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『めくらやなぎと眠る女』〈字幕版〉

『めくらやなぎと眠る女』(原題:Saules Aveugles, Femme Endormie)
監督:ピエール・フォルデス
声の出演:ライアン・ボンマリート,ショシャーナ・ワイルダー,マルセロ・アロヨ,
     ピエール・フォルデス,スコット・ハンフリー,アーサー・ホールデン他
 
テアトル梅田(旧シネ・リーブル梅田)にて、前述の『仕置き人DJ』の次に。
 
フランス /ルクセンブルク/カナダ/オランダ 作品。
字幕版と吹替版が公開されています。
しかしオリジナルのフランス語版は別に存在するようで、これは英語版です。
 
タイトルの小説は村上春樹『螢・納屋を焼く・その他の短編』に収録された短編。
本作はそれと別の2つの短編集にも含まれる話を6編選び出し、再構築してアニメ化したもの。
6編というのは、表題作のほか、『かえるくん、東京を救う』『バースデイ・ガール』
『かいつぶり』『ねじまき鳥と火曜日の女たち』『UFOが釧路に降りる』です。
 
2011年、東日本大震災が起きる。
それ以後、東京に暮らす銀行員・コムラの妻・キョウコは毎日テレビの報道を見続け、
外出は一切せず、風呂にも入らず、コムラと話そうともしなかったが、ある日突然失踪。
置き手紙には、コムラのもとへ戻るつもりはないと記されていた。
 
困惑するコムラは、上司の勧めもあって1週間休暇を取ることに。
北海道へ行くと言うと、同僚から向こうに在住する女性への届け物を託される。
 
一方、コムラの同僚カタギリは、上司から無理難題を言い渡されて困り果てていた。
7億円の融資先がそれを踏み倒そうとしているから回収しろと言うのだ。
相手はどう考えてもヤクザで、顧問弁護士も会おうとすらしてくれない。
こんな話をどうすればいいというのだろう。
 
そう思いつつ帰宅すると、部屋で巨大なかえるがカタギリを待っていた。
「かえるくん」はカタギリの悩みを解決する代わりに、東京を救う手助けをしてほしいと言う。
次にまた大地震が来ることになっているから、それを一緒に阻止しようと。
半信半疑どころかまったく信じられないカタギリだったが、
その話の直後に、融資先の顧問弁護士が「払います」と言ってきて……。
 
日本の風景に日本人がいて、英語を話している不思議。
なのにあんまり違和感がなく、この世界に引きずり込まれます。
 
ただ、村上春樹ですから、わかりやすい話ではない。
学生の頃、なぜあんなに彼の本を読めたんだろうと、いま思えばそのほうが不思議です。
到底理解できなくて、面白そうな雰囲気だけを楽しんでいるうちに眠くなる(笑)。
日本独特のラブホ文化がこうしてアニメ映像として出てくるのなどは面白いのですけれど。
 
昔は思いませんでしたが、村上春樹の世界って結構ブラックなんですよね。
最近読み返した『ふしぎな図書館』なんかもグロいところがあったりして、本作の気味の悪いシーンとかぶりました。
 
でもやっぱり村上春樹は村上春樹。この世界をわかりたいと思わされます。
吹替版はコムラの声を磯村勇斗、カタギリの声を塚本晋也が担当しているそうな。そっちも観たい。
もう1回観たらわかるでしょうか。

—–

『仕置人DJ』

『仕置人DJ』(原題:DJ: Duvvada Jagannadham)
監督:ハリーシュ・シャンカル
出演:アッル・アルジュン,プージャー・ヘグデ,ラーオ・ラメーシュ,ムラリ・シャルマ,
   ヴェンネラ・キショール,スッバラージュ,ポサニ・クリシュナ・ムラリ,タニケッラ・バラニ他
 
平日の仕事帰りに出向きました。テアトル梅田にて2本ハシゴの1本目。
 
主演のアッル・アルジュンはテルグ語映画界のスター俳優のひとり。
伯母がチランジーヴィの妻ということは、ラーム・チャランのいとこになりますね。
インド映画配給のパイオニア、インドエイガジャパン株式会社が引っ張ってきた2017年の作品。
梅田まで行くのは面倒くさいなぁと思いながら行ってよかった。
 
インド南東部、アーンドラ・プラデーシュ州のヴィジャヤワーダにあるバラモンの集落。
ここで生まれ育ったドゥッヴァーダ・ジャガンナーダム・シャストリは、
シヴァ神を祭る寺院に僧侶として勤めつつ、仕出し屋料理人として腕を振るっている。
 
シャストリには実は裏の顔があった。
少年時代、宴会料理のために両親がハイデラバードへの出張するのに同行した際、
ギャングを逮捕しようとして逆に殺されそうになっていた警察官プルショッタムを助ける。
相手を撃ちまくって皆殺しにしたシャストリに驚くプルショッタムだったが、
「悪党を逮捕したところで処罰が決まるまでどれだけかかるかわからない、
その間、眠れない人がいっぱいいるのだから、とっとと消してしまうべき」というシャストリに賛同。
以降、プルショッタムがシャストリに悪党の情報を流し、シャストリがそいつらを消すように。
 
正体を隠しつつ、“DJ”という名で必殺仕置き人となったシャストリ。
殺人犯ということになるわけだが、悪党をバッタバッタと殺すDJは巷の人気者。
また、悪党たちはDJに一度会えば必ず殺されるから二度会うことはないという噂にビビりまくり。
 
あるとき、シャストリの親友ヴィグネシュが結婚することに。
挙式前に花嫁に会いたがる親友に代わり、シャストリが彼のふりをして花嫁に会う段取りをつける。
ところがそこにやってきたのは向こうも花嫁のふりをしているプージャ。
そのあまりの美貌にシャストリはすっかり虜になり、プージャもそうだと思っていたのに、
親友同士の結婚後、あっさりプージャはシャストリから離れてしまう。
 
一方、プージャの父親で州内務大臣プシュパムが娘に縁談を提案する。
プージャの相手は大金持ちのナイドゥの息子アヴィナッシュ。
実はナイドゥは悪徳建設業者で、庶民がやっとの思いで工面した金を巻き上げて家を買わせ、
その後、計画倒産をして90億ルピーを自分の懐に入れようとしていた。
しかも自分は矢面に立たずに済むように、建設会社の社長として別の人間を置く手の入れよう。
シャストリが慕っていた叔父もその詐欺に引っかかって自殺したものだから、黙ってはいられない。
 
アヴィナッシュに会ってシャストリへの想いを自覚したプージャは、シャストリのもとへ。
しかし、シャストリがDJだということも、アヴィナッシュが悪党の一味だということも知らない。
ナイドゥもシャストリがDJだということは知らないまま、
自分の息子を振った腹いせに、シャストリとプージャの顔合わせに乗り込むのだが……。
 
放題を見て、内容もちらりと読んでから鑑賞に臨みましたが、てっきりDJはディスクジョッキーだと思っていました。
ヒップホップのノリで音楽をかけながら敵をなぎ倒して行くのだと。
全然ちがって、主人公の名前“Duvvada Jagannadham”の頭文字でした(笑)。
 
もはや156分ならば短めだと思ってしまうボリウッド
本作はダンスシーンも多めで(あまり派手ではないけれど)とても楽しい。
アッル・アルジュンの顔も全然好みじゃなかったのに、最後はやっぱりカッコよく見えてくる。
 
そして特筆すべきはヒロイン役のプージャー・ヘグデの美しさ。
『ランガスタラム』(2018)にきんぴかクイーン役で出ていた女優なんですね。
そんな一瞬映ったときのことは覚えていませんが、とにかく綺麗。
『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』を観たときはスカヨハのお尻に憧れたけど、
プージャー・ヘグデのプロポーションのほうに憧れるかなぁ。
 
いつ見ても思う、まだまだインドに残るカーストの影響と女性観。それも含めて面白い。
 
もっともっとインド映画を日本に紹介してください。

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『もしも徳川家康が総理大臣になったら』

『もしも徳川家康が総理大臣になったら』
監督:武内英樹
出演:浜辺美波,赤楚衛二,GACKT,竹中直人,高嶋政宏,江口のりこ,池田鉄洋,音尾琢真,
   小手伸也,長井短,観月ありさ,野村萬斎,山本耕史,梶原善,足立英,小籔千豊,酒向芳他
 
TOHOシネマズなんばにて、前述の『このろくでもない世界で』の次に。
 
眞邊明人の同名ベストセラー小説を“翔んで埼玉”シリーズの武内英樹監督が映画化。
この監督が撮ればヒット間違いなしみたいな感じになっていますが、
どうも私は『今夜、ロマンス劇場で』(2018)辺りからこの監督が苦手なほうに入っているかもしれません。(–;
 
2020年、新型コロナウイルスが大流行。首相官邸では感染した総理大臣が急死する。
政府はAI(人工知能)技術を駆使して歴史上の偉人たちを復活させ、最強内閣をつくるという計画を実行することに。
 
こうして誕生したドリームチーム内閣の総理大臣は徳川家康(野村萬斎)。
農林水産大臣・徳川吉宗(高嶋政宏)、総務大臣・北条政子(江口のりこ)、厚生労働大臣・徳川綱吉(池田鉄洋)、
財務副大臣・石田三成(音尾琢真)、外務大臣足利義満(小手伸也)、法務大臣・聖徳太子(長井短)、
文部科学大臣・紫式部(観月ありさ)、そして土方歳三(山本耕史)は警備隊に。
 
テレビ局の政治部に勤める新人記者・西村理沙(浜辺美波)は、同部部長の森本慶一(梶原善)から、
もしも本件でスクープをものにすればアナウンス部への異動を叶えてやると言われて浮き立つ。
坂本龍馬に近づき、なんとか情報を得ようとするのだが……。
 
“翔んで埼玉”同様に、これだけのキャストですから、それを見ているだけでも楽しいはずなんですが、
私はちっとも乗れないばかりか睡魔にさえ襲われる。
主役のはずの浜辺美波は存在感なく、あたふたしている印象だけが残ります。
 
何よりゲンナリしたのは、ラストの竹中直人演じる秀吉と野村萬斎演じる家康の演説。
こんな長舌をぶたれても、耳に入ってこないし、感動もしない。
集まった聴衆が涙を浮かべんばかりの表情にも冷めまくり。
 
だけど、世間の評価は高いようなので、私がズレているということなのでしょう。
私にとっては今年のワースト級。GACTだけはよかったけれど、ほかは役者の無駄遣いだと思いました。
とはいうものの、役者の無駄遣いがなければ、見たいところが私には皆無になりそうです。
 
こんなのも素直に楽しむほうがよいのでしょうか。
どこを楽しめばいいのかわからない。(^^;

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『このろくでもない世界で』

『このろくでもない世界で』(英題:Hopeless)
監督:キム・チャンフン
出演:ホン・サビン,ソン・ジュンギ,キム・ヒョンソ,チョン・ジェグァン,
   パク・ボギョン,キム・ジョンス,チョン・マンシク,ユ・ソンジュ他
 
TOHOシネマズなんばにて。
上映スケジュールを開くまで、こんな韓国作品が公開されているとは知りませんでした。
 
監督は本作が長編デビューとなるキム・チャンフン。
原題の英語訳が“Hopeless”ですもの、つらい話であることは容易に想像できます。
 
18歳の男子高校生ヨンギュは貧しい暮らしのなか、継父からの日常的な暴力に怯えている。
継父の連れ子で義妹に当たるハヤンとの仲も決して良好とは言えないが、
同じ高校に通うハヤンがいじめられるのは看過できず、同級生である相手を殴って停学処分に。
しかも相手の親から示談金を請求され、にっちもさっちもいかなくなる。
 
バイト先の中華料理店に給料の前払いを求めたところ断られたうえに、
殴った相手から報復を受けたときに顔にできた傷を理由にバイトをクビに。
途方に暮れるヨンギュに、店の客として来ていた犯罪組織のリーダー、チゴンが金をくれる。
 
金を貯めてこの町を出たいと考えるヨンジュはチゴンのもとを訪ね、自分を雇ってほしいと頼むのだが……。
 
ヨンギュ役のホン・サビンはこれが映画初主演とのこと。知りません。
男前でもないし。でもめちゃめちゃ上手いです。
そしてチゴン役のソン・ジュンギのことも私は知らなかったのですが、
今まで知らなかったことが悔やまれるほどカッコイイ。
 
チゴンは血も涙もない人に見えるけど、ヨンギュに昔の自分を見るようで放っておけません。
言葉は少なくても優しいことが伝わってきて、最後はそれが命取りになる。切なすぎて胸が痛い。
 
ハヤン役は“BIBI”として知られるR&Bの人気歌手キム・ヒョンソだそうで、
もしも日本でリメイクするとしたら西野七瀬じゃないかなと思います。
「クソアマ」「クソ野郎」と言い合う義理の兄妹の関係がとてもよかった。
 
お金があれば幸せってことはない。でもお金がなければ絶対に困る。
貧困生活の中で虐待に耐えている子どもたちはいったいどれぐらいいるのか。
やむにやまれずサラ金で借金してとんでもないことになる親子がヨンギュ一家以外にもいて、
胸は痛むけれどどうしようもないし、どうかしようと動くこともない。そんな自分がいます。

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『サマーウォーズ』【リバイバル上映】

前述の『劇場版 モノノ怪 唐傘』とハシゴ、同じく109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
『サマーウォーズ』15周年記念と「栄おばあちゃん」の誕生日に合わせて、2週間限定のリバイバル上映。
私は上映初日の7月26日(金)に行きました。
オンライン予約したのは当日の朝で、その時点でほぼ8割の入り。
上映時間にはおそらく完売していただろうと思うのですが、私の前の2席が空いたまま。
何か用事ができて来られなかったのかなぁ。もったいない。
 
毎年夏が来ると観たくなる作品です。
ただ、私も歳を取って自分のまわりのこともいろいろ変わったからか、
最初に観た頃よりも栄おばあちゃんの電話がうざい(笑)。
こんな大変なことになっているときにあちこちの官僚だかなんだかに電話して励ますって、
ちょっと違うこたぁないですかと今回は思いました。
そもそもその官僚たちはあてになるのかしら。栄おばあちゃんの知り合いなら大丈夫!?
 
それは置いておくとして、2009年の作品なのに、全然色あせていない。
なんとなく暑さが人工的に感じる今、田舎に行ってもこんな夏の風景にはめぐりあえないかもしれないけれど、
AIの暴走は15年前よりありそうな話になっていますし、全然古さを感じません。
 
もしも本当にこんなことになったら、「よろしくお願いしまーす!!」ですよね。
一度は観てほしいサマーな映画

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