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2回目の『グランメゾン・パリ』は早くも今年初の“おひとりさま”。

『グランメゾン・パリ』は年末の封切り日に観て面白かったものの、2回観るほどでもない。
しかしこの日観るつもりだった後述のインド作品が20:45からの上映で、
お茶を飲んで時間を潰すには若干長いし、車だから飲酒するわけにも行かず。
ならばもう1本映画を観ようと思ったら、本作しか選択肢がなくて。

1回目の鑑賞後に甲子園&飲み友だちの兄さんがエキストラで出演しているのを知ったのと、
料理が本職の人から本作の感想を聴いたこともあって、2回目でそれを確認しようと思いました。

ここで予想していなかったことが起きる。
18:30からの上映だった109シネマズ箕面のIMAXシアター、定員292名のところに客は私ひとり。
なんと1月初旬にして、今年初めての“おひとりさま”。
去年は劇場に私ひとりということが14回ありましたが、IMAXシアターでひとりというのはありませんでした。
過去に遡ると、まだコロナ完全終息とはいえなかった時期にこんなことがあったけど。

まぁ、IMAX上映を選ぶのはあんまり意味のない作品ですよねぇ。
それでもこれが客ひとりって凄くないですか。

2回目は1回目よりさらにユアン役のオク・テギョンに目が行きます。泣かされるのは常に彼がいるシーン。
ユアンはパリで大人気のパティスリーにパティシエとして勤めていたのに、
話題にのぼるのは店そのものの名前だけで、自分の名前がのぼることはない。
それは自分が東洋人のせいだと思っていた折にキムタク演じる尾花の料理を食す。
そのとき彼が涙を流すのを見て私もまず最初のもらい泣き。
次にそのときのことをユアンが尾花に話すシーンで2度目のもらい泣き。
そして最後は尾花がユアンのデザートに出会ったときのことを話すシーンで3度目のもらい泣き。

これらのシーンを観るためだけにもう一度観てもよいと思うほどです。たぶんもう観ないけど(笑)。
オク・テギョンってマルチリンガルなんですね。
こんな顔して賢くて、演技も上手いとなると、ファンにならずにはいられない。
映画への出演はまだあまりないようですが、もっと観たいやんか。

というわけで、贅沢を極めた今年初めての“おひとりさま”でした。

—–

『アット・ザ・ベンチ』

『アット・ザ・ベンチ』
監督:奥山由之
出演:広瀬すず,仲野太賀,岸井ゆきの,岡山天音,荒川良々,今田美桜,森七菜,草彅剛,吉岡里帆,神木隆之介

テアトル梅田にて、前述の『型破りな教室』の次に。

奥山由之監督のことを存じ上げずすみません。映像監督であり写真家でいらっしゃるそうな。
本作は奥山監督による自主制作映画とのこと。
同監督は新海誠監督の『秒速5センチメートル』(2007)を松村北斗主演で実写化、今年公開されるそうです。
新海作品の中でいちばん好きな作品なので、とても楽しみです。その前哨戦として観ました、というと失礼か。

もともと公園があった河川敷から遊具などが撤去され、残ったのはたったひとつのベンチのみ。
そのベンチに腰かける人をとらえた5編のオムニバス作品です。

第1編、このベンチに最初に座る女性は広瀬すず
公園がなくなったことに衝撃を受け、仲野太賀演じる幼なじみの男性を電話で呼び出します。

第2編、次にこのベンチにやってきたのは同棲中らしいカップルで、演じるのは岸井ゆきの岡山天音
買い物帰りにここで昼食をとることになりますが、ちょっとした口喧嘩が始まります。
それをベンチの後ろから密かに聴いている中年男性に荒川良々

第3編、ベンチに座るでもなく罵り合う姉妹に今田美桜森七菜
どうやら姉は好きな男を追いかけて上京したけれど、男に相手にされずにホームレスに。
そんな姉を連れ戻しに来た妹と喧嘩になっています。

第4編、ベンチの撤去について討議するためにやってきた役所の職員たち。
草彅剛吉岡里帆神木隆之介が演じています。

第5編、第1編から何ヶ月か経ってまだベンチが撤去されていない模様。
またしても広瀬すず演じる女性が仲野太賀演じる男性を呼び出して再会中。

会話のみで成立する温かい作品ではあるけれど、話によってはとても眠い。
第4編は途中から聞き取れないような声になり、字幕が出るも小さくて読めませんでした。

第1編と第5編の脚本を担当しているのは生方美久、第2編は蓮見翔、第3編は根本宗子、第4編は奥山監督ご自身。
どれが好きだったかと聞かれたら第1編ですかね。仲野太賀の腰かけ方が絶妙(笑)。

 
面白かったのは第2編のやりとり。岸井ゆきの演じる彼女が岡山天音演じる彼氏に挙げる不満がすごく可笑しい。
彼氏が「そんなのそのときに言ってくれないと」と言うと、彼女が「単体では別に嫌じゃない」と言います。
それですよそれ。ひとつひとつは些細なことで、不満として口にするほど嫌なことではないけれど、
積もり積もって不満になるのですよね。寿司桶からあふれ出るように。
女はそれを見過ごせない。『サイドウォーク・オブ・ニューヨーク』(2001)を思い出しました。

—–

『型破りな教室』

『型破りな教室』(原題:Radical)
監督:クリストファー・ザラ
出演:エウヘニオ・デルベス,ダニエル・ハダッド,ヒルベルト・バラーサ,ヴィクター・エストラーダ,
   ジェニファー・トレホ,ミア・フェルナンダ・ソリス,ダニーロ・グアルディオラ他

新年、仕事帰りに2本ハシゴするのは初めてです。テアトル梅田にて。

本国メキシコのみならず全米でも大ヒットしたという作品。2011年の実話に基づく
「感動」という言葉はあまり安易に使いたくはないですが、感動的な話であることはまちがいありません。
主演は『コーダ あいのうた』(2021)で音楽教師役を演じたエウヘニオ・デルベス。教師役がよく似合う。

メキシコ東部のタマウリパス州、アメリカとメキシコの国境に位置するマタモロス。
銃声が鳴り響くのは日常茶飯事、まともな職に就くのは不可能、治安最悪の町

そんな町にあるホセ・ウルビナ・ロペス小学校は、学力テストで国内最下位にランキング。
校長のチュチョをはじめとする教師たちはなんとか状況を打破したいが、どうにもなりそうにない。

教師に欠員が出て、新しく着任したのはセルヒオ・フアレス・コレア。
この学校に希望してやってくるなんて正気の沙汰ではないとは思われていたが、セルヒオは堂々の変わり者。

そもそも進学など考えられる家庭環境ではない児童たちのほとんどは、登校してもやる気なし。
特に不良の兄貴分を持つ少年ニコは、自分も早く学校を辞めて「仕事」を任されたくてたまらない。
一方、ゴミ山の向かいに建つ家で父親と二人暮らしの少女パロマは、本当は勉強が大好きで、

宇宙工学を学んで将来宇宙飛行士になりたいと思っているが、学校では何事にも興味のないふりをして過ごしている。

セルヒオは着任初日にまずは机を使わない授業を始め、児童たちに浮力とは何かを問う。
これまでとはまったく違う先生の登場に児童らは驚くと共に面白がり、授業を熱心に聴くようになる。

ほかの教師たちはセルヒオのやり方に否定的。
セルヒオがいったい何をやりたいのかを理解しかねるチュチョが問いただすと、セルヒオが言うには、
子どもたちは馬鹿じゃない、子どもたちの可能性を信じて、子どもたち自身にやりたいことを考えさせるべきだと。
半信半疑だったチュチョも、セルヒオに任せてみようと思い……。

セルヒオの授業方法は彼独自が編み出したわけではなく、悪い言い方をすれば、動画で知ったほかの教育者の受け売りです。
しかし子どもたちを見る目は確かで、子どもたちの能力が彼によって引き出される。
自分に勉強などできるわけがないと思っていた子どもたちがセルヒオから疑問を投げかけられることにより関心を持ち、
自分たちで調べて結論を導き出そうとします。それがわかったときの子どもたちの破顔が最高。

哲学に興味を持った少女ルペが自分の学校の図書室で本を借りようとするも、
司書を務める教師から「小学生が読むには早すぎる」と断られます。
致し方なく大学の図書館に足を踏み入れてみると、そこではルペのことをちゃんと図書館利用者として扱い、
哲学書の棚に案内してくれるし、借りようとする本についても笑ったりしない。
子どもの可能性を最初から否定しては駄目なのだと強く思わされます。

巻き込まれる校長チュチョも愛すべき人柄で、彼とセルヒオのやりとりにはしばしばふきだす。
それにひきかえ、偉そうに振る舞うお役人の腹立たしいこと。
学力テストを事前に受け取るための収賄もあって、おまえら全員いっぺん死ねと言いたくなりました。

実際にパロマがメキシコの学力テストで1位を取り、大変な騒ぎに。次代を担う人として話題に。
セルヒオ先生が今も同小学校で教鞭を執っているのが嬉しいですね。

—–

『イカゲーム』シーズン2を観る。

劇場で映画鑑賞400本を目指そうかという気持ちが年頭に過ぎりはしたけれど、
正月休みの間ひたすら食べて呑むを繰り返したから、かなり体がしんどい。
そもそも年齢はどんどん進んで体力も落ちているのに、400本は無謀きわまりない。

と思って、正月休み最後の日は家から一歩も出ずにごろごろ。
昨年末よりNetflixにて配信中の『イカゲーム』シーズン2を観はじめました。
そうしたらやっぱり面白くて、全7エピソード中、エピソード4まで一気に。
仕事始めの日も劇場には寄らずに自宅へ直帰、残り3エピソードを鑑賞。

シーズン1でゲームを勝ち抜き、456人の参加者の中でたったひとりの生き残りとなったソン・ギフン(イ・ジョンジェ)。
賞金456億ウォン(約45億円)を手にするも、凄惨な殺し合いを目にした彼の心の傷は消えない。
このゲームを終わりにするのが自分の宿命だと感じたギフンは、表向きは普通の会社を起業。
その実態はこのゲームの黒幕を見つけるための会社で、裏社会の人間を雇って調べることが事業のすべて。

黒幕を見つけるためにはどうすればよいか。
まずは、地下鉄駅構内でギフンに「メンコ」で勝負を挑んできたスーツの男(コン・ユ)を見つけなければ。
奴はあのときのギフンのように多額の借金に苦しむ者を見つけてはメンコで勝負を挑んだ後にゲームの招待状を寄越すはず。
ギフンは社員たちにすべての駅を見張らせ、スーツの男がいないかを探る。
最初はそんなゲームの存在を信じない社員たちだったが、ギフンが提示する多額のボーナスに釣られて渋々調査を続けていると……。

以下、ネタバレを含みますので、今からご覧になる予定の方はご注意ください。

2年に渡る調査を経て、ようやく1チームがスーツの男を発見します。
シーズン1ではギフンの借金取りでありながら、取り立てに行かずとも自ら借金を完済しにやってきたギフンにいまや心酔、
ギフンの側近となったキム代表(キム・ボプレ)とその部下のチェ理事(チョン・ソクホ)がそのチームで、直ちに社長のギフンに連絡。
ギフンの到着を待たずにスーツの男を捕まえようと躍起になったキム代表とチェ理事は返り討ちに遭い、
逆にスーツの男に捕まった挙げ句、ふたりでじゃんけんゲームをさせられるはめになり、負けたキム代表はスーツの男に殺されてしまいます。

スーツの男と対面したギフンが今度はロシアンルーレットを持ちかけられ、ギフンが勝利。
ただのロシアンルーレットじゃないですからね。6発中5発の弾が込められているという。
少々身の上を語ったあと、自分の顎に銃を当てて脳天を撃ち抜いたスーツの男。あらら、コン・ユはもう御役御免ですか。

シーズン1で失踪した兄とゲームの関わりを調べていた警察官ファン・ジュノ(ウィ・ハジュン)は、
兄こそがゲームの運営責任者ファン・イノ(イ・ビョンホン)であることを知った直後に兄に撃たれました。
死んだかと思われていた彼は、通りかかった漁師のパク船長(オ・ダルス)に救助され、以降、ゲームがおこなわれた島を調べています。
海に浮かぶいくつもの孤島のうちのどこかで今もゲームがおこなわれているはずなのにわからない。
ギフンとジュノは手を組み、チェ理事が集めた傭兵を連れて島を突き止めることに。

島に乗り込まずともゲームに終止符を打たせられると思っていたのに、相手はこちらの上を行く。
結局、ギフンは再び自分がゲームに参加するしかないと悟ります。こうして始まる、またまた456人を集めたイカゲーム2。

巷で噂になっているように、「えっ!?」というところで終わるんですよね、これ。
シーズン3があること前提のシーズン2なので、続編ができるまで待たされるのかと思うと、えーっ。
シーズン2では身分を偽ってファン・イノもゲームに参加します。
イ・ビョンホンが若作りのためのメイクをしているのか、顔ツルッツルなのがちょっと気持ち悪い。
それに比べるとイ・ジョンジェは口角さがりまくりで髪もボサボサ、肌にツヤなし。
でも歳相応とも言えるし、この人、作品によってはめっちゃカッコイイので、知らない人は観てほしい

シーズン2の参加者の中では、最もウザいのがラッパーのサノス(チェ・スンヒョン)とその腰巾着ナムギュ(ノ・ジェウォン)。
借金100億ウォンを自慢げに語るオッサン(ソン・ヨンチャン)もいいかげんウザい。
元軍人でトランスジェンダーのヒョンジュ(パク・ソンフン)がカッコイイ。
仮想通貨系のインフルエンサー、ミョンギ(イム・シワン)もカワイイ男子ですが、如何せん適当。
脱北者で運営側の狙撃手を務めるカン・ノウル(パク・ギュヨン)が超ワケありで今後の展開も楽しみ。

ゲームを続行したい派と途中で止めたい派が分かれるにしても、
あんなふうに途中で狙撃手らの銃を取り上げて上階に乗り込むなんてことをしたら、それまでの配当金がもらえなくなるかもしれないじゃないですか。
ちょっと話がおかしくなってないかと思ったりもしますが、面白いものは面白い。
シーズン3を心待ちにしています。

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『ビーキーパー』

『ビーキーパー』(原題:The Beekeeper)
監督:デヴィッド・エアー 
出演:ジェイソン・ステイサム,エミー・レイヴァー=ランプマン,ジョシュ・ハッチャーソン,ボビー・ナデリ,
   デヴィッド・ウィッツ,ジェマ・レッドグレイヴ,ミニー・ドライヴァー,ジェレミー・アイアンズ他
 
MOVIX京都にて、前述の『盗月者 トウゲツシャ』の次に。
もともとはこっちが本命でした。ハゲ俳優の中でいちばん好きな、ジェイソン・ステイサムが出ているから。
 
アメリカの片田舎でひとり暮らす心優しき老婦人エロイーズ・パーカーが拳銃で頭を撃ち抜いて自殺。
彼女から納屋を借りて養蜂を営んでいたミスター・クレイが第一発見者となり、
たまたまそこへやってきたエロイーズの娘でFBI捜査官のヴェローナは、彼が母親を殺したと思い込み、拘束する。
 
その後の調べで、エロイーズが同日フィッシング詐欺に遭って全財産を失っていたことがわかる。
誤解と無礼を詫びるヴェローナからそれを聴いたクレイは怒りに燃える。
 
実はクレイは“ビーキーパー”と呼ばれる極秘プロジェクトの元工作員
富裕な老人を探し出して財産を根こそぎ奪い取ることを平然とおこなう企業を潰すと決め、
かつてのツテを使ってまずはエロイーズを罠にはめたコールセンターを突き止める。
そこに乗り込むとビルごと燃やしにかかり、防犯カメラも何もかも消滅したものだから、クレイの姿は知られないまま。
 
コールセンターのスタッフの話から、ビーキーパーと名乗っていた襲撃犯はクレイではないかと考えるヴェローナ。
実家の納屋を訪れるとすでにクレイは去った後で、クレイを殺そうとしたらしい輩の死体がごろごろ。
自分の母親の仇を討とうとしているクレイではあるが、FBI捜査官としての任務は果たさねばならず……。
 
コールセンターをいくつも持ち、高齢者を騙しまくる長・デレク役のジョシュ・ハッチャーソンのニヤニヤ顔が腹立たしい。
こんな詐欺を働いているのに真っ当な企業として扱われ、警備主任のウォレスは元CIA長官って、なんやねんこの会社。
デレクの母親は凄い金持ちのようだけど、何者かがわかるときは衝撃を受けました。ただの金持ちじゃないのね。(^^;
余談ながら、ウォレスをジェレミー・アイアンズが演じていますが、かなり呂律が怪しくなっているのが気がかり。
 
ジェイソン・ステイサムが負けるわけはないので安心して観ていられます。それにしても強すぎ。
続編もありそうな雰囲気ですが、このキャップの形は似合わない。次回からはもっと似合うキャップでお願いします。
 
京都で痛快な映画2本、観終わったのは22時半すぎで、終電を逃さないよう新京極を駆け抜ける。

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