MENU
ChatGPT-Image01
ChatGPT-Image02
ChatGPT-Image03
ChatGPT-Image04
ChatGPT-Image05
previous arrow
next arrow

2020年3月に読んだ本まとめ

2020年3月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:3361ページ
ナイス数:1224ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly
 
■ドッグファイト (角川文庫)
ヤマトがアマゾンの当日配送から撤退すると聞いたとき、思いきった決断をしたなぁと驚きました。本作はフィクションではあるものの、内情はまさにこんなだったのでしょう。アマゾン専属の配送業者にされるのは阻止したい、でもアマゾンの配送がなくなったら会社はどうなるのか。ヤマトを応援したくなるけれど、私だってもはやアマゾンなしでは成り立たない生活を送っている。世のため人のためになり、喜ばれるサービス。そこに関われることこそがビジネスの醍醐味。はたしてどれだけの会社が、人々が、それを感じて仕事をしているのか。私も含めて。
読了日:03月01日 著者:楡 周平
https://bookmeter.com/books/14024093
■巴里マカロンの謎 (創元推理文庫)
初めて“小市民”シリーズを読んだのは数年前だから、私は11年ぶりじゃないんです。それでもすごく久しぶりに会えた気がする。賢しらなくせして、どこの学校に連れて行かれるか想像もしない愚鈍な小鳩くん(笑)。冷静沈着な小佐内さんも相変わらずイイ。小鳩くんのひと言が冴え渡っていて、クスッと笑ってしまった箇所多数。クスッとで抑えられなかったのは「怯えていたんだね。笑ってたのかもしれないけど」。爆笑。小佐内さんの私のイメージは黒島結菜。どうですか。永遠に高校生でいてほしいような、大人になってからのふたりも見たいような。
読了日:03月02日 著者:米澤 穂信
https://bookmeter.com/books/14938387
■ぼくとおれ (実業之日本社文庫)
ざっくり同世代の人と話をするのは楽しい。でも、ピッタシ同い年の人と話をするのはもっと楽しい。タメの人にしか通じないネタというのが確実に存在する。私の不思議は、1960年生まれの著者が何故に主人公ふたりを1972年生まれにしたかということ。単純に一回り下に設定したという以上の意味を私はどうも感じづらい。「チミ〜」とか言われたら、もっとずっと上のオッサンかと(笑)。私は、一緒に泣ける人よりも、一緒に笑える人と一緒にいたい。一緒に笑える人とならきっと一緒に泣けるけど、一緒に泣ける人が一緒に笑える人とは限らない。
読了日:03月03日 著者:朝倉 かすみ
https://bookmeter.com/books/15053967
■【2020年・第18回「このミステリーがすごい! 大賞」U-NEXT・カンテレ賞受賞作】【テレビドラマ原作】そして、ユリコは一人になった (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
「佐藤」姓は王子を残すのみ、それ以外は皆殺しという『リアル鬼ごっこ』を思い出します。その高校で存在が許される「ユリコ」はひとりだけ。ユリコが複数になった場合、女王「ユリコ様」を残し、ほかのユリコはどういうわけか淘汰の憂き目に遭うんですと。それなりには騙されましたけれど、そんなん無理やてと言いたくなるトリックやら、大仰なデモンストレーションにちょっと冷めてしまう。映像化には向いているかと。主演は私には橋本環奈しか考えられません。『シグナル100』の悪夢が蘇るから、もしほんとに映像化されてもよう観に行かん。
読了日:03月05日 著者:貴戸 湊太
https://bookmeter.com/books/15106552
■営繕かるかや怪異譚 (角川文庫)
内藤了の『よろず建物因縁帳』の仙龍が曳き屋なら、こちらの尾端は営繕屋。古い城下町に移り住んできた人々が、家に住み着いているらしい誰かに怯える。霊感ばりばりの仙龍のことを思えば、尾端にはそんなものは一切なし。霊能師でも霊媒師でもないけれど、彼は怪異の正体の身になってその気持ちを考える。怪異は居住者を怯えさせているだけで、危害を加えたりはしないのだから。解決策が優しさに溢れています。6話の中には、正体をもう少し詳しく知りたかったものもありますが、切なさに胸が押しつぶされそうになったものも。すごく好きです。
読了日:03月08日 著者:小野 不由美
https://bookmeter.com/books/12880752
■新装版-膠着-スナマチ株式会社奮闘記 (中公文庫)
最初の刊行時のタイトル『膠着』のままだったら私は手に取っていたかどうか。お仕事小説だと思わずにスルーしたかも。主人公・啓太が就職したのは糊メーカー。別に糊が好きなわけじゃなし、愛社精神もなし、気になるのは巨乳の女子社員のみ。しかしこいつにはなかなか可愛げがあって憎めません。彼の先輩社員・本庄のように、難題をつきつけられると楽しそうに仕事に取り組む友人が私にもいます。仕事に限らず何かで凹むたびにその友人のことを思い出し、こういうときこそ楽しまなきゃと方向転換。できるわけないと思ったらできない。頭を柔らかく。
読了日:03月13日 著者:今野 敏
https://bookmeter.com/books/14988758
■影裏 (文春文庫)
芥川賞作家の作品は読み取れる自信がないから、映画化されている場合はついつい映画版を先に観てしまいます。わりと大衆的なイメージのある大友啓史監督だということにも興味を惹かれました。映画の冒頭にまどろむ綾野剛の脚を映すシーンがあり、セクシャルマイノリティを感じさせる伏線。綾野剛が松田龍平を押し倒すシーンもあり、原作よりもあからさまな分、わかりやすい。「影の裏を見るんだよ」という台詞は原作にはないのですね。その説明はやはり原作には不要なのかも。いずれにせよ全部理解はできていないはずなのに、切なくて妙に心に残る。
読了日:03月16日 著者:沼田 真佑
https://bookmeter.com/books/14140959
■スマイル・ハンター 憑依作家 雨宮縁 (祥伝社文庫)
しかしよくもこんなに並行していろんなシリーズを書けるもんです。女刑事が終わったら婦人警官。曳き屋は変わらず、微生物学者が登場して、今度は憑依作家って。死者の霊を呼び出して事件を解決する作家かしらと勝手に想定していたら、憑依っちゅうより「なりきり」やん。面白い。しかもそのなりきり作家が主人公というわけでもなくて、作家のひらめきに振り回されるはめになる担当編集者とフリー装丁家の渋面が可笑しい。事件はやっぱり陰惨だけど、また楽しみなシリーズが増えました。このなりきり作家の正体はいつか明かされるのでしょうかねぇ。
読了日:03月20日 著者:内藤了
https://bookmeter.com/books/15532454
■チョコリエッタ (角川文庫)
大事な家族を突然亡くした経験は私にはないから、彼女の気持ちがわかるとは言わない。それにしたって不機嫌な時間が長すぎるでしょと思ってしまうくらい、彼女はずっと不機嫌。思春期を迎え、それまで母親代わりだったまだ若い叔母のことも疎ましく思い、唯一心を通い合わせていると感じていた飼い犬も喪って悶々。前向きに生きることに努める様子もなかった彼女だけど、無意識のうちに気持ちの整理をつけてゆく。記憶は選べない。でも、いつか思い出す瞬間って、最高でなくともささやかな幸せを感じた瞬間じゃないだろうかと思うのです。よかった。
読了日:03月21日 著者:大島 真寿美
https://bookmeter.com/books/513434
■あきない世傳 金と銀(八) 瀑布篇 (時代小説文庫)
世間のコロナ騒ぎに合わせるように、本書の中では麻疹騒ぎ。どんなときも慌てず平常心を忘れずと言われているかのようです。まさかの五代目との再会にびっくり、ものすごくイヤミっぽいのに、鋭い助言。「悪い奴ほど阿呆な振りが上手い」って、嫌だなぁ、こんな狸親父ばっかりだったら。ひたすら平和だった前巻ほどではないけれど、まぁまぁ安心して読めたと思っていたら、最後にそれかい。まったく高田さんお人が悪い(笑)。堪忍って、許せるわけないでしょうが。でもきっと次巻で許す展開に!? ところで賢輔どんの想い人って幸だったりします?
読了日:03月23日 著者:高田郁
https://bookmeter.com/books/15259205
■架空OL日記 1 (小学館文庫)
生まれも育ちも大阪だから、やっぱり関西のお笑いのほうが好きなんです。だけど、バカリズムの喋りには結構笑ってしまう。そんなわけで公開中の映画も鑑賞。まぁまぁかな、映画館で観るほどではないかとも思いつつ、バカウケしている他の客につられて私も爆笑。上司にラーメンを奢らせるくだりは、映画版より原作のほうがえぐい。映画では小峰様おひとりぶん奢らせていたのに、原作は3人かよ。ラーメンで1万3千円近く払わされるって、ご愁傷様(笑)。読めば歌いたくなる太田裕美。読者はこの歌を知っている世代でしょか。ハンカチーフください。
読了日:03月26日 著者:バカリズム
https://bookmeter.com/books/6636610
■准教授・高槻彰良の推察 民俗学かく語りき (角川文庫)
イケメンで記憶力抜群、でも方向音痴で無邪気すぎる民俗学の教授。人の嘘を声で聞き分ける能力を持つ学生を助手にして怪事件を解明。基本的に好きなジャンルではありますが、もっと民俗学らしい怪異を期待していたため、ちょっと拍子抜け。驚いたのは学生が先生をアンタ呼ばわりするシーンで、なんぼ暴走する先生であってもそこは敬意を払いたい。それを気にもしない先生というのがまた魅力的なのでしょうけれど。ライトミステリーならばこんなもんか。幽霊話ではなくてちゃんと解決するからスッキリ。ただ、個人的にはもう少し重いほうが好みです。
読了日:03月27日 著者:澤村 御影
https://bookmeter.com/books/13180727
■今日は心のおそうじ日和 素直じゃない小説家と自信がない私 (メディアワークス文庫)
自分を「ただの主婦」としか思えない主人公。離婚後に彼女が得た仕事は、男やもめの作家宅の家政婦。素直でない私は、彼女の娘のことを最初はこのこまっしゃくれたガキが~と思っていました(笑)。しかしいつのまにかアラ不思議、救われて大好きに。自信を持てないシングルマザーと、一見偏屈な作家先生と、ふたりを取り巻く若干の優しい人。ありがちな物語ではあるけれど、心がスーッと洗われるよう。家事が心を整える。部屋を整理する=心を整理する。主婦をナメたらあかん。作家先生の言葉もよかった。「この世界に、退屈な人間などいない」。
読了日:03月31日 著者:成田 名璃子
https://bookmeter.com/books/14331504

—–

『一度死んでみた』

『一度死んでみた』
監督:浜崎慎治
出演:広瀬すず,吉沢亮,堤真一,リリー・フランキー,小澤征悦,嶋田久作,
   木村多江,松田翔太,加藤諒,でんでん,大友康平,竹中直人,妻夫木聡他
 
TOHOシネマズ西宮にて、前述の『初恋』の次に。
 
浜崎慎治監督はCMディレクター、これが長編映画監督デビュー作。
最初からオリジナル作品で勝負っていいじゃあないか。
 
製薬会社の社長・野畑計(堤真一)は仕事第一で、
妻・百合子(木村多江)の危篤の知らせにも病院に駆けつけなかった。
一人娘の女子大生・七瀬(広瀬すず)はそんな父親のことが大嫌い。
 
計は娘に自分の会社を継いでほしいが、七瀬にはもちろんそんな気はない。
ボーカルを務めるデスメタルバンドでは、父親への不満を吐き出すかのように、
「一度死んでくれ」とライブで歌いつづけている。
 
そんなある日、計が本当に死んでしまう。
実は、社員の藤井(松田翔太)が開発に成功した新薬“ジュリエット”という、
2日間だけ死ぬことができる薬を飲んだため。
最近、計の会社が開発中の若返りの薬“ロミオ”を狙うライバルの製薬会社が
計の会社との合併を画策しており、
一度死んでみれば裏切り者をあぶり出せるのではと考えたから。
 
しかし、ライバル会社の社長と手を組む裏切り者は、
計が仮死状態にある隙に本当に殺してしまうことを企む。
それを知った七瀬は、計の秘書を務める松岡(吉沢亮)と協力し、
大嫌いなクソ親父を生き返らせようとするのだが……。
 
売れっ子CMディレクターの力なのか、カメオ的出演俳優が楽しすぎる。
一瞬しか出てこないひと多数。
キャバクラのボーイ役でほんとの一瞬、佐藤健。弔問客に古田新太とか。
掃除のおばちゃんが原日出子でしょ、坊主役に竹中直人
社員役では志尊淳、警備員役には城田優
中華料理屋の店主はでんでんだし。
それに比べりゃまぁまぁ出番の多いホテルの支配人役に妻夫木聡
あの世への案内人役はリリー・フランキーでした。
 
やっぱりこんなふうに知名度の高い役者が出ていると、
それだけで豪華で楽しいんですよね。
普通に笑って泣いて楽しみました。
 
吉沢亮は、その綺麗すぎる顔を生かしたしょうもない恋愛ものよりも、
こんな役のほうが絶対イイ。
彼をこんな「存在感のないことが特技な秘書」の役に配したのは大正解。
 
「言わなわからん」が信条の私ですから、大納得です。
エンドロールが回り始めても席を立たないでね。
すずちゃんと吉沢くんのキスシーンはその後ですからお見逃しなく。

—–

『初恋』

『初恋』
監督:三池崇史
出演:窪田正孝,大森南朋,染谷将太,小西桜子,ベッキー,三浦貴大,藤岡麻美,
   顔正國,段釣豪,村上淳,滝藤賢一,ベンガル,塩見三省,内野聖陽他
 
観たいなぁと思っていても、どんどん迫る上映終了日。
こりゃもう無理だなぁとあきらめたつもりが、気が変わってTOHOシネマズ西宮へ。
観に行ってよかったと心底思いました。
もともと好きな三池崇史監督だけど、今までの三池作品の中でいちばん好き。
 
天才ボクサー・レオ(窪田正孝)は勝利を収めても喜ぶ様子なく、
勝つのが当たり前と思っているかのようにクール。
そんな彼が格下相手にまさかのKO負けを喫して病院へ。
 
彼を診察した医師(滝藤賢一)が神妙な面持ちで告げるには、
レオには脳腫瘍があり、手術は困難、余命はわずか。
そのせいでKO負けした可能性があると言われ、
ラッキーパンチを喰らったわけではなかったのかと納得しつつ、
自分が死ぬと聞かされて放心する。
 
新宿・歌舞伎町をあてもなくさまよっていたレオは、
「助けて」と叫びながら逃げる少女とすれ違い、
彼女を追いかけてきた男に咄嗟にパンチを喰らわして倒してしまう。
 
男は悪徳刑事の大伴(大森南朋)で、ヤクザの加瀬(染谷将太)の話に乗り、
組に入るはずの麻薬を奪って金儲けすることを考えていた。
その罪を着せるためにヤクザが囲う少女・モニカ(小西桜子)を呼び出したのだ。
 
モニカは父親の借金のカタに組に預けられ、
シャブ漬けにされたうえに体を売らされていた。
大伴といるうちに幻覚症状が起きて逃げ出したところへたまたまレオが通りかかったらしい。
どうせ死ぬんだからと、レオはモニカの逃亡を手助けするのだが……。
 
いつもの三池監督とはタッチの異なる出だしに「あれ?」と思ったのは一瞬のこと。
ちょん切れた首が放り出されて、あ、いつもの監督だと思いました(笑)。
でも話が進むとやっぱりちょっと違ってた。なんかめちゃめちゃよかった。
 
『孤狼の血』(2017)を配給した東映が、東映の映画はこうあるべきという思いを新たに、
次作として起用を決めたのが三池監督とのこと。なるほど。
「仁」があるのですよ、ここには。
 
窪田正孝に惚れ直し、小西桜子を応援したくなり、
ヤクザきっての武闘派・権藤役の内野聖陽にビビりつつもホロリとさせられ、
仁を大事にするチャイニーズマフィアの一員役、藤岡麻美に目が釘付け。
彼女、ディーン・フジオカの実妹だそうで、確かに似ている。美人!
易者役のベンガルと、医者役の滝藤賢一から留守電に入るメッセージに笑いました。
そして何より凄かったのはベッキーの演技。彼女、ただ者ではない。
 
タイトルとギャップがありそうに思うけど、これ以上になくピッタリだとも思える。
なんて純粋な作品だろう。大好きです。

—–

『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』〈ダイナミック完全版IMAX〉

去年の11月、ほかに観るものがなかったから観た『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』
これがめちゃくちゃ面白くて、ずっと心に残っていました。
 
ロシアでは興行収入40億円超、800万人を動員する大ヒット。
そらまぁ本国ではそうなるわなと思ったけれど、
私を含む日本人をも虜にしたらしく、
日本で公開されたロシア作品としては興行収入トップ。
記録の更新は20年ぶりだそうです。
 
それまでの記録を持っていたロシア作品っていったい何かと思ったら、
ニキータ・ミハルコフ監督の『太陽に灼かれて』(1994)とのこと。
そしてこの『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』は、
そのニキータ・ミハルコフがプロデューサーですと。
 
このたび、ダイナミック完全版と銘打たれたノーカット版がIMAX上映。
こりゃ観に行かなきゃいけません。109シネマズ箕面へ。
 
コロナ感染防止のために、座席はひとつずつ空けて販売されています。
っちゅうても全員で10人ぐらい。毎度安心です、映画館は。
 
独ソ線の話なので、飛び交う台詞はドイツ語とロシア語。
このIMAX版では、ドイツ語の台詞にロシア語をボイスオーバーさせる形が取られています。
私はボイスオーバーの作品を観るのは初めてだったのですが、皆さんご存じでしたか。
吹替ではなく、登場人物がドイツ語をしゃべると一拍置いてロシア語が流れる。
最初は違和感ありありでしたが、こういうのも面白いですねぇ。
 
一度観ているからラストがどうなるかもわかっているため、
安心して観ることができました。
決死の頭脳戦を繰り広げたロシア軍少尉とドイツ軍大尉が
お互いに少なからず敬意を持って戦っているのもよかった。
 
ロシア軍少尉役のアレクサンドル・ペトロフがカワイイなぁと思っていたら、
以前観た作品に出ていることに気づく。
『オーガストウォーズ』(2012)がそうでした。
でも、日本で公開されたのはそれと本作だけ。
再来月公開されるリュック・ベッソン監督の新作『ANNA/アナ』に出演するようなので、
そこでもチェックしたいです。
もっとロシア作品を日本でも公開してほしい。
 
二度目も興奮、最後まで目が離せない戦車ムービー。
もう一度上映されたらまた観に行っちゃうかも。上映終了が惜しい。

—–

『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』

『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』(原題:The Death & Life of John F. Donovan)
監督:グザヴィエ・ドラン
出演:キット・ハリントン,ナタリー・ポートマン,ジェイコブ・トレンブレイ,スーザン・サランドン,
   キャシー・ベイツ,タンディ・ニュートン,ベン・シュネッツァー,マイケル・ガンボン他
 
TOHOシネマズ西宮にて、『架空OL日記』の次に。
 
まだ30歳のグザヴィエ・ドラン監督、初の全編英語作品だそうで。
彼はケベック州出身ですから、これまでの作品はフランス語作品。
監督としても俳優としても頭抜けた才能を持ち、
最初からゲイであることをカミングアウトしていた人。
こういったことを知ってから観るほうが心が動かされると思います。
 
2006年のニューヨーク。
スター俳優ジョン・F・ドノヴァンが29歳の若さでこの世を去る。
TVニュースでそれを知り、呆然とする少年ルパート・ターナー。
 
それから10年経過。ルパートは俳優となっていた。
彼は少年時代、あのジョン・F・ドノヴァンの秘密の文通相手だったが、
ひょんなことからそれが世間に知れてしまい、
ジョンはルパートとの文通を否定したまま死んでしまった。
 
ルパートはジョンとの100通以上におよぶ手紙の公開を決意し、
著名な女性ジャーナリスト、オードリー・ニューハウスの取材を受けることに。
しかし主に政治にしか興味のないオードリーにとって、
こんなゴシップまがいのネタに関わっている時間が惜しくてたまらない。
ルパートとの面会もそこそこに引き上げようとするが、
ジョンの話を聴くうちに次第に引き込まれて……。
 
本作のポスターは彼を演じるキット・ハリントンが大写しになっていて、
いちばん格好良かった頃のアントニオ・バンデラスを思わせます。
けれども実際に映像を観ると、なんかアホっぽい兄ちゃん。
この人がみんなを狂わせるほどの人気スターとは納得がいかんと思っていました。
 
ところが私もオードリーと同じく、次第に彼を見る目が変わる。
人気スターでありながら常に孤独で、ゲイであることを誰にも言えず、
決して言ってはいけないことだと感じていた。
彼が心を開くことができたのはルパートだけ。
ルパートはまだ子どもだから、子ども相手に難しい話はしない。
性的な話も、面倒くさい話もしない。ただ毎日のことを綴るだけ。
それでも手紙を書いているときは落ち着けたのでしょう。
 
一方のルパートも大変な毎日を送っている。
母親の叶わなかった夢を押しつけられて、子役の仕事をしている。
その仕事のためにニューヨークからわざわざロンドンに引っ越し、
転校生で子役だからと学校ではいじめられている。
ジョンと繋がっているという思いだけが心の支えだったのに。
 
これまでのグザヴィエ・ドラン作品と比べると、
かなり大衆的な印象は否めません。
音楽もここまで大音量にして煽らなくてもと思います。
でも、世界に才能を認められるような人であっても、
さまざまな想いがじわじわと心に広がります。
 
ジョンの母親役のスーザン・サランドン、マネージャー役のキャシー・ベイツ
オードリー役のタンディ・ニュートン、みんなよかった。
 
大衆的なぶん、今までグザヴィエ・ドラン監督作品を観たことがない人には良いかも。

—–