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『楓』

『楓』
監督:行定勲
出演:福士蒼汰,福原遥,宮沢氷魚,石井杏奈,宮近海斗,大塚寧々,加藤雅也他

TOHOシネマズ伊丹にて、前述の『映画 ラストマン FIRST LOVE』の次に。駐車サービス最悪の109シネマズ箕面と違い、こちらの劇場は「2本観るんですけど」と言ってチケットを提示すると、4時間分(無料サービス分と併せれば5時間分)の駐車券をくれるうえに、今回なんて『映画 ラストマン』が舞台挨拶付きで2時間半超のため、さらに追加であと2時間分くれます。

『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004)の行定勲監督による、スピッツの『楓』をモチーフとした作品。スピッツは好きか嫌いかと聞かれたら好きですが、特に聴き込むほどではありません。『楓』を聴いたことはあるけれど、歌詞も知らない。こんなんばっかりだな、私(笑)。ネタバレまじりでどうぞ。

高校時代から恋人同士で同棲中の須永恵(福士蒼汰)と木下亜子(福原遥)は、星を見に出かけたニュージーランドで交通事故に遭う。亜子は命を取り留めたものの、恵は死亡。一卵性双生児の恵の兄・涼(福士蒼汰の一人二役)が恵の葬儀後に亜子を訪ねると、亜子は涼のことを恵と間違えている様子。訂正できないまま亜子と暮らしはじめた涼だったが……。

はいはい、いたって普通の恋愛ものねと思って観ていましたが、真相がわかるくだりはまぁまぁグッと来ます(笑)。ここからはネタバレありありで。つきあうきっかけとなった最初の出会いの相手を亜子は恵だと思っていましたが、実は涼でした。恵と涼は別の高校に通っていて、その日は訳あって恵のふりをして登校した涼。屋上で出会った亜子に一目惚れしたのに、亜子は彼のことを恵だと思い込んでいるから、恵が涼に代わって亜子とつきあうように。

恵の死後、左利きの恵になりすますために、左手で文字を書く練習を必死でする涼。服装や髪型も恵に似せて、仕事に行くときは途中の公衆トイレで涼自身の服に着替えるという入念さ。でも、事故の記事なんてネットでいくらでも調べられるし、亜子が気づかないわけはありません。彼女は最初から気づいていたけれど気づかないふりをしていたなんて、涼にとってなんと酷なことでしょう。涼が恵のふりをしていると気づいていても、最初の出会いの相手が涼だったことには気づいていなかったというオチ(と言っていいのかしら)。最初の出会いを思い出せば、右手で頭をぽんぽんしてくれた時点で、観ている私たち客はあれは涼だったとわかりますよね。甘さはいろいろあるにしても、涼を演じているときの福士くんの切ない表情にはやられる。脇役の宮沢氷魚石井杏奈もとてもよかった。

双子で姿形がそっくりと言っても性格は全然違って、何でもできる代わりに何にも長くは続かなかった恵は社交的で友人知人がたくさん。一方の涼は不器用だけど、これと決めたことは根気強く続けてモノにする。そんな息子たちを見てきた両親(加藤雅也大塚寧々)が良い感じです。カメラマンの職に就いた涼と父親の会話がちょっぴり心に沁みました。

昨年は星にまつわる作品が多かったと思いませんか。『この夏の星を見る』(2025)、『秒速5センチメートル』(2025)、そしてこれ。星ってやっぱりロマンなんですね。

『映画 ラストマン FIRST LOVE』【公開初日舞台挨拶ライブビューイング】

『映画 ラストマン FIRST LOVE』
監督:平野俊一
出演:福山雅治,大泉洋,永瀬廉,今田美桜,ロウン,月島琉衣,寛一郎,谷田歩,黒田大輔,松尾諭,今井朋彦,奥智哉,木村多江,吉田羊,上川隆也,宮沢りえ他

TOHOシネマズ伊丹にて、割引なしの特別料金2,200円を払って鑑賞。2023年にTBS系列の「日曜劇場」枠で放送された『ラストマン 全盲の捜査官』の劇場版ですが、TVドラマ版は一度も観たことがありません。出演者に推しがいるわけでもなく、仕事帰りにちょうどよい時間帯の上映だからどうせなら舞台挨拶も観ておこうかと思っただけです。

舞台挨拶にはメインキャストと監督が少なくとも5人以上登壇するものだと思っていましたが、なんとこの日の舞台挨拶は福山雅治大泉洋のみ。意外で驚きましたが、こういうのもありですね。大泉洋のしゃべりが面白くて。見どころはほとんどわからないままだけど(笑)、福山雅治の言う「公開に至ってもなお伏せられている若手俳優2人」、つまり福山雅治と宮沢りえの若かりし頃を演じているのは濱田龍臣當真あみでした。封切り後も徹底して伏せる戦略ってどういう意味があるのでしょう。それはともかく、結構笑わせてもらったあとで本編スタート。

“ラストマン”の異名を持つ全盲のFBI特別捜査官・皆実広見(福山雅治)。30年前、アメリカの大学に通っていた広見(濱田龍臣)が、盲目のせいでほかの学生から絡まれているのを助けたのが同じく学生でロシア国籍を持つナギサ・イワノワ(當真あみ)。交際の後に別れてから会わないままだったが、このたびナギサ(宮沢りえ)とその娘ニナ(月島琉衣)がアメリカへの亡命を求めて中継地の日本に入国。警護に広見を指名する。北海道で身を隠す彼女たちのもとにいる広見から呼ばれた警察庁の刑事・護道心太朗(大泉洋)も北海道へ。同行したのは警視庁捜査一課の護道泉(永瀬廉)、「ラストマンを超える」と豪語しているFBIの研修生クライド・ユン(ロウン)。

天才エンジニアのナギサは大学を首席で卒業してロシアの国家企業に就職した。画期的な画像認識システムを発明して、例えば広見のような視覚障害者の役に立ちたいと願っていたのに、ロシア政府がそのシステムを軍事利用しようとしたため、亡命を望んだのだ。ナギサを逃したくないロシア政府は、金儲けの話なら何でも請け負うテロリスト集団“ヴァッファ”に依頼してナギサとニナを捕まえようとしている。FBIと警視庁の日米合同チームがふたりを警護することになったが、チームの中に内通者がいるらしく、行く先々にヴァッファが現れて……。

鑑賞後にこうして書くと、すでにいくつか嘘がありますね(笑)。ネタバレはやめておきます。

ロシアの国家企業になんて就職したら、利用されることは目に見えているじゃあないか。どうしてこんなところで働こうと思うんだと思わなくもない。どこに隠れようがヴァッファに見つかって、見つかった後もその場に居続けるのもどうなんだかと思います。最後もこれでなんで助かるのと思うも種明かしはなし。でも本作はTVドラマ版のファンの人のための劇場版なのでしょう。福山雅治と大泉洋の掛け合いが見られたらそれで良し。広見の元嫁の役が木村多江というのも面白いですね。ヴァッファのリーダー役の寛一郎がド迫力で怖かった。

TVドラマ版をご欄になっていた方にはオススメ。そうでない人はどちらでも。ドラマ版を観ていない人もじゅうぶん楽しめるとは思います。

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』(原題:Avatar: Fire and Ash)
監督:ジェームズ・キャメロン
出演:サム・ワーシントン,ゾーイ・サルダナ,シガーニー・ウィーヴァー,スティーヴン・ラング,ウーナ・チャップリン,クリフ・カーティス,ブリテン・ダルトン,トリニティ・ブリス,ジャック・チャンピオン,ベイリー・バス,デヴィッド・シューリス,ケイト・ウィンスレット他

ジェームズ・キャメロン監督による『アバター』(2009)は世界歴代興行収入1位の座を2025年時点も明け渡していません。第2作の『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(2022)も第3位を記録。凄いですよねぇ。ちなみに第2位は『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)で第4位はキャメロン監督の『タイタニック』(1997)。余談ですが、驚いたのは第5位。『ナタ 魔童の大暴れ』(2025)なんですって。昨年末に再上映しているよと思ったら世界的大ヒット作なのか。へ~っ。

そんな大ヒット作の“アバター”シリーズだけど、私はほぼ興味がありません。第1作を観なかったのは「3Dって酔いそう」というだけの理由でした。DVDや配信でも観ないまま臨んだ第2作はそれなりに面白かったけれど、もう一度観ることもなくこの第3作を迎えました。そうしたらやっぱり話を忘れていて、まずいっぱい出てくる片仮名が何のことなのか全然思い出せず。そもそもジェイク・サリーが人間だったことを知らないんですもの、厄介です(笑)。興味がないから3Dで観るつもりはないし、時間が合えばIMAXで観ようかと思っていましたが、結局109シネマズ大阪エキスポシティにて通常版を鑑賞。

ジェイクは元海兵隊員だったのですよね。人間の体を捨ててナヴィとして生きることを選んだとか。人間みたいだけど人間ではない、異世界に住む人たちのことをナヴィというらしい。彼らが住むのは神秘の星パンドラ。ここに1人だけいる人間の少年スパイダーは、第2作で父親を失ったんでしたっけ。とにかくジェイクの家族とパンドラで暮らすことになった様子。ナヴィとして生きるジェイクを裏切り者とみなす軍人たちは、ジェイクを追っています。追っ手の軍人側には一旦死んだスパイダーの父親クオリッチも含まれていて、ナヴィとして復活している。復活してもクオリッチはナヴィの味方ではなくて軍人側。この第3弾で軍人と手を組むのは、炎を操る民アッシュ族。そのリーダーがヴァランという女性で、こいつが怖いのなんのって。

壮大なスケールで大画面で観るにはふさわしい。だけど、言っちゃなんですが、まずこの見た目が苦手です。男前のサム・ワーシントンがわざわざこんな容貌になったところを私は見たくないし、彼の妻ネイティリ役のゾーイ・サルダナにしてもそう。少女キリを演じるのがシガーニー・ウィーヴァーでしょ。キリを見るたびにシガーニー・ウィーヴァーの顔が浮かぶから、彼女がスパイダー役のジャック・チャンピオンにキスするシーンでは、76歳が21歳にキスを迫るのは犯罪ではないのかなどと思ってしまいました(笑)。クオリッチとヴァランがイチャイチャするのもキモいし、全体的に苦手。

戦って戦って戦って。最初から最後まで戦いの話です。誰かを傷つけたくない、殺したくないと言いながらも、そうするしかないときもあるという流れになる。家族はいつも一緒に、決してあきらめずに。あきらめなかったナヴィたちが勝利を収める瞬間はそれなり以上に見応えはあるものの、この話に私がそれほど惹かれるかと聞かれたら、一度観るだけでじゅうぶんです。私はこの出演者たちが見た目のまんまの作品のほうが観たい。

『新解釈・幕末伝』

『新解釈・幕末伝』
監督:福田雄一
出演:ムロツヨシ,佐藤二朗,広瀬アリス,岩田剛典,矢本悠馬,松山ケンイチ,染谷将太,勝地涼,倉悠貴,山下美月,賀来賢人,小手伸也,高橋克実,渡部篤郎,山田孝之,市村正親他

TOHOシネマズ伊丹にて、前述の『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』の次に。客はまぁまぁ入っているけれど、どないやねん、これ。思わず「しょーもな!」と苦笑いしてしまいました。

まぁ、設定は面白いですよねぇ。幕末の英雄と称された偉人たちについて、彼らは本当に英雄だったのかを歴史学者(市村正親)が研究を重ねたうえで推測。彼が語り部となって私たちに話してくれます。大人気の坂本龍馬は本当にそんな出来た人物だったのか。調べれば調べるほどチャラい人物像が浮かび上がってきますよと。

始まりはペリー来航のシーンから。でっけえ船だなぁと海辺から見て感心していた坂本龍馬(ムロツヨシ)は、見物人の向こう、ひとりで筏らしきものを作っている桂小五郎(山田孝之)に近づき、何をしているのかと問います。釣りに出るための筏を作っているという小五郎に、実はペリーの船に密航しようとしているのではないのかと詰め寄ると、図星を指された小五郎はドキッ。吉田松陰(高橋克実)とふたりで密航するつもりだったらしい。「僕もあんなデカい船を見てみたいから連れてって~」とごねる龍馬。小五郎に拒否されると、3人乗りの筏を作ればいいんでしょとあきらめない龍馬。そこへ西郷隆盛(佐藤二朗)もやってきて、結局4人で密航を図ります。これが密航未遂事件の真相(笑)。

勝海舟(渡部篤郎)と親しくなった龍馬は、用心棒として岡田以蔵(岩田剛典)を海舟に紹介。3人は女性店員(山下美月)がくノ一に扮するというコンセプト茶屋“忍茶屋”へと出向きます。新撰組の面々もコンセプト茶屋なるものに入店してみようとやってくるけれど、局長の近藤勇(小手伸也)が表に掲げられていたメニューを見て値段にたまげる。土方歳三(松山ケンイチ)と沖田総司(倉悠貴)は局長におごってもらう気満々で、あーだこーだと騒いでいたところ、出てきた龍馬が海舟先生は気前がいいからみんなの分もきっと出してくれるよ〜と3人を中に招き入れます。

こんな感じの勝手な解釈で進んで行きますが、歴史の時間に習ったことはあっても私なんて全然覚えていない尊皇攘夷だとか大政奉還だとか、大筋でわかるのはありがたいこと。後藤象二郎(賀来賢人)、大久保利通(矢本悠馬)、三吉慎蔵(染谷将太)、徳川慶喜(勝地涼)の立ち位置とかもなんとなくはわかるような気がしますし。

それにしたってふざけすぎ。そしてしつこい(笑)。福田雄一監督の作品は一貫してこうだから、今さら変えるつもりはないでしょう。出演者たちもきっとみんな楽しくて和気藹々とした現場であることは間違いない。でももういいかげん飽きてきたなぁ。っちゅうても福田監督はまだ50代。いつまでこういうのを撮りつづけるのか見守りたい気もしています。

『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』

『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』(原題:A Big Bold Beautiful Journey)
監督:コゴナダ
出演:コリン・ファレル,マーゴット・ロビー,ケヴィン・クライン,フィービー・ウォーラー=ブリッジ,リリー・レーブ,ハミッシュ・リンクレイター,ジェニファー・グラント,サラ・ガドン,ビリー・マグヌッセン他

さて、ここからしばらくは旧年中に観た作品。「今年観た映画50音順」を始めてから中断していた分を順番にUPします。TOHOシネマズ伊丹で観た2本ハシゴの1本目。

『コロンバス』(2017)のコゴナダ監督がコリン・ファレルマーゴット・ロビーを主演に起用したファンタジー。かつて悪童と呼ばれていたコリン・ファレルも今年還暦。すっかり落ち着いたオッサンになりました。マーゴット・ロビーは“バービー”“ハーレイ・クイン”のせいでちょっとキワモノ的なイメージすらありますが、美人ですよねぇ。キャストを見たときに「おっ!」と思ったのはケヴィン・クライン。一回り以上年下のフィービー・ケイツと結婚して話題になったのが1989年のこと。出産を機に女優業を辞めたフィービーを見て、まるで三浦友和と山口百恵だなと思ったものです。

友人の結婚式に出席するために家を出たデヴィッドは、路駐していた車がタイヤロックされているのを見て唖然。しかも雨が降り出して途方に暮れる。そんなとき、車のすぐそばにレンタカー屋のチラシを見つけ、藁をも掴む思いで電話をかける。訪れたレンタカー屋は見るからに怪しげな建物の中。まるで面接官かのように座る男女から、レンタカーはえらく古い1994年の車“サターン”であると告げられる。カーナビが必要かどうかを聞かれて、携帯があるから不要だと返答すると、携帯はいつ何時こわれるかわからないとしつこく言われ、結局カーナビを付けてもらうはめに。ようやく結婚式会場へと出発する。参列者はほとんどみんな連れ合いのいるなか、デヴィッドと同じくひとりで来ていたのがサラ。新郎新婦から紹介されて挨拶は交わしたものの、話が弾むこともなくその日は別れる。

翌朝、サターンに乗車、カーナビから「旅に出たいか」と問われて頷くと、最初はファストフード店に行ってハンバーガーを食べるように指示される。たどり着いたバーガーキングではサラがやはりチーズバーガーを頬張っていた。退店してびっくり、サラもあのレンタカー屋で借りたらしく、店の前には2台のサターンが停まっている。各々の車に乗り込むが、サラの車にエンジンがかからない。すると、カーナビは「サラを乗せるように」と指示してくる。こうしてふたりは一緒に旅をすることになるのだが……。

次々と到着する「目的地」。そこには不思議なドアがあり、ドアを通り抜けた先にはデヴィッドとサラそれぞれの人生のターニングポイントとなったかつての日。高校生だったデヴィッドが告白してフラれた日や、サラの母親が誰にも看取られることなく亡くなった日、それに婚約者と別れた日などなど。相対する人たちにはデヴィッドやサラがその頃の年齢のまま映っています。

いちばん戻りたい日っていつですか。それがいちばん戻りたくない日であったりもするかもしれません。すごく惨めだったり悲しかったりして。そのときに戻れたとしても人生はやり直せないわけですが、もう一度そのときの自分と向き合えるならば戻ってみるのもいいかも。これはやり直しの話ではなくて、あの頃を振り返って逃げずに向き合ったうえでこれからの生き方を決める話。前向きに。

ミュージカルの場面などは楽しかったし、イケメンと美人を見られる分、『エディントンへようこそ』(2025)なんかを観ているよりはずっとよかったけれど、作品としてはインパクトに欠けます。美しいシーンが多いから大画面で観たのは正解だったということで。