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『見える子ちゃん』

『見える子ちゃん』
監督:中村義洋
出演:原菜乃華,久間田琳加,なえなの,山下幸輝,堀田茜,吉井怜,高岡早紀,京本大我,滝藤賢一他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
原作は泉朝樹の同名人気漫画で、KADOKAWAが運営する無料コミックポータルサイト“ComicWalker”にて連載中。
監督はなんだかお久しぶりの感のある中村義洋
 
高校2年生の四谷みこ(原菜乃華)は、ある日突然、霊が見えるようになる。
霊が見えるようになったらどうすればよいのかをネットで調べたところ、徹底して無視するのがいいらしい。
その方法で毎日を無事に過ごしていたが、親友の百合川ハナ(久間田琳加)が憑かれやすい体質なのか、
親戚の葬儀に参列した翌日から肩に何かを載せてくる。
自分が「見える」ことをハナに悟られたくないみこは、なんとか言い繕ってハナを神社に連れて行き、祓う。
 
人前では「見える」ことを隠していたのに、写真部の二暮堂ユリア(なえなの)はみこが「見える」ことに気づく。
実はユリアも「見える」人で、それを隠さずに言うものだから、信じない生徒たちから変人扱いされている。
みこは変人扱いされたくないし、何があっても「見える」ことを知られたくない。
 
担任の荒井先生(堀田茜)が産休に入り、代わりに着任したのは遠野先生(京本大我)。
若くて大人しくてイケメンの遠野に女子生徒たちは舞い上がり、特にハナはぞっこんに。
ところがハナが体調を崩し、原因不明のまま入院。
その理由が遠野に憑く霊の嫉妬だと知ったみこは、ユリアと共に遠野を霊から剥がそうとするのだが……。
 
みこは両親と弟の4人暮らし。
最近復職した母親(高岡早紀)に代わって家事を担うみこに対して、母親の態度は酷いと思いました。
しかも父親(滝藤賢一)は全面的に母親の見方で、みこに謝るように言う。
アンマリだよ思っていたけれど、そういうことでしたか。レバニラのくだりには泣く。
 
また、ユリアといつも一緒にいる生徒会長・権藤昭生(山下幸輝)についてもそう。
単純に「見える」だけのホラーコメディだと思っていたら意表を突かれました。
疑わずに観ていたから鮮やかに騙され、なんだか爽やかな気分に。
 
そうだわ、中村義洋監督の作品だということを忘れていた。そりゃ中村監督ならこうなるでしょ。
大好きだった『ポテチ』(2012)を思い出す。やっぱり好きだなぁ。

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『国宝』

『国宝』
監督:李相日
出演:吉沢亮,横浜流星,高畑充希,寺島しのぶ,森七菜,三浦貴大,見上愛,
   黒川想矢,越山敬達,永瀬正敏,嶋田久作,宮澤エマ,中村鴈治郎,田中泯,渡辺謙他
 
封切り日、前述の『リロ&スティッチ』の後、TOHOシネマズ伊丹のレイトショーにて鑑賞。
予告編を含めると190分、本編175分というボリウッド顔負けの長尺
もしも109シネマズ箕面で観たら駐車サービスでカバーできませんね。(^^;
 
李相日監督が吉田修一の小説を映画化するのは『悪人』(2010)、『怒り』(2016)に続いて3度目。
吉田修一は好きな作家のうちのひとりではありますが、本作の原作は未読です。
毎日寝不足でこの長尺だと睡魔に襲われるのではという懸念も消え去る濃密な175分でした。
 
ヤクザの組長・立花権五郎(永瀬正敏)の息子として長崎で生まれた少年・喜久雄(黒川想矢)は、
一門が集う席の余興に歌舞伎女形を演じてみせる。
権太郎に招かれてその席にいた上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎(渡辺謙)は、喜久雄の才能に目を見開く。
 
ところがその直後にカチコミがあり、権太郎は喜久雄の目の前で死亡。
父の仇を討つべくしばらくは長崎にいた喜久雄だったが、半二郎に引取られてその息子・俊介(越山敬達)と出会う。
ふたりは実の兄弟同然に育てられ、厳しい稽古で互いに高め合いながら芸の道に邁進する。
 
50年という月日の流れが描かれています。
成長してからの喜久雄を吉沢亮、俊介を横浜流星が演じているのは皆さんご存じかと。
 
吉沢亮が酔っぱらって他人の部屋に侵入した事件はまったくもっていただけませんが、
本作に主演する重圧はものすごく高かっただろうと鑑賞して思いました。
普通の感覚で演技できたとは思えないぐらいの凄まじさで、飲まなやってられんぐらいの感じだったかと。
だからって人に家に間違って入るぐらい酔うのは絶対アカンけど。
 
想像していたよりも歌舞伎のシーンが多くて、むしろそれ以外のシーンの少なさに驚きました。
少年時代の子役ふたりも、吉沢と横浜の両人も、素晴らしい演技を見せてくれます。
 
人間国宝の歌舞伎役者・小野川万菊を演じる田中泯はいつもとまるで違う話し方。
生まれついての女形でそのまま90歳を超えましたという雰囲気が圧巻。
 
また、三浦貴大演じる竹野の存在が面白い。
竹野は歌舞伎興行を手がける会社の社員でありながら、「歌舞伎なんてどうせ典型的な世襲制」と最初は冷ややか。
喜久雄と犬猿の仲になるかと思いきや、喜久雄のことを認め、最後まで力になろうとするのがこの人。
 
この世界で親がいないのは首がないのと同じ。
それほど血筋が大切にされる場だけれども、血筋がなくとも芸で道を拓く。
悲劇に何度も襲われながら喜久雄がたどり着く道は、切ない美しさに魅了される175分間。
 
しかしやっぱり苦手なんですけどね、老けメイク。これが出てきた瞬間に若干(かなり)冷める私。(^^;
にしても、そこまでが美しすぎたから、この老けメイクも必要だったものと捉えることにします。
 
ちなみに本作を観たのは6月6日のことでした。
鑑賞から今日までの20日近くの間、どれだけの人から「観ましたか」と尋ねられたことか。
よほど先にUPしようかと思うところを耐えて、鑑賞順を守って本日UPに至る。
大ヒット中なのが嬉しいです。原作ファン、歌舞伎ファンの間では否定的な感想もあるようですが、
イケメンふたりがこんなに美しい姿を見せてくれる、それだけでじゅうぶんなところ、それ以上。

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『リロ&スティッチ』〈吹替版〉

『リロ&スティッチ』(原題:Lilo & Stitch)
監督:ディーン・フライシャー・キャンプ
アニメーション監督:クリステン・レポール
出演:マイア・ケアロハ,シドニー・アグドン,ザック・ガリフィナーキス,ビリー・マグヌッセン,コートニー・B・ヴァンス,
   カイポ・ドゥドワ,ティア・カレル,エイミー・ヒル,ジェイソン・スコット・リー他           
声の出演:長尾柚乃,MOMONA,長谷川忍,三ツ矢雄二,手塚秀彰,中村海人,五十嵐麗,渡辺えり,山寺宏一,深見梨加他
 
アニメであっても洋画は字幕で観る派ですが、字幕版を上映している劇場は僅少で、しかも遅い時間の1回のみとか。
機会があれば字幕版を観ることにして、とりあえず吹替版を鑑賞。TOHOシネマズ伊丹にて、封切り日の晩に。
 
ハワイ・カウアイ島。6歳のリロとその姉で18歳のナニは両親を亡くしてふたり暮らし。
想像力が豊かすぎるリロは変わり者扱いされてひとりぼっち。
フラダンスを踊っている最中に馬鹿にされたことに腹を立て、度を超えてやり返し、トラブルメーカー認定されている。
 
ナニはなんとか家計を成立させようと大学進学をあきらめて仕事をしているが、
言うことを聞かないリロにイライラすることもしょっちゅう。
児童福祉局のケコア夫人からリロを手放すほうがよいとそれとなく匂わされる。
 
ある夜、不思議な光を見たリロは流れ星だと信じて「友だちができますように」と祈る。
その光は、良心をひとかけらも持たないとして銀河を追放された破壊生物が逃走中に空から落ちてきたときのものだった。
それを見つけたリロは家に連れ帰り、スティッチと名づけて飼いたいと主張するのだが……。
 
ディーン・フライシャー・キャンプ監督の『マルセル 靴をはいた小さな貝』(2021)が好きじゃなかったのですよね。
映画を観るときはできるだけ先入観なしのフラットな状態に努めているつもりですが、最初からやっぱりこの監督は苦手だと思う。
ほぼ笑えないし、ツボが私とは違うんだと思います。
 
だいたいスティッチがまったく可愛くないんだもの。
リロも一緒になって破壊行動を繰り返し、キャッキャと笑っている。
そのせいでナニが仕事をクビになり、転職もできずにいるというのに。
途中何度か不愉快にすらなったのは、私が大人気ないのでしょうけど。(^^;
 
まぁ、最後まで観てみれば、良いお話です。
リロやナニやお隣のトゥトゥおばさんとその孫デイヴィッドのおかげでスティッチが優しい心を持つ。
銀河に連れ帰るつもりだった議長もそのことを知ってスティッチを「地球に永久追放」。
スティッチ捕獲に躍起になっていたCIAのコブラも協力するという大団円。
 
これでいいと思うけど、こうなるとやっぱり字幕版が観たくなるのです。

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『劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折』

『劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折』
監督:御所園翔太
声の出演:中村悠一,櫻井孝宏,遠藤綾,永瀬アンナ,子安武人他
 
『赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道』の後、同じくイオンシネマ茨木にて。
これもほかに観るものがないから観たのですが、『劇場版 呪術廻戦0』(2021)はめちゃめちゃ面白かった記憶があります。
 
本作はTVアニメシリーズの第2期のうち全5話で放送された「懐玉・玉折」編を劇場用に再編集したもの。
と言われても、何期まであったのかとか、全部で何話あるのかとか、全然知らないのですけれど。
『劇場版 呪術廻戦0』を観たときに「夏油(げとう)」という名字があるのかと驚いたことは印象に残っています。
 
以下、ほぼわからないまま書くあらすじ。鑑賞時に音を聞いてもわからなかった漢字だけ調べました。
 
呪術高専に通う五条悟と夏油傑は、先生から特命を受ける。
それは天元様とやらの老いを止めるため(天元様は不死だけど不老ではないらしい)、天元様と適合する人間(=星漿体)が同化するに辺り、
同化の日まで星漿体である高校生女子・天内理子を護衛せよということ。
天元様と星漿体の同化をよく思わない宗教団体やらなんやらかやらが複数あって、理子は命を狙われているらしい。
 
で、護衛する話なんですけど、呪術やら呪詛やら呪力やらの違いは私には理解できませんし、
やたらめったらややこしいのに、超面白い。
 
圧倒的な強さを誇る夏油と五条を負かしそうになる相手・伏黒甚爾の身の上には同情するところもあり、ちょっと切ない。
呪力を持たない人間を皆殺しにする道を選んだ五条がこの後どうなったのかめっちゃ気になります。
 
笑えるシーンもいっぱいあって、好きだなぁ。
前知識なしでもこれほど面白いと思えるアニメは、“鬼滅の刃”と“ 呪術廻戦”が双璧かも。

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『赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道』

『赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道』
監督:高畠勲
声の出演:山田栄子,北原文枝,槐柳二,羽佐間道夫他
 
どうして今さら『赤毛のアン』なんだと思いながら、ほかに観るものもなくてイオンシネマ茨木へ。
 
カナダ出身の作家L・M・モンゴメリが1908年に発表した“Anne of Green Gables”は、
特に子ども向けに書かれたわけではなかったのに、世界的に有名な児童文学となりました。
 
日本では1952年の初邦訳時に採用された『赤毛のアン』という邦題が受け入れられる。
1979年にフジテレビの“世界名作劇場”枠で初のTVアニメ化。
ちなみに世界名作劇場の前身は“カルピスまんが劇場”で、『ムーミン』や『フランダースの犬』が放映されました。
ほかには『アルプスの少女ハイジ』や『あらいぐまラスカル』が代表作品で、今も愛されていますよね。
 
私自身は『赤毛のアン』にさほど思い入れはなくて、話もほとんど覚えていません。
本作は全50話のTVシリーズのうち1話から6話までを1989年に高畑勲監督が監修して再編集した劇場版。
なぜか当時は公開に至らなかった幻というべき編集版なのだそうです。
2010年にようやく劇場公開が叶い、このたび再上映となりました。
 
不幸な境遇を経たのち孤児院に預けられた赤毛の少女アン・シャーリー。
ようやくマシュー&マリラ・カスバート兄妹に引き取られることになって喜んでいたのに、
駅に迎えにやってきたマシューは困惑顔。
マシューとマリラは男の子を寄越すように希望していたのに女の子が来てしまったのだ。
 
マシューが連れ帰ってきたアンを見たマリラはびっくり仰天。
すぐにアンを孤児院へ返すようにマシューに言うが、なんだか可哀想でそうできない。
業を煮やしたマリラがアンを返しに行くけれど、結局カスバート家で引き取ることにします。
 
タイトルの「グリーンゲーブルズ」はカスバート兄妹が暮らす家のこと。
プリンスエドワード島が舞台になっていて、とても美しい自然が描かれています。
 
だけど、今見るとツッコミどころが多すぎる。
マシューとマリラはアンのことを面白い子だと言うけれど、相当変わっていませんか。(^^;
だいたいしゃべり方が「~ですもの」で違和感バリバリだし、
木を見ては「雪の女王」(でしたっけ?)だとか池を「きらめく湖」と表現したり。ただの池やっちゅうねん。
 
そもそも孤児院から子どもを引き取るのに、働き手としか見ていないわけです。
『カラーパープル』ほど酷くはないけれど、言い草が今の時代なら全部アウト。
 
ただ、アンのポジティブな考え方には見習うべきところが多い。
「孤児院に預けられる以前の養母はアンタのことを大切にしてくれたのか」とマリラに問われたアンは、
「大切にしようと思っていてくれたことがわかるからいい」と答えます。
実際に大切にされたかどうかではなく、大切にしようとしていたことが伝わってきたし、
そうしようと思ってもいろんな事情でそうできないことがあるから仕方がないと。
かなり面倒くさいガキだとは思うけど、こういう考え方をすれば見え方も変わるかもと思えます。

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