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『デビルマン 誕生編』

『デビルマン 誕生編』
監督:飯田つとむ
声の出演:速水奨,水島裕,高野槙じゅん,津嘉山正種,池田昌子,寺島幹夫,玄田哲章,内田直哉,亀山助清他
 
この前日、仕事帰りに109シネマズ箕面で3回目の『ファーストキス 1ST KISS』を観たのですが、
その話はもういいですよね。とにかく、松村北斗にあんな切ない顔されたらたまらんってことです(笑)。
 
その翌日、午前中は仕事。午後休を取ってまたまたNGK。
ご一緒したお姉様方とお別れした後、ひとりでなんばパークスシネマへ。
 
後述の本命作品を観る前に隙間時間を埋めるために観たのがこれ。
1972(昭和47)年に『週刊少年マガジン』で連載を開始すると同時にTVアニメ版も放送されました。
って、知ったことのように書いていますが、私は“デビルマン”を観たことがないんです。
永井豪は“キューティーハニー”しか観た記憶がありませんからね。なぜなのかしら。
 
ともかく、私にとってはこれが初見。
本作はコミック版『デビルマン』の導入部をもとにして制作されたOVAなのだそうです。
予習も復習もしていないので、わかる範囲で書きます。
 
高校生の不動明は訳あって同い年の牧村美樹の家に居候中。
明にぞっこんの美樹と一緒に下校中、かつて同級生だった飛鳥了が目の前に現れる。
了は明に緊急の用事があると言い、美樹がついて行こうとするのを拒む。
 
明が了に事情を聞くと、地質学者だった了の父親が焼身自殺したらしい。
彼は研究の途中で古代に栄えていたデーモンを発見し、それからおかしくなってしまったという。
父親の遺志を受け継いでデーモンを倒すには、人間の心を持ったまままでデーモンと合体することが必要。
了自身もデーモンとの合体を試みるつもりだが、失敗するかもしれない。だから、明にも試みてほしいのだと。
 
了は自宅の地下に巷のクズを集めてサバト(悪魔崇拝の会)を開いている。
明もそこに足を踏み入れ、クズたちが次々と身体を悪魔に乗っ取られるのを目撃。
すると明も了の目論見どおりにデーモンと合体し、“デビルマン”へと変身し……。
 
冒頭、学校で飼育されているウサギたちが喉を掻き切られて死んでいるシーンを見て、
今の時代にはこんなのの映像化はクレームが入るだろうと苦笑い。
「女は駄目だ」とか、台詞もいちいち問題になりそう(笑)。
デーモンと化す妖精だかなんだかも胸あらわで、そりゃこんな漫画はそれまでなかっただろうと思う。
ネットなんかで女性のハダカを簡単に見られなかった時代なら、みんな食いつきますよねぇ。
 
いくら親友の頼みとはいえ、「悪魔になってくれ。失敗したら親父みたいに自殺だよ」と言われて受けますか。
決断も早すぎて笑ってしまうけど、衝撃的で面白いのはわかります。
続編も観に行かなきゃ。

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『セプテンバー5』

『セプテンバー5』(原題:September 5)
監督:ティム・フェールバウム
出演:ピーター・サースガード,ジョン・マガロ,ベン・チャップリン,レオニー・ベネシュ,
   ジヌディーヌ・スアレム,ジョージナ・リッチ,コーリイ・ジョンソン,ベンジャミン・ウォーカー他
 
イオンシネマ茨木にて、前述の『大きな玉ねぎの下で』の次に。
 
同事件について描いた作品としてはスティーヴン・スピルバーグ監督の『ミュンヘン』(2005)がありました。
世界中の人がテレビで初めてテロリズムを見たのはこのときなのだそうです。
「テロリスト」という言葉もまだ使われていなかった時代。そういえば昔は「ゲリラ」と呼んでいましたよね。
 
1972年のこの出来事を取り上げたのは、1982年生まれのティム・フェールバウム監督。
エンドロールの“Special Thanks”の中にローランド・エメリッヒ監督の名前があり、どういう関係かと思ったら、
フェールバウム監督の長編デビュー作『HELL』(2011)でエメリッヒ監督が製作総指揮を務めたようです。
また、本作のプロデューサーにはショーン・ペンも名を連ねています。
 
1972年8月26日に開幕したミュンヘンオリンピック真っ最中の9月5日。
現地に乗り込んで競技を中継中だった米国ABCのスポーツ中継クルーの数名が銃声を聞く。
何事かと調べると、パレスチナ人の武装集団がイスラエルの選手村を襲撃したらしい。
犯人たちはイスラエル人選手11名を人質に取って立てこもり、パレスチナ人囚人たち数百名の釈放を要求。
 
ふだんはスポーツ番組専門のチャンネルだが、自分たちが現地にいるというのに中継をほかに任せるなんてできない。
クルーたちは一丸となって正しく状況を伝えようとするのだが……。
 
なにしろ初めてのテロ生中継。
人が殺される可能性があるなかでカメラを回し続けていいものか。
殺される選手の親の気持ちを思えば、映すべきではないという者、真実を伝える義務があるという者、さまざま。
 
選手に扮して選手村に潜入してカメラを回す。音を拾う。
現地のドイツ語のニュースを聴き取れるのは通訳の女性のみで、彼女も奔走。
落ち着きを求められながらも動きつづける現場の様子に緊迫感があります。
 
人質全員無事解放を願っていたのに叶わなかったと知ったときの表情を見れば、
視聴率は取りたいだけで動いているわけではないのだと思えます。

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『大きな玉ねぎの下で』

『大きな玉ねぎの下で』
監督:草野翔吾
出演:神尾楓珠,桜田ひより,伊東蒼,藤原大祐,窪塚愛流,瀧七海,asmi,飯島直子,西田尚美,
   原田泰造,江口洋介,山本美月,中川大輔,伊藤あさひ,休日課長,和田正人他
 
モチーフになっているのはもちろん爆風スランプの曲。
そこだけは気にしつつも上映回数がどんどん減って行って今にも上映が終了しそう。
もう観なくてもいっかなぁと思っていたところ、ちょうど良い時間帯の回があって。
イオンシネマ茨木にて。
 
夜はバー、昼はカフェとして営業している店“Double”。
その店で昼にバイトしているのは、女子大生村越美優(桜田ひより)、夜にバイトしているのは大学生の堤丈流(神尾楓珠)。
面識はないからお互いを知らないが、連絡用のノートがいつしかふたりの交換日記のように。
 
ある日、同じ居酒屋でそれぞれの友人と飲んでいたところ、丈流の親友・喜一(中川大輔)が飲み過ぎで突然倒れる。
看護学部に通う美優が適切な応急処置を施し、喜一はスムーズに病院に搬送されて事なきを得る。
それが縁で美優の親友とつきあいはじめた喜一は、自分の命の恩人である美優を誘うように丈流に勧める。
 
ノートの中では誰よりも落ち着ける相手同士なのに、そうだとわかっていないふたりは会えば悪態をついてばかり。
ふたりともアーティストのA-riが好きだと知って少し嬉しくなるが、それでも素直になれない。
 
ノートを書いているのが美優ではなく、美優の先輩・篠田沙希(山本美月)だと思い込んでいた丈流は、
A-riの武道館ライブのチケットを手に入れてノートに挟む。宛名を「サキさんへ」として。
ノートの相手が丈流だとすでに気づいていた美優はショックを受けるのだが……。
 
という「現在」の展開がある一方で、江口洋介演じるTaijuがナビゲーターを務めるラジオ番組で、
30年前の文通相手との恋が語られます。このペンフレンドというのが丈流の父親・虎太郎(原田泰造)と母親・今日子(西田尚美)。
西田尚美演じる母親・今日子は幼い頃から病弱で、今は余命を宣告されている身。
少女の頃の今日子(伊東蒼)は、自分の姿をさらすのが怖くて、親友・谷崎飛鳥(瀧七海)の写真を使って相手と文通していました。
相手の虎太郎(藤原大祐)も地味な自分は嫌われると思い、親友・府川大樹(窪塚愛流)の写真を借りていたという。
 
すれ違いの恋の話はイライラするので、あんまり好きではありません。
本作なんてその典型的なやつで、もおっ!とイライラしどおし。
 
公開時期が同じになったことで、ラブストーリーとしては『ファーストキス 1ST KISS』とよく比べられると思いますが、
私は比較にならないぐらい『ファーストキス 1ST KISS』のほうが好きです。話自体もキャストも何もかも。
 
ただ、こういうお涙頂戴的な要素の入った恋愛ものは不動の人気がありますね。
特に男性はこっちのほうが好きだという人もいるかもしれません。
最後の10分ぐらいはよかったかな。
けど、A-ri役のasmiが歌うカバーよりもオリジナルのほうが断然好きだし、私は惹かれるところなし。
 
と、まったく興味を惹かれなかったように書きましたけれど、
小学生の頃に月刊漫画雑誌の文通相手募集コーナーに名前が載ったときのことを思い出したのは懐かしかった。
何百通という、ありえないぐらいの手紙が全国から届き、とても全部は返事を書けませんでした。
何人かに絞って文通を始めたものの、あまりに手紙の来る頻度が高くてどうにもならず。
そうしたら、「返事がなかなか来ない」と怒りの手紙が届いたりして、ホント、大変でした。
最後まで残った唯一の人とは今も年賀状だけはやりとりしていますが、一度も会ったことがありません。
思えば、募集欄に私が書いたのは「阪神ファンの人、文通しましょう」。
その唯一の人は「巨人ファンだけど、文通しませんか」という手紙をくれた人です。

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『ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女』

『ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女』(原題:Stella. Ein Leben.)
監督:キリアン・リートホーフ
出演:パウラ・ベーア,ヤニス・ニーヴーナー,カッチャ・リーマン,ルーカス・ミコ,ベキム・ラティフィ,
   ジョエル・バズマン,ダミアン・ハルドン,ゲアディ・ツィント,メイヴ・メテルカ他
 
休日のなんばグランド花月、朝イチの回にひとりで行きました。
夕方の回は友人夫婦と一緒に行くべく予約していたので、間の繋ぎになんばパークスシネマにて本作を鑑賞。
 
ドイツ/オーストリア/スイス/イギリス作品。
 
実在のユダヤ人女性ステラ・ゴルトシュラークを主人公にした実話に基づいています。
ステラ役は『水を抱く女』(2020)でもヒロインを演じたパウラ・ベーア。
 
1940年、18歳のステラ・ゴルトシュラークはジャズシンガーになることを夢見ていた。
ステージを観にやってきたプロデューサーからブロードウェイ出演の話を受けて大喜びするが、
ユダヤ人の彼女にその機会が訪れることはなく、工場で強制労働を強いられる生活。
彼女の同胞がひとりまたひとりとアウシュヴィッツへ送られるのを見て怯える。
 
工場のユダヤ人全員が連行されそうになった日、ステラの夫は逃げ遅れたが、彼女と両親はなんとか逃げ延びる。
大半の仲間たちが隠れて生活する一方で、じっとしていられない性分のステラは、外出先でロルフと出会う。
彼もユダヤ人だが、ユダヤ人向けの偽造パスポートを売って高額の収入を得る日々を送っていた。
ロルフの仕事を手伝うようになってからというもの、街なかを歩きまわり、映画もに行ったりして自由を謳歌。
 
しかしついにゲシュタポに逮捕され、酷い拷問を受ける。
アウシュヴィッツ行きを免れるためには、隠れている仲間のことをナチスに密告するしかなく……。
 
自分が美人で、男の目を惹くことを最大限に利用するステラ。
彼女の行動は決して褒められたものではないし、恥ずべきことでしょう。
けれど、自分が生きるためにはこうするしかない。
同胞から罵声を浴びせられても密告しつづける強さには驚きます。
 
戦争が終わったとき、そうするしかなかったと自分の行動を振り返って開き直る人もおそらくいる。
彼女もそのように見えたけれど、二度自殺を図った話を聞くと虚しい。
どんな思いだったのだろうと考えると居たたまれなくなります。

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2025年2月に読んだ本

2025年2月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2676ページ
ナイス数:832ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly/2025/2
■ABC殺人事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
中山七里センセの『超合理的!ミステリーの書き方』にバイブルとして挙げられている本を読破することにしました。大人買いして、まずはこれを。私が海外ミステリーを面白いと思ったきっかけは、間違いなくクリスティー。子どもの頃、父の書棚にあった『そして誰もいなくなった』を初めて読んだとき、衝撃を受けてその後何度も読んだのを思い出します。本作は今から90年前に発表された作品だというのに少しも色褪せていない。訳のわからない犯罪が多い時代になって意味不明のことが増えたけれど、やっぱり「動機」。次に読むバイブルはどれにしよ。
読了日:02月02日 著者:アガサ・クリスティー
https://bookmeter.com/books/548114
■人面瘡探偵 (小学館文庫 な 33-2)
七里作品はどれも読みたいけれど、これだけは手を出せないままでした。なぜなら人面瘡と聞くと、子どもの頃に読んだ楳図かずおの漫画『怪』に収録されている1篇を思い出すから。ものすごく不気味で、本作の表紙を見てもそのときの怖さが思い出されて躊躇してしまい。しかし読んでみればこの人面瘡ジンさんは怖くない(笑)。それどころか、ひとりではボケボケのヒョーロクを、人から一目置かれる存在にしてくれる。ジンさんとヒョーロクの関係はもちろんのこと、刑事の藤代とのやりとりも楽しくて、続編にも期待が高まります。表紙は見ませんけど。
読了日:02月06日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/19147847
■サンセット・サンライズ (講談社文庫 に 29-15)
今年はすでに2度、シネコンで客が私ひとりだったことがありまして、うち1本は『グランメゾン・パリ』、もう1本が本作でした。いま振り返っても大好きな作品で、どうして客入りがよくなかったのかわかりません。遅まきながら原作も読むとやっぱりイイ。菅田将暉井上真央はピッタリで、中村雅俊演じる父親は原作より映画版のほうが愛想よし。小日向文世演じる社長は原作のほうが爺さんだけど仕事ができる人。原作ではあっさり結婚するのかとちょっとビックリ。映画版のエンディングはずいぶんと考えられたものなのでしょうね。どちらも好きです。
読了日:02月10日 著者:楡 周平
https://bookmeter.com/books/22098845
■闇祓 (角川文庫)
まさか辻村深月の著作の中で“大島てる”のサイトらしきものに出会うとは。嫌な人が出てくるオムニバス短編かと思いきや、最初から最後まできっちり繋がっています。同じ姓なのに違う人が次から次へ出てくるのはなぜだと思ったらそういうことでしたか。「補充する家族」が怖すぎてゾゾーッ。著者初のホラーミステリとのことだけど、満を持してというだけあって面白かった。500頁弱でも進む進む。途中でやめたら補充対象にされそうなんだもの。「私もなの」と言う人には気をつけよ。関西人としては「どこがやねん」と言ってしまいそうです(笑)。
読了日:02月14日 著者:辻村 深月
https://bookmeter.com/books/21918222
■団地のふたり (双葉文庫 ふ 22-05)
最近、真梨幸子の『極限団地』や辻村深月の『闇祓』を読んだせいで、団地のイメージが酷く暗い。それを吹き飛ばしてくれる1冊でした。ドラマは未見のため、どちらが奈津子でどちらがノエチか考えながら読みましたが、読了してから調べてビックリ、私のイメージは逆だったから。映画好きとしてはちらほら出てくるそんな話がより楽しくしてくれます。『ブリングリング』はあんまり好きじゃなかったなぁとか。「しげる」という名前が出てきただけで、何の関係もないのに頭の中で『愛のメモリー』が回り出して困りました。疲れた心を癒やしてくれる本。
読了日:02月17日 著者:藤野 千夜
https://bookmeter.com/books/21984677
■人面島 (小学館文庫 な 33-3)
前作とほぼ同じ設定じゃあないか(笑)。舞台が人里離れた土地であることも、莫大な遺産の相続人がひとりまたひとりと殺されて行くところも何もかも。『ダイ・ハード』など人気映画シリーズって、キャストさえ変えればなんぼでも作れると聞いたことがありますが、小説だってそうかもしれないと思ってしまいました。アホくさと思いつつも七里作品ならば読んでしまうのですけれども。ジンさんが実はアレだということは、ヒョーロクってボケボケに見えてホントは超かしこいのかどっち!? まぁ、ふたりでひとり、ニコイチの完全無欠ということで。
読了日:02月24日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/22270036
■ドライブインまほろば (双葉文庫)
この著者が紡ぐのはたいていは暗い物語で、めげそうになるぐらい重いときもあるけれど、最後に必ずひと筋の光が見えます。だから、著者が「救いはあろうがなかろうが気にならない」と言っていると知って驚きました。「救いがないならないできっちり書くべき」というのは確かにそう。安易なハッピーエンドに走らず、でも主人公たちのことを放り出したりはしないから、この人生に惹きつけられます。こんな子どもに「生きていてひとつもいいことなんかなかった」なんて言わせちゃいけない。生きるのに理由は要らないとしても、生きたいと思ってほしい。
読了日:02月25日 著者:遠田 潤子
https://bookmeter.com/books/19051603

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