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『愛しのアイリーン』

『愛しのアイリーン』
監督:吉田恵輔
出演:安田顕,ナッツ・シトイ,河井青葉,ディオンヌ・モンサント,
   福士誠治,品川徹,田中要次,伊勢谷友介,木野花他

3連休最終日に2本だけ。
1本目は大阪ステーションシティシネマにて本作を。

吉田恵輔監督の作品はどれも大好きですが、ものすごくキツイ。
作品を重ねるごとに凄絶さが増しています。
R15+になっているものの、高校生がこんなの観ちゃ駄目(笑)。
カップルで観に行くのも駄目。よほどの変態でないと。

農家の息子・宍戸岩男(安田顕)は42歳の独身男。
老いた母親・ツル(木野花)、認知症の父親・源造(品川徹)と実家暮らし。
ツルはなんとか早く岩男を結婚させようと、
ひっきりなしに見合い相手を連れてくるが、岩男は興味を示さない。

かと言って、岩男は結婚したくないわけではない。
勤務先のパチンコ店の同僚・吉岡愛子(河井青葉)のことが気になる。
その愛子から食事に誘われて有頂天。
ところが愛子がほかの同僚とヤリまくっていると聞いて愕然。
ならば自分もヤラせてもらおうと思ったのに、
愛子から「本気は困るのよね」と言い放たれる。

ヤケを起こしたか、岩男が行方不明になってツルは大騒ぎ。
そんななか源造が亡くなり、葬儀のさいちゅうに岩男が帰ってくる。
フィリピン人の嫁・アイリーン(ナッツ・シトイ)を連れて。

愛子にフラれた岩男は、貯金300万円を握りしめてフィリピンへ飛んだらしい。
行きつけのフィリピンパブのオーナーが仲介する嫁探しツアーに参加するため。
30人の嫁候補から岩男が選んだのがアイリーン。
貧しい大家族に毎月仕送りを約束して日本へと戻ったわけだが、
大事な息子をフィリピン人に盗られたとツルは激怒。

ツルに認めてもらえず、岩男は当面近所のホテルに泊まることに。
言葉も通じない女だが、妻は妻。ヤリ放題だと思いきや、アイリーンは断固拒否。
毎日生理だと偽って、触るのも触らせるのも許さず……。

バイオレンスなラブストーリー。
しかし岩男がキモすぎる。息子のひとりエッチを毎晩覗くツルもキモい。
岩男は「オ○ンコ」を連発し、こんな作品だと想像していなかったら、
この辺りで退場する人がいても不思議じゃない(笑)。

なのに涙が溢れそうになってしまったシーンもいくつか。
まず、認知症の源造が倒れる間際のシーン。
木立のなかで岩男が彫っていた文字が明らかになるシーン。
圧巻はラスト、ツルとアイリーンが雪の中を歩くシーン。
安田顕よりもむしろこのふたりが凄かったと思うのでした。

人には絶対お薦めできない。でも強く心に残る作品です。
—–

『1987、ある闘いの真実』

『1987、ある闘いの真実』(英題:When the Day Comes)
監督:チャン・ジュナン
出演:キム・ユンソク,ハ・ジョンウ,ユ・ヘジン,キム・テリ,パク・ヒスン,
   ソル・ギョング,イ・ヒジュン,ヨ・ジング,カン・ドンウォン他

TOHOシネマズなんば別館で『劇場アニメ 君の膵臓をたべたい』
TOHOシネマズなんば本館で『プーと大人になった僕』を観て、再び徒歩で心斎橋へ。
心斎橋からなんばへ向かって歩いた時間帯はまだ早かったけれど、
13時を過ぎてますます混雑しているミナミです。人、多っ!

絶対に観たかった1本です。
新聞等で目にすることも多くなっていたけれど、立ち見まで出る盛況ぶりとは。
私が朝オンライン予約したときはそんなに混んでいなかったのに、
入場30分前に発券したときは最前列に3席空きがあるのみ。
座席の周囲ぐるりと立ち見のお客さんがいてびっくりしました。

シネマート心斎橋って、立ち見客にはクッションを貸し出してくれるのですね。
最後列で立って観る人にはもちろん不要でしょうが、
左右の通路に座って観る人もいて、厚めのクッション使用。ほんとは子どもさん用?
でも、この劇場は子どもが観たがるような映画はごくたまにしかかからない。

私のすぐ後ろの席だったおっちゃんが、横の通路に座る夫婦客に声をかける。
「何、席取られへんかったん?」「まさか立ち見になるとは思てませんでしたわ」
「僕、ネットで取っとってん」「そうしよかなと思てたんですけどね」
「昨日嫁さんと娘が観にきてな、めっちゃよかった言うてて。
お父さん、行くなら席予約したほうがええで言われて。昨日も満席やったそうですわ」
「観に行った人がみんな絶賛ですわ。でもこんなに入っているとは、ナメてました」。
……これ、赤の他人同士の会話ですからね。なんか可笑しくて。
こういう会話は東京ではもちろん、キタでも出ないと思う。楽しきミナミ。

観に行った人みんな絶賛。はい、過剰表現ではないと思います。

冒頭、テロップに「実話を基にしたフィクション」。
軍事政権下の韓国で起きた事件を基にした最近の公開作品といえば、
『弁護人』(2013)、『タクシー運転手 約束は海を越えて』(2017)。
実話ではないまでも、『ありふれた悪事』(2016)も同様の事件がモチーフ。
日本がバブル景気にさしかかったころ、韓国ではこんなことが起きていたなんて。

1987年1月14日、ソウル大学の学生が南営洞対共分室で死亡。
南営洞対共分室とは民主化運動の弾圧機構として設置されていたもので、
当局からアカと認定された人物は、取り調べと称する拷問を受けていた。
南営洞対共分室を仕切る内務部治安本部対共捜査所のパク所長は、
拷問致死の証拠を消すため、ただちに遺体の火葬を部下たちに命じる。

警察から届いたあまりにはやい火葬の申請に、チェ検事は疑念を抱く。
心臓発作とは大嘘で、拷問で死に至らしめたのではないか。
明朝司法解剖してからでないと火葬を認めないと言い切る。
チェ検事が断固として引かずに解剖した結果、拷問致死があきらかとなる。

あちこちから圧力がかかることなど、チェ検事には想定内。
マスコミにリークし、事件が闇に葬り去られることのないよう手はずを整える。
チェ検事の思惑どおりにマスコミが動き出すが、
パク所長の背後には警察のみならず大統領までが付いている。
パク所長は部下2名に責任を押しつけて幕引きを図るのだが……。

企画が上がったのはちょうど例のパク・クネ政権時代。
表現の弾圧が厳しくて、何もかもが秘密裡におこなわれたそうです。
資金集めも困難を極めていた折り、実力も人気もある俳優たちが参加を表明。
学生運動家役として出演しているカン・ドンウォンの表明も大きかったとか。
オ・ダルスがカメオ的に出演しているのも「表明」でしょうね。

パク所長役のキム・ユンソク、チェ検事役のハ・ジョンウ
刑務所の看守役のユ・ヘジン、その娘役のキム・テリ、みんな素晴らしかったです。
非常にわかりやすく描かれていて、眠る隙など1秒もなし。

こんな作品を観ると、『検察側の罪人』などはえらく腑抜けな作品に思えてしまう。
いくらシネマートが満席だからといって、
『カメラを止めるな!』のような拡大公開になる可能性はない作品ですが、
観る人が少しでも多ければ。

通路に座っていたおばちゃんはボロ泣きしていました。もちろん私も。
—–

『プーと大人になった僕』

『プーと大人になった僕』(原題:Christopher Robin)
監督:マーク・フォースター
出演:ユアン・マクレガー,ヘイリー・アトウェル,ブロンテ・カーマイケル,マーク・ゲイティス他
声の出演:ジム・カミングス,ニック・モハメッド,ブラッド・ギャレット,
     ソフィー・オコネドー,ピーター・キャパルディ,トビー・ジョーンズ他

前述の『劇場アニメ 君の膵臓をたべたい』はTOHOシネマズなんば別館で。
本作は本館で。なのに上映終了と上映開始が同じというハシゴを決行。
『キミスイ』をエンドロール最後まできちんと観てからでも余裕でした。
ただし、観光客だらけの間をシュシュシュッと抜けて本館に向かわねばなりません。

この手の実写ものは正直言ってあまり好みではありません。
だけど、『パディントン2』とか『ピーターラビット』とか意外と面白かったし、
これは大好きなユアン・マクレガーが出ているのです。
しかも監督はマーク・フォースター『君のためなら千回でも』(2007)なんて、
いまだにタイトルを聞いただけで泣きそうになりますもん。

少年クリストファー・ロビンが暮らすのは、
ロンドンの南東部イーストサセックス州にある小さな村ハートフィールド。
自宅裏の大木が“100エーカーの森”に続いていることを知るのは
クリストファーと彼の親友、くまのプーとその仲間たちだけ。
幼少時をそこで楽しく過ごしていたクリストファーだったが、
良い教育を受けて良い職に就くためにと、ロンドンの寄宿学校へ転校させられる。
絶対に忘れないと誓い合い、別れたクリストファーとプーたち。

何十年という時が流れ、戦争も経験し、クリストファーはある会社に就職。
妻イヴリンと娘マデリンに恵まれ、会社でもそこそこのポジションに。
しかし業績不振に陥り、調子のいい上司から打開策を練るよう命じられる。
おかげで家族との休日を返上せざるを得なくなり、
休暇を過ごすはずだった故郷へイヴリンとマデリンを送り出す。

なかなか良い案が思い浮かばず、気の好い社員のリストラも致し方なしと考えはじめた頃、
クリストファーの前に突如としてあのプーが現れる。
森から仲間たちがいなくなったらしく、プーはクリストファーに助けを求めるが、
仕事のことで頭がいっぱいのクリストファーにとってプーの存在は煩わしいだけ。
とりあえずプーを森へ送り返すことにするのだが……。

ついつい「くまのプーさん」が1920年代に発表された児童書だということを忘れがち。
本作を観れば、世界が沈んでいた時期に登場したプーさんが、
いかに人びとの心を明るくしたかがわかるような気がします。

仕事にいそしむのは仕方のないこと。
だけどそればかりだといつしかアタマがかたくなり、効率が悪くなっていることもある。
「逆転の発想」が面白いし、それをわかる社長がいる会社もイイ。

これからも読み継がれていく本でありますように。
—–

『劇場アニメ 君の膵臓をたべたい』

『劇場アニメ 君の膵臓をたべたい』
監督:牛嶋新一郎
声の出演:高杉真宙,Lynn,藤井ゆきよ,内田雄馬,
     三木眞一郎,田中敦子,福島潤,和久井映見他

先週の3連休の中日、夕方ダンナと心斎橋で待ち合わせ。
ミナミへ車を運転して行くのは嫌やなぁとダンナが言うから、私が車を使うことに。
夕方までになんばで2本、心斎橋で1本観る予定を立て、
朝8時過ぎに家を出て、心斎橋のタイムズに車を駐めました。
まだまだ「大阪メトロ」と言うことに慣れない地下鉄、
心斎橋からなんばまで乗るべきか迷ったけれど、
駐車したタイムズから心斎橋まで歩くのとなんばまで歩くのとを比べたら、
さほど変わるわけではない。時間もあったのでなんばまでテクテク。

台風の影響で激減していた外国人観光客。
前週になんばへ行ったときは、そのせいで最近のミナミと違っていましたが、
この週はもうほとんど元通りのミナミ
よくもそんなデカいスーツケースをごろごろと引っ張って歩けるものです。(^^;
彼らの隙を縫いながら歩いてTOHOシネマズなんば別館に到着。

実写版『君の膵臓をたべたい』(2017)のアニメ版。
原作は実写版を観る前に読了しています。
たぶん、このアニメ版を観る人は、原作か実写版、
もしくはコミックのいずれかで『キミスイ』を体験している人だと思うので、
ネタバレにはならないと決めつけて。

アニメ版は桜良がすでに死んだ後、「君」が彼女に送ったメールの一文から始まります。
それが「君の膵臓をたべたい」なわけですけれど。
隣席の高校生男子二人連れは、「え、ここからなん?」と驚いていました。
私も「へ~」と意外に思いましたが、基本的には原作に忠実で、
実写版のように桜良の親友・恭子の結婚式や、教師になった「君」のシーンも無し。

絵も嫌いじゃないし、胸を打たれるシーンもありました。
しかしアマノジャクだから、些細なことが気にかかる(笑)。
たとえば、実にしょうもないことなのですが、
カフェのメニューの「アボガド」は「アボカド」のほうがいいよなぁとか。
同級生やったら名前ぐらい知らんかなぁとか。下の名前までは知らないか。
君はこんなにも読書家なのに、「まだ未読」などという重複を平気で使うのかとか。
「お門違いでしょうが、泣いてもいいですか」というのもなんとなく気持ち悪い。
間違ってはいない気もするものの、
「こんなこと聞くのはお門違いかもしれませんが」だったら違和感なかったかも。
いや、高校生男子が同級生の母親に向かって「お門違いでしょうが」というのはやはり違和感あります。

いやはや、面倒くさいですよね、私。すみません。(^^;
『SUNNY 強い気持ち・強い愛』を観たときに続き、
「まだ未読」なんて台詞を言わされて「重複です」とは指摘できないものですか。
正しい言葉だけが大事だと言いたいのではありません。崩したってかまわない。
でも、重複は崩す以前の問題で、こんなの洒落にも何もならないもの。
映像を大切にする度合いに対して、台詞の言葉遣いを大切にする度合いが低い。
そんなことを感じる今日この頃です。

ちなみにこの日のTOHOシネマズなんば別館では、入場開始時に
「ただいまから『君の膵臓をたべたい』をご入場します」と繰り返しアナウンスしていました。
「ご入場します」って、誰が? その「ご」は誰に向けて付けられているの?
ズッコケそうになったっちゅうの。
—–

『MEG ザ・モンスター』

『MEG ザ・モンスター』(原題:The Meg)
監督:ジョン・タートルトーブ
出演:ジェイソン・ステイサム,リー・ビンビン,レイン・ウィルソン,ルビー・ローズ,
   マシ・オカ,ウィンストン・チャオ,ジャシカ・マクナミー他
年に一度の自治会の大掃除だった日。
大きな声では言えませんが、毎年「雨が降ったら中止なのになぁ」と思っています。
でも今年だけは違いました。なんてったって、台風21号が通過して初めての日曜日。
そこらじゅう木の枝や葉っぱだらけで、ワケのわからないものまで飛んできている。
台風翌日に友人からメールがきて、「うどんの麺が飛んでいた。
たぶん讃岐うどん。コシが強そうだったから」とあったのには笑いました。
残念ながらわが家近辺には讃岐うどんは飛んでこなかったけど、
とにかくえらいことになっている近所一帯を掃除できるよう、晴れますように、
晴れが無理ならせめて曇りでありますようにとどれほど祈ったか。
掃除開始時間は曇りだったから、とりあえず着手。
ところが15分と経たずにパラパラっときて、そのうち土砂降りに。
ずぶ濡れになって、早々と解散。
うーむ、残念。どうにも気になっていたところだけは片づけたからいいけれど。
シャワーを浴びてもまだ10時。
だからって映画は観に行けない。きっともう駐車場が混んでいる時間だから。
劇場に行くのはあきらめて、レンタルしていた映画のDVD2本を観る。
わが家の定刻の16時に晩ごはんを食べ、そや、今から劇場へ行けばええやんか。
ダンナに「映画1本観てくる」と言い残して、109シネマズ箕面へ。
18時過ぎから上映の本作を鑑賞。
スキンヘッド、いや、ハゲ俳優の中で私はたぶんいちばん好き、
原作はスティーヴ・オルテンのベストセラー。
しかし、1997年に『MEG』として刊行されたあと、『メガロドン』に改題して文庫化、
今回の映画化にさいして『MEG ザ・モンスター』と邦題に合わせて再刊行。
どんだけ儲ける気やねん、カドカワ。
そのときは他社の宣伝なんてと感激したけれど、やっぱりKADOKAWAが儲けるのね。(^^;
地球で最も深い海とされるマリアナ海溝
それを超える深海が発見され、沖合に浮かぶ海洋研究所の探査チームが、
最新の潜水艇に乗り込んで人類未到の地を目指す。
深海の海域を超えたところに広がる幻想的な生物世界に、探査チームはうっとり。
その映像を見た研究所員たちも世紀の発見だと喜んだそのとき、
潜水艇が巨大な何かに襲われ、身動きが取れなくなってしまう。
探査チームを救うために呼び出されたのは、深海レスキューダイバーのジョナス。
5年前、ジョナスは探査チームのメンバーだったが、
今回同様、何かに体当たりされ、1名を見捨てる形で深海から脱出した。
ジョナスが言う「何か」の存在を信じようとしない研究所員らから糾弾され、
いまはタイに渡って隠遁生活を送っていた。
当時のジョナスの話を今ごろになって信じざるを得なくなり、
深海のことを知り尽くしたジョナスに頼ることに。
最初は断固として拒否したジョナスだが、元妻も潜水艇にいると知って致し方なく。
ジョナスが向かったところ、またしても巨大な何かが出没。
それは200万年前に絶滅したと思われていた巨大ザメ“メガロドン”で……。
こんなの、架空のサメだと思っていたら、実在したのですね。
全長15~25メートルほど、体重は20トンもあるらしい。
凄い牙で、何でもむしゃむしゃバリバリ食べてしまうのですから、怖いったら。
怖いですけどね、ジェイソン・ステイサムだから、
絶対無事で還ってくるに決まっています。
同じくハゲのブルース・ウィリス『アルマゲドン』(1998)で還ってこなかったけど、
ジェイソン・ステイサムとドウェイン・ジョンソンはまだまだ還ってくるでしょう(笑)。
何も書くことがないぐらいフツーに面白い。
ただ、このごろ気になるのは、中国資本の作品がたぶん増えていて、
ハリウッド映画でもやたらと中国人俳優の出演率が高い。
ちょい役とかじゃなく、本作でもジェイソンのお相手のヒロインまでそう。
その女優リー・ビンビンは中国を代表する女優ですが、
このところもっぱらハリウッド映画大作に出演しています。
子役のソフィア・ツェイはめちゃめちゃ可愛くて上手かったから、
良い役者にどこの国の人かなんて関係ないとは思うけれど、
近年の主役級の扱いを見ると、中国に気を遣っている部分もあるのではないかと。
暗くも難しくもないので、ワーッと観に行ってワーッと楽しむ。それだけ(笑)。

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