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『ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻』

『ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻』(原題:Firebrand)
監督:カリン・アイヌーズ
出演:アリシア・ヴィカンダー,ジュード・ロウ,サム・ライリー,エディ・マーサン,サイモン・ラッセル・ビール,
   ルビー・ベントール,ブライオニー・ハンナ,アムール・ワケド,ジュニア・リース,パッツィ・フェラン他
 
朝いちばんに109シネマズ箕面で“こまねこ”を観て、北新地でひとりランチ
酔っぱらってから大阪ステーションシティシネマにて本作を鑑賞しました。
 
イギリス作品。ヘンリー8世だから当たり前か。(^^;
 
日本史にも世界史にも詳しくはないので、ヘンリー8世が悪名高き王であることも知らず。
予告編を観たときには衝撃を受けました。
だって、6人も娶りながら、1人目の妻キャサリン・オブ・アラゴンは宮廷から追放、
その侍女だったアン・ブーリンが2人目の妻となるも姦通罪で斬首刑に、
3人目の妻ジェーン・シーモアは出産後まもなく死亡し、4人目の妻アン・オブ・クレーヴズも離縁され、
その侍女だったキャサリン・ハワードが5人目の妻になったけど断頭台送りに。
女と見れば手を出して結婚、気に入らなきゃ理由を見つけて処刑することすら厭わない。
 
6人目の妻が本作の主人公であるキャサリン・パー。
彼女もこれが初婚ではなく、3度目だったそうな。16歳で結婚、21歳で再婚。
けれどこの時代の常、夫はそれなりの歳だったのでしょうか、ふたりとも死亡。
で、3度目の夫となったのがヘンリー8世。1543年のことでした。
 
宗教観の違いから異端視され、これまでの妻と同じ運命を辿るかに見えた彼女ですが、
ヘンリー8世だって当時にすればもうお歳。
体に悪いところも出てきてもう長くないと思われ、それに賭けるしかありません。
 
ただただ、酷い王が居たもんだと思うとともに、この時代の不条理さを思う。
そして、昔のイケメンぶりはどこへ行ったか、見る影もないジュード・ロウに唖然。
これは役作りのせいなのか、それともそのままのジュードなのか。
 
妊娠するも流産し、自分の子どもを産むことはできなかったキャサリン・パー。
でも、不遇に遭った前妻たちやその息子の信頼をきっちり得たのが凄い。

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『こまねこのかいがいりょこう』

『こまねこのかいがいりょこう』
監督:合田経郎
声の出演:瀧澤京香,若林航平,坂本真理,坂脩,小林通孝,二木静美他
 
1週間のみの限定上映でした。109シネマズ箕面にて。
 
大好きな“こまねこ”
最初に知ったのは何のときだったか忘れてしまいましたが、大好きで。
知ってから15年になるとは嘘みたい。
 
タイトルの『こまねこのかいがいりょこう』は昨年秋に製作された新作らしい。
これは8分しかない短編なので、過去の作品と併せて50分の上映。
 
再上映は『こまねこ はじめのいっぽ』、『こまとラジボー』、『ほんとうのともだち』の3本です。
ものづくりが大好きなねこ、こまちゃんは、「ももいろちゃん」と「はいいろくん」というぬいぐるみを作り、映画撮影。
基本的には家の中で遊んでいますが、お出かけするときにもこのぬいぐるみを連れて行きます。
ラジボーは機械いじりが得意な男の子で、こまちゃん宅にたまたまやってきて親しくなります。
 
久しぶりに観た『はじめのいっぽ』はやっぱりよかったけれど、『ほんとうのともだち』もちょっと泣いてしまう。
仮病を使って寝たきりのいぬ子は、実はこっそりと雪男の着ぐるみを着て出歩き、森の中で人を驚かしています。
こまちゃんも最初は驚いたものの、すっかり雪男が好きになって、一緒に遊ぶように。
初めてできた友達に正体を明かせぬままだったいぬ子の前に、本物の雪男が現れて。
 
森の木立の間から舞い落ちる雪の美しいこと。
このストップモーションアニメを観ると、温かい気持ちで満たされます。何度でも観たい作品。

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『ブルータリスト』

『ブルータリスト』(原題:The Brutalist)
監督:ブラディ・コーベット
出演:エイドリアン・ブロディ,フェリシティ・ジョーンズ,ガイ・ピアース,ジョー・アルウィン,
   ラフィー・キャシディ,ステイシー・マーティン,イザック・ド・バンコレ,アレッサンドロ・ニヴォラ他
 
なんばパークスシネマにて『SKINAMALINK/スキナマリンク』を観て釈然としないまま、
TOHOシネマズなんばへ移動。215分の大長編である本作は、間に15分の休憩あり。
これこそ寝てしまうんじゃないかと思いましたが、1秒も眠くなりませんでした。
 
アメリカ/イギリス/ハンガリー作品。
 
監督は『シークレット・オブ・モンスター』(2015)、『ポップスター』(2018)のブラディ・コーベット。
まだ36歳で、写真だけ見ればオタクっぽい彼は(すみません)、役者でもあります。
『ファニーゲーム U.S.A.』(2007)なんで強烈でしたねぇ。いや~、面白い人です。
 
バウハウスで学んだハンガリー系ユダヤ人建築家ラースロー・トート。
ホロコーストを生き延びたものの、最愛の妻エルジェーベトと姪のジョーフィアとは生き別れに。
成功を夢見てアメリカへと渡った彼は、ペンシルヴェニア州フィラデルフィアでいとこのアティラの世話になる。
アティラは妻のオードリーと共に家具店を経営しており、斬新なセンスを持つラースローのことが必要なのだと。
 
ある日、バックス郡在住の富豪ハリソン・ヴァン・ビューレンの息子ハリーが来店し、
読書家の父親の書籍がうずたかく積まれている書斎を改装したいと告げる。
費用はハリーとその妹マギーが負担し、父親の留守中に工事を完了してサプライズで喜ばせたいとのこと。
ラースローは人手と資材をかき集めて素晴らしくモダンな書斎を完成させる。
 
ところが、予定より早く帰ってきたハリソンは、許可なく家に立ち入られたうえに改装されたと激怒。
ハリーはまるでラースローのせいのように言い逃れ、金の支払いを拒否する。
 
アティラにもラースローの責任を問われたばかりか、オードリーに言い寄ったと難癖をつけられ、追い出される。
致し方なく救貧院に身を寄せたラースローは、日雇いの肉体労働でなんとか生きる。
 
数年が経ち、ラースローのもとへ現れたのはあのハリソン。
ハリソンはラースローが母国では有名な建築家だと知り、ラースローをずっと探しつづけていたらしい。
ラースローが手がけたヴァン・ビューレン邸の書斎は雑誌にも取り上げられて絶賛されていたのだ。
ハリソンはラースローを自宅に招き、盛大なパーティーを開くと、
その席で亡き母の名前を冠したコミュニティセンターの創設を宣言。ラースローにその指揮を委ねて……。
 
どう見ても実話に基づいている話っぽいところ、すべて創作だというのだから凄い。
こんな壮大な物語をイチから考えるなんて、それこそイマジネーションの塊だ。
この監督なら、『SKINAMALINK/スキナマリンク』を観てもわかるのだろうかとふと思う(笑)。
 
創作ではあるものの、タイトルに由来する“ブルータリズム”の建築家がいるのは事実。
ブルータリズムは第二次世界大戦後に広まった建築様式で、装飾を極力排したシンプルなもの。
代表的な建築家としてル・コルビュジエが挙げられます。
 
ヨーロッパでいくら有名な建築家でも、アメリカに来れば崇拝されるばかりではありません。
宗教の違いなどから怪訝な目で見られ、ユダヤ人であることも常に悪いほうにつきまとう。
ただ、建築が好きで、それを考える時間が幸せだというのに。
 
幾多の試練を乗り越えた先に広がるこの建物。
ぜひ大画面でご覧ください。

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『SKINAMARINK/スキナマリンク』

『SKINAMARINK/スキナマリンク』(原題:Skinamarink)
監督:カイル・エドワード・ボール
出演:ルーカス・ポール,ダリ・ローズ・テトロー,ロス・ポール,ジェイム・ヒル
 
カナダのホラー作品がどうにも気になって、NGKで大笑いした後、なんばパークスシネマへ。
 
監督はこれが長編デビューとなる同国の新鋭カイル・エドワード・ボール。
本作はインディーズ作品でありながら、各地の映画祭で大いに話題を集めたそうです。
制作費はわずか1万5千ドルにして、北米の700近い劇場で公開され、興行収入は約200万ドル。
 
4歳のケヴィンと6歳のカイリーはふたり姉弟。
ある日、ケヴィンが転倒して病院で診察を受けた後、家に戻ってくる。
 
夜中に目を覚ましたケヴィンとカイリーの身に不思議なことが起きる。
父親も母親もいなくなってしまったどころか、窓やドア、便器などが次々と消えてゆく。
やがて不気味な声が聞こえてきて、「遊びたい」と言い……。
 
テレビのブラウン管のような画面。ずっとノイズが聞こえて、そりゃ不気味なことこのうえない。
予告編を観たときはさぞかし恐ろしい思いをさせられるのだろうと思いましたが、ちぃともわからん。
「あなたのイマジネーションが試される」とのキャッチコピー。
自分にいかに想像力がないかがハッキリとわかりました。
 
途中で寝ちゃったし。意味わからん。

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『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』

『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』(原題:No Other Land)
監督:バーセル・アドラー,ユヴァル・アブラハーム,ハムダーン・バラール,ラヘル・ショール
 
京都シネマにて3本ハシゴの3本目。『ミマン』『事実無根』→これ。
 
ノルウェー/パレスチナ作品。
 
ヨルダン川西岸パレスチナ人居住地区では、イスラエル軍によって破壊行為が進められています。
その実態を記録しつづけるパレスチナ人のバーセル・アドラー。
彼に協力を申し出たのは、イスラエル人でありながら自国政府の非人道的な行為に心を痛めるユヴァル・アブラハーム。
本作はこの2人の若きジャーナリストが、パレスチナの理不尽な実情を命懸けで撮影したもの。
 
何百年と住んでいた土地に突然現れるイスラエル軍。
ブルドーザーでやってきて、パレスチナ人の家を押し潰してゆきます。その様子は衝撃的で言葉も出ません。
 
正直なところ、ここで起きていることは私には理解不能。
軍の練習場だから家を建てるのは駄目だよ、違法だよと、家をぶっ潰してゆく。今さら?
 
『愛を耕すひと』では入植者が待ち望まれていたけれど、
本作では入植者がイスラエル軍と共に武装してパレスチナ人に襲いかかります。
歯向かえば殺すこともなんとも思っていない。
 
ただただ唖然としてしまう映像に、どうしていいのかわからない。
本作が世界で公開されるということは、善がまだ存在しているのだと思いたい。

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