MENU
ChatGPT-Image01
ChatGPT-Image02
ChatGPT-Image03
ChatGPT-Image04
ChatGPT-Image05
previous arrow
next arrow

『薬の神じゃない!』

『薬の神じゃない!』(原題:我不是薬神)
監督:ウェン・ムーイエ
出演:シュー・ジェン,ジョウ・イーウェイ,ワン・チュエンジュン,
   タン・ジュオ,チャン・ユー,ヤン・シンミン他
 
シネ・リーブル梅田にて3本ハシゴの2本目は中国作品。
中国で実際にあった事件をモチーフとしています。
そんなに話題になっている作品とも思えないのに満席でした。
ちょっとテンション上がる。
 
上海に暮らすチョン・ヨンは、インドから輸入した強壮剤の販売店を営んでいる。
しかし商品は一向に売れず、別れた妻に愛息の親権を持って行かれそう。
家賃も滞納中でどうにもこうにもならない状態。
 
そんなとき、来店したリュ・ショウイーという男が、
インドに行ってジェネリック薬を購入してきてほしいと言う。
ショウイー自身が慢性骨髄性白血病の患者で、
スイスの製薬会社が中国で販売する薬が高すぎて買えないから、
インドの会社の代理店として定期的に輸入する話をつけてきてほしいと。
 
違法なことはできないと一旦は断ったものの、儲け話には惹かれる。
致し方なくインドへ行ったところ、本当に代理店の話がまとまり……。
 
原価は5百元なのに、正規のルートで輸入された薬はなんと4万元で売られています。
ヨンはショウイーほか白血病患者数名と組んで違法な輸入を始め、2千元で販売。
がっぽがっぽと金が入ってきて、ウハウハ状態に。
けれどもいつか捕まるかもしれない。そうなると息子に会えなくなる。
そこで手を引くことを決めるのですが、悪い奴が後釜に座ってしまう。
 
最初は金儲けのために始めたことでしたが、苦しむ患者たちを見て気持ちが動く。
最後はもう私の絶対泣いてしまう展開。泣いた泣いた。
 
こんなにも白血病の人が多いとは驚きました。
患者さんや関係者の間で話題になっているのかもしれませんね。
それでこんなに客が入っていたのかも。
 
とても良い作品でした。
コロナのせいで中国人嫌いを公言する人が増えているように思いますが、
こんな話もあるんだよと伝えたい。

—–

『博士と狂人』

『博士と狂人』(原題:The Professor and the Madman)
監督:P・B・シェムラン
出演:メル・ギブソン,ショーン・ペン,ナタリー・ドーマー,エディ・マーサン,
   ジェニファー・イーリー,スティーヴン・ディレイン,スティーヴ・クーガン他
 
シネ・リーブル梅田にて、3本ハシゴの1本目。
イギリス/アイルランド/フランス/アイスランド作品です。
 
原作はサイモン・ウィンチェスターのノンフィクション。
世界最高峰の辞書と言われるオックスフォード英語大辞典にまつわる誕生秘話を
監督のP・B・シェムランは、メル・ギブソン監督作の『アポカリプト』(2006)で脚本を担当した人。
本作が長編監督デビュー作に当たるそうです。
 
19世紀の中ごろ。
貧しい家庭に生まれ、独学で言語学者となったマレー博士は、
オックスフォード大学で進められていた新たな辞書編纂プロジェクトに応募する。
元々のメンバーである学者たちの中にはマレーの学歴を問題視する者もいたが、
中心的人物のファーニヴァルが「20年前に辞書編纂に取りかかったのに、何ひとつ進んでいない。
いま必要なのはマレーのような新しい人」と発言。
その一声でマレーは英語版のプロジェクトリーダーとなる。
 
意気揚々と仕事に着手するマレーは、助手たちと共にまずは見出しの作成に着手するが、
引用例が思うように見つからず、お手上げ状態に陥りかける。
そこへボランティアを志願する謎の人物から大量の引用例が送られてくる。
その人物の正体は、精神病院に収監されている米国人の元軍医マイナーで……。
 
マレー役がメル・ギブソン、マイナー役がショーン・ペン。
 
オックスフォード英語辞典(通称OED)を引いたことがないので、
他の英語辞典とどう異なるのかわかりませんが、
言葉の意味がどのように変わってきたかを使用者が理解できるように、
世紀ごとの名著の引用を載せているそうです。
マレーはどの世紀も漏れることがないように古典名作等に当たりますが、
18世紀の引用例はあっても12世紀がないとかいうことが起こる。
それで困り果ていたときに、マイナーから1,000語もの引用例が届くわけです。
 
マイナーは非常に優秀な軍医なのですが、南北戦争で精神を病みました。
戦争が終わってからも当時傷つけた相手が追いかけてくると思い込んでいて、
まったく知らない人を逆に追いかけたうえに射殺してしまいます。
 
精神病院では彼を被験者にするために特別待遇。
大きな部屋と彼が希望する大量の本と紙と万年筆を与え、
マレーとやりとりをすることも許可しますが、
治療できないとわかるや廃人にされる。おぞましいシーンでした。
 
マイナーは自分が殺した相手の妻になんとか償いの気持ちを示したいと思い、
それがいつしか恋心に変わり、そのせいでまた自分を責める。
ショーン・ペンの演技は時折おおげさにも思えますが、
苦しむ気持ちを表現するのが上手い。
 
辞書編纂が大変なのはどこの国も同じなのですね。
『舟を編む』『マルモイ ことば集め』と併せて観たい作品です。

—–

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』
監督:外崎春雄
声の出演:花江夏樹,鬼頭明里,下野紘,松岡禎丞,日野聡,平川大輔他
 
やっとこれをUPできる順番が回ってきました(笑)。
封切り日にTOHOシネマズ伊丹にて、『みをつくし料理帖』とハシゴ。
 
東京のTOHOシネマズで1日40回上映とかが話題になっていますが、
大阪も各地の劇場で30回以上上映されているところ多数。
初日のTOHOシネマズ伊丹の上映スケジュールを見たときはふきました。
だって、PCで見える部分すべて『鬼滅の刃』。しかも朝7時から上映している。
おかげで他作品を上映する時間がなくなるからか、
『星の子』『望み』が朝6時すぎから上映されるではないですか。
早朝の上映というだけで行ってみたくなりますけれど、
どちらも前週すでに観た作品だったのでパス。
というのか、いくら早朝でもそれを観ると仕事に間に合わない。(^^;
『鬼滅』はTOHOシネマズ梅田でも朝7時からの回があり、完売していました。
 
さて、そんな社会現象にまでなっている『鬼滅』ですが、
私は原作もちろん未読、アニメ版も一度も観たことがなく、鬼滅シロウト。
予習もまったくせずに乗り込んでついて行けるかどうかを調べるべく、
前知識ゼロの状態で鑑賞に臨みました。
結論から申しますと、めちゃめちゃ面白かった。
 
何にも知らない状態で観に行っているので、登場人物の名前がわからんどころか、
物語の設定もぜんぜんわかりません。
「キサツタイ」と聞き、鬼が出てくるようだから「鬼殺隊」だろうと推測。
その鬼殺隊のメンバーが4人。
カマド少年とその妹ネズコ。ネズコに想いを寄せているらしい黄色い髪の少年ゼンスケ。
顔がイノシシで上半身ハダカの少年か青年かわからないイノスケ。
彼らは乗り込んだ列車の中でレンゴクさんという強者と合流。
レンゴクさんはハシラということなんですが、これは鬼殺隊のリーダーということ?
エンバシラというのはおそらく炎柱ですよね。
 
幼い頃、鬼に家族を殺された少年たちがチームを組んで鬼を殺す話。
こんなふうに言ったら身も蓋もないかもしれませんが(笑)、そう理解しました。
名前の漢字を知ったのは鑑賞後です。
 
ここからはネタバレになりますけれど(今さらネタバレもないか(^^;)、
カマド少年らが乗り込んだ列車自体が鬼と化し、凄絶な戦いが繰り広げられます。
ネズコが鬼だというのは終盤近くになってから知りました。
彼女はどうして箱の中に入れられて移動して、
ずっと口に何かくわえたままなのだろうと思っていたら、そういうことでしたか。
 
レンゴクさんの強さに惚れてしまったのに、死んでしまうなんて。
まさかレンゴクさんを初めて見た日にお亡くなりになるとは思いもよらず。
満席の劇場で盛大にすすり泣きの声が聞こえてきました。
そうか、みんなレンゴクさんのことが好きだったのね。
でも私が泣きそうになったのはレンゴクさんが亡くなったシーンではなく、
その直前、「カマド少年、俺は君の妹を信じる」と言ったシーンでした。
このときにはネズコが鬼であることをわかっていたので、グッと来た。
 
ということで、私と同じく『鬼滅の刃』ってなんやねんとお思いの方、
全然知らなくても問題なく楽しめます。そしてハマるかもしれません。
私はすでに2回目を予約済みです。(^O^)
 
あ、イノスケの頭がかぶりものであることは鑑賞後に知りました。
ずっと頭イノシシだと思ってた。(^^;
そしてこれをUPするときはすでに3回鑑賞済み。
せっかくだから、109シネマズ大阪エキスポシティにてIMAXレーザーGT版を 観ました。
ネズコが鬼だということを知ったのは終盤近くになってからだと書きましたが、
2回目を観たら、カマド少年がレンゴクさんにネズコを紹介したときにちゃんと言うてるやん、
「あのときの鬼だな」って。1回目は気づかんかった。(^^;
ちなみに、「鬼になってしまった妹を人間に戻すために戦っている」というのは、
聞かなきゃ何遍観てもわかりませんで。
鬼滅シロウトが何も知らずに観て話について行けるかどうかという回答は、
「ついては行けます」。
でも鬼になったネズコを人間に戻すための戦いだということと、
イノスケの頭がかぶりものだということは聞かなきゃわかりません(笑)。
3回目に鑑賞したときはキャラもいろいろわかってきていたので、
1回目と2回目以上に泣きました。
3回目は実は来月90歳になる母をシネコン体験させたくて連れて行きましたが、
母は鬼滅がどうとかいうこと以前に、エキスポシティの建物自体に目が点になっていました(笑)。

—–

『みをつくし料理帖』

『みをつくし料理帖』
監督:角川春樹
出演:松本穂香,奈緒,若村麻由美,浅野温子,窪塚洋介,小関裕太,藤井隆,
   反町隆史,榎木孝明,鹿賀丈史,薬師丸ひろ子,石坂浩二,中村獅童他
 
封切り日にTOHOシネマズ伊丹にて。
 
原作は言わずと知れた高田郁の同名ベストセラー時代小説。
まだ時代ものには苦手意識があった頃、貸してくれた方がいらっしゃいました。
う〜む、全10巻か、苦手やのにどうすればええねんと思いつつ、
貸されたからには読まずに返すことはでけんと読みはじめたら、どハマリ。
手の湿疹を治すために「乾燥ガビガビ療法」でくじけそうになっていたとき、
 
最初の映像化は2012年、テレビ朝日の単発ドラマでした。
このとき澪を演じたのは北川景子
同じキャストで2014年に第2弾が放映されたようです。
その次は2017年、NHKの連続ドラマで。黒木華主演でした。
かつてのドラマ版とキャストを見比べると面白いですね。
 
1802(享和2)年、大坂・天神橋界隈で暮らしていた8歳の澪。
姉妹のように育った野江とは永遠の友だちだと信じていたが、
大洪水に遭って生き別れとなってしまう。
両親も失った澪は、大坂で名の知れた料理屋の女将に拾われる。
 
10年後、女将(若村麻由美)と共に江戸へやってきた澪(松本穂香)は、
つる家という蕎麦処で料理人として働きはじめていた。
主(石坂浩二)の許しを得て自分の料理を客に出してみたものの、
上方と江戸の味は違いすぎて、澪の料理は客の不評を買う。
 
こんな澪がつる家を任されて一流の料理人となります。
吉原遊郭で最も有名な花魁となっていた野江(奈緒)との再会など、
いわば原作のダイジェスト版。
なんといっても角川春樹が監督を務めていますから、
わかりにくい作品になるはずもなく、普通に安心して観られます。
 
角川春樹に見出されたと言ってもよい薬師丸ひろ子
藤井隆演じる戯作者の妻役で出ているのも嬉しいところ。
この役がその俳優かよと文句を言いたくなる人もいますが、
それはそれで楽しいキャストだと思います。
 
中高年の方にはオススメ。

—–

『きみの瞳が問いかけている』

『きみの瞳が問いかけている』
監督:三木孝浩
出演:吉高由里子,横浜流星,やべきょうすけ,田山涼成,野間口徹,
   奥野瑛太,般若,森矢カンナ,坂ノ上茜,町田啓太,風吹ジュン他
 
前述の『鵞鳥湖の夜』を観た後、同じく109シネマズ大阪エキスポシティにて。
公開前週だった10月15日1日限定の先行上映を鑑賞しました。
 
2011年の韓国作品『ただ君だけ』を原案にしているそうです。
チャップリンの『街の灯』(1931)をモチーフにしているとのこと。
あんな名作をモチーフにするって、大胆すぎる(笑)。
 
キックボクサーとして将来有望だった篠崎塁(横浜流星)は、
悪い仲間とつるんでいたせいで事件を起こし、服役する。
出所後は世話になったジムには戻らず、配送のバイトで身を立てていたが、
駐車場の管理事務所で夜間も仕事を始める。
 
その仕事の初日、事務所に突然現れたのが柏木明香里(吉高由里子)。
彼女はかつて事故に遭って両親を亡くし、自らも視力を失った
前任の管理人が辞めたのを知らずに気安く入ってきたのだ。
 
お互い驚いたものの、明香里はその後もしばしば事務所を訪れるように。
心が荒みきっていた塁は、明香里の明るさに癒やされ、
もう一度キックボクシングを始めて……。
 
何が驚いたって、いつもわりとクールな善人役のイメージがある野間口徹が、
明香里のゲス上司役だったこと(笑)。
ほんとにキモくて、今後は見る目が変わってしまいそう。(^^;
ジムのトレーナーを演じるやべきょうすけは温かくてすごくよかった。
 
物語としてはなんら目新しさはなく、フツーです。
吉高由里子は可愛いし、横浜流星はカッコイイし。
復帰したら昔の悪い奴らがまた誘いにやってきて邪魔をするのも、
彼女の眼の手術のために金を稼ごうとするのも、
何もかも考えられる筋書き通りだから、まぁ、はい。
ステレオタイプすぎるけど、だからみんな安心して観られるんだろうなぁ。
 
一方、視覚障害者が職を得るのにどれほど苦労しているかということ、
就職した後も解雇の可能性に怯えながら、
雇い主の横暴に従わざるを得ない場合があることなど、
実際問題としてあるかもしれないと考えさせられました。
 
飼い犬の「スク」が名脇役です。
人は気づかなくても犬は気づくって、もうそれだけで泣くやん(笑)。

—–