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『雪の花 ともに在りて』

『雪の花 ともに在りて』
監督:小泉堯史
出演:松坂桃李,芳根京子,役所広司,三浦貴大,宇野祥平,沖原一生,坂東龍汰,
   三木理紗子,新井美羽,串田和美,矢島健一,渡辺哲,益岡徹,山本學,吉岡秀隆他
 
イオンシネマ茨木にて。
前述の『メイクアガール』の上映終了時刻と本作の開始時刻が10分重なっていたのですが、
予告編を飛ばせばきっちり間に合いました。
 
吉村昭の同名時代小説『蜩ノ記』(2013)や『峠 最後のサムライ』(2019)の小泉堯史監督が映画化。
数カ月前に主演の松坂桃李が「久しぶりに時代劇をやらさせていただくことになりました」とコメントしている映像を観て、
だからぁ、「さ入れ」はバカっぽく見えるんやてばと思い、
何にでも「させていただく」と言うといたら丁寧やと思っている風潮を憂えております。
この映像を観たせいで公開直後には行く気せず、1週間後になりました。(^^;
 
江戸時代末期。福井藩の町医者で漢方医の笠原良策は(松坂桃李)は、民衆が突然の発疹に苦しんでいると聞いて駆けつける。
病状を診た良策はそれが疱瘡(=天然痘)だとわかって愕然。
日本国中で猛威を振るっている疱瘡は死に至る病として恐れられていたが、その治療法はない。
罹患した者を隔離して時が過ぎ去るのを待つしかないのだ。
 
医者でありながらその場を逃げ去るしかないことを苦しく思う良策は、蘭方医の大武了玄(吉岡秀隆)と出会う。
漢方こそが一番だと思っていたのに、蘭方も学ぶべきだと言われて最初はムッとしたものの、
あらためて了玄の話を聴くうち、疱瘡を治す手立ては蘭方にならあるのではないかと思いはじめる。
 
親友で同じく漢方医の半井元冲(三浦貴大)に相談したところ、京都の蘭方医・日野鼎哉(役所広司)を紹介してくれる。
妻の千穂(芳根京子)に留守を頼み、京都まで出向いた良策は鼎哉に教えを請う。
蔵書の中に疱瘡に関する図を見つけ、その治療法の有無について問うてみると、
鼎哉が言うには、異国に種痘(=予防接種)という方法があるが、
鎖国の日本では種痘の「苗」を手に入れることができず、この方法を用いるのは無理とのこと。
 
疱瘡を防ぐには種痘しかないと、良策は嘆願書を作成し、なんとか藩主の協力を仰ごうとするのだが……。
 
「さ入れ」でつまずきはしたものの、観てみればとても良い作品。スルーしなくてよかったと思いました。
 
検討すると言いながら何もしないのがお役人の仕事だという台詞には笑ってしまいました。
今のお役人もそうだと侮辱するつもりはないけれど、同じような人、いっぱいいませんか。
 
良策と思いを共にする医者は多くいて、皆がこの病をなくすために協力を惜しまず、奔走します。
そのおかげでなんとか種痘の苗を手に入れることには成功しても、歩いて持ち帰るしかなかった時代。
長崎で入手した苗を一刻も早く福井藩へ持ち帰らねば、苗そのものが死んで役に立ちません。
苗を生かしたまま持ち帰るには、良策の話を信じてくれる民衆に種痘を施し、それを引き継ぎながら歩くしかない。
しかも、種痘は大人ではなく子どもの時分に施してこそ効果のあること。
 
引き受けてくれた子どものいる家族と一緒に吹雪の中を歩き、やっと福井へと戻ったら、
今度は古いアタマしかない漢方医が、仕事をしないお役人とグルになって邪魔をする。
どこまでが事実に基づいた話かはわからないけれど、奴らがギャフンと言わされるシーンは痛快です。
 
ワクチンのルーツを見た思い。

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『メイクアガール』

『メイクアガール』
監督:安田現象 声の出演:種崎敦美,堀江瞬,増田俊樹,雨宮天,花澤香菜,上田燿司,日向未南他
 
どういうアニメなのか、どういう話なのか、原作は何なのか、あらゆることをひとつも知らないまま、
公開初日、仕事帰りにイオンシネマ茨木にて鑑賞しました。
 
鑑賞後に調べてみると、絶大な人気を誇るアニメーション作家・安田現象による劇場用アニメーションプロジェクト第1弾らしく、
クラウドファンディングでは目標額の230%超えを達成したとのこと。
てな予備知識は無しで観たわけですが、確かに面白かった。
 
17歳の男子高校生・水溜明は、天才的頭脳を持つ科学者でもある。
ロボットAI(人工知能)の開発に勤しみ、明が開発したサポートロボット“ソルト”は、
企業、家庭、学校で人々の生活をサポートするロボットとして活躍中。
 
そんな明ではあるが、自分の興味を惹く研究以外のことにはとても疎い。
あるとき、最近恋人ができたという同級生・大林邦人から、恋は人をパワーアップさせると聞き、
自分の研究をパワーアップさせるべく恋人をつくることにする。
 
明がつくったのは、見た目が女子高生そのもののロボット“0号”。
0号には明に対する恋愛感情がプログラムされている。
いくら見た目がそうでも、中身が伴わなければ本物の女子っぽくない。
そこで、邦人や同じく同級生の茜がバイトするファミレスに0号を送り込み、
0号に人間らしいふるまいを覚えさせることにするのだが……。
 
0号に人間らしさを覚えさせようとするけれど、明自身もロボットではないかと思うほど人間の気持ちをわかっていません。
ファミレスでバイトしたり、茜に世話を焼かれたりしているうちに、0号はどんどん人間らしくなる。
それと同時に感情も生まれて、明のことをなぜ好きなのかも考えるようになります。
 
ロボットは開発者に歯向かわないようにつくられていて、
もしも開発者に危害を加えるような行動に出れば、ロボットもぶっ壊れてしまう。
それを理解していながらプログラムに抗おうとする0号の姿は恐ろしくも悲しい。
 
そういう事情があるとはいえ、明をナイフでぶった切ろうとしたロボットはやっぱり怖いですけどね。
それよりも怖いのは、仲良しのお姉さんが明を激しく羨み憎んでいたという事実ですけど。
あ、なんだか「結局怖いのは人間」という結論にたどり着いてしまった。(^^;

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『ヘヴィ・トリップII/俺たち北欧メタル危機一発!』

『ヘヴィ・トリップII/俺たち北欧メタル危機一発!』
監督:ユッカ・ヴィドゥグレン,ユーソ・ラーティオ
出演:ヨハンネス・ホロパイネン,サムリ・ヤスキーオ,チケ・オハンウェ,マックス・オヴァスカ,アナトール・トーブマン他
 
昨年なんばパークスシネマで上映していたときに見逃しました。
そのときには今年1月に塚口サンサン劇場で上映されることがわかっていたから、あえてスルーしたのでした。
 
さて、そして塚口にやってきました。
5年前に観た前作『ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!』(2018)は楽しかった記憶があるけれど、
内容詳細を覚えていたわけではなくて、上映開始と同時に思う、こいつらどうして刑務所にいるんだっけ?
その事情は思い出せないまま話は進む。ま、どうでもいいや(笑)。
 
フィンランドのド田舎でヘヴィメタバンド“インペイルド・レクタム(=「直腸陥没」の意)”を組む4人。
今は刑務所で服役生活を送り、たまにおこなわれる囚人相手の演奏で爆音を鳴らしては看守に怒られている。
 
ある日、ギター担当のロットヴォネンの父親が倒れたとの連絡が入る。
父親は自身が経営する食肉処理場を手放さなければいけない経済状態で、それがショックで倒れたらしい。
なんとか父親を助けたいし、このまま死なれても嫌だと、ロットヴォネンは脱獄を計画。
ちょうどそのとき、超大物の音楽プロデューサー、フィストが4人に面会にやってきて、
ドイツのヴァッケンで開催される巨大メタルフェスに出演しないかと言う。
 
ベース担当でこだわりの強いクシュトラックスは即座に断るが、ほかの3人はあきらめられないし、
何よりもそのフェスに出演すれば、ギャラでロットヴォネンの父親を救えるかもしれない。
 
なんとかクシュトラックスのことも説き伏せ、4人は脱獄してヴァッケンへと向かう。
足がないから車を盗み、金もないから有名なデスメタルバンド“ブラッドモーター”のツアーバスに侵入。
途中、まずは別のフェスに出演するようにフィストから言われるが、オリジナル曲ではなくカバー曲の演奏を指示されたのが不満。
それを飲めずに断ると、出演は取り消されてしまう。
 
ところがブラッドモーターのボーカルが舞台から落ちたのを見て、インペイルド・レクタムのボーカル、トゥロが舞台を乗っ取り。
すると想定外にウケてフィストはすっかり気をよくすると、インペイルド・レクタムを大々的に売り出そうとする。
しかしフィストが気に入ったのはトゥロだけだと気づいたクシュトラックスがまず離れる。
続いてドラムのオウラも抜け、ついにはロットヴォネンもトゥロのやり方に呆れてその場を去り……。
 
前作のほうがずっと楽しかった印象があります。
これも楽しくないことはないけれど、まず演奏シーンが少なくて物足りない。もっとヘヴィメタを聴きたかったのに。
 
でもBABYMETALが出演していて、ちゃんと台詞もあるのは嬉しいところ。
“GIMME CHOCOLATE!!”も聴けますよ。
 
メタルをまったく知らない人が観てもつまらないだろとは思います。
少なくともBABYMETALを知っていて、記念館にあるものが誰のものか多少なりともわかって、
帽子にある文字を見てあのレミーだとわかる程度の知識はないと。
 
ま、そういう私もそんなに知らんし、そもそも本当のメタルファンはヘヴィメタとは言わないらしいので、
仲間には入れてもらえそうにありません。結構好きなんだけどな~。
 
ボーカルを助けるのはギターの人の役目なんですか。

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『ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件』

『ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件』(原題:金手指)
監督:フェリックス・チョン
出演:トニー・レオン,アンディ・ラウ,シャーリーン・チョイ,サイモン・ヤム,カルロス・チェン,
   マイケル・ニン,フィリップ・クン,アレックス・フォン,タイ・バオ,チン・ガーロウ,アニタ・ユン他
 
TOHOシネマズ伊丹にて。
20:45上映開始だったので、その前にもう1本観ようかと思ったけれど、観るものがありませぬ。
『グランメゾン・パリ』はすでに2回観ているし、『サンセット・サンライズ』も前週観たところ。
ほかの上映作品もすでに鑑賞したものばかりで、無理に観るなら『ライオン・キング:ムファサ』の吹替版か。
おかげでこれを最後の数頁を残すところまで読めました。
 
そのシリーズ3作目が製作された2003年以来の共演となるそうです。絶対観るでしょ。
監督はシリーズで脚本を執筆したフェリックス・チョン。
モチーフとなっているのは1983年に起きた佳寧案(キャリアン)事件。
 
1980年代の香港は、イギリスによる植民地支配がそろそろ終焉を迎える頃。
福建省出身の建築技師チン・ヤッイン(トニー・レオン)は職にあぶれ、勝負をかけてこの地へやってきた。
土地の売買で困っていたツァン・ギムキウ(サイモン・ヤム)と偶然知り合い、
富豪のふりを頼まれたのをきっかけに、これは金になるのではと思いつく。
 
チンは違法な取引を繰り返して資産を築き、株式ブームの波に乗る。
世界中に会社を持つ巨大金融グループの立ち上げに成功すると、富豪たちと組んで大規模な詐欺を画策。
ICAC(汚職対策独立委員会)のエリート捜査官ラウ・カイユン(アンディ・ラウ)は、
なんとかチンの尻尾を捕まえて逮捕しようとするのだが……。
 
凄く期待して鑑賞に臨んだのですが、イマイチ満足感なし。
そもそも私は金融のシステムに疎すぎて、どういう詐欺なのかも理解しきれていません。
ただ、こういう大がかりな詐欺で儲けに儲けた人がいるんだなぁと思うだけ。
 
そしてたぶん私に満足感がない理由は、アンディ・ラウが「正しすぎる」から。
彼は確かに二枚目でイケオジだけど、正論ばかりふりかざしているように思えて好きになれない役。
ラウが善人、チンが悪人の役なのに、チンのほうを応援してしまうのでした。
 
私が香港映画にハマっていた頃、ラブコメの女王だったアニタ・ユンが友情出演。
どの役で!?と興味津々で探していたら、裁判長の役でした。
現在53歳の彼女は、そりゃ歳は取ったけど、顔を見ればすぐわかる。懐かしくて嬉しい。       

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『アンダーニンジャ』

『アンダーニンジャ』
監督:福田雄一
出演:山﨑賢人,浜辺美波,間宮祥太朗,白石麻衣,岡山天音,山本千尋,宮世琉弥,
   坂口涼太郎,長谷川忍,木南晴夏,ムロツヨシ,平田満,佐藤二朗他
 
109シネマズ箕面にて、仕事帰りにこれ1本だけ観る。
 
ちょっと嫌な予感がしていました。福田雄一監督作品だから(笑)。
以前はとても面白いと思っていたけれど、昨年最後に観た『聖☆おにいさん THE MOVIE ホーリーメンVS悪魔軍団』(2024)が「なんだかなぁ」。
出演者はみんなそりゃ楽しいだろうでしょうが、ちょっと内輪ウケ過ぎやしませんか。
 
原作は花沢健吾の同名漫画で、『週刊ヤングマガジン』で2018年から今なお連載中。
TVアニメ化もされて一昨年放映されていたそうですが、未見。
 
忍者組織“NIN”に所属する末端忍者の雲隠九郎(山﨑賢人)。
腕は確かではあるものの、このところ仕事にあぶれ、ただただ暇を持て余す日々を送っている。
同じボロアパートの隣室とは押し入れで繋がっており、隣人の大野(ムロツヨシ)の冷蔵庫からビールを勝手に頂戴しては、
同じく住人の愛(木南晴夏)と酒盛りしている。そんな愛の下着を狙うのは、男子高校生の瑛太(坂口涼太郎)。
 
エリート忍者の加藤(間宮祥太朗)からようやく命じられた仕事は、高校生に扮しての潜入捜査。
講談高校には謎の闇組織“UN”こと“アンダーニンジャ”が潜んでいるらしく、UNの狙いが何なのかを突き止めるのが九郎に与えられた任務。
24歳の自分が高校生になるのは無理があるのではと問うたところ、加藤は問題ないと言う。
 
こうして九郎は高校生を装い、講談高校に転入。
同級生の野口彩花(浜辺美波)は九郎のことを変な奴だと思いつつもなんだか気になってしまう。
彩花の幼なじみである瑛太はいじめられっ子ゆえ不登校になっていたが、九郎が助けてくれると言うので登校することに。
すると九郎は本当に強くて速くて、不良の中にも彼に一目置く者が出てくる。
 
いったいUNは誰なのかとひそかに目を光らせる九郎は、最初は主事を名乗る男(平田満)を怪しむが、
どうやら彼はUNではなく、学校で一番人気の女子生徒、山田美月(山本千尋)がそうではないかと思いはじめる。
 
加藤に命じられて九郎と同じく潜入した蜂谷(宮世琉弥)と鈴木(白石麻衣)もNINを追っていたが、
人をバサバサ斬りたくてNINを抜け、UN側についた猿田(岡山天音)から襲いかかられて……。
 
とてもくだらないです(笑)。
九郎と大野の最初のほうのやりとりとか、ほとんどNG集。
わざわざお金を出して観に行くほどのものかと思ってしまう。
 
いいんです、とりあえず山﨑賢人を見られるのだから。でもそれだけですよねぇ。
もとは武術太極拳の名手、山本千尋のアクションシーンも見られることだし。
仲良しグループで和気藹々とやっているのは嫌いではない。
 
ただ、そういえば三木聡監督もこんな感じで、内輪ウケに走っているうちにイマイチになったような気がします。
作品としてこれ以上劣化しないようにお願いしたい。
わざわざ観に行くほどのものじゃないと思いつつも、今後も観ますから。ほんまに、頼むで。

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