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『仁侠学園』

『仁侠学園』
監督:木村ひさし
出演:西島秀俊,西田敏行,伊藤淳史,葵わかな,葉山奨之,池田鉄洋,
   佐藤蛾次郎,桜井日奈子,白竜,光石研,中尾彬,生瀬勝久他
 
TOHOシネマズ梅田にて。
前述の『ヘルボーイ』と10分かぶっていて、無謀なハシゴではありました。
きっと『ヘルボーイ』はエンドロールの後に何かあるだろうと思いながら、
でもそこまでおもろかったわけでもないし、そこを確かめなくてもええわと、
本作上映の劇場に走ったのでした。
 
木村ひさし監督、すみません、存じ上げません。
調べてみたらTVドラマを多く撮られている模様。
映画の代表作は『ATARU』や『TRICK』の劇場版だから、
TVドラマを観る時間まではなかなかつくれない私の優先度低いやつ。
どうりで存じ上げないわけです。
 
原作は今野敏の“任侠”シリーズのうちのひとつ。
私はこれと『任侠書房』を本棚に積んでいるのですが、
シリーズを順番に読もうと思っているうちに数年経ってしまいました。
どちらもまだ読んでおりません。
そろそろ映画版のキャストを思い浮かべて観ましょうかね。
 
組長を入れてわずか6人しかいない任侠団体、阿岐本組。
ヤクザではあるが、指定暴力団ではない。
 
組長の阿岐本雄蔵(西田敏行)は義理人情に厚すぎる。
そんな人柄につけ込んで、しょっちゅう厄介事を持ち込むのが、
兄弟分の永神組長、永神健太郎(中尾彬)。
数々の不良債権を阿岐本に巧く押しつけたこと数知れず。
 
今回永神が阿岐本に持ち込んだのは、経営不振に陥った私立高校の再建。
話を振られた阿岐本組のナンバー2、日村誠司(西島秀俊)は大弱り。
中卒で学校嫌いだった日村なのに、理事に就任することに。
しかし、阿岐本に命じられれば拒絶なんてできない。
 
仕方なく組員たちを率いて高校を訪れる日村。
生徒たちのレベルは中の中の中。部活は無く、面白いことなど何もなさそう。
無気力、無関心を決め込む生徒たちと事なかれ主義の教師たちを見て、
日村は危機感をおぼえる。
 
ところが、何も問題はないと校長が話していたのに、
夜中に何者かが校内に忍び込んでガラスを割る事件が頻発。
事を荒立てたくないと校長(生瀬勝久)が言うものだから、
日村たちは監視カメラを設置、犯人をつかまえようとするのだが……。
 
単純に面白い。
阿岐本組の三ヶ条は、実にわかりやすくて清々しい。
1. カタギに手を出さず、

2. 勝負は正々堂々、
3. 出されたものは残さず食う。
 
シリアスな西島秀俊もいいけれど、こういう彼もいいですね。
高校生には葵わかな葉山奨之、福山翔大、桜井日奈子など。
ずっと葵わかなが苦手だったのですが、
この不貞腐れた女子高生役の彼女はすごくいい。
 
遺影の中にだけ登場する高木ブー。
強面のほかの組長に白竜
生徒の父親でとても感じの悪い野郎(笑)に光石研
 
ここのところ、可愛い子ちゃんではない豪華キャストで魅せる邦画多し。
どれも笑えてホロリと来て、万人にお薦めできます。
 
“また逢う日まで”が頭から離れない。やっぱり名曲!

—–

『ヘルボーイ』

『ヘルボーイ』(原題:Hellboy)
監督:ニール・マーシャル
出演:デヴィッド・ハーバー,イアン・マクシェーン,ミラ・ジョヴォヴィッチ,
   ダニエル・デイ・キム,サッシャ・レイン,トーマス・ヘイデン・チャーチ他
 
大阪ステーションシティシネマで2本観てからTOHOシネマズ梅田へ移動。
ここでも2本ハシゴ。
 
ヘルボーイ役はロン・パールマン一択だと思い込んでいたら、こんなリブート版公開。
原作者のマイク・ミニョーラが監修を担当しているのだそうです。
 
地獄生まれの“ヘルボーイ”。
そのおぞましい容貌からは想像もつかない心根の優しいダークヒーロー。
育ての親であるブルーム教授を父親と信じるヘルボーイは、
いまや教授が勤める超常現象調査防衛局(B.P.R.D.)のエース。
 
そんななか、英国に人を食う巨人が3体も出没。
魔物退治隊の応援に向かうことを命じられるが、
隊員たちから攻撃を受けて殺されかけ、間一髪のところで逃げる。
隊員たちは出没した3体の巨人に無残に食いちぎられて全滅。
ヘルボーイはひとりでなんとか3体を退治して帰る。
 
味方のはずの隊員から命を狙われた憤りを教授にぶつけたところ、
今はそれについて愚痴っているひまはない様子。
“ブラッドクイーン”と呼ばれる最強の魔女ニムエが封印を解かれ、
1500年の眠りから目覚めたらしい。
 
その昔、アーサー王に体をバラバラにされたニムエは、人類に復讐したい。
人間界に魔物を解き放ち、地上を地獄に変える計画を実行に移し……。
 
かなりグロいです。直視できなかったシーン多数。
ギレルモ・デル・トロ版『ヘルボーイ』にそんな記憶はなく、
醜くも愛らしいヘルちゃんとその仲間たち、みたいな印象があったから、
このリブート版は私にとってはかなり衝撃的。
 
でも、グロい部分を除けば、グッとくる台詞もいろいろ。
魔物を退治する立場にありながら、ヘルボーイを拾い上げて育てた教授。
幼い頃に自分を助けてくれたヘルボーイのことを忘れず、
今度は自分が彼を救おうとするアリス。
ヘルボーイの相棒で最初は嫌な奴でしかなかったダイミョウ。
このチームが凄くいい。
 
ミラ・ジョヴォヴィッチ演じるニムエについて「豊満な胸」とかいう表現があって、
そこは「冗談やろ」と突っ込み入れたくなりました(笑)。
 
続編もあるようで。まぁ観るかな。 
偏見を持たないことって難しい。でもそんな人間になりたい。

—–

『サラブレッド』

『サラブレッド』(原題:Thoroughbreds)
監督:コリー・フィンリー
出演:オリヴィア・クック,アニャ・テイラー=ジョイ,アントン・イェルチン,
   ポール・スパークス,フランシー・スウィフト他
 
「映画の日」に休みを取って4本ハシゴの2本目。
大阪ステーションシティシネマにて。
「サラブレッド」の綴りが“Thoroughbred”であることを初めて知りました。
だって、こんな英単語を使うことってまずないし。(^^;
 
衝撃的なのは脇役で出演しているアントン・イェルチンが、
3年前、自宅の門に取り付けられた郵便受けと車の間に挟まれて、
まだ27歳だったのに急逝したということ。
車はエンジンがかかったまま、ギアはニュートラル。
軽い怪我で済んだなら後から笑い話にでもなったでしょうに、亡くなってしまうとは。
遺作となった本作は昨年アメリカで公開され、
エンドロールには“In Memory of Anton Yelchin”と追悼が捧げられています。
 
長らく疎遠だった幼なじみの少女、アマンダとリリー。
ある日、アマンダは豪邸に暮らすリリーを訪ねる。
アマンダの勉強を見てやってほしいと、彼女の母親がリリーに頼んだから。
 
笑顔を繕うリリーと無表情なアマンダの間にぎこちない空気が流れる。
共通点などまるでないと思われるふたりだったが、
リリーが継父マークに対して不満を溜め込んでいることがわかると、
アマンダはあっけらかんとしてマーク殺害を提案。
 
そう言われても、自分が犯人であるとバレないように殺害するにはどうすればよいのか。
アマンダに相談したリリーは、チンピラのティムを雇うことを思いつき……。
 
冒頭から嫌な雰囲気の漂う作品です。
ふたりの関係性がわかるまでにかなりの時間を要します。
休暇でもないのになぜふたりとも学校に行かないのかも不思議。
それがだんだん明らかになる過程が面白い。
 
アマンダはどう見ても偏屈で、キモイのを自認。
演じるオリヴィア・クックは可愛い顔立ちで、その表情の無さが余計に不気味。
どうやら彼女は飼っていた馬を残忍に殺し、動物虐待の罪に問われているらしい。
 
アニャ・テイラー=ジョイ演じるリリーは、名門学校を退学させられたことがわかります。
アマンダには嘘をついているけれど、彼女は全部お見通し。
継父が死んでしまえばいいと思っていることまですぐに悟られてしまうのですから。
 
ティム役がアントン・イェルチンで、なんとも情けないチンピラ役がピッタリ。
ジャンキーみたいな顔つきだから、オーバードーズで亡くなったかと思ったほど。
 
明るさのかけらもない作品ですが、美少女ふたりの共演に目が釘付け。
こんな年齢の頃から、女って怖い(笑)。

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『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』

『ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち』(原題:The Hummingbird Project)
監督:キム・グエン
出演:ジェシー・アイゼンバーグ,アレキサンダー・スカルスガルド,サルマ・ハエック,
   マイケル・マンド,サラ・ゴールドバーグ,アンナ・マグワイア,フランク・スコーピオン他
 
飲み会の日がたまたまファーストデーと重なったので、
ついでに有休を取って映画を観てから飲みに行くことにしました。
こういう機会があると、ついつい仕事に行くときより早く家を出てハシゴする計画を立ててしまう私は、
この日も一応そういう計画を立てていました。
朝の用事の片付け具合で無理っぽかったらやめておくつもりでしたが、
なんとなく間に合いそうだなと思った瞬間から動きがハイピッチに。
結局、計画どおりの4本ハシゴに。
 
1本目は大阪ステーションシティシネマにてカナダ/ベルギー作品を。
タイトルを聞いても何の話なのか全然ピンと来ない。
金融市場で繰り広げられる「高頻度取引」の実態をモチーフにした作品です。
 
株の取引って、ミリ秒単位で莫大なお金が動くんですよね。
何ミリ秒か遅れただけで大損したりする世界だから、
他社より少しでもはやく取引をおこなえれば大儲けできる。
本作の主人公のヴィンセントといとこのアントンは、
ニューヨークで株の高頻度取引を進める会社に勤めています。
 
トレーダーとして活躍するヴィンセントとアントンは、
傲慢な女社長エヴァのもとで言われるがままに働くのが嫌になり、
自分たちでもっと面白いことをして儲けようと考える。
 
取引速度を短縮するにはとにかく「直線」で結ぶこと。
そう信じるヴィンセントは、直線にこだわり、
カンザス州のデータセンターとニューヨーク証券取引所のサーバーの直線上に
ファイバーケーブルを敷設しようと思い立つ。
そうすれば、従来のアクセス時間を0.001秒短縮できるはず。
 
さっそくエヴァの会社に辞表を提出し、
信頼のおけるマークという男を仲間に引き込む。
資金を提供してくれそうな人物にヴィンセントが直談判。
見事スポンサーを射止め、土地の買収に着手するのだが……。
 
0.001秒ですよ。
息つくひまもないほどのミリ秒を短縮することに執念を燃やす人々。
この方面についてまったく無知な私の言うことですから聞き流してください。
言っちゃ悪いですが、トレーダーにはどことなく「人の褌で相撲を取る」的な印象がありました。
それが一変。そのアイデアといい、働きぶりといい、儲けて当然。
 
地下にケーブルを通すんだから、見た目の影響なし。
誰でも土地を売ってくれると思いきや、絶対嫌だと言う人もいるし、
勤務していた会社の社長はあの手この手で邪魔をしようとするし、
山や川にぶち当たって上手く掘れないことも。
 
どこの会社もミリ秒短縮しようと必死だから、
0.001秒縮めて喜んでいたと思ったら、
翌日には他社がさらに縮めている場合だってあるんですよね。
 
ヴィンセント役のジェシー・アイゼンバーグ、アントン役のアレキサンダー・スカルスガルド、○。
エヴァ役のサルマ・ハエックはハマりすぎて憎たらしいほど。
 
どんな仕事も、楽して儲けるのは無理。
そこにはさまざまな犠牲と苦労があるのだなとしみじみ思いました。

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『ホテル・ムンバイ』

『ホテル・ムンバイ』(原題:Hotel Mumbai)
監督:アンソニー・マラス
出演:デヴ・パテル,アーミー・ハマー,ナザニン・ボニアディ,
   ティルダ・コバン=ハーヴィー,アヌパム・カー,ジェイソン・アイザックス他
 
日曜日の定刻夕食16:00を終えてから、
どうしてももう1本観たくて109シネマズ箕面へ。
 
インドで起きた同時多発テロを基に映画化。
 
2008年11月26日。
ムンバイ各地にイスラム過激派と見られる若者たちが入る。
彼らは同時多発テロを目論んでおり、
標的となったのは多くの人が利用する駅、カフェ、ホテルなど。
 
5つ星ホテルのタージマハル・ホテルの従業員アルジュンは、
この日レストランのフロアサービスを担当していたが、
銃声を聞いてすぐに消灯に走り、テロリストたちに気づかれぬようにする。
 
ムンバイには特殊部隊が置かれておらず、
現地の警察はこのような事態に面したことがないから及び腰。
デリーから特殊部隊がこちらに向かうらしいが、いったいどれだけかかるのか。
 
ホテルから出られずにいる宿泊客と従業員は500人以上。
テロリスト集団は1部屋ずつ回り、誰かを見つけるや否や無慈悲に殺害。
 
とりあえずは安全な部屋へ。
アルジュンや料理長オベロイをはじめとする従業員らは、
テロリストたちの目を盗み、6階のラウンジへと移動するのだが……。
 
オーストラリア/アメリカ/インド作品です。
ハリウッド映画ほど派手でないとはいえ、娯楽の要素が強い。
けれどもテロの話だと思うと笑うことは許されない気がして。
 
テロリストの若者たちは、ただボスの言葉を信じて動いているだけで、
彼らには彼らなりの事情や理由があると言いたげ。
その気持ちに寄り添いたくはないのです。
 
アルジュン役のデヴ・パテル、アメリカ人のセレブ役にアーミー・ハマー
ロシア人のセレブ役にはジェイソン・アイザックス
料理長役のアヌパム・カー、みんな良いんです。
特に料理長なんて、裏口から帰りたいという従業員を止めない。
「出て行きたい者は出て行ってかまわない。出て行くことは恥ではない」と
実に優しく声をかけます。ほとんどが帰らないのはそりゃもう感動的。
 
ただ、もっと淡々と描いてもよかったんじゃないかと思うし、
逆に『パトリオット・デイ』(2016)のようにテロに立ち向かう、
アメリカ万歳的な娯楽作品ならば割り切って楽しめたかもしれません。
本作は楽しいと言うとバチが当たりそうで微妙。
 
面白くて退屈するひまはなかったけれど、
どういう思いで観るべきなのか困る、そんな作品でした。

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