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『このろくでもない世界で』

『このろくでもない世界で』(英題:Hopeless)
監督:キム・チャンフン
出演:ホン・サビン,ソン・ジュンギ,キム・ヒョンソ,チョン・ジェグァン,
   パク・ボギョン,キム・ジョンス,チョン・マンシク,ユ・ソンジュ他
 
TOHOシネマズなんばにて。
上映スケジュールを開くまで、こんな韓国作品が公開されているとは知りませんでした。
 
監督は本作が長編デビューとなるキム・チャンフン。
原題の英語訳が“Hopeless”ですもの、つらい話であることは容易に想像できます。
 
18歳の男子高校生ヨンギュは貧しい暮らしのなか、継父からの日常的な暴力に怯えている。
継父の連れ子で義妹に当たるハヤンとの仲も決して良好とは言えないが、
同じ高校に通うハヤンがいじめられるのは看過できず、同級生である相手を殴って停学処分に。
しかも相手の親から示談金を請求され、にっちもさっちもいかなくなる。
 
バイト先の中華料理店に給料の前払いを求めたところ断られたうえに、
殴った相手から報復を受けたときに顔にできた傷を理由にバイトをクビに。
途方に暮れるヨンギュに、店の客として来ていた犯罪組織のリーダー、チゴンが金をくれる。
 
金を貯めてこの町を出たいと考えるヨンジュはチゴンのもとを訪ね、自分を雇ってほしいと頼むのだが……。
 
ヨンギュ役のホン・サビンはこれが映画初主演とのこと。知りません。
男前でもないし。でもめちゃめちゃ上手いです。
そしてチゴン役のソン・ジュンギのことも私は知らなかったのですが、
今まで知らなかったことが悔やまれるほどカッコイイ。
 
チゴンは血も涙もない人に見えるけど、ヨンギュに昔の自分を見るようで放っておけません。
言葉は少なくても優しいことが伝わってきて、最後はそれが命取りになる。切なすぎて胸が痛い。
 
ハヤン役は“BIBI”として知られるR&Bの人気歌手キム・ヒョンソだそうで、
もしも日本でリメイクするとしたら西野七瀬じゃないかなと思います。
「クソアマ」「クソ野郎」と言い合う義理の兄妹の関係がとてもよかった。
 
お金があれば幸せってことはない。でもお金がなければ絶対に困る。
貧困生活の中で虐待に耐えている子どもたちはいったいどれぐらいいるのか。
やむにやまれずサラ金で借金してとんでもないことになる親子がヨンギュ一家以外にもいて、
胸は痛むけれどどうしようもないし、どうかしようと動くこともない。そんな自分がいます。

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『サマーウォーズ』【リバイバル上映】

前述の『劇場版 モノノ怪 唐傘』とハシゴ、同じく109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
『サマーウォーズ』15周年記念と「栄おばあちゃん」の誕生日に合わせて、2週間限定のリバイバル上映。
私は上映初日の7月26日(金)に行きました。
オンライン予約したのは当日の朝で、その時点でほぼ8割の入り。
上映時間にはおそらく完売していただろうと思うのですが、私の前の2席が空いたまま。
何か用事ができて来られなかったのかなぁ。もったいない。
 
毎年夏が来ると観たくなる作品です。
ただ、私も歳を取って自分のまわりのこともいろいろ変わったからか、
最初に観た頃よりも栄おばあちゃんの電話がうざい(笑)。
こんな大変なことになっているときにあちこちの官僚だかなんだかに電話して励ますって、
ちょっと違うこたぁないですかと今回は思いました。
そもそもその官僚たちはあてになるのかしら。栄おばあちゃんの知り合いなら大丈夫!?
 
それは置いておくとして、2009年の作品なのに、全然色あせていない。
なんとなく暑さが人工的に感じる今、田舎に行ってもこんな夏の風景にはめぐりあえないかもしれないけれど、
AIの暴走は15年前よりありそうな話になっていますし、全然古さを感じません。
 
もしも本当にこんなことになったら、「よろしくお願いしまーす!!」ですよね。
一度は観てほしいサマーな映画

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『劇場版 モノノ怪 唐傘』

『劇場版 モノノ怪 唐傘』
監督:中村健治
声の出演: 神谷浩史,黒沢ともよ,悠木碧,花澤香菜,小山茉美,戸松遥,日笠陽,甲斐田裕子,
     ゆかな,和多田美咲,平塚紗依,梶裕貴,福山潤,細見大輔,入野自由,津田健次郎他
 
封切り日に109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
フジテレビの深夜アニメ枠“ノイタミナ”で放映されていたホラーアニメの劇場版なのだそうです。
最近の作品かと思ったらテレビ放映は2007年のことで、2022年に小説化。
昨年には舞台化もされたというのですから、相当人気があったのでしょう。
私はまったく知らずにこの劇場版がお初。何ですか、この摩訶不思議な世界は。めっちゃ気に入りました。
 
ところで、声優に疎い私の数少ない「声を聴くだけで誰かわかる人」のひとりが神谷浩史
そして声でわかると言いつつ、いつも櫻井孝宏とどっちがどっちだかわからなくなるんです。
声がわからなくなるのではなくて、不倫で問題になった人がどっちだったっけって(笑)。
本作を観はじめたときも、あれって神谷さんだっけ、あんな話題になっても普通に出演できるんだと思いましたが、
櫻井さんのほうでしたね。神谷さん、すみません。(^^;
と思って続けてウィキを読んでいたら、うおっ、この“モノノ怪”シリーズの役は、
不倫発覚前までは櫻井さんだったのか。櫻井さん降板後、神谷さんになったのですね。へーっ。
 
で、櫻井さんの後任である神谷さんが声を務めるのは謎の男“薬売り”
シリーズは1話ごとのオムニバス形式になっているようで、それぞれに主人公がいます。
 
何千人という女が勤める江戸城大奥に女中として採用されたアサとカメ。
初出勤当日、七つ口(通用口)で偶然出会ったふたりだったが、
仕事ができて物怖じもしないアサをドジなところのあるカメが慕う形で親しくなる。
 
男子禁制の大奥の様子を窺い、中に入ろうとする怪しげな薬売り。
入れてなるものかと警備係の坂下が押し止めようとすると、
気にもしていない素振りのまま、薬売りはしばらく居座り続ける。
 
大奥では正室がこのたび出産したことに伴い、儀式の段取りが進められているが、
本来は2カ月前に執りおこなわれていたはずのものが延期されたのはなぜなのか。
訝る侍たちにすっきりとした説明は無し。
 
実は大奥はモノノ怪に憑かれており、それを払うためにやってきた薬売りは……。
 
序盤、いや、中盤以降もカメが結構ウザいんですよ。
アサもカメも器量好しですが、アサは有能で思いやりもあるのに対し、
カメは自分が器量以外に取り柄がないのをわかっていてアサに頼りっきりのうえに、
いずれ「お手つき」になって華やかな毎日を送ることを夢見ています。
勝手に歩き回って寝間にまで入ろうとする。かなり腹立たしい(笑)。
 
嫉妬が蠢く大奥の様子も面白く、何よりも絵に魅了されます。
襖が次々と開き、閉じてゆくさまなど、ちょっと今までに見たことのないアニメで、
目がチカチカしそうなのに、虜になって目が離せない。
近世の日本をモチーフにしているということで、絵も近世の画家(←リンク先は近代の画家ですが)を想像してみたり。
 
あと何作でも劇場版を製作して公開してほしいです。

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『デッドプール&ウルヴァリン』

『デッドプール&ウルヴァリン』(原題:Deadpool & Wolverine)
監督:ショーン・レヴィ
出演:ライアン・レイノルズ,ヒュー・ジャックマン,エマ・コリン,モリーナ・バッカリン,ロブ・ディレイニー,
   レスリー・アガムズ,カラン・ソーニ,マシュー・マクファディン,忽那汐里,ブリアナ・ヒルデブランド他
 
世間が夏休みに突入したからか、毎週金曜日に新作が公開されるという基本ルールが崩れ、
週のど真ん中、水曜日に公開される作品が出てきました。
上映スケジュールを観て「えーっ!」と驚きながら、先週の封切り日に109シネマズ箕面へ。
 
“デッドプール”シリーズの第3弾。
さほどややこしい話ではないとはいえ、第2弾が2018年、第1弾は2016年だから、それなりに忘れています。
もとは特殊部隊の有能な傭兵だった男が末期癌になり、
命を引き延ばそうと人体実験を受けたら全身の皮膚がただれた不死身の男になってしまった。
それだけわかっていれば前作までを飛ばしてもこの第3弾について行けるかと。
老けメイクが苦手な私はこのメイクも苦手なんですけれど、まぁこれは老けメイクじゃないし。
 
監督は3作とも違う。第3弾の監督は大好きなショーン・レヴィ。期待大。
 
“アベンジャーズ”への参加を切望していたのに、ホーガンからあっさり却下されたデッドプール。
意気消沈しつつデッドプールとしてのヒーロー活動を引退したウェイドは、
中古車のセールスに就き、友だちには恵まれているもののどこか寂しく静かな日常を送っている。
 
そんなある日突然、TVA(時間変異取締局)に拉致連行される。
職員のパラドックスから新しい任務を与えられるが、もしもそれに従えばウェイドの生きる世界が消滅してしまう。
ということはウェイドの大切な友人たちも消えてしまうということ。
 
世界を消滅に追い込もうとしている原因は、“ウルヴァリン”ことローガンの死。
この状況を脱却するにはマルチバースからローガンの変種を見つけ出して一緒に戦うしかない。
パラドックスのもとから逃走したウェイドは、ただちにローガンを探しに行くのだが……。
 
話について行っているつもりでいたけれど、こうして書いてみるとさっぱりわからん(笑)。
ウェイドの台詞の中に「マルチバースはもうやめようよ」と、
何でもかんでもマルチバースが出てくる最近の映画を皮肉るものがあって笑った。
 
映画をいろいろ観ていないと、面白さがわからない台詞がほかにもいっぱい。
特にローガン役のヒュー・ジャックマンはいじられまくりで、
『グレイテスト・ショーマン』(2017)の曲もかかります。
また、ウェイド役のライアン・レイノルズについても、『あなたは私の婿になる』(2009)を駄作と断定、
「あんなの誰も観ていない」という台詞があって、私観ましたけどと言いたくなりました(笑)。
訛りが酷くて何を言っているのかわからない“X-MEN”メンバーは「ミニオンか」と言われていますし。
 
個人的には、パラドックス役のマシュー・マクファディンがキャスティングされていることが可笑しくて。
『プライドと偏見』(2005)でミスター・ダーシーを演じていた彼のイギリス英語が大好きです。
その英語すら間抜けな悪役っぽく聞こえます。
 
ショーン・レヴィ監督はふざけすぎかなと思わなくもないけれど、まぁ楽しい。
撮影現場もさぞかし楽しかったろうと思うのです。
こんないじり倒されるヒュー・ジャックマンを見る機会もそうそうないですしね。
 
マルチバースについてはいつになれば理解できる日が来るのかしら。私には無理やな。

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2024年7月に読んだ本まとめ

2024年7月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:2288ページ
ナイス数:667ナイス
■成瀬は信じた道をいく
私が使わない言葉のひとつに「親友」があります。双方の思いがきっちり五分ということはまずないと思うし、「私たち親友だよね」なんてお互い確かめ合うような関係も好きじゃない。だけど、友達が誰かに私のことを紹介してくれるときに「私の親友」と言われるとちょっと嬉しかったりする。成瀬は島崎のことを親友とは言わないかもしれないけれど、普通に「私の親友だ」とか言いそうで、そのときの島崎の気持ちを考えるとニヘッと笑ってしまう。お初にお目にかかる人たちもみんないいキャラだなぁ。たとえマンネリ化しようともこのまま続いてほしい。
読了日:07月04日 著者:宮島 未奈
■いちまい酒場 (講談社文庫 い 109-7)
「いちまい」は千円札1枚のこと。味噌ダレが自慢の酒場“いっぱい”では、その1枚で串揚げ4本か味噌おでんの皿にビールか焼酎も付いてくる。店主は強面ながらイケメン。傷痕のせいか“侠飯”シリーズの柳刃とかぶります。穏やかな連作短編を想像していたら、出来事が割と生々しい。この酒場の常連客はそれなりに歳を食っているゆえ、私の苦手な「オッサンあるいはオバハンの妄想」的な話も多くて。そういう私もオバハンだから、現実を見せられているようで余計にキツかったりも。だけど続編があればまた手に取って同じ感想を持つことでしょう。 
読了日:07月09日 著者:池永 陽
■朽ちないサクラ (徳間文庫)
映画版を先に観て黒幕がわかっているものだから、この狸親父め!と言いたくなっていちいち苦笑い。原作にほぼ忠実。異なるのは、亡くなった臨時職員の交際相手と彼女に関する情報の入手経緯ぐらいでしょうか。『帰ってきたあぶない刑事』と同じ原廣利監督だなんて、こんなシリアスな作品もお撮りになるとは驚く。泉役の杉咲花、その上司役の安田顕、捜査一課の刑事を演じた豊原功補、皆すばらしかったです。って、映画の感想になっちゃいました。ただただ、公安って怖いところだなぁと思う。柚月さん、こんなのを書いて公安からマークされませんか。
読了日:07月15日 著者:柚月裕子
■凶眼の魔女 (実業之日本社文庫)
それほど想像力が逞しくなくてもこの幽霊画は怖い。それ以上に「殺されるときの目」をしている肖像画が怖い。性同一性障害を周囲には隠している凄腕の女刑事。借金で首が回らなくなった末にクビになった元刑事の探偵。双方が同じ事件をそれぞれ調べる途中で出会い、お互い信頼できないまま情報を出し合います。こんなに惨い殺し方ができるものだろうかと思うほど凄絶なので、想像しなくて済むように飲酒しながら読んだら、登場人物が多くて関係も入り組んでいるせいで混乱。素面で読むべし。面白い。シリーズ化希望。って、もうとっくにされている。
読了日:07月18日 著者:吉田 恭教
■オカ研はきょうも不謹慎! (PHP文芸文庫)
久しぶりに『侠飯』を読んだら、ほかの福澤さんも読みたくなりました。だけどこの表紙に騙された。夜中に読むと怖いじゃあないか(泣)。大学のオカルト研究会のメンバーが事故物件を訪れたら、以降、怪奇現象に見舞われるメンバーが出てきます。並行して調査をおこなうオカ研。たいして怖くなかろうとナメていたら、インターホン鳴る→開ける→誰もいないのに水でびたびた。って怖すぎるやろ。意を決して最後まで読めば、やっぱり怖いのは人ということでホッ。でも誰ですか、着物の人。個人的には不気味すぎる女刑事がツボ。これも続編ありますか。
読了日:07月24日 著者:福澤 徹三
■緑陰深きところ (小学館文庫 と 12-1)
暗くて重い話なのに微かな光が見えます。想い合っていた女性と無理やり引き離されたうえに、彼女を奪い去った兄によって彼女とその娘が殺されてしまった。その兄から半世紀近く経って届いた葉書を見て、兄を殺しに行く決意をする主人公。そしてなぜだか現地まで同行することになる若者。主人公よりは若いけど、同じく昭和から令和を生きている者として、さらには大阪に馴染みがある者として、こんな話が実際にあるわけはないけれどあるかもしれないと思わされます。これもひとつのハッピーエンド。余談ですが『ボックス!』と舞台がかぶっています。
読了日:07月29日 著者:遠田 潤子

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