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『エマニュエル』
監督:オードレイ・ディヴァン
出演:ノエミ・メルラン,ウィル・シャープ,ジェイミー・キャンベル・バウアー,チャチャ・ホアン,アンソニー・ウォン,ナオミ・ワッツ他
前述の『サラリーマン金太郎 【暁】編』の次に、同じく109シネマズ箕面にて。
私と同年代の人なら誰でも知っているであろう“エマニエル夫人”。
と言っても、知っているのはあのジャケットと音楽だけだという人が多いでしょうね。
だって女性はほぼ観る機会がないですもの。私も中身は知りませんでした。
原作者のエマニエル・アルサンがタイ・バンコクの出身で、16歳のときにフランスの外交官と結婚した女性だというのも今回知ったこと。
映画化のさいに主演したシルビア・クリステルは、60歳で亡くなるまでずーっとエマニエル夫人のイメージしか無し。
今回のリメイク版の監督は『あのこと』(2021)のオードレイ・ディヴァン。
主演は『燃ゆる女の肖像』(2019)や『TAR/ター』(2022)のノエミ・メルラン。
原作の舞台だったバンコクを香港に移して。R15+指定のフランス作品。
平日のレイトショー、客は私ともうひとり、女性のみ。男性だと気まずくなりそうだからよかった(笑)。
エマニュエル・アルノーが香港の高級ホテル“ローズフィールドパレス”にチェックイン。
彼女はこのホテルのオーナー企業に勤めており、ここに滞在して各分野の審査をするのが今回の仕事。
上司から特に指示されているのは、同ホテルの責任者であるマーゴ・パーソンのアラを探すこと。
マーゴが就任して以来、ホテルのランキングがひとつ下がったため、彼女をクビにする理由がほしいというわけだ。
エマニュエルはサービスをチェックしながら、マーゴをはじめとするホテル関係者や常連客と交流。
中でも気になるのは、プールサイドに頻繁に姿を現す女性ゼルダで、彼女は売春をしている模様。
しかもそれはどうやらマーゴから依頼を受けているらしい。
また、常連客の男性ケイ・シノハラは、いつも同じ部屋を取っておきながら、そこで眠ることはない。
職業もわからなければ、いつ外出していつ戻ってきたのかも巧みに隠す。
そんなケイに興味を惹かれたエマニュエルは、彼のことを知りたいと思うのだが……。
香港の雰囲気を味わうことはできるけれど、それだけ。
もともと主演のノエミ・メルランのことがあまり好きではありません。
セザール賞の授賞式のさいに、ロマン・ポランスキーの最優秀監督賞受賞に憤慨し、暴言を吐きながら退席したというような記事を読んだから。
さまざまな意見があることは否定しませんが、それってどうよと思う。
ほかの出演者にもあまり魅力を感じません。
マーゴ役のナオミ・ワッツは、昔は脱ぐほうの役だったでしょうに、デコのシワが悲しい。←嬉しくもありますが(笑)。
ゼルダ役のチャチャ・ホアンは細すぎて。美人というわけでもなし。
こういう官能作品だからって肉感的なほうがいいとは限らないでしょうが、なんだかなぁ。
ケイ役のウィル・シャープは背が低いのか、ノエミ・メルランと並んで歩くとちんちくりんに見えてしまう。
へ~っと驚いたのは、ホテル館内の監視者役がアンソニー・ウォンだったことぐらい。
香港へ向かう飛行機の中で向かいの席の男を誘ってトイレの中でヤって、バーで知り合ったカップルと3Pヤって、
ゼルダとそういう仲になって、最後はケイの前で別の男とヤって、エンドロール。
ただのヤリマンじゃあないか。
何が言いたかったのかまったくわからず、これなら日活ロマンポルノのほうがずっと面白いぞ。
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『サラリーマン金太郎 【暁】編』
監督:下山天
出演:鈴木伸之,城田優,石田ニコル,文音,影山優佳,竹島由夏,米倉れいあ,山口大地,斎藤さらら,
前田瑞貴,川合智己,佳久創,橋本じゅん,尾美としのり,浅野温子,榎木孝明他
109シネマズ箕面にて。
原作は1994年から2016年まで『週刊ヤングジャンプ』で連載された本宮ひろ志原作の同名人気漫画。
実写版を観たことはないのですが、“サラリーマン金太郎”といえば高橋克典じゃないんですか。
“ミナミの帝王”が竹内力から千原ジュニアにいつのまにか替わっていたように、これも替わっていました。
どーでもいいけどと思いながら観に行ったら、結構面白かった。
青森県大間に暮らすでマグロ漁師でシングルファーザーの元ヤン・矢島金太郎(鈴木伸之)は、
久々に大物のマグロがかかったと喜んで釣り上げようしていた折、
潮に流されて遭難しかけていた老人・大和守之助(榎木孝明)を見つけ、マグロをほっぽりだして助ける。
東京の大手建設会社ヤマト建設の会長を務める大和は、金太郎に船とマグロの弁償を申し出るが、
金太郎はそれを断り、代わりに大和の会社で雇ってほしいと言う。
マグロしか知らない金太郎が初めて大都会に出て、大会社のサラリーマンに転身。
出社初日早々、専務の黒川優作(尾美としのり)に無礼を働き、社員たちは騒然、黒川の機嫌を損ねる。
そんなことは気にしない金太郎だったが、彼の教育係を言いつけられた女子社員・前田一美(影山優佳)は、
パソコン使えない、電話の応対むちゃくちゃな金太郎の扱いに困り果て、植物の水やりだけを指示する。
息子とともに身を寄せることになった家は居酒屋。
そこに姿を見せる婆さん・中村加代(浅野温子)は、ほかの客に酒を集ることで有名で“乞食ババア”と呼ばれているが、
金太郎は加代と即座に親しくなり、東京で初めての「ダチ」となる。
2日目以降もひたすら水やりをする金太郎を見た同僚たち(前田瑞貴&川合智己)は、
新入社員の頃に毎日土まみれになっていたことを思いだし、金太郎を手伝うように。
金太郎を命の恩人と呼ぶ大和はもとより、良い印象を持たなかった黒川も金太郎を見る目が変わってゆく。
しかしそんな大和と黒川の失脚を狙っているのが元官僚の社長・大島源造(橋本じゅん)とその腰巾着・鷹司誠士(城田優)。
ふたりは大和が特別枠で入社させた金太郎の過去に注目し、輩を雇って金太郎を襲わせるのだが……。
マグロ漁師が建築会社に入社して仕事をこなせるとは思いません。
だけど水やりを言いつけられても腐らずにそれを懸命にやる。
水やりにも真剣な態度を見れば、まわりの人の印象も変わるかもしれないとは思います。
金太郎に喧嘩をふっかけてきた半グレ集団のリーダー・李秀麗(文音)も結局彼にゾッコンに。
困ったときの頼れる相手になるし、財界人が集うクラブの美鈴ママ(石田ニコル)も彼を放っておきません。
乞食ババアの正体はそんなもんだろうと思っていましたが、誰が相手であってもぶれず、素のままでいる金太郎は良いですよね。
わざわざ大画面で観るほどのものかという気はしないでもないけれど、スッキリと楽しい気分になれるからいいや。
来月の【魁】編の公開が待たれます。
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『ゴジラ対メカゴジラ』【4Kデジタルリマスター版】
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『FPU 若き勇者たち』
監督:リー・タッチウ
出演:ホアン・ジンユー,ワン・イーボー,チョン・チューシー,オウ・ハオ,チュウ・ヤーウェン他
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