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『ゴヤの名画と優しい泥棒』

『ゴヤの名画と優しい泥棒』(原題:The Duke)
監督:ロジャー・ミッシェル
出演:ジム・ブロードベント,ヘレン・ミレン,フィオン・ホワイトヘッド,アンナ・マックスウェル・マーティン,
   マシュー・グード,ジャック・バンデイラ,エイミー・ケリー,シャーロット・スペンサー他
 
休日、本当は西宮で観たい作品があったのですが、遠いなぁと断念(泣)。
朝1本だけイオンシネマ茨木で鑑賞することにしました。
9時に着いて11時過ぎにイオンを出るならば、入庫&出庫渋滞にもひっかからないと思われ。
 
こんな大騒動が本当にあったのですね。ゴヤ名画“ウェリントン公爵”盗難事件。
監督はロジャー・ミッシェル。まだ65歳だったのに、昨秋にお亡くなりになってしまいました。
『ノッティングヒルの恋人』(1999)が懐かしい。
 
1961年のイギリス。
60歳のケンプトン・バントンは、公共放送BBCの受信が有料であることに納得できず、
受信料の無料化を求めて熱心に活動していた。
メディアに訴えかけるなど、さまざま行動に出るものだから、トラブルも頻発。
 
そんななか、ゴヤの“ウェリントン公爵の肖像”を政府が14万ドルで購入したとのニュースが。
そしてある日、ロンドン・ナショナル・ギャラリーに展示されていたその名画が盗まれる。
なんと犯人はケンプトンで、次男ジャッキーと結託して自宅の箪笥の中に隠す。
 
ケンプトンはこの絵を人質に、高齢者のBBC受信料を無料にするよう、
匿名で政府に脅迫状を送りつけるのだが……。
 
なんともユーモアにあふれた事件です。誰がこんなことを思いつくというのでしょう。
美術館から名画を盗み出しておいて、受信料の無料化のみを求め、
自ら手渡しで返却しに歩いてやってくる奴なんて、正気じゃないけど惹かれます。
 
ケンプトン役に名優ジム・ブロードベント。この人が亡くなっても私は悲しいだろうなぁ。
理想主義者で楽天家すぎるこの夫に困り果てている妻ドロシーにヘレン・ミレン
息子のジャッキーがまた本当にいい奴で、彼の役をフィオン・ホワイトヘッド
ケンプトンの弁護士ハッチンソン役のマシュー・グードがめっちゃよかった。
 
ふざけているわけではないんです。
戦争でお国のためにと言われて戦った退役軍人や年金受給者にとって、テレビは友だち。
外界と彼らを繋げてくれて、孤独を和らげてくれるかもしれない。
いつからそんなことを考えるようになったのかとハッチンソンに問われたケンプトンが
幼い頃に命を落としかけたときの話をするとき、じんわり涙が出ました。
 
原題は“The Duke”。この名画を英語で言うと“Portrait of the Duke Wellington”。
実物を見たケンプトンが「たいした絵じゃないな」というのも笑ったし、
「普通選挙に反対した人物だぞ。それに14万ドルも税金を払うなんて」というのも可笑しかった。
そうですか、そういう人なんですね、ウェリントン公爵って。
私の知識って、映画からばっかりやなぁ。

—–

『シラノ』

『シラノ』(原題:Cyrano)
監督:ジョー・ライト
出演:ピーター・ディンクレイジ,ヘイリー・ベネット,ケルヴィン・ハリソン・Jr.,
   ベン・メンデルソーン,バシール・サラディン,モニカ・ドラン他
 
先週の金曜日、封切りになったいくつかの作品の上映スケジュールを見比べて、
いちばん早く帰れそうな本作を観ることにしました。
仕事帰りに109シネマズ箕面へ行ったらば、え、客は私ひとりですか。
去年唯一の“おひとりさま”だったのはこのときでした。
今年はこれが最初で最後になるでしょうか。
 
エドモン・ロスタンの戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』は、
1897年に上演されてから今日に至るまで、舞台になったり映画になったり。
本作も2018年に舞台にて上演されたミュージカルを同じキャストで映画化。
 
原作の戯曲では、主人公のシラノが大きな鼻の醜男。
本作ではピーター・ディンクレイジを起用し、シラノは大きな鼻ではなくて小人症の男。
古典を映画化するのが好きとおぼしきジョー・ライトが監督を務めています。
 
17世紀のフランス。誰にも負けない剣の腕前の才能を持ち合わせる騎士シラノ。
しかし、自分の容姿に劣等感を抱き、幼なじみのロクサーヌに想いを伝えられない。
 
ある日、ロクサーヌから相談事があると呼び出され、
もしや彼女も自分と同じ想いなのではと意気揚々出かけるが大きな勘違い。
彼女は芝居小屋で見かけた青年クリスチャンに一目惚れしたらしい。
クリスチャンはシラノと同じ隊に配属される予定。
新人はいじめられるのが常だから、シラノになんとかクリスチャンを守ってほしいと。
そしてどうかクリスチャンに手紙を書かせてほしいとロクサーヌは言う。
 
クリスチャンの入隊日、こっそりとロクサーヌのことを伝えると、
実はクリスチャンのほうもロクサーヌに一目惚れしていたものだから大喜び。
ふたりの恋を仲立ちすることになってしまったシラノは、
教養があるとは言えないクリスチャンのために手紙を代筆するのだが……。
 
いろんな形で何度も観たり聞いたりしていた『シラノ・ド・ベルジュラック』。
本作を観た感想は、「こんな勝手な男女の話でしたっけね」。(^^;
 
ロクサーヌはもっと素敵な女性だと今まで思っていました。
なのに、このロクサーヌってなんかヒドイ。
シラノの気持ちに気づかないのは話の流れとして当然のことだけど、
クリスチャンを出征させたくないからってやることがアンマリ。
 
クリスチャンのほうもアタマからっぽの顔だけいい男でしょ?
入隊日、喧嘩をふっかけてきた先輩騎士たちを一掃し、「次は誰が相手だ」。
それがクリスチャンだと知らないシラノが「俺だ」と出てきたとき、
クリスチャンのシラノを蔑む表情といったら。この嘲笑にはヘドが出る。
なのにロクサーヌの話を聞いた瞬間にもう親友みたいになっちゃって。
 
『シラノ・ド・ベルジュラック』がずっと語り継がれているのは、
外見より中身だよ、そういうことなのだと思っていましたが、
なんかやっぱり、中身がいくらいい奴でも見た目が受け付けなきゃ駄目みたいな気が。
シラノを含めて、メインの登場人物だれも好きになれなかったのでした。
 
シラノに関する作品なら、 『シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!』(2018)が断然好き。

—–

『ドリームプラン』

『ドリームプラン』(原題:King Richard)
監督:レイナルド・マーカス・グリーン
出演:ウィル・スミス,アーンジャニュー・エリス,サナイヤ・シドニー,デミ・シングルトン,
   トニー・ゴールドウィン,ジョン・バーンサル,ディラン・マクダーモット他
 
令和の祝日って、何が何の日やらまだ覚えられません。
2月23日はいったいどうして休みなのだろうと思ったら、そうですか、天皇誕生日ですか。
ちょうど水曜日だから、映画が安い。
寒すぎて家から出たくないけれど、109シネマズ箕面にて1本だけ。
 
原題は“King Richard”。
女子テニス界のスーパースター、ヴィーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹の父親のこと。
 
リチャード・ウィリアムズはアメリカ・ルイジアナ州の出身。
KKKから逃げるのに忙しくて、テニスをする黒人なんていなかった」という冒頭のひと言は、
悲惨な境遇を表しつつもユーモアを感じられて笑ってしまいました。
 
そんな彼が結婚して移り住んだのはカリフォルニア州のコンプトン
ルイジアナ州よりは黒人にとって暮らしやすい環境でしょうが、治安は決してよくない。
ここから必ず出て行くのだと、娘5人を厳しく躾けます。って、虐待とかじゃない。
医者や弁護士を目指して勉学に勤しみ、全員成績は上位。
だけど頭でっかちにはならぬよう、身体能力も高めることに努めます。
 
ヴィーナスとセリーナはテニス選手にしよう。
リチャードと妻オラシーンは、この娘たちが生まれる前からそう決めていました。
しかしテニススクールに通ったりコーチを雇ったりするような金はないから、
テニス未経験者のリチャードが毎日ふたりに指導する。
 
みるみる上達していく彼女たちを見て、自分が教えるには限界を感じます。
こんな町で練習を続けていたって、ウィンブルドンには行けない。
無料で指導してくれるコーチを見つけようと、リチャードはあちこち当たります。
 
そんなコーチいるわけない。でもいるんですよね。
最初にコーチを引き受けたのは、ジョン・マッケンローのコーチでもあるポール・コーエン。
ただし、引き受けるのはヴィーナスだけ。セリーナまでは見てくれない。
ここでセリーナを腐らさないようにするのもまたリチャード。
 
破竹の勢いで出場試合に勝ち続けるヴィーナス。
これからはジュニアのツアーに出て勝ちまくるぞと意気込むポールに対して、
リチャードは「ヴィーナスはまだ子どもだから」と拒否。
世界を回るには心も体も整っていないと言うのですね。そしてポールと離縁。
 
勝ち続けているのに試合に出るのをやめて、すべてが整うまで待ってくれるコーチはいるか。
そんなコーチもいるわけない。でもリチャードは見つけるんです。
今までいなかったなら、アンタがその第一人者になってくれりゃええと。
白羽の矢を立てられたのは(笑)、リック・メイシーでした。
私が名前を知っている選手だと、ジェニファー・カプリアティのコーチですね。
 
娘の意思を尊重せずに、妻とも相談せずに、何でもひとりで決めてしまうリチャード。
独善的で横暴に見えなくもありません。
彼が白人だったら、間違いなくそう思うことでしょう。
 
でも、彼は黒人。一家は黒人。
彼女だけの問題ではない。全世界の黒人の思いを背負っているのですから。
整わないうちに世に出て、撃たれたり潰されたりすることがないように。
 
ウィル・スミス演じるリチャードに振り回されるリックが可笑しくて、何度かクスッ。
リック役のジョン・バーンサルもとてもよかったです。
 
テニスをする人はぜひ、しない人もどうぞ。

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2022年2月に読んだ本まとめ

2022年2月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:3258ページ
ナイス数:757ナイス
■夜は不思議などうぶつえん (双葉文庫)
半年後に閉園する動物園でバイトする主人公・飛鳥。閉園なんて動物たちは与り知らぬことだから、気づかれぬように飼育に努めるところがまず素晴らしい。夜勤のエキスパート・不破は動物と入れ替われる特異体質の持ち主で、その様子はまるで憑依。若干エロ爺気味のライオンや、フワフワの毛皮を着たいサイ、野球に勤しむフラミンゴなど、とても楽しい。こんなふうに動物の気持ちが分かればと思うけど、言葉が通じないからこそ分かろうと努力する。檻の中の動物にとって、人間は囲いのない檻の中で暮らす不自由な生き物に見えているって、ホントかも。
読了日:02月04日 著者:石田 祥
■ヒポクラテスの試練(祥伝社文庫)
別に笑うような話ではないはずなのに、光崎教授に無茶を言われて悲壮感漂う古手川さんが可笑しくて、電車の中で何度かふきそうになりました。怪しいがな(笑)。毎年受ける健康診断の意味なく突然末期の肝臓癌で死亡なんて怖すぎる。原因は早いうちに明らかになるものの、どうしてこんなことが起こるのか。今回のドンデン返しは全然たいしたことねぇなと思ったら、やっぱり来ましたよ、残りがうっす薄になってから。まったく何度やられたら慣れるのか。前作までキャシー要らんと思っていましたが、彼女も実は苦労人のようで。こっちには慣れてきた。
読了日:02月06日 著者:中山七里
■グッバイ、ドン・グリーズ! (角川文庫)
薄かったから。それ以外に本書を購入した理由はありません。そもそもノベライズというものにはあまり良い印象がないのです。すみません。……と思いながら読みはじめました。期待どおり1時間もあれば読めますが、目の前に広がる光景は意外と大きかった。かつ、訳あって今は余命という言葉に敏感になっているため、思いのほかジワッと来ました。「たとえ打つ手がないと言われても、ハッピーエンドをあきらめる必要なんてない」。悪あがきであってもできないよりはいい。ほんと、悪あがきのひとつでもやってやれと思う。出来過ぎの偶然も見たいよ。
読了日:02月08日 著者:いしづかあつこ,山室 有紀子
■軀 KARADA (文春文庫 の 7-13)
中年以上に差しかかった頃、高校時代の同窓会で、ある男子が「女性の後ろ姿だけでだいたいの年齢を当てるにはどこを見ればよいか」を皆に力説してくれて、大笑いしたことがあります。お尻、肘、膝の裏。本作はなんだかその説を証明するかのようだなぁと苦笑い。ほかに登場する部分もヘソ、顔のシワ、つむじ、顎といった、特に老いの現れる部位として描かれているわけではない場合も、見た目を多少なりとも気にする人であれば、コンプレックスの集まるところ。ハッピーエンドは無し。気にせずにいられたらよかったのか。やはり美しく強く生まれたい。
読了日:02月13日 著者:乃南 アサ
■風神の手 (朝日文庫)
「好きとは言えないのに読んでしまう作家」のうちのひとりが道尾秀介なのですが、本作を読むと、私やっぱり彼が好きなんだわと思う。裏表紙から想像したのはオカルトの入ったミステリー。遺影専門の写真館が舞台で、死んだはずの人が写っているとなればそう思いませんか。だけど違った。いったい各章の登場人物はどう繋がっているのか。とてもややこしいので、500頁弱のボリュームでもとっとと読むことを勧めます。でないと、誰が誰かわからなくなる。いろいろある人生だったとしても、いろいろあったからこそ今がある。あなたがいる。よかった。
読了日:02月14日 著者:道尾 秀介
■歪んだ波紋 (講談社文庫)
塩田さんの作品はどれも好きではありますが、どハマリしたボクシングの話や、将棋やオーケストラの話と比べると、いかにも新聞記者らしい『罪の声』と本作はかなり硬質。読みやすさの点から見るとサクサクすいすいというわけには行きません。しかしじっくり読めば、世の中にはこんなにも「創られた」記事があり、しかもそこには悪意が存在することに恐怖を感じます。新聞を取る人が減っているであろう昨今、とにかく人の目を引く記事にしなければならない。でも罪のない人まで傷つけられるとは。嘘を見抜く力が私たちにも必要だなぁと思わされます。
読了日:02月19日 著者:塩田 武士
■天国酒場
癌で闘病中の弟が、『週刊プレイボーイ』に面白い連載があるよと教えてくれたのが「今週のハマりメシ」。その著者の本も貸してくれました。天国酒場を簡単に説明すると、パラダイス的立地の飲酒できるお店。酒飲みならばどうにかして行ってみたくなる文と写真。どこもその店にいる気持ちになれます。家系的に酒に強いわが家ではありますが、弟はたいして飲みません。それが、癌になって飲酒を控えざるを得なくなったら、ちびちび飲みたいなぁと思うことがあるらしく。心の裡を推し量ると姉としては切ないものがあります。代わりに私が飲むわ(笑)。
読了日:02月21日 著者:パリッコ
■グッバイ、ドン・グリーズ! (角川文庫)
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】もともとノベライズは「そんなもん」とナメてかかっていますから(失礼極まりなくてすみません)、観る前後どちらか、映画とセットでしか読みません。薄さに惹かれて先に読んだ本作。ロウマとドロップの出会いなど、映画とは順序を入れ替えて描かれている部分もありますが、ノベライズゆえ当然ほぼ同じ。ただ、読んだだけではここまでの光景は想像できず。ロウマとトトが訪れる旅先の美しさには目を奪われました。水しぶきが本当に飛んで来そう。こんなところに公衆電話、あり得ないけど、あったらいい。
読了日:02月23日 著者:いしづかあつこ,山室 有紀子
■夢探偵フロイト ナイトメアの殺人実験 (小学館文庫 C な 2-5 キャラブン!)
思えばこのシリーズを読みはじめたのは、内藤さんの他のシリーズが途切れたり終わったりして寂しかったからでした。たぶんイマイチだろうという予想に反してこれも面白くて、それなりにハマったのですよねぇ。なのに最終巻だなんて(泣)。悪いことをする人だから悪いことを楽しんでいるとは限らない、本人が一番苦しんでいるかもという言葉にハッとさせられ、悪夢のもとを抱きしめるシーンではウルリ。まさかペコに泣かされるとは(笑)。みんな卒業しちゃうんだね。ドラえもんやクレしんみたいにずっと同じ年齢でいてくれてもいいのになぁなんて。
読了日:02月25日 著者:内藤 了
■正義の申し子 (角川文庫)
こんな言い方は失礼かもしれませんが(どちらに?(^^;)、本作を例えるなら「文章の上手い木下半太」。コミュ障ひきこもりネット弁慶YouTuberとイケメン銭なしチンピラのバトルはどこへ行き着くのか。著者の『悪い夏』の印象が強かったので、心折れそうなバッドエンドも覚悟していたけれど、想定外に最後は笑って泣きながら読みました。彼らに自己投影する読者も多いことでしょう。生きづらさが切なく思えて、今後のふたりを応援したくなる。ラストシーンが目に浮かびそうで、最高です。それにしても染井さん、何故こんなに大阪弁堪能?
読了日:02月27日 著者:染井 為人
■早朝始発の殺風景 (集英社文庫)
たいして親しくもなかったのになぜか思い出す同級生。私の場合、その同級生と数十年後に再会したと思ったら、しばらくして彼女が亡くなってしまったから、本作を読むと懐かしさと同時に切なさに襲われます。本音が出る瞬間に心を掴まれる。連作風で連作ともいえない短編5つ。ミステリーとは思わずに読みはじめたから、意外としっかり謎解きであることに驚きました。何度か声に出して笑う。特にツボだったのは、「穴があったら埋まりたい」。そうだよねぇ。入るぐらいでは収まらないほど恥ずかしいときってあるよねぇ。青春って、やっぱりいいな。
読了日:02月28日 著者:青崎 有吾

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『グッバイ、ドン・グリーズ!』

『グッバイ、ドン・グリーズ!』
監督:いしづかあつこ
声の出演:花江夏樹,梶裕貴,村瀬歩,花澤香菜,田村淳,指原莉乃他
 
109シネマズ箕面にて。
 
原作は2週間前に読みました。そのときのレビューはこちら
もともとノベライズにはほとんど期待していません。
それでも手に取るのはまずは「薄い」という理由からです。
そして映画を観る予定があるか既に観たか、でないと読むことはありません。
 
いしづかあつこ監督とマッドハウスによるオリジナル劇場アニメーション。
いしづか監督の代表作は『宇宙よりも遠い場所』という大ヒットTVアニメだそうですが、
観ていないのです、すみません。だから知らない監督だと思っていましたが、
 
関東の田舎町に暮らす中学生男子ロウマ。
家業を同級生たちから笑われて周囲に馴染めずにいたが、唯一、トトと意気投合。
ふたりだけのチーム“ドン・グリーズ”を結成し、秘密基地で遊ぶ。
 
東京の高校に進学したトトと夏休みに再会することに。
その少し前、ロウマはアイスランド出身の風変わりな中学生ドロップと出会い、
トトに事前に話すことなくドロップを秘密基地へと招いていた。
 
最初はふて腐れてる素振りを見せたトトだったが、ドロップはまったく気にしない。
やがて3人とも親しくなり、夏を一緒に過ごすようになるのだが……。
 
客は私以外に4人。うち1人は大人男性。
あとは若いお母さんとその子どもとおぼしき3人連れ。
この物語を理解するには小さすぎる男の子でしたが、めちゃめちゃお行儀がいい。
少々疲れ気味でところどころ寝てしまった私の隣席で
ちゃんと目を見開いて観ていたようです。感想が聴きたい。
 
ノベライズを読んでいるから寝ていてもわかるという安心感(笑)。
想像していたほど面白かったとは思えませんが、映像はとても綺麗でした。
特に、ロウマとトトが旅先で目にする風景は、滝の水しぶきすら飛んできそう。
キラキラとした輝きに息を飲むほど。
 
こんなところに公衆電話。あるはずもないけどあったら素敵です。
そしてこんな偶然もあるわけないけれど、あったら素晴らしい。
 
昔、『ズッコケ三人組』なんてシリーズがありました。
男子三人組って、なんか楽しげでいいですよね。

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