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『父と僕の終わらない歌』

『父と僕の終わらない歌』
監督:小泉徳宏
出演:寺尾聰,松坂桃李,佐藤栞里,副島淳,大島美幸,齋藤飛鳥,
   ディーン・フジオカ,三宅裕司,石倉三郎,佐藤浩市,松坂慶子他
 
イオンシネマ茨木にて3本ハシゴの〆。
本作の上映は22:00からでした。誰が観に来るねんと思ったけど、5人ぐらいは客がおる。
 
「実話に基づく」って誰の話かしらん。日本ではなくてイギリスの話なのだそうです。
アルツハイマー型認知症を発症しつつ80歳で歌手デビューを果たして話題になった父親とその息子の話。
監督は“ちはやふる”シリーズや『線は、僕を描く』(2022)の小泉徳宏。
長編監督デビュー作の『タイヨウのうた』(2006)がハリウッド韓国でリメイクされて話題の監督でもあります。
 
横須賀で楽器店を営む間宮哲太(寺尾聰)とその妻・律子(松坂慶子)。
一人息子の雄太(松坂桃李)は売れっ子のイラストレーターで、今は実家を離れて東京で暮らしている。
 
このたび、地元の幼なじみ・志賀聡美(佐藤栞里)とダニエル(副島淳)の結婚式に出席するために帰郷。
かつてはレコードデビューの話まであった哲太が披露宴で歌うはずことになっているのに、なかなか姿を現さない。
なんとか時間にまにあって披露宴は大盛り上がりを見せるが、どうもその後も哲太の様子がおかしい。
 
翌日、律子と共に哲太を病院に連れて行くと、医師(佐藤浩市)からアルツハイマー型認知症と告げられる。
こちらにいても仕事はできるからと、雄太はしばらく実家に留まることにするのだが……。
 
日々進行を見せる病状。
雄太が自分はゲイであることを打ち明けたのは10年前のことなのに、そのときに両親に宛てて書いた手紙を今初めて見たように話す哲太。
理解を得られたと思っていたはずが、今さら責め立てられます。
 
正直なところ、ちょっと苦手な物語。優等生すぎるというのか、偽善的というのか。
そもそもオリジナル曲なしでカバー曲ばかりの、ちょっと歌の上手い老人がデビューできるかと言われたら、無理だと思う。
老いさき短い爺ちゃんの夢を叶えてあげようかと思うだけで、歌を評価してのことではないでしょう。
 
ぼけてしまった老人が何を考え、どうしたいと思っているのか推し量るのは難しい。
しかも家の中をめちゃくちゃに荒らして暴れまわる人の面倒を見切れますか。
睡眠もろくにとれないほど夫の世話で疲れているのに、ぼけた夫が毎日プロポーズしてくれると乙女顔の妻。
こんな母親を見ることになったら、私はつらいなぁ。いくつになっても松坂慶子は可愛いですけどね。
 
そんなこんなで私はまったく泣けなかったけれど、偽善であっても何もしないよりは良いんです。
認知症の家族を持つ人が本作を観て前向きになれるならそれでいい。

—–

『怪盗クイーンの優雅な休暇(バカンス)』

『怪盗クイーンの優雅な休暇(バカンス)』
監督:池田重隆
声の出演:大和悠河,加藤和樹,内田雄馬,Cocomi,星野充昭,前田佳織里,家中宏,広瀬裕也,清水彩香,
     河西健吾,直田姫奈,能登麻美子,小野坂昌也,七緒はるひ,陶山章央,稲田徹,大畑伸太郎他
 
イオンシネマ茨木にて、3本ハシゴの2本目。
 
観には来てみたものの何ですか、『怪盗クイーン』って。
「長年子どもたちに愛されているシリーズ」とあるのですが、私は聞いたことないし。
それもそうか、2002年以降に出版された児童文学なのですから。
 
『怪盗クイーンはサーカスがお好き』(2022)の公開時はスルーしました。
第2弾をこうして観に来るなら、第1弾も観ておけばよかったと今さら思う。
 
失礼ながら先に書いておきますと、イルマ姫役の下手くそな声優は誰よと思ったらCocomiでした。(–;
 
怪盗クイーンは性別も年齢も不詳の大泥棒らしい。男装の麗人じゃないのですね。
 
そんなクイーンに挑戦状を叩きつけてきたのが、クイーンに恨みを抱くサッチモ社の社長サッチモ。
セレブな招待客を乗せた豪華客船でサッチモ所有の宝石“インペリアルサファイア”のお披露目をするとのこと。
その宝石をクイーンに盗み出してみせよと言うのだ。
罠であることは間違いないが、面白いじゃあないかと挑戦を受けて立つことにしたクイーンは、
パートナーのジョーカーと共に船に乗り込む。
 
乗客の中にはとある国の王女イルマもいた。実はインペリアルサファイアはもとはイルマの国のもの。
サッチモに奪われたこの宝石をイルマはどうにかして取り戻そうとしていて……。
 
イルマの声は子どもが担当しているのかと思ったらCocomiだとわかってビックリ。
すげぇなキムタクファミリーと、かなり冷めた気分に。
 
話自体は悪くないと思います。
ただの泥棒じゃなくて、悪い奴からだけ盗むし、奪われたものの場合は持ち主に返して差し上げる。王道。
性別不詳というのがイマドキで新しい。

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『ゴッドマザー コシノアヤコの生涯』

『ゴッドマザー コシノアヤコの生涯』
監督:曽根剛
出演:大地真央,黒谷友香,鈴木砂羽,水上京香,寺田光,菊地麻衣,板垣樹,大西礼芳,
   浅田芭路,永尾柚乃,江原璃莉,庄野崎謙,温水洋一,木村祐一,市川右團次他
 
イオンシネマ茨木にて封切り日に鑑賞しました。
今年度から終業時間が昨年度までより15分早くなったおかげで、仕事帰りに3本ハシゴできる機会もちらほら。
電車通勤の同僚は2本早い電車に乗って帰れるようになったと言っていました。
たかが15分、されど15分。でも、3本ハシゴなんてするもんやないですけど。(^^;
 
そんなわけで、これも特に興味があったから観に行ったのではなくて、
17:25からの上映に間に合えばさらにその後2本ハシゴできるやんと思って観に行っただけ。
結果、ほぼ知らなかったコシノ三姉妹とその母コシノアヤコについて知ることができてよかったような。
 
コシノ三姉妹の長女ヒロコ(黒谷友香)、次女ジュンコ(鈴木砂羽)、三女(水上京香)は、
母アヤコ(大地真央)が倒れたとの報せを受けて病院に駆けつける。
医師によればアヤコは脳梗塞を起こしており、今日明日が山場。
 
泣いたり喚いたりしながらその場を離れようとしない三姉妹を三途の川の淵で見つめるアヤコ。
そこへ姿を現したのが、どう見てもそうは見えない天使(温水洋一)。
天使のお迎えが来るということはアヤコはもう死ぬことが決まっているのだが、
天国行きか地獄行きかが未定で、今からアヤコのこれまでの人生を精査するらしい。
 
こうしてアヤコと天使の間でアヤコの人生が再現される形で描かれます。
 
1913(大正2)年、呉服屋の長女に生まれたアヤコは、近所のパッチ店で見かけたミシンに恋焦がれる。
従業員でなければミシンに触れることすら許さないと言われ、ならば女学校を辞めてパッチ店に就職すると宣言。
父親の甚作(木村祐一)は当初は反対していたが、アヤコの熱意に負けてついに認める。
 
ところがそのパッチ店が不況のあおりを受けて閉店に追い込まれてしまう。
どうしたものかと悲嘆するアヤコに甚作はミシンを贈り、修行を積んだアヤコはやがてコシノ洋装店を開業。
彼女が仕事をする姿に惚れ込んだ川崎武一(庄野崎謙)と結婚し、3人の娘を授かる。
 
しかし武一は太平洋戦争に出征して還らぬ人となり、アヤコは女手ひとつで娘たちを育てることになり……。
 
自由奔放なアヤコの生き方は褒められることばかりではありません。
 
仕事に忙しかったアヤコは、次女のジュンコがあまりにやかましいのに困り果て、親戚のもとへ預けたりもしました。
これは夫を亡くしてからの話ではなくて、両親そろっているばかりか祖父母もいるときの話です。
 
夫の死後は仕事で知り合った紳士服店の男性(市川右團次)と恋に落ちるも、相手には妻子あり。
不倫の関係でありながら人目をはばからずにふたりでいそいそと出かけ、ヒロコは相手の娘から「泥棒の子」となじられる。
周囲から道義に反しているから別れるように言われてもヒロコは動じません。
 
こんなとき、母親の幸せを願う娘たち3人がヒロコの味方をする。
子どもたちにこんなことを言われてはと、ふたりの関係を周囲は認めざるをえなくなるんですよねぇ。
結局10年だか15年だかつきあってから自然消滅したそうですけれど。
 
基本的に演技は誰も彼も大げさなので、芝居は芝居。
心に染み入るところは個人的にはなかったのですが、おおっ、これも脚本は池田鉄洋じゃあないか。
どうもこの人の脚本だと知ると、私は採点甘めになってしまうようです(笑)。
 
解せないのは、どう見ても黒谷友香のほうが鈴木砂羽よりも年下なのに、長女役と次女役であるということ。
実際、黒谷友香は鈴木砂羽より3つ下です。
コシノジュンコのイメージにぴったりなのは鈴木砂羽しかいなかったのでしょうか。そうかもしれん。
 
三姉妹ともにカメオ出演しています。コシノジュンコだけはすぐわかります。
あ、私、途中ちょこっと寝ちゃったんで、矢田亜希子がどこに出ていたか知りません。
上西雄大監督が出ているシーンは覚醒していたのでわかりました。矢田さん、ごめん。

—–

『サブスタンス』

『サブスタンス』(原題:The Substance)
監督:コラリー・ファルジャ
出演:デミ・ムーア,マーガレット・クアリー,デニス・クエイド,エドワード・ハミルトン=クラーク,
   ゴア・エイブラムズ,オスカル・ルサージュ,クリスティアン・エリクソン,ヒューゴ・ディエゴ・ガルシア他
 
TOHOシネマズ伊丹にて、前述の『金子差入店』とハシゴ。
 
アメリカ作品だけど、監督はアラ還のフランス人女性コラリー・ファルジャ。
長編作品としてはこれがまだ2作目らしいのですが、怪作というしかない。
それにしてもこんな役をよくデミ・ムーアにオファーしたものだと思うし、受けた彼女も凄い。
彼女は本作で見事第82回ゴールデングローブ賞の主演女優賞を受賞しました。
 
50歳の誕生日を迎えたエリザベス・スパークルはかつての人気者。
“ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム”(ハリウッドスターの名前が彫られた星型プレート)に刻まれるほどのスターだったのに、
年齢を理由にプロデューサーのハーヴェイからレギュラー番組の降板を突然言い渡される。
 
呆然としながら帰途に就き、交通事故に遭うが、幸いにも軽傷で済む。
病院から帰宅してもいいと言われたものの、この先どうしてよいかわからず涙に暮れていたところ、
イケメンの若い男性看護師がエリザベスのポケットにメモを忍ばせる。
 
そこに書かれていた番号に電話し、指示された建物に出向いて、謎の薬品“サブスタンス”を入手。
サブスタンスは、若さと美しさ、より完璧な自分を得ることができると謳われている。
摂取後に鏡を見ても何も変わらず、馬鹿馬鹿しいと自分を笑ったところで急に苦しくなる。
 
のたうちまわるエリザベスの背中が裂けたかと思うと、そこから現れたのは若くて完璧な美女スー。
スーの登場と共に意識を失うエリザベス。
エリザベスの後任を募集する案内を見てスーが応募すると、ハーヴェイはあまりの美しさに歓喜。
ただちにレギュラー番組を持つことになり、毎日が楽しくてたまらないスーだったが……。
 
サブスタンスの使用には注意点があります。
まるで別人が誕生したかのように思えても、エリザベスとスーはふたりでひとりの人間。母体と分身の関係なのです。
スーが美貌を保って生き続けるためには、エリザベスと1週間毎に入れ替わるのが必須。
しかし、お互いに相手と自分でひとりだとは思えず、憎み合うようになってしまいます。
 
スーの間は華やかなスポットライトの当たる場所で生き生き。誰もが彼女にぞっこん。
高級タワマンの部屋に客を招いてはドンチャン騒ぎすることも。
エリザベスが覚醒すると、部屋は荒れ放題で腹立たしい。仕返しとばかりに食っちゃ寝して部屋を荒らします。
 
そのうちスーは1週間で体を返すのが嫌になって、禁止事項に手を出す。
するとその分、エリザベスの体は衰えて醜くなって行くのです。
分身が美しくいるためには母体も養分を蓄えていなければならないのに。
 
エリザベス役のデミ・ムーア、スー役のマーガレット・クアリー、どちらも凄まじい演技を見せてくれます。
ハーヴェイ役には当初予定されていたレイ・リオッタが亡くなったため、代わってデニス・クエイド
自分がどれほどオッサンなのかも顧みず、女は若さだ顔だとのたまう様子には辟易としますね(笑)。
とはいうものの、スクリーンで見るなら美人のほうがいいに決まっている。
 
若かりし頃に豊胸手術を受けたことは周知の事実のムーアが60歳を過ぎてなお豊満な裸体をさらすも、
クアリーが脱げばその美しさには歴然とした差があります。
意識を失っている1週間、ふたりともその裸体をさらしつづける役者魂。
スーが約束を守らないせいで老化の進行が止まらないエリザベスの焦燥を演じるムーアは圧巻。
 
最初からグロいのに、最後はやりすぎなぐらいグロい。(^^;
お薦めはしづらいけど、面白いよねぇ。オエーッ。

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『金子差入店』

『金子差入店』
監督:古川豪
出演:丸山隆平,真木よう子,三浦綺羅,川口真奈,北村匠海,村川絵梨,金子莉彩,堀丞,
   まひろ玲希,甲本雅裕,根岸季衣,岸谷五朗,名取裕子,寺尾聰,モロ師岡,山口大地他
 
TOHOシネマズ伊丹にて。
 
刑務所や拘置所に収容された人への差入れを代行するのが「差入屋」だそうで、
そんな商売が存在することを知りませんでした。
 
監督は“東京リベンジャーズ”シリーズや『真夜中乙女戦争』(2022)で助監督を務めていた古川豪。
TVドラマ以外でメガホンを取るのは本作が初めてだというのに、監督のオリジナル脚本とは。
原作があって映画化するのももちろん大変なことだと思うけれど、
オリジナル脚本を書ける人って凄いと思っているので、それだけで期待と評価が増し増しになります。(^^)
 
金子真司(丸山隆平)はかつて暴力沙汰を起こして服役した過去がある。
身重だった妻・美和子(真木よう子)は夫の服役中に出産。
真司が出所したときには息子・和真(三浦綺羅)は小学生になっていた。
和真のことが可愛くてたまらない真司は、美和子に対しても感謝の念でいっぱい。
 
前科者に世間の目は厳しいと、真司は伯父の星田辰夫(寺尾聰)が営む差入店で修行。
引退した辰夫の後を継いで金子差入店を営んでいる。
良き相談相手の辰夫は和馬の面倒もよく見てくれて、穏やかに過ぎる毎日。
辰夫の妹、つまり真司の母親である容子(名取裕子)が金の無心にやってくるのを除けば。
 
ところがある日、近所に住む徳山詩織(村川絵梨)の娘・花梨(金子莉彩)が行方不明になる。
和真の幼なじみでもある花梨がいなくなったことでみんな落ち着かない。
警察に届け出て捜索を開始するも見つからずに心配していると、河原で遺体となって発見される。
 
犯人として逮捕されたのは、世の中に不満を持つ青年・小島高史(北村匠海)。
店を訪ねてきた高史の母親・こず江(根岸季衣)から高史への差し入れを頼まれた真司は……。
 
拘置所での面会って予約できないんですね。
時間を見計らって面会を申し込みに行っても、それを拒否される場合もあります。
真司はしょっちゅう見かける少女・二ノ宮佐知(川口真奈)のことが気になる。
実は彼女はムショ上がりのヤクザ・横川哲(岸谷五朗)に母親を殺されたということを知りますが、
横川の担当弁護士・久保木(甲本雅裕)から表には出せない事情を聴かされてビックリ。
 
こんなふうに1件の事件のみならず、複数の事件が起き、その関係者が絡み合う。
拘置所への差し入れは権利として認められているにもかかわらず、
差入店を営む金子一家のことをまるで殺人犯のように扱う世間。
特に、詩織を支えようとする美和子をママ友たちがニヤニヤしながら追い出す様子が嫌でした。
 
パパのことが大好きで、パパの仕事を理解しようとしている和真。
でも、親が差別すればそれを見る子どもも当然差別するようになるわけで、和真を虐めにかかる。
和真が耐える姿を見るのもつらいものがありました。
 
当然の権利だとしても、反省の色がまったく見えない犯人や、この親にしてこの子という親の場合、
どうすればいいのでしょう。私にはこれが仕事なのだと割り切れるかどうか。
難しいけど、確かに素晴らしい仕事だということは間違いありません。
 
北村匠海がこんな役を演じるのも驚き。最近役の幅が広がっていて、今後が楽しみです。
余計なことではありますが、めっちゃいい奥さんではあるけれど、真木よう子ぱっつんぱっつん。(^^;

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