MENU
ChatGPT-Image01
ChatGPT-Image02
ChatGPT-Image03
ChatGPT-Image04
ChatGPT-Image05
previous arrow
next arrow

『パーフェクト・ボウル 運命を賭けたピン』

『パーフェクト・ボウル 運命を賭けたピン』(英題:Sprit)
監督:チェ・ククヒ
出演:ユ・ジテ,イ・ジョンヒョン,イ・デヴィッド,チョン・ソンファ,クォン・ヘヒョ他

たまにはDVD鑑賞した作品のことも書いてみます。

日本ではDVDスルー、2016年の韓国作品。
なかなか覚えられない韓流俳優の名前ですが、
本作を観て覚えた俳優がひとり増えました。ユ・ジテ
過去の出演作を確かめたら、これまでも見ていたはずなのに、
もしかすると悪役が多かったのでしょうか。
これ1本で大好きになりました。もうたまらん。

クサい副題が付いていますけれど、原題はシンプルに“Sprit”。
あまりに気に入ったので、DVDを注文済み。

かつてパーフェクトゲームを達成したことのある元プロボウラー、チョルジョン。
大スターだったのに、事故で脚を負傷し、選手生命を絶たれる。
今は旧友の女性ブローカー、ヒジンが持ち込む非合法な賭けボウリングで糊口をしのぐ日々。

そのヒジンには父親から譲り受けたボウリング場がある。
しかし、経営難に陥って借金のかたに取られてしまった。
ボウリング場を取り戻せるか否かは、チョルジョンの腕にかかっている。

ボウリング場で雑用係の職を得たチョルジョンは、
毎日ひとりでやってくる不思議な青年を見つける。
彼はヨンフンといい、自閉症。へんてこなフォームのくせにストライクを連発。
これはイケると直感、チョルジョンはヒジンとともにヨンフンをスカウト。

ヨンフンは抵抗を見せながらも賭けボウリングの仲間に。
チョルジョンとヨンフンが組んで連戦連勝。
荒稼ぎして、ヒジンがボウリング場を取り戻す日も近いと思われたが……。

チョルジョン役にユ・ジテ。ヨンフン役にイ・デヴィッド
上手い。めちゃくちゃ上手い。

なぜか名前を呼ばれると取り乱すヨンフン。
ほかの人の言うことは聞かないのに、チョルジョンの言うことだけは聞くし、
誰とも目を合わそうとしないのに、チョルジョンとだけは目を合わせます。

チョルジョンとヨンフンの絆に感じ入り、このコンビをいつまでも見ていたくなる。
だけど話は穏やかには進まず、バイオレンスな展開に。
悪い奴はほっんとに悪いから。こんなに憎々しく演じなくても(笑)。
賭場での駆け引きもめちゃくちゃ面白かった。

どうしてこれを劇場公開してくれなかったのか。
ユ・ジテの表情に泣かされます。
一応のハッピーエンドもちょっぴり切なくて、なんとも言えない余韻。
—–

『ザ・プレデター』

『ザ・プレデター』(原題:The Predator)
監督:シェーン・ブラック
出演:ボイド・ホルブルック,トレヴァンテ・ローズ,ジェイコブ・トレンブレイ,
   キーガン=マイケル・キー,オリヴィア・マン,スターリング・K・ブラウン他

大阪ステーションシティシネマでヘヴィーすぎる『愛しのアイリーン』を観て、
TOHOシネマズ梅田へ移動。これはアタマ空っぽにして観られるはず。

言わずと知れた“プレデター”シリーズ。
1作目はジョン・マクティアナン監督の『シュワルツェネッガー/プレデター』(1987)でした。
本作のシェーン・ブラック監督は、
その1作目にシュワちゃん率いる特殊部隊の隊員として出演していたそうです。へ~っ。

予告編を観て、“プレデター”といえばジャングルの中なのに、街なかの話なのかな、
イマ風か知らんけど、なんか超合金っぽいし、
“トランスフォーマー”とか“パシフィック・リム”と変わらんやんと思っていました。

しかし始まってみたら、やっぱりジャングルの中。
超合金っぽくもなく、ものすごくグロいです(笑)。
物語は1987年版の続きという設定。

米軍特殊部隊のスナイパーであるクイン・マッケンナは、
暗殺作戦に従事中、突如現れた宇宙船の墜落に巻き込まれる。
墜落地点に向かうと、宇宙船の搭乗員らしきエイリアン“プレデター”と遭遇。
仲間を皆殺しにされるが、クインはかろうじて生き残り、
宇宙船の残骸の中に見つけたプレデターの装備品を入手する。

きっと厄介なことになると確信したクインは、その装備品を自らの私書箱に送るが、
私書箱に入りきらずに自宅まで届けられ、一人息子のローリーに開けられてしまう。

知的障害を持ちながら、ある分野に天才的な能力を見せるローリーは、
プレデターの装備品を起動させることに成功。
起動された結果、プレデターがローリーの存在を知ることになる。

政府がひた隠しにする「見てはいけないもの」を見てしまったせいで、
精神病院に入れられることとなったクイン。
元軍人の同じく厄介者と共に搬送される途中、
生態学者のケイシー・ブラケットがクインとの面会を希望。
ケイシーがいる秘密基地へと寄ることになるが、
その秘密基地では捕縛されたプレデターが息を吹き返していて……。

最前列中央席で観ました。迫力があって(笑)、楽しかったです。

主役のボイド・ホルブルックは顔と声にギャップがある。
声はシルヴェスター・スタローンに似てません?

クインと一緒に戦う元傭兵軍団が良いんです。
個性豊かで、頼りになる面々。みんな生き残ってほしかったけど。
軍団のうちのひとりにトーマス・ジェーンの名前が。
見ているときは気がつきませんでしたが、エンドロールで「えっ」。
確か昔サメに襲われる映画に出ていた人と思ったら、ドンピシャでした。
その『ディープ・ブルー』(1999)では主役を張るほどだったから、まぁまぁイケメンだったのに。
こんなイカれたジジイ役になっているなんて。

ローリー役のジェイコブ・トレンブレイはやはり上手い。
この子、将来どんなふうになるのでしょう。彼の今後にも注目。

人間に近い体型で、昆虫とか甲殻類ぽいのってグロいんだなぁ。
あまり気持ちよくはありません。(^^;
—–

『愛しのアイリーン』

『愛しのアイリーン』
監督:吉田恵輔
出演:安田顕,ナッツ・シトイ,河井青葉,ディオンヌ・モンサント,
   福士誠治,品川徹,田中要次,伊勢谷友介,木野花他

3連休最終日に2本だけ。
1本目は大阪ステーションシティシネマにて本作を。

吉田恵輔監督の作品はどれも大好きですが、ものすごくキツイ。
作品を重ねるごとに凄絶さが増しています。
R15+になっているものの、高校生がこんなの観ちゃ駄目(笑)。
カップルで観に行くのも駄目。よほどの変態でないと。

農家の息子・宍戸岩男(安田顕)は42歳の独身男。
老いた母親・ツル(木野花)、認知症の父親・源造(品川徹)と実家暮らし。
ツルはなんとか早く岩男を結婚させようと、
ひっきりなしに見合い相手を連れてくるが、岩男は興味を示さない。

かと言って、岩男は結婚したくないわけではない。
勤務先のパチンコ店の同僚・吉岡愛子(河井青葉)のことが気になる。
その愛子から食事に誘われて有頂天。
ところが愛子がほかの同僚とヤリまくっていると聞いて愕然。
ならば自分もヤラせてもらおうと思ったのに、
愛子から「本気は困るのよね」と言い放たれる。

ヤケを起こしたか、岩男が行方不明になってツルは大騒ぎ。
そんななか源造が亡くなり、葬儀のさいちゅうに岩男が帰ってくる。
フィリピン人の嫁・アイリーン(ナッツ・シトイ)を連れて。

愛子にフラれた岩男は、貯金300万円を握りしめてフィリピンへ飛んだらしい。
行きつけのフィリピンパブのオーナーが仲介する嫁探しツアーに参加するため。
30人の嫁候補から岩男が選んだのがアイリーン。
貧しい大家族に毎月仕送りを約束して日本へと戻ったわけだが、
大事な息子をフィリピン人に盗られたとツルは激怒。

ツルに認めてもらえず、岩男は当面近所のホテルに泊まることに。
言葉も通じない女だが、妻は妻。ヤリ放題だと思いきや、アイリーンは断固拒否。
毎日生理だと偽って、触るのも触らせるのも許さず……。

バイオレンスなラブストーリー。
しかし岩男がキモすぎる。息子のひとりエッチを毎晩覗くツルもキモい。
岩男は「オ○ンコ」を連発し、こんな作品だと想像していなかったら、
この辺りで退場する人がいても不思議じゃない(笑)。

なのに涙が溢れそうになってしまったシーンもいくつか。
まず、認知症の源造が倒れる間際のシーン。
木立のなかで岩男が彫っていた文字が明らかになるシーン。
圧巻はラスト、ツルとアイリーンが雪の中を歩くシーン。
安田顕よりもむしろこのふたりが凄かったと思うのでした。

人には絶対お薦めできない。でも強く心に残る作品です。
—–

『1987、ある闘いの真実』

『1987、ある闘いの真実』(英題:When the Day Comes)
監督:チャン・ジュナン
出演:キム・ユンソク,ハ・ジョンウ,ユ・ヘジン,キム・テリ,パク・ヒスン,
   ソル・ギョング,イ・ヒジュン,ヨ・ジング,カン・ドンウォン他

TOHOシネマズなんば別館で『劇場アニメ 君の膵臓をたべたい』
TOHOシネマズなんば本館で『プーと大人になった僕』を観て、再び徒歩で心斎橋へ。
心斎橋からなんばへ向かって歩いた時間帯はまだ早かったけれど、
13時を過ぎてますます混雑しているミナミです。人、多っ!

絶対に観たかった1本です。
新聞等で目にすることも多くなっていたけれど、立ち見まで出る盛況ぶりとは。
私が朝オンライン予約したときはそんなに混んでいなかったのに、
入場30分前に発券したときは最前列に3席空きがあるのみ。
座席の周囲ぐるりと立ち見のお客さんがいてびっくりしました。

シネマート心斎橋って、立ち見客にはクッションを貸し出してくれるのですね。
最後列で立って観る人にはもちろん不要でしょうが、
左右の通路に座って観る人もいて、厚めのクッション使用。ほんとは子どもさん用?
でも、この劇場は子どもが観たがるような映画はごくたまにしかかからない。

私のすぐ後ろの席だったおっちゃんが、横の通路に座る夫婦客に声をかける。
「何、席取られへんかったん?」「まさか立ち見になるとは思てませんでしたわ」
「僕、ネットで取っとってん」「そうしよかなと思てたんですけどね」
「昨日嫁さんと娘が観にきてな、めっちゃよかった言うてて。
お父さん、行くなら席予約したほうがええで言われて。昨日も満席やったそうですわ」
「観に行った人がみんな絶賛ですわ。でもこんなに入っているとは、ナメてました」。
……これ、赤の他人同士の会話ですからね。なんか可笑しくて。
こういう会話は東京ではもちろん、キタでも出ないと思う。楽しきミナミ。

観に行った人みんな絶賛。はい、過剰表現ではないと思います。

冒頭、テロップに「実話を基にしたフィクション」。
軍事政権下の韓国で起きた事件を基にした最近の公開作品といえば、
『弁護人』(2013)、『タクシー運転手 約束は海を越えて』(2017)。
実話ではないまでも、『ありふれた悪事』(2016)も同様の事件がモチーフ。
日本がバブル景気にさしかかったころ、韓国ではこんなことが起きていたなんて。

1987年1月14日、ソウル大学の学生が南営洞対共分室で死亡。
南営洞対共分室とは民主化運動の弾圧機構として設置されていたもので、
当局からアカと認定された人物は、取り調べと称する拷問を受けていた。
南営洞対共分室を仕切る内務部治安本部対共捜査所のパク所長は、
拷問致死の証拠を消すため、ただちに遺体の火葬を部下たちに命じる。

警察から届いたあまりにはやい火葬の申請に、チェ検事は疑念を抱く。
心臓発作とは大嘘で、拷問で死に至らしめたのではないか。
明朝司法解剖してからでないと火葬を認めないと言い切る。
チェ検事が断固として引かずに解剖した結果、拷問致死があきらかとなる。

あちこちから圧力がかかることなど、チェ検事には想定内。
マスコミにリークし、事件が闇に葬り去られることのないよう手はずを整える。
チェ検事の思惑どおりにマスコミが動き出すが、
パク所長の背後には警察のみならず大統領までが付いている。
パク所長は部下2名に責任を押しつけて幕引きを図るのだが……。

企画が上がったのはちょうど例のパク・クネ政権時代。
表現の弾圧が厳しくて、何もかもが秘密裡におこなわれたそうです。
資金集めも困難を極めていた折り、実力も人気もある俳優たちが参加を表明。
学生運動家役として出演しているカン・ドンウォンの表明も大きかったとか。
オ・ダルスがカメオ的に出演しているのも「表明」でしょうね。

パク所長役のキム・ユンソク、チェ検事役のハ・ジョンウ
刑務所の看守役のユ・ヘジン、その娘役のキム・テリ、みんな素晴らしかったです。
非常にわかりやすく描かれていて、眠る隙など1秒もなし。

こんな作品を観ると、『検察側の罪人』などはえらく腑抜けな作品に思えてしまう。
いくらシネマートが満席だからといって、
『カメラを止めるな!』のような拡大公開になる可能性はない作品ですが、
観る人が少しでも多ければ。

通路に座っていたおばちゃんはボロ泣きしていました。もちろん私も。
—–

『プーと大人になった僕』

『プーと大人になった僕』(原題:Christopher Robin)
監督:マーク・フォースター
出演:ユアン・マクレガー,ヘイリー・アトウェル,ブロンテ・カーマイケル,マーク・ゲイティス他
声の出演:ジム・カミングス,ニック・モハメッド,ブラッド・ギャレット,
     ソフィー・オコネドー,ピーター・キャパルディ,トビー・ジョーンズ他

前述の『劇場アニメ 君の膵臓をたべたい』はTOHOシネマズなんば別館で。
本作は本館で。なのに上映終了と上映開始が同じというハシゴを決行。
『キミスイ』をエンドロール最後まできちんと観てからでも余裕でした。
ただし、観光客だらけの間をシュシュシュッと抜けて本館に向かわねばなりません。

この手の実写ものは正直言ってあまり好みではありません。
だけど、『パディントン2』とか『ピーターラビット』とか意外と面白かったし、
これは大好きなユアン・マクレガーが出ているのです。
しかも監督はマーク・フォースター『君のためなら千回でも』(2007)なんて、
いまだにタイトルを聞いただけで泣きそうになりますもん。

少年クリストファー・ロビンが暮らすのは、
ロンドンの南東部イーストサセックス州にある小さな村ハートフィールド。
自宅裏の大木が“100エーカーの森”に続いていることを知るのは
クリストファーと彼の親友、くまのプーとその仲間たちだけ。
幼少時をそこで楽しく過ごしていたクリストファーだったが、
良い教育を受けて良い職に就くためにと、ロンドンの寄宿学校へ転校させられる。
絶対に忘れないと誓い合い、別れたクリストファーとプーたち。

何十年という時が流れ、戦争も経験し、クリストファーはある会社に就職。
妻イヴリンと娘マデリンに恵まれ、会社でもそこそこのポジションに。
しかし業績不振に陥り、調子のいい上司から打開策を練るよう命じられる。
おかげで家族との休日を返上せざるを得なくなり、
休暇を過ごすはずだった故郷へイヴリンとマデリンを送り出す。

なかなか良い案が思い浮かばず、気の好い社員のリストラも致し方なしと考えはじめた頃、
クリストファーの前に突如としてあのプーが現れる。
森から仲間たちがいなくなったらしく、プーはクリストファーに助けを求めるが、
仕事のことで頭がいっぱいのクリストファーにとってプーの存在は煩わしいだけ。
とりあえずプーを森へ送り返すことにするのだが……。

ついつい「くまのプーさん」が1920年代に発表された児童書だということを忘れがち。
本作を観れば、世界が沈んでいた時期に登場したプーさんが、
いかに人びとの心を明るくしたかがわかるような気がします。

仕事にいそしむのは仕方のないこと。
だけどそればかりだといつしかアタマがかたくなり、効率が悪くなっていることもある。
「逆転の発想」が面白いし、それをわかる社長がいる会社もイイ。

これからも読み継がれていく本でありますように。
—–