MENU
ChatGPT-Image01
ChatGPT-Image02
ChatGPT-Image03
ChatGPT-Image04
ChatGPT-Image05
previous arrow
next arrow

『マイルス・デイヴィス クールの誕生』

『マイルス・デイヴィス クールの誕生』(原題:Miles Davis: Birth of the Cool)
監督:スタンリー・ネルソン
 
甲子園阪神vs巨人を観に行く前にひょっこり時間ができたので、
4月を最後にごぶさたしていた塚口サンサン劇場へ。
いつ行っても美しいトイレが本当に嬉しい。
別に新しいわけでも設備が特に整っているわけでもないのに、
ウキウキさせてくれるトイレがある映画館なんて、ここぐらいでは。
 
“ジャズの帝王”と称されたトランペット奏者マイルス・デイヴィス。
なんとなく知っているというだけで、彼について調べたことはありません。
この機会に彼の素顔を追ったというドキュメンタリーを観てみることに。
 
1926年、アメリカ・イリノイ州で生まれたマイルス。
オールトンという町からイーストセントルイスへと引っ越したそうです。
イリノイ州で2番目に富裕な黒人という証言があるほど、両親はお金持ち。
そんな裕福な家庭であっても、差別の根付く町イーストセントルイスでは
いいことばかりは望めなかったようです。
 
13歳のときに父親からトランペットを贈られたマイルス。
母親はヴァイオリンにしたかったようだというのが可笑しい。
早々と才能を発揮したマイルスはニューヨークへ。
名門ジュリアード音楽院に入学します。
その頃、チャーリー・パーカーと出会ったらしい。
 
以降、革新的な挑戦を死ぬまで続けたマイルス。
エレクトリック楽器を導入したときの話や、
インド料理店でBGMを耳にしてインドの楽器奏者と組んだときの話など、
彼の逸話がどれも楽しくて、私は初耳だから驚くことばかり。
クインシー・ジョーンズハービー・ハンコック、カルロス・サンタナなどなど、
錚々たる顔ぶれのアーティストの証言も楽しくて。
 
音楽の話のみならず、女性遍歴もわかります。
彼の最愛の妻だったフランシスの美しいこと。
まだご健在でインタビューに答えていらっしゃいますが、
そうか、若いときのあの美人が歳を取るとこう変わるのかと感心したりも(笑)。
 
マイルスは『3人のゴースト』(1988)にカメオ出演しているのですね。
観てみなくっちゃ。

—–

『ようこそ映画音響の世界へ』

『ようこそ映画音響の世界へ』(原題:Making Waves: The Art of Cinematic Sound)
監督:ミッジ・コスティン
 
シネマート心斎橋にて、前述の『ジェイド・ダイナスティ 破壊王、降臨。』の次に。
『ジェイド・ダイナスティ』はこれを観たかったから時間潰しに観たようなもんです。
 
よくお客さんが入っています。
夕方の回は満席だった模様で、20時半から本作もほぼ満席。
そんなに映画音響に興味ある人が多いのかと驚きました。
客層も年齢性別すべてバラバラ、ちょっと嬉しくなりますね。
 
ハリウッドの映画音響にスポットを当てたドキュメンタリー作品。
映画というものが発明されたのは1888年ですが、音は無し。
サイレント(無声)映画の時代が約40年間あり、
世界初のトーキー(発声)映画は1927年の『ジャズシンガー』。
以降、とどまることを知らず進化しつづける映画音響。
 
とにかく新旧いろいろな映画が登場するので楽しい。
古いところでは『キング・コング』(1933)やヒッチコック作品。
新しいところでは“スター・ウォーズ”シリーズや『プライベート・ライアン』(1998)、
もっと新しいところでは、コロナ禍でIMAX版が上映されている『インセプション』(2010)、
あ~、もっともっといっぱい出てきたので思い出したいけど思い出せない。
「音響」と聞いてイメージする派手な作品ばかりじゃないのが良いところ。
 
見事な音をつくりだしてきた職人たちの話も面白ければ、
映画は映像が大事、音なんてどうでもいいと思っていた人がまだ多かった頃、
音こそが大事なんだよと思っていた監督たちの話も面白い。
 
ドルビー5.1chサラウンドシステムを取り入れた劇場が登場したとき、
そんなもん要らんと言っていた製作会社や配給会社もあったらしい。
バーブラ・ストライサンド『スター誕生』(1976)をステレオで撮ってほしいと言い、
追加料金は出さないと言われてバーブラが100万ドル自腹を切ったそうです。
完成作品を観た会社から結局100万ドル返ってきたそうな(笑)。
また、音響に時間をかけすぎると解雇された人がアカデミー賞の音響編集賞を受賞したという話も。
 
ヨレヨレ状態で観に行ったので居眠りしたシーンもありますが、面白かった。
もう一度しっかり目の覚めた状態で観たい。

—–

『ジェイド・ダイナスティ 破壊王、降臨。』

『ジェイド・ダイナスティ 破壊王、降臨。』(原題:誅仙1)
監督:チン・シウトン
出演:シャオ・ジャン,タン・イーシン,リー・チン,モン・メイチー,チウ・シンジー,
   セシリア・イップ,デヴィッド・チャン,ノーマン・チュー他
 
シネマート心斎橋にて中国作品を鑑賞。
別に観たかったわけでもなく、この後のレイトショー作品を観たかったから、
時間あわせのつもりで。
 
原作は中国の人気Web小説で、日本でもオンラインゲームとして人気を集めたファンタジー小説。
中国のコスプレ作品にはあまり馴染みがなく、オープニングのファンタジーっぷりにちょっと引く。
入り込むのに少々時間を要しましたが、終わってみれば結構面白くて、観たのは正解でした。
 
幼い頃、何者かに両親を殺されて孤児となった小凡は、
武術界の正義の門派“青雲門”に弟子入りする。
師匠の娘で姉弟子の霊児や、ほかの兄弟子たちに可愛がられて育ったものの、
武術の腕は一向に上がらず、兄弟子たちからは旨い飯をつくる炊事係として期待されているのみ。
 
両親の命日に故郷を訪れた小凡は、偶然、魔教の神器「摂魂棒」を手に入れる。
あるとき、負傷した小凡の血を吸い取った摂魂棒が、小凡を守ろうとしはじめる。
摂魂棒をなんとか奪取したい女刺客や鬼王軍団から小凡は狙われて……。
 
監督は『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』(1987)のチン・シウトン
レスリー・チャンが主演だったのに、観ていないのです、私。
たぶんそっちを観ていたら、本作にも違和感なく入れたかも。
いろんな門派があって、武術大会でそれぞれの技を披露して闘うシーンなど美しい。
見慣れないものを観たけれど、慣れたら面白そうです。
 
中国では“名探偵コナン”が大人気。本作はそれを上回る人気なのだそうです。

—–

『ディック・ロングはなぜ死んだのか?』

『ディック・ロングはなぜ死んだのか?』(原題:The Death of Dick Long)
監督:ダニエル・シャイナート
出演:マイケル・アボット・Jr.,ヴァージニア・ニューコム,アンドレ・ハイランド,サラ・ベイカー,
   ジェス・ワイクスラー,ロイ・ウッド・Jr.,スニータ・マニ,ダニエル・シャイナート他
 
シネ・リーブル梅田にて前述の『グッバイ、リチャード!』とハシゴ。
21時を過ぎてからの上映で、終了は23時半。
そんなに遅くになってまで観る価値のある作品なのだろうかと訝りながら。
結果、どう言えばいいのかビミョーです(笑)。
いや、面白いのは面白かったんですけれど、悪趣味だわぁ(笑)。
 
アメリカ南部の田舎町。
アマチュアバンド仲間のジーク、アール、ディックは、練習と称して毎度バカ騒ぎ。
その日もいつものとおりハメを外していたが、途中、信じられない「事故」が起きる。
 
生きているのか死んでいるのかわからない状態のディックを
ジークとアールは車に乗せて運ぶと、夜中に病院の前に置き去りにして、
医師が気づいてくれるのを確認、ふたりとも大慌てで逃げ出す。
 
翌朝、ジークは娘シンシアを車に乗せて学校へ送り届けようとしてびっくり、
後部座席は血の海で、とてもシンシアを乗せられない。
ジークはアールに連絡、ふたりで車を川に沈める。
 
同じ頃、病院内でディックが身元不明のまま死亡、レイプされた痕跡があり、
町では殺人鬼が徘徊しているらしいと噂になっていた。
 
ジークが妻リディアに車が盗まれたと嘘をついたところ、リディアは直ちに警察に通報。
警官が事情を聴きにやってくるのだが……。
 
ジークとアールは別にディックを殺しちゃいない。
殺しちゃいないけれども、どうしても正直に話せない事情がある。
その事情が明らかになるシーンは衝撃的です。
 
このネタはちょっとここではバラせない。思い出したくもない(笑)。
これはもうリディアの反応がすべて。
殺人犯じゃなくても、こんな夫とはそりゃ一緒にいられないでしょ。
 
ま、性癖に関わることなのですが、こんなことつるんでできる仲間がいるなんてねぇ。
アンタら3人でずっとおったらええねんとしか言いようがない。
本作を観ましたという奇特な人が私のまわりにほかにいたとしても、
本作の話はちょっとできないなぁ、そんな作品です(笑)。

—–

『グッバイ、リチャード!』

『グッバイ、リチャード!』(原題:The Professor)
監督:ウェイン・ロバーツ
出演:ジョニー・デップ,ローズマリー・デウィット,ダニー・ヒューストン,
   ゾーイ・ドゥイッチ,ロン・リヴィングストン,オデッサ・ヤング他
 
シネ・リーブル梅田にて。
9月最初に観た作品はこれでした。UPしそびれつづけて今頃に。
 
医者から末期癌を宣告された、英文学の教授リチャード。
余命は半年、治療しても生きられるのは1年から1年半。
リチャードは治療しないことを選択する。
 
癌に冒されていることを妻ヴェロニカと娘オリヴィアに打ち明けようとした日、
オリヴィアは自分がレズビアンであるとカミングアウト
それに対してヴェロニカがあり得ない態度を取ったため、
怒ったオリヴィアは退室してしまう。
残されたヴェロニカはついでのように自分の不倫を告白。
しかも相手はリチャードが勤める大学のいけ好かないことこの上ない学長ヘンリーだと。
結局、リチャードは家族に自分の病のことを話せず。
 
同僚で親友のピーターにだけは打ち明けたものの、他は誰にも話せないまま、
開き直ったかのような行動に出るリチャードだったが……。
 
批評家の間では散々な評価でクソミソに言われている模様。
見るのがとても久しぶりな気がして新鮮。
こういうミニシアター系の作品の彼はいいなぁと思います。
 
あと半年をどう生きるか。
まずは自分の講義を受けにきた学生たちをバッサリ。
いま出て行ってもC評価はやると言うと、学生が続々と出て行く。
私が関心を惹かれたのは、「本を楽しむために読んだことのない者も出て行け」、そんな感じの台詞。
ラフすぎる格好で来た者も追い出して、残る学生は10人いるかいないか程度。
 
学生たちをバーに連れて行ったり、マリファナを持って来させたり、
自分に色目を使うウェイトレスは速効で口説いてヤる。
ゲイの男性学生の誘いにも乗り、とにかく経験したことのないことには全部手を出します。
 
ローズマリー・デウィット演じるヴェロニカのことがどうにも好きになれず、
それゆえリチャードとの別れのシーンも泣けませんが、
女子学生のうちのひとり、クレア役のゾーイ・ドゥイッチが可愛い。
彼女は“バック・トゥ・ザ・フューチャー ”シリーズのヒロイン、
リー・トンプソンの娘だそうで、今までその事実を知りませんでした。なるほど。
 
余命あと半年と言われたら何をしますか。
誰に会いますか。

—–