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今年観た映画50音順〈ら行〉

《ら》
『ラーメン食いてぇ!』
2018年の日本作品。
これで長編映画デビューを飾る熊谷祐紀監督が同名WEB漫画を映画化。
人気ラーメン店“清蘭”の店主・紅烈土(石橋蓮司)は、
二人三脚で店をもり立ててきた最愛の妻を亡くし、悲しみに暮れる。
そんな彼の孫娘・茉莉絵(中村ゆりか)がいじめに遭って自殺を図る。
一命を取り留めた茉莉絵は、烈土が病室に運んできたスープに気持ちを救われ、
ラーメンのすべてを自分に教えてほしいと烈土に懇願する。
食の細い茉莉絵は、食べることが何よりも好きなかつての親友・コジマ(葵わかな)に、
ふたりで世界一のラーメンをつくろうと声をかけるのだが……。
途中はずいぶん偽善的な話だなぁと思いました。
というのも、茉莉絵がいじめられる原因をつくったのはコジマ。
片想いの相手が茉莉絵とつきあいはじめたのが悔しくて、
茉莉絵が援助交際していると学校の裏サイトに書き込み、結果、茉莉絵は自殺未遂。
なのに一緒にラーメン店をしようってか。このふたりのやりとりにうんざり。
ただ、日本から遠く離れた場所で遭難したグルメ評論家・赤星(片桐仁)が面白い。
茉莉絵やコジマの両親には宅間孝行、森尾由美、水橋研二片岡礼子が扮し、
トータルではまぁまぁ楽しめた作品でした。
ところで、麺の食感を表現するのに「ぴろぴろ」という言葉は本当に使うんですか。
ラヲタの方々、教えてください。

《り》
『リングサイド・ストーリー』
2017年の日本作品。
2015年に劇場で観た映画のマイベスト、『百円の恋』(2014)」の武正晴監督による。
カナコ(佐藤江梨子)と売れない俳優のヒデオ(瑛太)は長年同棲中。
ヒデオといえば、いつかカンヌに連れて行ってやると大口ばかり。
ある日、カナコが勤務先のリストラに遭い、
ヒデオが勝手にプロレス団体“WRESTLE-1”の広報にカナコの名前で応募。
プロレス好きのヒデオが熱く語った手紙のおかげで採用される。
ヒデオとちがってプロレスのことなど何も知らなかったカナコだが、
次第にその世界に魅了され、いきいきと仕事をするように。
すると、ヒデオは自分がカナコを送り出したにもかかわらず嫉妬を募らせて……。
プロレスにほぼ興味のない私も好きになってしまいそうなほど。
瑛太は何をやらせても上手いですねぇ。
その中でも、本作で近藤芳正演じるプロダクション社長が言うように、ろくでなしの役がいちばん!

《る》
『ルージュの手紙』(原題:Sage Femme)
2017年のフランス作品。
ベテラン助産師のクレール(カトリーヌ・フロ)は、超まじめ。
息子を医学生に育て上げた後も飲酒せず肉も食べず、禁欲を自分に強いている。
そんな彼女に突然電話をかけてきた継母のベアトリス(カトリーヌ・ドヌーヴ)。
酒とギャンブルに目がないベアトリスは、30年前に理由も告げずに姿を消した。
その直後に有名な競泳選手だったクレールの父親は自殺。
今ごろになって連絡を取ってきたのは、脳腫瘍に冒されているベアトリスが、
死ぬ前に最も愛した男に会いたくなったからだという。
父が他界していることを知り、ベアトリスはショックを受ける。
あいかわらず酒を飲みつづけ、金にもだらしのない継母なのに、
クレールはどうしても無視することがてきず……。
いくつになっても美しく、上品にも下品にも振る舞えるカトリーヌ・ドヌーヴ。
フランスを代表する名女優の共演から目を離せません。

《れ》
『レジェンダリー』(原題:Pilgrimage)
2017年のアイルランド/ベルギー作品。
1209年のアイルランド。修道士の一行がローマに向かって巡礼の旅に出る。
目的は修道院が保管する神聖な聖遺物「マティアの石」を運ぶこと。
しかし最果てともいえるこの地は、何世紀にもわたって部族間の戦争が勃発し、
侵略を狙うノルマン人の上陸も活発化している危険な場所。
旅をどう進めるべきかと悩んでいたところへ、騎士レイモンドが案内を買って出る。
若き修道士ダーマットと口のきけない平修士らは、
レイモンドに警戒しながらも旅を続けるが、
途中、盗賊たちの襲撃に遭い、修道士のうちの何人かが殺されてしまう。
しかもその襲撃はレイモンドの差し金だったことがわかり……。
“スパイダーマン”トム・ホランドがダーマット役。
スパイダーマンのはっちゃけぶりと打って変わって暗いのなんの。上手い。
平修士役のジョン・バーンサルが発する言葉は最期に「地獄だ」のみ。
宗教的な物語はむずかしくて敬遠しがちでしたが、これはなかなか面白かった。
96分と短めなのも嬉しい。

《ろ》
『ローマンという名の男 信念の行方』(原題:Roman J. Israel, Esq.)
2017年のアメリカ作品。
デンゼル・ワシントン主演なのに日本では未公開、DVDスルー。
法律事務所で裏方の仕事を担当する人権弁護士ローマン・J・イズラエル。
ある日、事務所代表を務めるパートナーが倒れて植物人間に。
事務所を畳まざるを得なくなり、凄腕弁護士ジョージ・ピアスに雇われる。
金儲けにはまるで興味のなかったローマンだが、
自分が担当する殺人事件の犯人に懸賞金がかかっていることを知り……。
ジョージ役にコリン・ファレル。これが格好よくて目が釘付け。
理想論だけでは弁護士もやって行けないだなぁと、悲しくもなり。
ローマンが殺されてしまうという悲しい結末ながら、
ジョージの後ろ姿に希望が感じられます。

—–

今年観た映画50音順〈や行〉

《や》
『やっさだるマン』
2017年の日本作品。
愛媛県出身の大森研一監督が宇和島を舞台に撮ったのが『海すずめ』(2016)でした。
広島県三原市の「三原アンバサダー」も務める同監督が、今度はそこを舞台に。
三原市役所に勤務する肇(佐藤永典)は、同級生だった里美(須藤茉麻)とともに、
同市の公式マスコットキャラクター“やっさだるマン”の管理運営を担当。
肇がやっさだるマンの着ぐるみをかぶって広報活動しているが、
全国どころかご当地でも知名度はイマイチ。ゆるキャラグランプリでも散々の結果。
課長(清水美沙=清水美砂から改名)から次は10位以内に入るようにとの指令が下ってゲンナリ。
ところが、新しく配属された優那(竹達彩奈)があまりに可愛くて俄然やる気に。
映画が好きだという優那が先輩職員の向井(宮川一朗太)と話すのを聞いていて、
地元の人たちに参加を募るPVの制作を思いつく。
行きつけのカフェのマスター(目黒祐樹)に曲づくりを頼み、
里美が振付を考えて、その映像を撮るのは向井と優那。
バッチリだと思いきや、マスターから「曲は自分でつくれ」と言われる。
肇はかつてバンド仲間から「おまえのつくる曲は古くさくてやってられねぇ」と
バンドを追い出された苦い経験があり、以来、音楽を避けてきたのだが……。
TSUTAYA DISCASの在庫枚数がわずか4枚で、レンタルするのにひと苦労。
内輪受けするご当地ムービーだろうと期待せずにいたら、思いのほか楽しかった。
ゆるキャラグランプリで上位に入るために市役所の職員が組織票を投じているとニュースになったばかり。
そんなことはこの映画ではもちろんしません。タイムリー。

《ゆ》
『ユージュアル・ネイバー』(原題:The Harvest)
2013年のアメリカ作品。日本では劇場未公開。
親を亡くして引っ越しを余儀なくされた女子高校生マリアンは、祖父母の家に身を寄せる。
祖父母はとても優しいが、悲しみはなかなか消えない。
ある日、近所の散策中に見つけた一軒の家。
窓から中を覗き込むと、同年代で寝たきりの少年アンディがいた。
お互い友だちができたと大喜びするが、
アンディの母親で外科医のキャサリンはマリアンに敵意を露わにし……。
アンディの家の地下室にはもうひとり少年がいて、
マリアンはてっきり地下室の少年が誘拐されたジェイソンだと思い込みますが、
実はアンディこそがジェイソン。
キャサリンはアンディに心臓や肝臓を移植するためにジェイソンを誘拐したという驚愕のお話。
狂っているとしか思えないキャサリンにサマンサ・モートン
本当は善人なのに妻に意義を唱えられない夫リチャードにマイケル・シャノン
予備知識なしに観たおかげで結構おもしろかったけれど、
WOWOW放映時の邦題はなんと『マッド・マザー 生贄の少年』。
このタイトルだけで全部ネタバレしとるがな。ヒドイ(笑)。

《よ》
『歓びのトスカーナ』(原題:La Pazza Gioia)
2016年のイタリア/フランス作品。
イタリア・トスカーナ州の“ヴィラ・ビオンディ”は、精神病患者の診療施設。
患者のひとり、ベアトリーチェは女王様気取りの自称伯爵夫人。
極度の虚言癖を持つ彼女のおしゃべりは止まらない。
ある日、体中にタトゥーを入れた鬱病患者のドナテッラが入居する。
頼まれもしないのに世話を焼こうとするベアトリーチェは、
ドナテッラが幼い息子エリアと無理に引き離されたことを知り、
「会わせてあげる」と言うのだが……。
嘘か誠かわからないベアトリーチェの話に、観るほうも翻弄されます。
ふたりの施設脱出劇も面白ければ、施設職員の温かさも伝わってくる。
エリアの養父母との対面シーンには心を砕かれ、その後の海岸のシーンに涙。
これはぜひとも劇場で観たかった作品です。
2015年に司法精神病院が廃止されたことを本作で知りました。
しかし、グルームホームなどに移れた患者は少ないとのこと、心が痛みます。
—–

今年観た映画50音順〈ま行〉

《ま》
『マクファーランド 栄光への疾走』(原題:McFarland, USA)
2015年のアメリカ作品。
ケヴィン・コスナー主演なのに日本では未公開。実話が基。
高校のアメフト部のコーチ、ジム(ケヴィン・コスナー)は、
すぐに短気を起こしては上司や選手とやり合ってしまう。
そのせいで勤務先をクビになり、ようやく受け入れてくれることになったのは、
カリフォルニア州マクファーランドの高校。
マクファーランドはヒスパニック系住民が多く住むとても貧しい農業地域。
失望する娘たちをと妻のシェリル(マリア・ベロ)をなだめてなんとか着任。
アメフト部の監督を務めるはずが、古参のコーチと意見が合わず。
間に入った校長からアメフト部の話は反古にされ、体育の授業のみ担当することに。
そこでジムは生徒たちの脚力に圧倒される。
早朝から家族とともに農地に出て働き、農地から学校まで走る日々を送っているせいで、
生徒たちにはとんでもない脚力と疾走力、持続力がついていたのだ。
ジムはクロスカントリー部を立ち上げるが、陸上など教えた経験もなく……。
未公開が納得できるほど地味だし、ジムは最初は根性論のみに思えます。
しかし、練習するうちに生徒たちと心を通わせてゆく姿はスポ根の王道。
春に種を蒔き、秋に収穫し、冬に満腹になりたいだけ。そんな彼らの想いが実るとき。

《み》
『ミッシング・チャイルド 呪いの十字架』(原題:Eg Man Pig)
2017年のアイスランド作品。
“未体験ゾーンの映画たち 2017”で上映中にDVDが発売されたので、
わざわざ劇場に行くほどでもないかとレンタルして鑑賞。
精神医学者フレイルは、幼い息子ベンニが3年前に忽然と姿を消して傷心のまま。
ある日、首吊り自殺をした老婆を女刑事とともに調べてみると、
その老婆と同年代で同郷の者たちが何人も変死していることがわかる。
亡くなった老人たちは60年前に失踪した少年をいじめていたらしい。
フレイルは自分が少年の霊によって息子のもとへと導かれているように感じる。
一方、彼が働く病院の向かいの島に、若夫婦のガルザーとカトリーン、
その友人で未亡人のリーフがやってくる。
彼らは島の廃屋を改装して民宿を始めようとしていた。
ところが、赤ん坊を死産したことから立ち直れないでいるカトリーンは、
「ママ」と呼ぶ声を聞いたり、少年の走る姿を見かけたりするようになり……。
結構怖かった。時間軸を上手くずらして見せていて、最後はなるほど。
三角関係の果てに倒壊した建物の下敷きになるガルザーとリーフ。
遺体を見つけてもらって安心したかのように父親のもとへ駆けてゆくベンニの幽霊。
60年前に死亡した少年とともに廃屋に残ることにしたカトリーン。
救いがあるようなないような、とにかく暗い作品です。
スペイン語圏やポルトガル語圏のホラーに似た雰囲気もあり、嫌いじゃない。

《む》
なし(泣)。
なんとか見つけようとしましたが、劇場公開映画では『ムタフカズ』のみ。
DVDセルやレンタル作品にもこれ以外にありませんでした。

《め》
『名探偵シャーロック・ノームズ』(原題:Sherlock Gnomes)
2018年のアメリカ/イギリス作品。日本では未公開のアニメーション。
ガーデンノームといえば、庭に置かれた「白雪姫とこびと」、あれです。
本作は白雪姫はいないけれど、ガーデンノームたちの世界で起こる事件。
ロンドンの新しい庭に引っ越してきたノームのノミオとジュリエット。
仲間たちと平和に暮らしていたのに、出先からふたりが帰ると仲間が全員消えていた。
名探偵シャーロック・ノームズとワトソンと共に仲間の行方を探すうち、
ノームズの宿敵モリアーティの仕業であることがわかり……。
未公開だったけれど、声を担当している俳優陣はかなり豪華。
ジェームズ・マカヴォイエミリー・ブラントキウェテル・イジョフォー
ジョニー・デップマイケル・ケインマギー・スミスオジー・オズボーンまで。
割られないように奮闘するノームたちがカワイイです。

《も》
『モンスター・ホテル クルーズ船の恋は危険がいっぱい?!』(原題:Hotel Transylvania 3: Summer Vacation)
2018年のアメリカ作品。
10月に公開されたところなのに、12月にもうDVD発売。
自らが経営するモンスター・ホテルで働きづめの父・ドラキュラを心配する娘・メイヴィスは、
ここらで気分転換してもらおうと、豪華クルーズ船の旅を提案。
ホテルの従業員を引き連れて船に乗り込んだドラキュラは、船長・エリカに一目惚れ。
父には幸せになってほしいと思うものの、なんとなくエリカは信用できない。
メイヴィスの勘が残念ながら当たり。
エリカの父親はモンスターの殲滅を狙うヴァン・ヘルシング。
エリカは父親の命令を守ってモンスターたちを一掃するために暗躍するが、
なぜかドラキュラのことが気になってしまい……。
大人も子どもも楽しめる安心のアニメーション。
そういえばドラキュラの声を担当するアダム・サンドラー、このごろあまりお見かけしませんね。
声だけでなく姿が見たいので、実写映画に出演してください。
—–

今年観た映画50音順〈は行〉

《は》
『犯人は生首に訊け』(英題:Bluebeard)
2017年の韓国作品。
昨夏、シネマートで開催された“反逆の韓国ノワール 2017”にて上映。
医師スンフンは妻子と別れ、新興都市の個人病院に勤務。
漢江の解氷とともに首と手足が切断された女性の死体が浮かび上がり、
15年に渡る未解決連続殺人事件が起きているこの町の住民は不安に。
スンフンの住むマンションの大家は、1階で精肉店を営む老人とその息子。
認知症の老人が診察中に口走った言葉に戦慄を覚えたスンフンは、
息子の嫁が一人目も二人目も行方不明との噂を聞き、
あの親子が連続殺人犯なのではと疑いはじめるのだが……。
巻き込まれたかのようなスンフンが実は精神病。
すべての事件の犯人にされて終わり。
でも本当の連続殺人犯は老人だよという、救いようのない終わりかた。
英語タイトルの“Bluebeard”はおとぎ話に由来、
「妻を何人も替えては殺した男」の意味だそうで、気が利いていますねぇ。

《ひ》
『百日告別』(原題:百日告別)
2015年の台湾作品。
高速道路の多重事故に巻き込まれ、それぞれ最愛の人を失った男女。
ユーウェイ(♂)は妊娠中だったピアノ教師の妻を亡くし、
シンミン(♀)は結婚間近だった料理人の恋人を亡くす。
合同葬儀でお互いの存在を知るわけですが、
このふたりがくっつくとかいう安直な展開ではありません。
あくまでふたり別々、葬儀場で顔を合わす程度で、
それぞれが喪った悲しみを持ちながらどう気持ちの整理をつけてゆくか。
ユーウェイもシンミンも無気力になり、自分で命を絶つことを考える。
そんなときに聞こえてくる、妻の生徒のピアノの音色。
見せられる、幼き日の恋人が担任教師に宛てた手紙。
死ぬな、生きろ。百日経ったら、涙を拭いて。

《ふ》
『フェイク 我は神なり』(英題:The Fake)
2013年の韓国作品。
『ソウル・ステーション/パンデミック』と同じく、
ヨン・サンホ監督によるサスペンスに満ちた社会派アニメーション。
ダム建設のために水没が予定されている村に、
住民の心の寄る辺となるべく教会が建てられ、カリスマ視されている牧師がいる。
そんな村で寄付を募って大儲けを画策する詐欺師。
長らく村を離れていた粗暴な中年男ミンチョルが戻ってきて、
住民が騙されそうになっていることをすぐに見抜くが、
ろくでなしミンチョルの言うことなど誰も聞こうとせず……。
こんなアニメは今まで観たことがない。陰鬱で救いがないけど引き込まれます。

《へ》
『ヘドローバ』
2017年の日本作品。
動画オンデマンド配信サービス“VICE PLUS”の「ケータイで撮る映画シリーズ」第1弾。
不良ばかりが住む団地に暮らすカズヤ(木ノ本嶺浩)と妹ユリ(洪潤梨)。
団地を仕切るのはヤン兄弟(ウメモトジンギ&一ノ瀬ワタル)とその祖母(竜のり子)。
祖母は怪しい宗教の教祖で、信者に団地の部屋と金を貸す段取りをつける。
借金まみれとなった信者が自殺すると、その部屋の後始末をするのがカズヤの役目で……。
相当気持ち悪くて、直視できなかったシーンいっぱい。
カズヤの腕が腐るところなんて、オエーッ。
最後がまた強烈で、「ヘドローバ」とはなんぞやと思ったら、ヘド老婆。
風呂場で脳卒中を起こした婆さんがドロドロのへどろの化け物と化します。
腐乱死体の清掃を仕事とするカズヤは、怪しい博士が開発した掃除道具でヘドローバと対決。
不快なものを集めましたという作品で、ちょっと耐えがたい。すみません。(^^;

《ほ》
『星空』(原題:星空)
「ひ」の『百日告別』と同じ、トム・リン監督による2011年の台湾作品。
台湾の人気絵本作家ジミー・リャオの同名ベストセラー絵本が原作。
2012年の大阪アジアン映画祭で上映され、2017年10月に劇場公開が実現。
13歳のシャオメイの両親はいつも喧嘩ばかり。
いたたまれなくなって、大好きな祖父の家へ向かいかけたこともしばしば。
そのたびに家出を思いとどまり、祖父に電話をかけては安心する。
ある日、シャオジエという転入生がやってくる。
彼が描いた裸体画を見て同級生らは興奮、シャオジエと喧嘩になる。
芸術の才能は認めるが同世代には刺激が強すぎるとして
教師から学校にスケッチブックを持ち込まないようにと言い渡される。
シャオジエに興味を持ったシャオメイは彼のあとをつける。
どうやら彼も家庭に問題を抱えているらしく、ふたりは親しくなるのだが……。
星空のジグソーパズルがキーワードになっています。
発熱したシャオメイをシャオジエが負ぶって走るときに見る星空が想像を超える美しさ。
これはぜひとも劇場で観たかった。
台湾で別れを余儀なくされたふたりが何年も経ってからパリで再会なんて、
そんな偶然あるかいなと思うけれど、瑞々しく切なくて、心に残るシーン。
—–

今年観た映画50音順〈な行〉

《な》
『ナインイレヴン 運命を分けた日』(原題:9/11)
2017年のアメリカ作品。
ちょっと過去の人になってしまった感のある俳優たちの共演。
ウォール街の実力者で億万長者のジェフリー(チャーリー・シーン)と、
その妻イヴ(ジーナ・ガーション)は早朝から離婚調停の席へ。
ワールドトレードセンタービル、ノースタワーのエレベーターに乗り込むが、
飛行機がビルに突っ込んでエレベーターは緊急停止。
偶然乗り合わせたビルの保全技術者エディ(ルイス・ガスマン)は、
コントロール室にいるメッツィー(ウーピー・ゴールドバーグ)に連絡を取り、
エレベーターのドアロックを解除しようとするのだが……。
結局は全員助かるのかと思ったら、ジェフリーだけは取り残されます。
実際こういう光景が多く見られたのかもしれません。
《に》
『ニューヨーク、愛を探して』(原題:Mothers and Daughters)
2016年のアメリカ作品。“未体験ゾーンの映画たち 2018”にて上映。
原題が示すとおり、複数の母娘の群像劇。
不倫相手から別れを告げられた直後に妊娠が発覚したり、
夢を追いつづける男と同棲中に子どもができたり、
母親だと思っていた人が実は祖母で、姉だと思っていた人が母親だと聞かされたり、
若気の至りで出産し、里子に出した娘から23年経って連絡が来たり。
登場人物はいずれも、予期せぬ妊娠をした女性とその母親。
コートニー・コックス、クリスティナ・リッチミラ・ソルヴィノなど、
かなり豪華なキャストですが、普通に公開されなかったのもわかる地味さ。
DVDで観るには良い作品だと思います。
私が本作を観ているときに、ダンナがセルマ・ブレアを指さして、
「これってミラ・ジョヴォヴィッチ?」と聞いてきたのが面白かった。全然ちゃうで。
《ぬ》
なし(泣)。
《ね》
『ネルーダ 大いなる愛の逃亡者』(原題:Neruda)
2016年のチリ/アルゼンチン/フランス/スペイン作品。
パブロ・ネルーダ。ノーベル文学賞を受賞した詩人で、
チリの国民的英雄でありながら、政治犯として追われる身となった彼の逃亡劇。
ネルーダを知らないうえに、詩的な演出にまったく乗れず、
ただただ観ているのが苦痛でした。
ネルーダを追う警官役にガエル・ガルシア・ベルナル
ちょっと見ないうちに、別に太っても痩せてもいないのに別人みたい。
このところ政治的な作品への出演が多いようですが、
私は彼の青春映画のほうが好きだなぁ。
というのか、政治的な映画は難しすぎてついていけない。
もっとアホにも興味が持てるような作品はないものでしょうか。
《の》
『ノクターナル・アニマルズ/夜の獣たち』(原題:Nocturnal Animals)
2016年のアメリカ作品。
『シングルマン』(2009)で映画監督デビューを果たし、
高い評価を受けた一流デザイナー、トム・フォードの監督2作目。
原作はオースティン・ライトのベストセラー小説『ミステリ原稿』。
劇場公開時のタイトルは『ノクターナル・アニマルズ』でしたが、
DVD化に当たって『夜の獣たち』というサブタイトルが追加されました。
アートディーラーとして成功を収めているスーザン(エイミー・アダムス)のもとへ、
大学院生時代に結婚していた元夫エドワード(ジェイク・ギレンホール)から
彼の著作『夜の獣たち(ノクターナル・アニマルズ)』が送られてくる。
スーザンへの献辞が書かれたその小説に困惑しながらも読み始めるのだが……。
小説の中で起きている出来事と現実の映像が巧妙に組み合わされ、
トム・フォードの非凡さを大いに感じます。
小説の中の刑事役で登場するマイケル・シャノンがまたしても快演。
この人、ほんとに面白い俳優だなぁ。
19歳のときに23歳上の女性監督と結婚して話題になりました。そんな彼も28歳に。
イケメンだけど、ニヤケ顔のものすごく悪い奴にしか見えない人になってます(笑)。

—–