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『とんび』

『とんび』
監督:瀬々敬久
出演:阿部寛,北村匠海,杏,安田顕,大島優子,濱田岳,宇梶剛士,尾美としのり,吉岡睦雄,宇野祥平,
   木竜麻生,井之脇海,田中哲司,豊原功補,嶋田久作,村上淳,麿赤兒,麻生久美子,薬師丸ひろ子他
 
109シネマズ箕面にて。
 
原作は重松清の同名ベストセラー小説。
2003年から2004年にかけて中日新聞をはじめとする各地方紙で連載され、2008年に書籍化。
2012年には堤真一主演でNHKがTVドラマ化、2013年には内野聖陽主演でTBSがドラマ化。
息子の旭(あきら)役はそれぞれ池松壮亮佐藤健でした。
旭をかばって亡くなった妻の役はそれぞれ西田尚美常盤貴子
寺の息子・照雲役は古田新太野村宏伸で、MBS版の和尚・海雲役の柄本明は特に思い出深い。
また、小料理屋“夕なぎ”の女将役は小泉今日子麻生祐未でしたねぇ。
さて、あなたはどのキャストがいちばん好きですか。本作と見比べるのも楽しいです。
 
昭和30年代後半、瀬戸内海に面する備後市に暮らすヤスこと市川安男(阿部寛)は町の名物男。
運送会社に勤める彼は武骨だが、妻・美佐子(麻生久美子)のことを愛してやまない。
やがて息子・旭が生まれて幸せいっぱいの日々を送っていたが、
旭が3歳になったある日、休日出勤のヤスの仕事場を美佐子と旭が見に来る。
そのとき、積み荷の下敷きになりかけた旭をかばい、美佐子は死んでしまう。
 
以来、シングルファーザーとして旭を育てるヤス。
母親がどんな事故で亡くなったのか知りたがる旭に、「お父さんをかばって死んだ」と嘘をつくヤス。
そのせいで、成長した旭(北村匠海)は親子喧嘩のさいにヤスを責めたりすることも。
 
それでも、市川家の墓がある寺の住職・海雲(麿赤兒)、その息子・照雲(安田顕)と妻・幸恵(大島優子)、
ヤスの幼なじみで行きつけの小料理屋の女将・たえ子(薬師丸ひろ子)、
職場の同僚や店の常連客たちに助けられ、優しくまっすぐに育っていく旭だったが……。
 
どう転ぼうが感動的な物語になるでしょう。
良い話に持って行こうとしすぎて私はちょっと苦手意識のある瀬々敬久監督ですが、
最近の瀬々監督作品の中ではいちばん良かったと思います。
ただ、苦手だという先入観があるからなのか、TVドラマ版のほうがより泣いた印象はある。
 
あと、原作とTVドラマ版の最後がどうだったのか覚えていませんけれども、
どれも本作と同じラストでしたかね?
まさか最後に私のもっとも不得意な老けメイクが出てくるとは。
ヤスが亡くなり、今から見送るという設定で、北村匠海との老けメイク。
ふたりの間の子どもを演じるのが井之脇海で、この設定に違和感バリバリ。
 
こういうシーンを最後に持ってくるところがやっぱり苦手だわと思った次第。
でも、いいシーンはいっぱいあります。泣けます。万人にオススメできるのは間違いない。
 
本作を観るまで“ダイナマイトが百五十屯”って甲斐バンドの曲だと思っていました。
もとは小林旭の曲で、甲斐バンドがカバーしていたとは。失礼しました〜。
いま小林旭のオリジナルバージョンを聴いてみたけれど、私はやっぱり甲斐バンドバージョンが好き♪

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『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』〈字幕版〉

『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』(原題:Fantastic Beasts: The Secrets of Dumbledore)
監督:デヴィッド・イェーツ
出演:エディ・レッドメイン,ジュード・ロウ,エズラ・ミラー,ダン・フォグラー,
   アリソン・スドル,カラム・ターナー,ジェシカ・ウィリアムズ,ウィリアム・ナディラム,
   ヴィクトリア・イエイツ,リチャード・コイル,マッツ・ミケルセン他
 
公開初日に109シネマズ箕面にて。
 
いくら楽しいシリーズでも一度しか観ていないから、これがシリーズの何作目なのかもわからない。
自分のブログを遡って確かめると、1作目は『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(2016)、
そして私はいずれも字幕版と吹替版の両方きちんと観ているらしい(笑)。
 
前作までの話をほとんど覚えていなくて、大好きなマッツ・ミケルセンが出演すると聞き、
新しい登場人物がいるんだわと思い込んでいました。
そうしたら、えーっ、ジョニー・デップが降板して(諸般の事情から降板させられて)、
ジョニーの後任としてマッツが選ばれたというではないですか。へ~っ。
 
で、本作はシリーズの3作目。
時期的には前作から数年後の1930年代、魔法界が第二次世界大戦に参戦するまでの話という設定だそうです。
 
魔法動物をこよなく愛す魔法動物学者のニュート・スキャマンダーは、
イギリス魔法省に勤める兄テセウス・スキャマンダーと共に、
ホグワーツ魔法学校の校長アルバス・ダンブルドアから呼び出される。
 
ダンブルドアによれば、史上最悪最強の魔法使いであるゲラート・グリンデルバルドが
魔法使いたちをも操りながらマグル(人間)を完全に消そうとしているらしい。
その野望を阻止するため、ニュートとテセウスをはじめとするチームを結成。
なんとかグリンデルバルドに立ち向かおうとするのだが……。
 
観ているうちにいろいろと思い出す。
そうだそうだ、この愛嬌のあるオッサンがジェイコブ・コワルスキーで、
マグルのくせに魔女のクイニーと恋に落ちたんだったなぁ、とか、
クリーデンスはグリンデルバルドに何か吹き込まれてダンブルドアを恨むようになったんだなぁ、とか。
 
個性的な登場人物が楽しいし、それを演じるキャストがいいですよね。
ニュート役のエディ・レッドメインとテセウス役のカラム・ターナーが脱獄するシーンは
その動きがあまりに可笑しくて笑いました。
ジェイコブ役のダン・フォグラーが無理矢理チームに加えられる様子も可笑しかったし、
そうだそうだ、彼は本来なら恋した記憶を失うところだったんだよね、
ちゃんとクイニーのことを大好きなままでよかった、などとも思う。
 
絶対植毛したにちがいないジュード・ロウはやっぱりカッコイイ。
彼の弟アバフォース・ダンブルドアを演じたリチャード・コイルのほうが年上に見えて、
そこはちょっと違和感があると思ったら、ふたりはタメでコイルのほうが数カ月上でした。
 
エズラ・ミラーには『少年は残酷な弓を射る』(2011)のせいで恐ろしいイメージしかありませんでしたが、
“ジャスティス・リーグ”のフラッシュ役と本作のクリーデンス役のおかげで、
もうあのおどろおどろしい少年の姿は思い出しません。底抜けに明るい役も見てみたいような。
 
ジョニー・デップよりマッツ・ミケルセンのほうが好きな私としては
こんな悪役でもミケルセンが出てくれるほうが嬉しいけれど、
デップのほうがキワモノ的おもしろさはあったから、そこはちょっと残念です。
 
とにかくこの先も楽しみなシリーズ。さて、これは吹替版を観るべきかどうか。

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『シャドウ・イン・クラウド』

『シャドウ・イン・クラウド』(原題:Shadow in the Cloud)
監督:ロザンヌ・リャン
出演:クロエ・グレース・モレッツ,ビューラ・コアレ,テイラー・ジョン・スミス,カラン・マルヴェイ,
   ニック・ロビンソン,ベネディクト・ウォール,ジョー・ウィロコフスキー,バイロン・コール
 
なんばパークスシネマにて、『女子高生に殺されたい』の次に。
時間がかぶっている超効率のいいハシゴだったので、最前列端っこを予約しました。
本編が始まる寸前に入場したら、最後列中央にお客さんあとひとりだけ。(^^;
 
鑑賞者のレビューを読むと、真っ二つに分かれています。
B級というのもあつかましいほどの駄作だという意見もあれば、絶賛する声も。
駄作だという人の気持ちもわかりますが、私は好きですねぇ、これ。
ほんと、あり得ない。バカバカしすぎて絶対憎めない。
 
なんと日本語のアナウンスで始まるニュージーランド/アメリカ作品。
 
第二次世界大戦下、1943年のニュージーランド。
女性兵士モード・ギャレット空軍大尉は、B-17大型爆撃機フールズ・エランド号に乗り込む。
彼女のことを何も聞かされていなかった男性乗員たちは怒るが、
四角い鞄を手にしたモードは、中身は最高機密であることを証明する書類を見せ、
かつ、決して開けてはならないことを乗員たちに言いつのる。
 
狭い機内に彼女が座るようなスペースはないと、下部砲台の銃座に押し込められ、離陸。
通信機越しに彼女を揶揄する男たちの下品な会話を聞かされて辟易。
 
ところが航行中、モードの目に日本軍の戦闘機が映ったばかりか、
見たことのない生き物が翼に張り付いていて……。
 
登場人物はモード役のクロエ・グレース・モレッツと乗員たちのみ。
最初の飛行場と最後の不時着場所以外はすべて機内の映像だから、すごく安上がり。
その割にエンドロールが長かったのはなんででしょ!?
同じ名前が何度も出ていたような気がしなくもない。ひとりでいっぱい仕事したとか?
 
もう絶対あり得ない(笑)。
誰もがおとぎ話だと思っていたグレムリンが現れて大変なことに(笑)。
すっげぇ恐ろしいツラ構えなんですよ、そのグレムリンが。
戦うクロエ・グレース・モレッツの姿の頼もしいことといったらありません。
グレムリンに持ち去られそうになった鞄を奪還するため、
高度2500メートルの空へ出て平気とかもあり得ん。あり得ないから笑ってしまう。
 
鞄の中身が何だったのかだけは書かずにおきます。
クロエ・グレース・モレッツのたくましい腕を見られて満足です。
大人になったねぇ。

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『女子高生に殺されたい』

『女子高生に殺されたい』
監督:城定秀夫
出演:田中圭,南沙良,河合優実,莉子,茅島みずき,細田佳央太,
   加藤菜津,久保乃々花,キンタカオ,大島優子他
 
仕事帰りに映画を観に行くか、まっすぐ帰って野球を観るか。
迷っていたら、対戦相手にコロナ感染者続出でまさかの試合中止。
ならば迷うことなくなんばパークスシネマへ。
 
古屋兎丸の同名漫画を城定秀夫監督が実写映画化。
このあいだ観たばかりの『愛なのに』がめっちゃよかったから期待が膨らむ。
『愛なのに』で瀬戸康史に想いを寄せる女子高生役だった河合優実は、
同じ女子高生でもエスパーばりの能力を持つ地味な子で、全然違う役。面白い。
 
二鷹高校という進学校日本史の教師として着任した東山春人(田中圭)。
実は彼にはオートアサシノフィリア(自己暗殺性愛)の傾向があり、
女子高生に殺されたいという強い願望をかねてから持っている。
 
もとは臨床心理士を目指して医大に通っていた春人だったが、
ある患者に接したことをきっかけに自らのその願望に気づき、
理想の殺され方を実現すべく教師の道へと歩み出す。
 
あれから9年。
自分が殺される日を文化祭がおこなわれる11月8日に決め、
着々と計画を進めてきた春人は……。
 
面白いですよね。
田中圭主演の作品は白と黒の笑いに分けられますが、これは完全に黒の笑い。
『哀愁しんでれら』(2021)ほどではないけれど、気味が悪い。
 
自分が殺されるように9年かけて計画するなんて、できますか。
殺してくれる女子高生として春人が白羽の矢を立てたのは誰なのか、
それっぽい女子生徒が何人かいて、本命がなかなかわかりません。
 
1人目は文化祭の出し物である戯曲の台本を書く君島京子(莉子)。
男子生徒にも人気のある可愛い子ですが、意地悪っぽい(笑)。
2人目は柔道部部員でクールな美人、沢木愛佳(茅島みずき)。
人とつるむことはなく、誰になんと言われようと気にしないふう。
春人はこの2人に対して思わせぶりな態度を取り、
2人とも春人が自分に好意を持っていると思っています。
 
3人目は上記の2人とはちょっと違う佐々木真帆(南沙良)。
とても美人なのに控えめで、春人のことが好きなのに、
自分には春人から愛される資格などないと思っているように見える。
その真帆の親友で「負」を察知する能力を持つ小杉あおい(河合優実)は、
春人に得体の知れない恐ろしさを感じ取り、真帆を守ろうとしています。
 
春人はいったい誰に、どうやって殺させようとしているのか。
途中、春人の企みにより犬が殺されるという残忍な事件が起き、
生徒たちの心のケアのために同校へ赴任するのが大島優子演じる臨床心理士。
春人の元カノで、交際中にはわからなかった彼の性癖に気づきますが、なんとかできるのか。
 
「変態!」と言いたくなるような歪な話の中で、
真帆に片想い中の男子生徒を細田佳央太が能天気に演じていい感じ。
河合優実もすごくよかったです。
 
まっすぐさが友だちを救うと思いたい。

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『やがて海へと届く』

『やがて海へと届く』
監督:中川龍太郎
出演:岸井ゆきの,浜辺美波,杉野遥亮,中崎敏,鶴田真由,中嶋朋子,新谷ゆづみ,光石研他
 
TOHOシネマズ西宮にて3本ハシゴの3本目。
前の2本はサイコー。これだけちょっと寝ました。ごめんなさい。
 
私はお初の中川龍太郎監督。
これまでの監督作では松本穂香仲野太賀、元乃木坂46の衛藤美彩を起用。
大好きな宮下奈都の『静かな雨』も映画化しているのに、なぜか観る機会を逸して。
まだ32歳とのこと。期待の新鋭というところでしょうか。
 
湖谷真奈(岸井ゆきの)はホテルのダイニングバーでフロア責任者を務めている。
ある日、真奈の知り合いだという客が訪ねてくる。
会いに行ってみるとそれは遠野敦(杉野遥亮)だった。
 
敦は真奈の親友だった卯木すみれ(浜辺美波)のかつての同棲相手。
すみれの荷物を整理することにしたから真奈にも見てほしいと言う。
ふたりはすみれの実家へそれらを届けに行くのだが……。
 
だいぶ端折りました(笑)。
途中で睡魔に襲われたせいもあり、真奈とすみれの出会いのシーンが
どこに挟み込まれていたかあやふや。
そのシーンはちゃんと記憶しているのですが、
時系列をどのように入れ替えて描かれていたか覚えていないのです。(^^;
 
引っ込み思案な真奈と正反対の性格のすみれ。
大学へ入学してすぐにキャンパスで出会い、親友になります。
なかなか人と打ち明けられない真奈にとっては、すみれとの時間がすべて。
一緒に暮らしていたのに、すみれは突然敦と同棲を始めてしまう。
 
予備知識なしに観たため、最初はどういうことかわからない。
真奈と敦がすみれの荷物を見るシーンは形見分けのようだけど、
真奈はすみれが亡くなったことすら受け入れていない様子で。
 
すみれの実家を訪ねれば、母親(鶴田真由)はいかに母子の仲が断絶していたかを話す。
これって、すみれは行方不明になったか自殺したのかと思っていたら、
一人旅に出た彼女がそこで津波に遭っていたのですね。
 
真奈が信頼を置いていた上司・楢原(光石研)も命を絶ってしまって、
気持ちの整理をいかにつけるかという話だとは思うのですが、
すみれの笑顔があまりに作り物っぽいと感じました。
カメラのファインダーを通してしか人としゃべれない、
ずっと作り笑いをしていたすみれのことなのだから、その作り物っぽさこそ正解か。
 
彩瀬まるの原作は未読です。読んでみようと思う。
でも震災の話に絡めなくてもよかったのではと思ってしまいます。

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