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『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』

『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』
監督:大森立嗣
出演:安田顕,倍賞美津子,松下奈緒,村上淳,石橋蓮司他

TOHOシネマズ梅田で2本ハシゴ。

原作は宮川サトシの同名エッセイ漫画。
新潮社のウェブコミックに2013年12月から2014年にかけて全16話連載。

大森立嗣監督の作品はスルーできません。
とか言いつつ、『日日是好日』は観ないまま終わってしまいました。
それもこれも、『ボヘミアン・ラプソディ』を26回も観たせいか。(^^;

塾講師をしながら漫画家を目指すサトシ(安田顕)。
末っ子で甘えん坊だったサトシは、今も昔も母親の明子(倍賞美津子)のことが大好き。
明るくパワフルで、無償の愛を注いでくれる明子。
明子が死んでしまうことなど想像したこともなかったが、
ある日、突然倒れた明子はステージ4の胃癌を宣告される。

サトシの人生二人目の彼女である真里(松下奈緒)は
明子のもとへ足繁く通い、いろいろと世話を焼いてくれる。
そんな真里に明子も心を許し、サトシに真里のことを誉める。
結婚しろと言いたいのだろうが、
中学生のときに白血病に罹ったサトシに子どもを授かることは望めず
真里にプロポーズできないまま。

いつも前向きだった明子に、生きることを諦めたような言動が多くなる。
サトシはそれが許せず、明子に対して声を荒げてしまうのだが……。

基本的に大好きな大森監督ですが、終盤まで演技を大げさに感じて入り込めませんでした。
周囲からは盛大なすすり泣きの声が聞こえていたので、
冷めていたのは私だけかもしれません。

「お母さんは頑張ってる。頑張ってる人にもっと頑張れって言わないで」などなど、
共感できる台詞は多かっただけに残念に持っていたのですけれど。

終わり良ければすべて良し。

ラスト手前、明子の葬儀後日。
サトシの兄(村上淳)が父親(石橋蓮司)とサトシを連れて海へ行きます。
そこで素っ裸になって海に入るシーン、特に父親が涙を堪える姿にはグッと来た。
石橋蓮司のお尻は見たくなかったので、彼がパッチを脱がないでくれてよかったです(笑)。

大事な人を亡くしたとき、気持ちの整理をつけるのはとても難しい。

究極のマザコンだとは思います。(^^;
—–

26回目の『ボヘミアン・ラプソディ』

朝8時半からなんばパークスシネマに乗り込んで5本ハシゴ。
『サタデーナイト・チャーチ 夢を歌う場所』『天才作家の妻 40年目の真実』
『THE GUILTY/ギルティ』『アリータ:バトル・エンジェル』
〆の『ボヘミアン・ラプソディ』、26回目。25回目までのあれこれはこちら

前週に爆音映画祭が開催されていたのにしばらく気づかずにいました。
気づいたときには『ボ・ラプ』のチケットはすべて完売。
悔しい思いをしていたら、当初の最終日予定だった日の翌日から、
『ボ・ラプ』のみの爆音映画祭を開催するとのニュースが。
こりゃ絶対行くべしと、発売日の発売開始時刻にPCの前でスタンバイ。

開始時刻になったと同時に購入を試みましたが、なかなか繋がらない。
かつてコンサート等のチケットが電話予約だった頃を思い出す。
繋がったと喜んだら売り切れだったりしてなどと思いながら、
ページ再表示をひたすら続けていたら、約15分後に繋がりました。

そのときすでに座席の3分の1は埋まっていたでしょうかね。
後方ちょっと中央寄りに1席確保、もちろんひとりで参戦です(笑)。

ハシゴ4本目の『THE GUILTY/ギルティ』の上映終了が16:40で、
『ボ・ラプ』上映開始の17:20まで私にしては珍しく時間的余裕があったから、
ロビーで本を読もうと腰を落ち着けた瞬間、入場を開始するとのアナウンス。
え~、30分前から入場させてくれるんですか。

入ってみてなるほど。
爆音絶叫上映は爆音上映+応援上映で、タンバリンを全員に配ってくれるのです。
ひとりで来ているのにタンバリン、別に要らんわと返しかけたら、
絶叫上映を仕切る“V8J絶叫上映企画チーム”のお兄さんが、
「返すなんてあり得へん」という目で私を見るのです。
すみません。やっぱりお借りします(笑)。

着席して本の続きを読むつもりでしたが、左隣に来られた方もどう見てもひとり参戦。
名古屋からわざわざ来られたとかで、上映までたっぷりお話して楽しかったです。
ちなみにその方は18回目だとおっしゃっていました。
右隣にもおひとりの女性が来られて、その方はまだ2回目とのことでしたが、
1回目に観たときに拍手したくてもできなかったので今日は嬉しいと。

絶叫上映は前説あり。
V8Jのフレディの格好をしたお兄さんが、発声練習の音頭まで取ってくださいます。
タンバリン振りまくり、歌うたいまくりで、どんだけ楽しかったことか。

今回に関しては私はまったく涙が出ませんでしたが、
これまででいちばん楽しい鑑賞であったことは間違いありません。

アカデミー賞では無視されるだろうと予想していたのに、
ラミちゃんが主演男優賞を獲って嬉しいのなんのって。
結果的には『ボ・ラプ』が最多4部門での受賞となり、ウハウハです。
受賞のおかげでもう少し延びませんね、上映期間。
この26回目があまりに楽しかったせいで、それ以降はまだ行ってないんですが、
エキスポシティでは一旦終了したIMAXレーザーGT2D版が復活しています。

めっちゃオススメです、爆音絶叫上映。また行きたい!
—–

『アリータ:バトル・エンジェル』

『アリータ:バトル・エンジェル』(原題:Alita: Battle Angel)
監督:ロバート・ロドリゲス
出演:ローサ・サラザール,クリストフ・ヴァルツ,ジェニファー・コネリー,
   マハーシャラ・アリ,エド・スクライン,ジャッキー・アール・ヘイリー他

なんばパークスシネマで5本ハシゴの4本目。
この日のハシゴはいつものハシゴのように終映時間と上映時間とかぶっていることもなく、
ほぼ完璧といえるハシゴだったのですが、
本作とその前に観た『THE GUILTY/ギルティ』については終映と上映の時間が同じでした。
あ、これをかぶっているというのか。(^^;

予告編、めちゃめちゃ流れていましたよね。
ジェームズ・キャメロンが出てきてしゃべっていたから、彼の監督作かと思ったら、
脚本と製作が彼なのだそうで、監督はロバート・ロドリゲス
『デスペラード』(1995)とか『フロム・ダスク・ティル・ドーン』(1996)とか、懐かしい。
『マチェーテ』(2010)や『シン・シティ 復讐の女神』(2014)なども観ましたが、
私の印象に残っているのは昔の作品のほうだなぁ。

木城ゆきとの伝説的コミック『銃夢』の実写映画化とのことですが、
私は『銃夢』を知りません。そんなに凄いものなんですか。
気になる。けど、とても漫画にまで手を出している時間はないっ。

このところ、20世紀フォックスといえば、
『ボ・ラプ』バージョンのファンファーレばかり聞いていたから、
この普通バージョンはなんだか新鮮です。
そしてそのロゴが「26世紀フォックス」に変わるオープニングも洒落ている。

26世紀、世界は“ザレム”と“アイアンシティ”に二分化されている。
“ザレム”は富裕層が暮らす天空の都市。
“アイアンシティ”はザレムから排出された廃棄物が堆積する屑鉄の町

アイアンシティで壊れたサイボーグを診る医師イドは、
屑鉄の山の中からサイボーグ少女の頭部を発見する。
彼女は300年前のサイボーグで、奇跡的に脳はまったく傷ついていない状態。
イドが彼女に新しい機械の身体を与え、“アリータ”と名づける。
目覚めたアリータは一切の記憶を失っていたが、イドを父親として慕う。

町へと飛び出したアリータは、青年ヒューゴと出会う。
ザレムへの憧れを熱く語るヒューゴに惹かれるアリータ。

ヒューゴから若者の間で流行っているスポーツ“モータボール”に誘われて参加すると、
アリータは周囲の度肝を抜くほどの高い身体能力を発揮。
記憶は戻らないままだが、アリータの戦闘力は並みではないとわかる。

その頃、アイアンシティではサイボーグが襲われる事件が多発していた。
サイボーグが独りでいるところを何者かが襲い、部品を盗んで売っているらしい。
夜間にこっそり出かけようとするイドを見かけたアリータは、
よからぬことが起こるのではないかと後をつけるのだが……。

アリータのヒューゴに媚びるような目が気に入りませんが(笑)、
それ以外は大画面で観る楽しみを味わえました。

悪人役が多いクリストフ・ヴァルツがこの上なく善良な医師イド役。
その元妻チレンを演じるのがジェニファー・コネリー
イドとチレンはもともとはザレンの住人で、チレンはザレンに戻ることを諦めていません。
それゆえ、ザレンへの伝手となる悪党ベクターを手伝っていますが、
終盤の彼女の「母親であり、医師であることを思い出した」行動には涙。
ちなみにベクター役はマハーシャラ・アリ
このたび『グリーンブック』で第91回アカデミー賞助演男優賞を受賞。
それとはまるでちがう悪い奴を本作では演じています。

なんだかこれも続編があっても不思議ではない終わり方なんですが、あるんですか。

それはそうとひとこと言いたい、隣の家族三人連れ。
明らかに親の趣向で観に来たようで、お嬢ちゃん最初から退屈そう。
それでもなんとか大人しく耐えているのに、パパママ、途中でスマホ見るなよ。
映画の途中で親がスマホを何度もチェックするのを見て育ったら、
そりゃ子どもも普通にスマホ見るようになりますよね。映画館に来んといて。
—–

『THE GUILTY/ギルティ』

『THE GUILTY/ギルティ』(原題:Den Skyldige)
監督:グスタフ・モーラー
出演:ヤコブ・セーダーグレン他
声の出演:イェシカ・ディナウエ,ヨハン・オルセン,オマール・シャガウィー,
     カティンカ・エヴァース=ヤーンセン他

なんばパークスシネマで5本ハシゴの3本目。

まったくノーマークだったデンマーク作品。
同劇場の上映スケジュールを調べているときに知り、あらすじを読んだら超好みっぽい。
本作鑑賞の優先度が『ボ・ラプ』の次に上昇し、速攻で予約しました。
当日の朝、残席わずか。12:40からの上映でしたが、12時前には満席に。
監督も俳優も日本での知名度ゼロに等しく、低予算の作品なのに満席って、
こういうときにはやっぱり難波って凄いなと思ってしまう。
マニアが集う街とでも言えばいいでしょうか。

監督が知名度ゼロなのは当たり前、これが長編デビュー作。
主演のヤコブ・セーダーグレンは『光のほうへ』(2010)で見ています。
けど、覚えられないでしょう、こんな名前(笑)。

捜査中にトラブルを起こし、謹慎の意味で現場を外された警察官アスガー。
緊急通報司令室勤務となり、オペレーターを務めている。
翌日の裁判でお咎めなしとなるはずだから、職場復帰まであと少しの辛抱。

かかってくる電話は、酔っぱらいが転んだり、風俗街でひったくられたりと、
いずれも自業自得だと言いたくなるような案件ばかり。
適当に相手をしていたところ、誘拐事件とおぼしき1本の電話が。

電話の相手はイーベンと名乗る女性で、走行中の車の中にいるらしい。
誰かに拉致され、家族に電話をかけているふりをして通報を試みた様子。
緊急通報司令室にかけたことが犯人にわかれば、イーベンの命が危ない。
アスガーは少ない情報を頼りに犯人の特定とイーベンの救出に挑むのだが……。

スクリーンに映し出されるのは緊急通報司令室のみ。
同僚たち何人かの姿は映るし、彼らとの会話も少しはありますが、
それ以外の場面はいっさい無し。

『セルラー』(2004)は監禁された女性がたまたま繋がった携帯の主に助けを求める作品でした。
状況としてはそれと非常に似ていますが、『セルラー』は電話の女性がキム・ベイシンガー
繋がった携帯の相手がクリス・エヴァンス、犯人がジェイソン・ステイサムですからね。
3人とも映さないわけにはいきません(笑)。

アスガー以外スクリーンに映らない状況のなか、
声だけで舌を巻く演技を見せる(聞かせる?)のがイーベンの幼い娘マチルド役の
カティンカ・エヴァース=ヤーンセン。
どんな子なのか知りませんが、この名前は覚えておきたい。凄い。

謹慎中のアスガーには犯人を特定する職務も権利もない。
けれど警察官としての性なのか、突き止めずにはいられません。
事件の真相に愕然とし(ちょっとはそれも疑いましたけど)、
それと共に明らかにされるアスガーが起こしたトラブル。
この事件のおかげでアスガーは人間性を取り戻します。

思い込みは恐ろしい。
サスペンス劇を堪能。北欧作品、面白くってたまらん。
—–

『天才作家の妻 40年目の真実』

『天才作家の妻 40年目の真実』(原題:The Wife)
監督:ビョルン・ルンゲ
出演:グレン・クローズ,ジョナサン・プライス,クリスチャン・スレイター,
   マックス・アイアンズ,ハリー・ロイド,アニー・スターク他

なんばパークスシネマで5本ハシゴの2本目。

スウェーデン/アメリカ/イギリス作品。
封切り直後の新作とこれと、どれを観るか迷いに迷い、
やはりこれは観逃してはあかんだろうと選択。
観てよかったとしみじみ思いました。凄い。

アメリカ・コネティカット州
ジョゼフ・キャッスルマンは現代文学の巨匠として名高い作家。
その彼のもとへ、ノーベル文学賞受賞の報せが届く。
ジョゼフと40年連れ添う妻ジョーンはベッドの上で飛び跳ねて大喜び。

自宅で大勢の客を招いて祝いの会を開いたあと、
ジョゼフとジョーン、その息子デビッドはノーベル賞授賞式に出席するため、
スウェーデン・ストックホルムへと飛び立つ。

その飛行機の中で声をかけてきたのは、伝記作家ナサニエル・ボーン。
以前からジョゼフの伝記を書きたいとしつこく、
ジョゼフはこんなところまで追いかけてくるのかと舌打ち。
ナサニエルに夫の非礼を詫びるジョーン。

ストックホルムに到着すると、授賞式までの数日を優雅に楽しめるよう、
ジョーンの世話係やジョゼフのカメラマンを紹介される。

どこへ行っても糟糠の妻のイメージで見られることに疲れたジョーンが、
ひとりで過ごしたいと主張して街へ出かけた日、
ナサニエルにつかまって一緒に一杯飲むことに。
そこでナサニエルがジョーンに次々と突きつける事実。

要はジョゼフが二流作家で、ゴーストライターを務めていたのがジョーン。
いろいろと調べ上げたナサニエルがそれに気づいてしまったのです。

ま~、このジョーンがほんとにできた妻。
それに対し、もとは彼女の大学で文学の教鞭を執っていたのがジョゼフ。
妻子のある身でありながら、学生に手を出したところからもうアカン。
しかもジョーンの才能には遠く及ばない、良いとこ無しの男です。

それでも時代が時代。
力強い文章を書く女性は好まれず、晴れて作家になったところで、
著書は母校の本棚に飾られるだけ。
良い作品だから売れるわけではなく、出版社の売り方次第。
そして出版社は決して女性作家の作品を推さない。

ジョーンは書くのが好きだった。書くことさえできればよかった。
それがたとえ夫の作品として世に出るとしても。

ジョゼフの浅はかなところというのか、男性の浅はかなところといってもいいのか(笑)、
どこへ出ても妻を褒めたたえれば、妻が機嫌のよいままだと思っている。
アホじゃなかろか。そんな単純なものじゃない。

能天気な浮気爺を演じるジョナサン・プライスも上手いけれど、
圧巻はなんといってもグレン・クローズの演技。シビレます。
大画面で観なくてもいい作品かなと思っていましたが、とんでもない。
めっちゃ面白かった。

そうそう、驚いたのはノーベル賞受賞者のおもてなし。
就寝中にいきなり聖歌隊が部屋を訪れたりするんですか。
暗闇のなか、頭にローソク立てた子どもが急に来るなんて、
愛らしいなんてとても思えません。怖いがな。(^^;
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