MENU
ChatGPT-Image01
ChatGPT-Image02
ChatGPT-Image03
ChatGPT-Image04
ChatGPT-Image05
previous arrow
next arrow

『ビブリア古書堂の事件手帖』

『ビブリア古書堂の事件手帖』
監督:三島有紀子
出演:黒木華,野村周平,成田凌,夏帆,東出昌大,桃果,渡辺美佐子他

ムビチケか何か、前売り券を購入しようと思ったのに、ない。
公式サイトに「チケット予約」のボタンがあって、
どこの劇場で観る場合もそこから予約できるようになっています。
こんなの初めて観ました。なんだこりゃ。でも定価だし。
そこから予約する意味がないので、普通にTOHOシネマズのページから伊丹を選択、
楽天Payで楽天スーパーポイントを使って予約。

三島有紀子監督は同窓生ゆえ、応援したい気持ちは十二分にあるけれど、
これまでの作品はどうもファンタジックなところとか
登場人物の言葉遣いがお上品すぎて鼻につき(笑)、イマイチ好きになれず。
本作はお上品すぎることにはならない(?)野村周平のせいかおかげか、
三島監督の作品の中ではいちばん普通に思えて気に入りました。
単に私が野村くん贔屓だからかもしれません。(^^;

五浦大輔(野村周平)は、亡くなった祖母・絹子(渡辺美佐子)の遺品を整理中、
夏目漱石の『それから』にサインがあるのを発見。
その真贋を確かめてもうらおうと、古書店“ビブリア古書堂”を訪ねる。

店主の篠川栞子(黒木華)は物静かで人見知りのようだが、
古書のこととなると我を忘れて話し続ける不思議な女性。その知識に圧倒される大輔。
栞子はサインを贋物と断言するが、そこに絹子の秘密が隠されていると口をすべらす。
大輔が問うと、絹子のプライバシーに関わることだから話せないと言う。

しかし、就職浪人中だった大輔は、栞子の妹・文香(桃果)の強引な誘いもあって、
ビブリア古書堂でアルバイトをすることに。
栞子から少しずつサインの謎を聴くように。
そこには絹子が死ぬまで家族にもひた隠しにしてきた悲恋が……。

若かりし頃の絹子に夏帆、道ならぬ恋の相手に東出昌大
ネット専門のコミックショップの経営者に成田凌
その客に『検察側の罪人』で快演を見せた酒向芳など。
それにしてもこの公式サイト、キャストを端折りすぎでは。
紹介されているのはわずか5人で、渡辺美佐子すらないんですから。

私は「普通っぽい三島監督作品」で悪くないと思いましたが、
原作ファンには評判が悪いようですね。
あまりに売れた本で、気づいたときには何巻にも及んでいたため、
私はまだ1冊も読んでいないのです。それがよかったのかも。

とはいうものの、思ったよりよかったという程度。
栞子を襲う事件の犯人がサイコすぎて、作品の雰囲気と合っていない。
しかも放火して殺人未遂まで起こしているのに逮捕もされないなんて。
この辺りはやはり今までの三島監督の作品と同じく、現実離れしているかと。

悲恋のシーンはよかったし、映像も美しかった。
なんだかんだで上品、その中にサイコがあってアンバランス。
そんな印象です。ただ、原作は読みたくなりました。
—–

『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』

『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』
監督:波多野貴文
出演:波瑠,西島秀俊,岡山天音,深水元基,戸田昌宏,朝倉えりか,
   久保酎吉,コング桑田,中村倫也,濱田マリ,橋本愛,柄本明他

TOHOシネマズ伊丹で2本ハシゴの2本目。

原作は小森陽一の『オズの世界』と聞いても、
その小森さんとやらのお名前を私は聞いたことがなく、どんな人だろうと調べたら、
小説家で漫画原作者で脚本家なのですと。
“海猿”シリーズ、“S―最後の警官―”シリーズの原案や脚本を担当。
『252 生存者あり』(2008)もこの人の原作なのだそうな。
前述の『あいあい傘』の宅間孝行といい、多才な人だらけ。

大学を卒業し、超一流ホテルチェーンに就職した波平(波瑠)。
ここを就職先に決めたのは、大好きな彼氏(中村倫也)が勤めているから。
これで会社でも会えると喜んでいたのに、配属先はまさかの地方都市。
系列会社が運営する遊園地“グリーンランド”勤務の辞令が下りる。

嫌々たどり着いた“グリーンランド”ではみんながハイテンション。
しょっぱなからサプライズイベントに参加させられるはめになったり、
名前は「なみひら」なのにユニフォームに「なみへい」と縫い付けられていたり、
波平にとってはすべてが面白くない。

上司の小塚(西島秀俊)は魔法使いの異名を持つほどの凄い人らしいが、
彼から命じられる仕事といえば園内のゴミ拾いなど雑用ばかり。
波平と一緒に配属された同じく新人社員の吉村(岡山天音)は
文句も言わずに四苦八苦しながらもむしろ楽しそうで呆れてしまう。

不満しかない波平だったが、あるとき自分の未熟さを悟ることに。
それを認め、日々のどんな仕事にも真面目に取り組むようになってから、
職場で過ごす時間がどんどん密度の濃いものになってゆくのだが……。

序盤のふてくされた態度の波瑠にはイライラします(笑)。
仕事に優劣をつけて、嫌な仕事は手を抜きまくり。
そんな彼女に接するほかの従業員の優しいこと。みんな器がデカい。
この従業員たちの役に橋本愛深水元基濱田マリなど。
遊園地の園長を演じるのは柄本明

西島秀俊のこんな明るい役を見るのは久しぶりな気がしますし、
橋本愛もどちらかといえば暗めのおとなしい役が多かったから、明るさ全開で意外。

波平がどんどん変わってゆく様子が気持ちいい。
人を笑わせることって、こんなにも大変で素敵なこと。

かなり楽しく観ていましたが、個人的には最後のサプライズは不愉快。
あんな意味深に進める必要があったかどうか疑問です。
あれがなければ文句なしの楽しさだったのですけれど。

でも、遊園地に行きたくなる映画です。
人に夢と喜びを与える仕事。
—–

『あいあい傘』

『あいあい傘』
監督:宅間孝行
出演:倉科カナ,市原隼人,入山杏奈,高橋メアリージュン,やべきょうすけ,
   越村友一,サブリナ・サイン,トミーズ雅,立川談春,原田知世他

TOHOシネマズ伊丹にて2本ハシゴの1本目。

俳優で、脚本家で、演出家で、映画監督の宅間孝行
脚本家としてはサタケミキオのペンネームでも知られていましたが、
約10年前からその名前の使用は止め、宅間孝行に統一。
これは自身の劇団“東京セレソンデラックス”の舞台劇で、
同様に舞台劇を映画化した作品としては『くちづけ』(2013)があります。

『旅猫リポート』で泣くまいとしていたように、
これはなんだかものすごく泣きそうな宣伝をしていたのが嫌で、
やはり泣くもんかと思っていました。泣きました(笑)。

毎年恒例の夏祭りが迫った田舎町で塾を経営する六郎(立川談春)。
彼と内縁関係にあるのは、恋園神社からほど近い茶屋“恋園庵”の女将・玉枝(原田知世)。
玉枝の一人娘・麻衣子(入山杏奈)は、生まれたときから家に居る六郎のことを慕いつつも、
なぜいつまで経ってもふたりが籍を入れないのかが気がかり。
そのせいで、ついつい六郎に対して冷たく当たってしまう。

祭りを盛り上げようと集うのは、テキ屋の清太郎(市原隼人)のほか、
バカップルの日出子(高橋メアリージュン)と力也(やべきょうすけ)など。

ある日、清太郎がタイプど真ん中のさつき(倉科カナ)から声をかけられる。
カメラマンのさつきは祭りの取材にやってきたのか、清太郎に町を案内してほしいと言う。
喜んで引き受けた清太郎は、さつきと結婚までできる気でいる。
あんな美人が何の魂胆もなく清太郎に近づくわけがない、そう考えた日出子が、
こっそりさつきを呼び出して尋ねたところ、仰天。

さつきは25年前に自分と母親の前から姿を消した父親を探しにきたらしい。
六郎こそがその父親なのだとわかり……。

大好きだったお父さん。今もお父さんのことを待っているお母さん。
お父さんがいなくなってからどれほど辛い思いをしたことか。
それでもお父さんを待ち続けるお母さん。
失踪して、どうしようもなく落ちぶれていればいい。
そうしたら、私がお母さんのもとへ連れ帰ってあげる。また三人で暮らそう。
そう思っていたのに。

父親は別の家庭を築いている。
可愛い麻衣子と、これ以上にないほど大らかで優しい玉枝を前にして
どうしようもない気持ちになるさつきを倉科カナが好演。

序盤はいかにも舞台劇的な台詞のやりとりで、
特に立川談春の話し方はまるで落語だから、映画では少し違和感がありました。
そこに良い感じでなだれ込んでくるのは高橋メアリージュン。
これまでの彼女の出演作の中で、この役が私はいちばん好きかも。
原田知世の心遣いを知ったときにも泣かずにいられません。

これに文句を言う人はひねくれていると思う(笑)。
『旅猫リポート』と同じく、素直に泣きましょうね。
人の温かさに触れられます。
—–

『search/サーチ』

『search/サーチ』(原題:Searching)
監督:アニーシュ・チャガティ
出演:ジョン・チョー,ミシェル・ラー,ジョセフ・リー,デブラ・メッシング他

最初から最後までPC画面の映像のみという手法が話題になっています。
話題になっているからといっても、日本で知名度の高い俳優が出ているわけじゃなし。
TOHOシネマズ梅田の最大スクリーンで上映って、客入りの予想を誤っていると思う。
実際、土曜日夕方の回で半分ぐらいの入り。もったいないやん。

妻を病気で亡くし、高校生の娘マーゴットと二人暮らしのデビッド・キム。
ある木曜日の晩、同級生たちとの勉強会に出かけたマーゴットが、
いつ帰宅して学校に行ったのか、金曜日の朝になってもいない。
その日の夕方になっても帰って来ず、登校していなかったことがわかる。

警察に通報し、駆けつけた女性刑事ヴィックから今後の捜査方針について聴かされる。
マーゴットのPCを起動して、なんとかログイン。
SNSで娘の「友達」を探して片っぱしから連絡を試みるが、
どうやら娘には友達と呼べる相手がほとんどいなかったらしい。
勉強会に行ったのも、彼女の成績が良いから呼ばれただけ。
昼食もいつもひとりで摂っていたことを知る。

金曜日の学校帰りにかよっていたピアノも半年前から休んでいるとのこと。
レッスン代として渡していた金はいったい何に使ったのか。
デビッドの弟ピーターと隠れて連絡を取り合っていたこともわかり、
娘の行方について動揺しながらもデビッドは探りつづけるのだが……。

確かに斬新ですよ。それなりに面白いですよ。
でも、作品には作品に応じたスクリーンサイズがあると思うのです。
全編PC画面の映像なんだから、こんなにデカいスクリーンで見せる必要がありますか。
私はこの作品に関しては、もう少し小さめのスクリーンで、
満員の客席の中で観たほうが楽しめた気がして仕方ありません。

無駄にデカいスクリーンと空き空きの客席のせいで緊迫感がない。
字幕に酷い誤字もあって、B級の感否めず。
もうちとゴチャッとした劇場でなら、こんな誤字も笑えるのですけれど。

作品に不相応なサイズで観たがゆえに、イマイチになってしまいました。
オチもどんでん返しといえばそうだけど、無理やり感満載で、
PC画面の映像のみというところにこだわりすぎのような。
ま、こだわらないとただのB級になってしまいますしね(笑)。

デカいスクリーンで観ればいいってもんじゃない。
—–

『旅猫リポート』

『旅猫リポート』
監督:三木康一郎
出演:福士蒼汰,広瀬アリス,大野拓朗,山本涼介,前野朋哉,
   戸田菜穂,橋本じゅん,木村多江,竹内結子他
声の出演:高畑充希,沢城みゆき,前野朋哉

なんばパークスシネマで『ムタフカズ』『ベイビー・ドライバー』を観てから梅田へ移動。
梅田ブルク7へ行きました
どこの映画館もちっちゃい女の子連れのママが多いなぁと思っていたら、
“プリキュア”を上映しているんですねぇ。
そういえば、TOHOシネマズで1ヶ月フリーパスポートをつくったときに
子ども向けのたいていの映画も観ていますが、プリキュアは観ていないなぁ。
いえ、それはさすがに観に行く気が起こりません。(^^;

原作を読んだときはまさかこんなオチとは思いもせず、泣いた泣いた。
そのときのレビューはこちら
映画版は泣かせる構成になるに決まっているし、
もしもお涙頂戴路線まっしぐらだったら泣くもんか
と、あまのじゃくな私は心に誓って臨んだのですが、やっぱり泣きました(笑)。
三木康一郎監督ですもんね、ハートフルな話はお得意。

誇り高き野良猫として生きてきたが、車に轢かれて怪我をしたのをきっかけに、
猫好きの宮脇悟(福士蒼汰)と一緒に暮らすことになったナナ(声:高畑充希)。

悟の猫になって5年。幸せな日々が永遠に続くはずだったのに、
悟はある事情からナナを手放さなければならなくなる。
自分に代わってナナを大事にしてくれる人を探すため、
何人かの友人に連絡を取ると、悟はナナを連れて旅へ。

一人目は小学校の同級生で、写真館を営む澤田幸介(山本涼介)。
昔、拾った子猫を家に連れ帰り、父親からえらく怒られた経験を持つ。
当時と変わらない父親のせいで、幸介は妻と上手く行っていない様子。
それでもナナを引き取ってかまわないと言うが、どうだろう。

二人目に会うはずだったのは、中学校の同級生、吉峯大吾(前野朋哉)。
しかし、その直前に大吾は別の子猫を拾い、
ナナを連れてくるのはもうしばらく経ってからにしてほしいと言う。

三人目は高校の同級生でペンションを営む杉修介(大野拓朗)。
彼の妻はやはり同級生だった千佳子(広瀬アリス)。
ペット同伴で宿泊可能なのがウリの宿だが、
夫妻の飼い犬の虎丸(声:前野朋哉)がなぜかひどく喧嘩腰。
飼い猫のモモ(声:沢城みゆき)によれば、
悟のことを杉家の平和を乱すものと虎丸が思い込んでいるらしい。

いずれの見合いも不発に終わったため、
結局は幼い頃から悟を育ててきた叔母の香島法子(竹内結子)が
ナナを引き取ることになるのだが……。

原作よりもだいぶん泣かせにかかっているなぁとは思います。
だから、人間が涙するシーンでは私はほとんど泣きませんでした。
ところが、ナナを見ているともう駄目。
ネタバレになりますが、号泣しそうになったのは、
病院の玄関扉をナナがガリガリとやるシーン。
これはわが家で飼っていた猫のことも思い出してたまりませんでした。

猫は犬に比べてわがままだとか人間の気持ち知らずだとか言うけれど、
絶対、猫だって人の気持ちがわかっている。通じている。

泣かずにいようと我慢する必要なんてなし(笑)。
素直に泣くべし。

余談ですが、悟とナナが乗り込む車はフィアット社製のパンダ。
希望して取られたナンバーは「1427」でした。
何の番号だろうこれ。懸命に考えたけれどわからない。
「一緒にな」、ぐらいでどうでしょう。ちゃうか!?
—–