らす移民も、
歯がゆい思いを抱えて生きているのだと思うと、
単なる楽しいミュージカル作品だとは思えません。
 
単なるミュージカルとして観れば、もう少しイケメンのほうがいい(笑)。
主演のアンソニー・ラモスは、『ファイナル・プラン』の汚職に苦しむ警官役のほうが似合っていたかも。
ベニー役のコーリー・ホーキンズもちょくちょく観る俳優だけど、
『ブラック・クランズマン』(2018)を思い返しても何役だったか覚えていません。
どうやらTVドラマに多数出演している人のようですね。
 
一緒に観に行った姉さんが、アンソニー・ラモスのことを「地味な顔やなぁと思ったけど、
最後まで観たらやっぱりあれぐらい地味じゃなきゃあかんわ」言うてました(笑)。
 
美容院経営者のダニエラ役、ダフネ・ルービン=ヴェガが良い味を出しています。
彼女はパナマ出身の女優で、本作はほかにもキューバやらプエルトリコやら出身の俳優が目白押し。
だから、映画の中だけの世界ではなくて、実際に彼ら彼女らが夢を叶えた作品なわけで。
それを感じながら観るのがいちばんかと思います。
 
観るもんがなくなったら、もう1回観てもええかな。

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『返校 言葉が消えた日』

『返校 言葉が消えた日』(原題:返校)
監督:ジョン・スー
出演:ワン・ジン,ツォン・ジンファ,フー・モンボー,チョイ・シーワン,
   リー・グァンイー,パン・チンユー,チュウ・ホンジャン他
 
大阪ステーションシティシネマにて、『白蛇:縁起』の次に。
 
公開前に本作のポスターを見たとき、ホラーやな、パス!と思いました。
最近の私はホラーにも耐性ができて、時には好んで観に行くけれど、
学校を舞台にしたホラーって、なんだか途轍もなく怖そうで。
 
そのときは、これが台湾のホラーゲームを基にしているものだと知らなかったんです。
しかもそのホラーゲームの題材が普通じゃないことも。
知れば観に行かずにはいられません。
 
1960年代は中国国民党が強権政治を敷く戒厳令下にありました。
中国国民党は中国共産党などの反体制派に厳しい政治的弾圧をおこない、
反体制派と見るや捕らえて投獄し、死刑に処す。
これら一連の弾圧は「白色テロ」と呼ばれています。
その白色テロをテーマとしたホラーゲームって、そんなものがあるんだ。
 
翠華中学(日本では高校に当たる)に通う女子生徒ファン・レイシンは、
ある日の放課後、いつのまにか教室で寝込んでしまう。
ふと目が覚めると学校の様子がおかしい。まわりには誰もいない。
 
校内をさまよっていると、後輩の男子生徒ウェイ・ジョンティンに遭遇。
彼はファンに片想い中で、ファンが想いを寄せているのは教師チャン・ミンホイ。
 
戒厳令下、本を手に取ることもままならないなか、
チャンは同僚の女教師イン・ツイハンと共に、
読書好きの生徒たちを集めてひそかに読書会を開いていた。
ウェイはその読書会のメンバー。
 
同級生や教師を探し、学校から脱出しようと力を合わせるウェイとファンだったが、
どうにも外に出ることができず……。
 
中国や台湾や韓国のこういった時代背景の作品を観るたびに驚きます。
軍事政権下の韓国が描かれた『1987、ある闘いの真実』(2017)や、
本作と同様に学生がアカ認定されて拷問を受けた様子を描いた『弁護人』(2013)など、
30年からせいぜい半世紀ほど前に本を読むことが禁じられていたなんて。
そして未だに自由に本を読むことが許されない国が存在する。
 
国家の君主は何を恐れているのでしょうか。
本を読めばたちまちみんな賢くなって自分が倒されるとか?
 
時代はもう少し遡りますが、それでもまだ百年は経っていない時代に、
本を読めばアカ認定されることがありました。
『チャイルド44 森に消えた子供たち』(2014)のそんなシーンもよく覚えています。
本を焼かれる時代には生きていたくない。
 
白色テロを知るためにも一見の価値がある作品ですが、堂々のホラー(笑)。
直視できないシーンもたくさんありましたから、ホラー苦手な人にはやっぱり無理かも。
このホラーゲームを体験することも可能だけど、いや、私には無理。(^^;

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