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2021年12月に読んだ本まとめ

2021年12月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2242ページ
ナイス数:808ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly/2021/12

■吃音: 伝えられないもどかしさ (新潮文庫 こ 71-1)
「重松清さんに書評を書いてもらうのが夢だった」、著者がそう話しているというのをどこかで聞いて、読んでみたいと思いました。重松清の『きよしこ』を読んだとき、つっかえながら話す子どもの様子が切なくて、涙がにじんだことを思い出します。吃音だけどステージでなら話せる芸人志望の青年を描く『実りゆく』、歌うことならできる少女を描く『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』、いろんな映画を観ましたが、彼らの苦しみが死を考えるほどだとは思わなかった。吃音ってただのどもりでしょと思っていたことが恥ずかしい。もっともっと知りたい。
読了日:12月01日 著者:近藤 雄生
https://bookmeter.com/books/17861527

■満月と近鉄 (角川文庫)
今どき電車の中で本を読んでいる人は稀ですから、見かけると「何読んでるんですか」と聞きたい衝動に駆られます。もしも私がもうひとりいて、この本を読んでいる私を見かけたら、そのニタニタ具合に「いったい何をお読みで?」とこらえきれずに聞いてしまうと思います。第1章の『佐伯さんと男子たち1993』はそんな感じ。その佐伯さんが再登場する第4章の表題作に再びウキウキ。第2章では法興寺のフットボール大会に笑い、第3章のナラビアンに魅入られる。森見登美彦万城目学をお好きな方にはお薦めできます。それ以外の方はどうでしょ!?
読了日:12月07日 著者:前野 ひろみち
https://bookmeter.com/books/15705527

■七色の毒 刑事犬養隼人 (角川文庫)
映画版『ドクター・デスの遺産』を観たあとにそっちの原作を先に読み、続けてシリーズ1作目を読み終わってから早1年経ってしまいました。犬養のキャラも忘れかけていたところ、綾野剛を想像して思い出す、男には絶対騙されないのに女にはいとも簡単に騙される奴。短編ゆえに読みやすいけれど、さすがの七里センセもこの短さでドンデン返しを繰り返すのは大変とお見受けします。しかしここには裁けない悪が詰まっていて、気分はなかなかに重たい。2つめの物語は東野圭吾の『白鳥とコウモリ』と同様の動機。現実にこんな動機が増えるのは怖すぎる。
読了日:12月10日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/9046078

■高血圧はほっとくのが一番 (講談社+α新書)
白衣高血圧です。そうなったきっかけは明らかで、以降、とにかく血圧計を見れば上がるから、献血すらできません。家で毎日測れば慣れて上がらなくなるなんてウソ。余計に緊張します。私は白衣高血圧なんかじゃなくて、正真正銘の高血圧なのかもしれない、などと思っていたときにこの本を見つけました。読み始めただけで気が楽になって、血圧が下がるのがわかるほど。降圧剤を服用している人には決してお薦めできない本ですが、私と同様に悩む人には太鼓判を押します。大事なのはいっぱい笑うこと。これはできる。あとは「姿勢良く」。気をつけます。
読了日:12月14日 著者:松本 光正
https://bookmeter.com/books/7991999

■やっぱり高血圧はほっとくのが一番 (講談社+α新書)
この手の健康本はほとんど読まないのですが、最近、心配事が多いせいか、このままでは寝ている間に死んでしまうかもと本気で悩み、前作に続いて読みました。前作を読んだだけで血圧が下がったのがわかり、気持ちってこんなにも大事なんだと感心するばかり。前作のみで十分な気はしなくもありません。余りに「何度でも言います」が多すぎて(笑)。いえ、何度でも言ってくださって安心はできるのですが。著者は78歳でまだまだお元気そう。でもこんな本を書き続けていたら、いつか刺されるんじゃないかと心配です。どうぞお気をつけてくださいね。
読了日:12月16日 著者:松本 光正
https://bookmeter.com/books/13755363

■未来 (双葉文庫)
480頁だから、そこそこ以上のボリュームではあるものの、うんざりするほどの厚さではないはず。なのに出てくる大人に鬼畜が多すぎて、心が折れそうになりました。辛い時を過ごしている少女に20年後の自分から届いた手紙。SFかファンタジーかと思ったらこれにはちゃんとタネがある。挟まれた3つのエピソードの語り手が誰かわかるたびに唸る。親を殺したいとか、自らの命を絶ちたいとか、そんなふうに子どもに思わせちゃいけない。あなたを救いたいと思っている大人だっているんだよと伝えたい。「大丈夫」じゃなくて、「助けて」って言って。
読了日:12月19日 著者:湊 かなえ
https://bookmeter.com/books/18224880

■今日は心のおそうじ日和2 心を見せない小説家と自分がわからない私 (メディアワークス文庫)
たとえ本の登場人物であったとしても、人の悪口はあまり言いたくはないけれど、嫌いだなぁ、結菜さん。無邪気と無神経は紙一重。結局すべて計算尽くで、無邪気に見せる無神経もすべて演技だったわけですが。その演技を最初から見抜いていながら涼子に手厳しい先生のこともちょっと嫌いになった(笑)。個人的には涼子のお見合い相手の長内さんが良い感じ。美空の酷い担任が呆然とするところを見たかったのにお預けですね。心が淀んだら家事にいそしむ。有効かもしれないと思いつつ、私の場合は飲酒に走る。でもたまに猛然と掃除したくなるのでした。
読了日:12月24日 著者:成田 名璃子
https://bookmeter.com/books/17445994

■隠温羅 よろず建物因縁帳 (講談社タイガ)
思えば内藤了には本シリーズでハマり、次巻刊行までの繋ぎで“藤堂比奈子”に手を出してとっとと読了。そのロスを埋めるための“堀北恵平”でまたハマり、なんだか私はカモにされているような(笑)。私の中では棟梁は麿赤兒だったのに、若い頃は誰もが振り向くような男前だったとなると麿さんじゃないな(笑)。藤竜也にするか。和尚の短パン姿に笑わされ、仙龍と春菜の抱擁にはこちらが赤面。いつもの私は切なさ重視だけど、本作は思ったほど切ない最後ではなかったおかげでロス度低くて済みそう。で、来月には新シリーズ開始。次も私はカモ決定。
読了日:12月31日 著者:内藤 了
https://bookmeter.com/books/18953699

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今年観た映画50音順〈わ行〉

《わ》
『私の帰る場所』(原題:Lead Me Home)
2021年のアメリカのドキュメンタリー作品。Netflixにて配信。
ロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトルの3都市では、
ホームレスに関する非常事態宣言が出されたそうです。
本作は2017年から2020年にかけてそんなホームレスたちに取材。
住むところがないということはこんなにも人の心身を傷つける。
だけど、住むところがない間はなんらかの形で食料を得ることができていたのに、
福祉の力を借りて就職してやっと住居を得ることが叶うと、途端に援助がなくなる。
家賃が払えなくなってまたホームレスに逆戻りという現実。
しかも同じホームレスから虐待を受けている女性などもいて、どうしていいのかわかりません。
 
《を》《ん》
なし。
 
相変わらず最後の2文字で始まるタイトルはないまま。
この20年間で「を」で始まる作品といえば、
劇場で観た『ヲタクに恋は難しい』を除いて2015年だけです。
「ん」で始まる作品を挙げることができたのは2013年だけ。
来年はあるかなぁ。ないだろうなぁ。
求む、いつも難しい「ぬ」「を」「ん」で始まる映画。
 
今年もおつきあいをありがとうございました。
どうぞ良い年をお迎えください。

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今年観た映画50音順〈ら行〉

《ら》
『ライフ・イズ・カラフル 未来をデザインする男ピエール・カルダン』(原題:House of Cardin)
2019年のアメリカ/フランス作品。
失礼ながらまだご存命なのかと驚いていたら、昨年末に98歳でお亡くなりになったのですね。
本作が製作されたときはまだ現役で活躍中だったファッションデザイナー、ピエール・カルダン。
ばりばりフランスのイメージですが、彼はイタリア出身。
別名というべきか本名というべきか、元の名はピエトロ・コスタンテ・カルディン。
世界に羽ばたくためには世界中の人が言いやすい名前にしなきゃと、
自ら「カルダン」を名乗ったという冒頭の話がすでに面白い。
彼が発案したファッション以外の商品デザイン、たとえばミネラルウォーターのペットボトルなんてのも。
ジャン=ポール・ゴルチエなどのデザイナーのみならず、
シャロン・ストーン、アリス・クーパーといったアーティストへのインタビューもあります。
100歳目前ですっかり好々爺の風情だけど、若かりし頃の颯爽とした姿とコレクションを堪能しました。
 
《り》
『リバーランナー:奔流をゆく者』(原題:The River Runner)
2021年のアメリカ作品。Netflixにて配信。
カヤッカーのスコット・リンドグレンの20年間を追ったドキュメンタリー。
リンドグレン兄弟がまだ幼かった頃に両親は離婚。
母親と共に兄弟が暮らしたのは治安のいいとは言えない地域。
楽な生活ではなく、日々に楽しみも見出せずにいた彼らが出会ったのはカヤック。
それを職にした兄スコットは、すぐに伝説の存在に。
川のエベレストと呼ばれるチベットのカイラス山から流れ出る4本の急流を制覇するのが彼の夢。
ところがあるとき脳腫瘍に冒されていることがわかります。
カヤックを諦めかけた彼が、若いプロカヤッカーたちから誘われて、
最後の1本であるインダス川を一緒に下ることに。
こんなことに挑戦するなんて人間じゃない(笑)。ただただビックリ、感動的。
これはぜひとも劇場で観たかった。エンドロールも最後まで観るべし。
 
《る》
『ルリ:心が聴こえる』(原題:Lulli)
2021年のブラジル作品。Netflixで今週配信開始になったばかり。
医大生のルリは同級生の恋人ディエゴや親友ヴァネッサと共に研修医に。
ようやく叶う夢、理想どおりの人生に幸せを感じていたが、
ディエゴの話をちっとも聴こうとしなかったせいでフラれてしまう。
しかもディエゴは指導医のパオラとやけに親しいのが腹立たしい。
研修が始まってまもなく、患者の検査中にシステムに異常が起こり、
勝手な行動に走ったルリと、その巻き添えを食らったディエゴが感電して意識を失う。
目覚めたルリは、身体の一部が触れた人の心の声を読めるようになって……。
主演のラリッサ・マノエラはたいして可愛くもないし(失礼ですみません(^^;)、
感電するまではものすごくいけ好かん女子なんです。
こりゃハズレやなと思いましたが、心の声が読めるようになってからは良かった。
そんな能力があってもなくても、人の気持ちはよく考えろってことですね。
 
《れ》
『レストア計画:人生版』(原題:Blueprint to the Heart)
2020年のカナダ作品。Amazonプライムビデオにて配信。
インテリアコーディネーターのティファニーは、
元カレがプロデューサーを務める“レストア計画”というTV番組を担当することに。
視聴者のリクエストに応じて家を素敵にリノベーション番組。
日本でいうなら“大改造!!劇的ビフォーアフター”ですね。
その番組で出会ったのは職人のブルックス。
気は好さそうだが野暮ったく、信じられないミスもやらかすから、組むのは御免被りたい。
ちょうどその頃、番組の視聴率が下がり、上司から方向性の変更を言い渡される。
しかも、番組でブルックスの失態を見た上司はそれを気に入ったらしく、
彼のドジなところが視聴者にも好意的に受け入れられているらしい。
番組ではブルックスの家をリノベすると共に、彼自身をも変身させようとして……。
男性版『プリティ・ウーマン』(1990)とのキャッチコピー。
と言っても、ローラ・ミッチェル演じるティファニーは富豪じゃないしなぁ。
ブルックス役のデニス・アンドレスはジュリア・ロバーツにはなり得ないでしょ。
 
《ろ》
『ロンドン釘爆弾事件 殺人捜査録』(原題:Nail Bomber: Manhunt)
2021年のイギリス作品。Netflixにて配信。
1999年にロンドンのブリクストンで発生した爆破事件を取材したドキュメンタリー。
その見た目「如何にも」な爆弾には釘が仕込まれていて、
爆発すると軌道上にあるものすべてを貫通。驚くべき殺傷力を持っていたそうです。
1度目は奇跡的に死者は出ませんでしたが、赤ちゃんの頭に釘が刺さったりも。
覆面インタビューに答えるのは、本件の犯人特定に協力した男性。
かつて洗脳されて極右組織に存在していたこの男性は、犯人が極右思想を持っていること、
狙いは世界に争いを起こさせることだと見抜きましたが、
警察は本件が人種差別思想に起因するものだとはなかなか認めようとしません。
ヒトラーの信奉者って、今後もどこかに存在し続けるのだろうかと思うと恐ろしい。
「世の中には悪人より善人のほうが多い。だから、憎悪は絶対に勝てない」。
黒人警察官のこの言葉を信じたい。

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今年観た映画50音順〈や行〉

《や》
『ヤツアシ』
2021年の日本作品。12分の短編。Amazonプライムビデオにて配信。
1本として数えていいかどうか迷うところですが、1本は1本ということで。
東望不動産会社に中途入社した津村。
八芦(ヤツアシ)という社員が「タコ」と呼ばれて虐められているのを知る。
八芦が数日間の無断欠勤した後、東京の街なかに巨大なタコが出現。
東望へと向かって這ってきたそれは、社員たちに食らいついて殺害。
その後、海へと戻っていったタコは消滅するのだが……。
タコは八芦でした。はぁ、そうですか。
タイトルの文字は懐かしの怪獣映画の雰囲気で、
タコのぬらぬらした感じは気持ち悪くて面白かったけど、12分では評価しづらい。
 
《ゆ》
『許された子どもたち』
2020年の日本作品。
『先生を流産させる会』(2011)の内藤瑛亮監督が少年少女を対象にワークショップを開催。
いじめや少年犯罪をテーマに自主制作で撮ったそうです。
中学1年生の絆星(きら)(上村侑)は不良のリーダー。
ある日、手下の3人を引き連れて河川敷へ。
同級生の樹(阿部匠晟)を呼び出し、樹に作らせたボウガンで遊ぶ。
そのボウガンを手下の1人に向けたところ、咄嗟にかばって樹が前へ出る。
樹の態度を反抗的とみなした絆星はボウガンを発射。
矢の割り箸が樹の首に突き刺さり、樹は死亡。絆星たちはすぐに逃げ出すのだが……。
観るのをやめようかと思うぐらい、最初から嫌な作品でした。
自分の罪を認めない嘘つき少年。真実を話す仲間の少年に嘘をつかせる弁護士。
母親が自分の息子を信じて疑わないのはそうかもしれないけれど、
およそ同情したくはない母親で、もう嫌なものだらけ。
巧みな作戦によって絆星は無罪放免となるけれど、外に出て今度は逆にいじめられる。
もちろん可哀想だなんて思えません。
犯罪者の社会復帰に世間は厳しいことを描きたかったのなら、
絆星は殺人を犯しておいて罪を償わず、嘘を突き通したのですから、話が違う。
だから、本当に殺人犯の絆星がボコられるのはいい気味でしたが、
いやいや、彼は無罪だったのだから、ボコられるのはおかしいやろ。
いろいろとちぐはぐな気がして釈然としないし、とても苦手な作品でした。
 
《よ》
『欲ばりなだけの恋じゃなくて』(原題:Sul Piu Bello)
2020年のイタリア作品。Netflixにて配信。
マルタは嚢胞性繊維症という難病患者
主治医は余命をはっきりとは言ってくれないが、きっとそう長くは生きられない。
両親はマルタが幼い頃に家だけを遺して他界。
今はそこに親友のヤコポ(♂)とフェデリカ(♀)と3人で暮らしている。
どうせならやりたいことをやりたいと、マルタは理想の相手を探し中。
ある日、どストライクのイケメン、アルトゥーロに一目惚れし、彼のストーキングを始める。
それに気づいた彼から声をかけられ、ディナーに誘ってくれたらストーキングをやめると約束。
いそいそと指定の時間に彼の自宅へ赴いたところ、用意されていたのは彼の家族とのディナー。
しかも彼は御曹司で、風変わりなマルタに両親は好印象を持たず……。
難病患者の悲恋物語とは一線を画します。ポップな色使いに『アメリ』(2001)を思い出したりも。
マルタのバイトはスーパーの特売商品宣伝のアナウンス係というのも楽しい。
こんなアナウンスが店内に流れたら、確かにその商品を買いに走りたくなるでしょうね。
マルタとアルトゥーロの質問ゲームで、「今日は期待どおりだったか」という質問への答えが「期待以上」。
はい、本作にはまったく期待していなかったのに、期待以上でした。
でも配信中の続編『もっと、欲ばりだけの恋じゃなくて』の評判は散々なようです。

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今年観た映画50音順〈ま行〉

《ま》
『マードレス 闇に潜む声』(原題:Madres)
2021年のアメリカ作品。Amazonプライムビデオにて配信。
舞台は1970年代。
メキシコ人のベトとメキシコ系アメリカ人のディアナは夫婦。
まもなく第一子が生まれる予定で幸せいっぱい。
農園のマネージャーの職を得て、意気揚々とカリフォルニアへと引っ越してくる。
ところが新居は写真で見たものと違って古く、至るところに魔除けがあって不気味。
気を取り直して近所へ買い物に行けば、周囲はスペイン語を話すメキシコ人ばかり。
スペイン語の苦手なディアナは取り残されたような気持ちになる。
やがて体調を崩しはじめたディアナは、その原因が農薬だと考えるように。
それをベトに主張してもちっとも取り合ってくれない。
出産が近づいて入院したディアナは、自分が殺されるのではという疑念に駆られ……。
不可解な事象の原因は呪いなのか農薬なのか。
モンサント関連の映画をたびたび観ているから、農薬のせいだと推察していました。
ところが真相は、1970年代にアメリカで密かにおこなわれていた移民の断種。
この真相は確かに非常に怖いけれど、ホラーとしては怖さも何もかも中途半端。
そしていちばん怖かったのは、異常なスピードで人参を切るシーンです(笑)。
 
《み》
『ミリオンダラー・スティーラー 史上最大の作戦』(原題:El Robo del Siglo)
2019年のアルゼンチン作品。日本では劇場未公開。
2006年にアルゼンチンで実際に起きた銀行強盗事件に基づく。
事件が起きる1年前の雨の夜、歩行中だったフェルディナンドは車に水を浴びせられる。
おかげで濡れてしまったタバコを捨て、それが流れる先を見るとリオ銀行の前。
トンネルを掘れば銀行の貸金庫にたどり着けるのではなかろうか。
そう考えた彼は、元泥棒のマリオや信頼できる友人など5人を集め、銀行強盗を計画。
翌年彼らが決行したのは、地上で普通に銀行強盗が起きていると見せかけて時間を稼ぎ、
その隙にトンネルを抜けて貸金庫からすべてを頂戴するというもので……。
いや〜、賢い。ぬぼーっとしたオッサンたちに見えるのに、素晴らしいです。
人質は取ったものの死人はもちろん怪我人すら出さず、本物の拳銃に見えたのもモデルガン。
人質の誕生祝いをしたりなんかして、これは憎めない強盗たちです。
まんまと計画を遂行して大成功を収めたというのに、バレてしまったのはなぜか。
メンバーのうちのひとりが浮気して、怒った妻が天井裏のカネのことを警察に話したから。
バカだねぇ(笑)。モデルガンだったおかげで刑期はかなり短く済んだらしい。
 
《む》
『胸が鳴るのは君のせい』
2021年の日本作品。
原作は紺野りさの同名少女コミック。
篠原つかさ(白石聖)は、高1の3学期に転校してきた有馬隼人(浮所飛貴)に恋をする。
高2の最終日、友人たちに絶対に両想いだからと太鼓判を押されて隼人に告白するが、
「そういう目で見たことがない」とあえなくフラれてしまう。
ところが、つかさがフラれたことを言いふらした同級生を隼人が殴り、隼人は停学処分に。
つかさはフラれてもあきらめずに頑張ると隼人本人に宣言するのだが……。
つかさを狙うほかの男子が登場したり、隼人の元カノが出てきたり、定番。
キュンキュンするやつはいくつになっても好きなはずが、
これはキャストがあまり私の好みではなかったのか、キュンキュンできず。
それよりも、笑う演技って難しいよなぁなどということばかり考えてしまいました。
キャストのせいなのか、歳を取ったせいなのかは不明です。(^^;
 
《め》
『めまい 窓越しの想い』(英題:Vertigo)
2019年の韓国作品。
高層ビルにオフィスを持つ企業の契約社員ソヨン。
女子社員に一番人気のバツイチ上司ジンスと密かにつきあっている。
幼い頃に父親から殴られて鼓膜が破れたせいで、
このところよく耳が聞こえなくなったり吐き気をもよおしたりする。
再婚した母親からはヒステリックな電話がしょっちゅうかかり、
何もかも不安に感じているソヨンを外から見つめる窓拭き清掃員グァヌだったが……。
深夜のオフィス。エロ系かと思うような冒頭シーンにちょっと引きました。
そんな作品だとはまったく思っていなかったから(笑)。
男子社員からも人望の厚かったジンスが実はバイセクシュアルで、
深夜のオフィスで行為に及んでいた相手はソヨンだけでなく男性もいたという、なかなかヘヴィーな話。
ジンスがクビになった後、ソヨンのことも社内の噂になって彼女は死を考える。
姉を亡くしているグァヌは、ソヨンまでも死なせたくない。
静謐な雰囲気はありましたが、静かすぎてなんだか物足りない。
 
《も》
『モデル・シチズン 忍び寄る魔の手』(原題:Model Citizen)
2020年のアメリカ作品。Amazonプライムビデオにて配信。
モデルのアマンダは看護学校にも通うシングルマザー
一人娘で8歳のゾーイの親権を巡って元夫のニックと係争中。
大病院の顧問弁護士ニックが相手ではアマンダの分が悪いが、親権は絶対に勝ち取りたい。
ある晩、モデルの大手事務所が面接してくれることになり、
突然の話ではあったが、このチャンスは逃せない。
急遽ベビーシッターにゾーイを預け、指定された面接場所へと向かうのだが……。
面接なんて大嘘で、危険を感じたアマンダはすぐに逃げますが、拉致監禁されてしまいます。
アマンダはいったい誰にどのような目的で襲われたのか。黒幕はニック。
しかしニックの企みではアマンダだけを誘拐、犯人もアマンダだけを連れ去ったはずが、
ゾーイまで行方不明で、作戦が狂う。
母親と離れたくなかったゾーイがアマンダの車に隠れて乗っていただけで、
ニックとしてはアマンダが殺されてくれれば好都合なわけですが、
犯人はニックから金を引き出さなければ収まりがつかない。
ニックがマジでクソ野郎で、憎々しかった犯人にも同情したくなる。面白かった。

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