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『タイトル、拒絶』

『タイトル、拒絶』
監督:山田佳奈
出演:伊藤沙莉,恒松祐里,佐津川愛美,片岡礼子,でんでん,森田想,円井わん,
   行平あい佳,野崎智子,大川原歩,モトーラ世理奈,池田大,田中俊介,般若他
 
コロナ禍で休業していた劇場が再開してから
なぜか第七藝術劇場に行く機会を逸していました。
どうしても観たかった本作を観に、終業後に走る。
久しぶりのナナゲイ、やっぱり十三はええなぁ。
本作が似合う街。
 
劇団“ロ字ック”の主宰者・山田佳奈の同名舞台を自ら映画化。
 
雑居ビルに入るデリヘル店
カノウ(伊藤沙莉)はデリヘル嬢になるべく体験入店するが、
客を前にして怖じ気づいたうえに逃走。
その後、雑用係として店に就職するのだが……。
 
ビルの一室に出入りする主なデリヘル嬢は、
わがままなアツコ(佐津川愛美)を筆頭に、彼女とつるむキョウコ(森田想)とカナ(円井わん)。
この3人組を冷めた目で見つめる年長者のシホ(片岡礼子)。
部屋の片隅にいつもひとりでいるチカ(行平あい佳)。
いつどんなときもニコニコ、指名率ダントツ1位のマヒル(恒松祐里)。
そんな彼女たちを取りまとめるのが店長の山下(般若)。
ほかに、デリヘル嬢の送迎をするハギオ(池田大)と良太(田中俊介)がいます。
 
最近あちこちで見かける伊藤沙莉。お気に入りです。
ハスキーな彼女の声がすごく好き。
彼女演じるカノウの履歴書を見た店長は、経歴になんて興味ないと言い放ちます。
そう言う店長の前に座る彼女がリクルートスーツ姿で笑った。
デリヘル店の面接でその服装、どないやねん。(^^;
 
それぞれどんな事情でデリヘル嬢になったのかは語られません。
そこに余計に興味を惹かれる。
 
素直な役も意地悪な役もできる顔立ちの恒松祐里は、これ当たり役。
この中できっと最もつらい人生を歩んできていると思われ、
だからこそいつも笑ってやり過ごす術を身につけたのかと。
 
簡単に泣ける人はいいよねぇ。
泣くことさえ許されない状況の人もいるということ。
十三まで観に行った甲斐がありました。
なんか、心に響いた。

—–

『佐々木、イン、マイマイン』

『佐々木、イン、マイマイン』
監督:内山拓也
出演:藤原季節,細川岳,萩原みのり,遊屋慎太郎,森優作,
   小西桜子,河合優実,井口理,鈴木卓爾,村上虹郎他
 
TOHOシネマズ西宮にて、
 
どうですか、このタイトル。
“いとしのエリー”かと思いましたが、あれは「オンマイマイン」ですね(笑)。
なんにしても興味を惹かれるタイトルです。巧い。
 
俳優を目指して上京した石井悠二(藤原季節)だが、鳴かず飛ばずの日々。
役者だけではとても生活できず、バイトで食いつないでいる。
 
ある日、悠二のバイト先に営業にやってきたのが旧友の多田(遊屋慎太郎)。
高校時代にカリスマ的存在だった同級生・佐々木(細川岳)の話になる。
 
カリスマといっても、イケメンだったとかモテモテだったとかいうわけではない。
佐々木は類を見ないバカで、佐々木コールが起こればどこであろうと脱いで踊り出す。
そこに女子がいようが先生がいようがおかまいなし。
破天荒でお調子者だった佐々木のことを懐かしく思い出す悠二だったが……。
 
小学生の時分にはこんなタイプが何人かはいたと思うのですが
高校生になるとさすがにこんな奴はいなかった(笑)。
 
明るく振る舞う佐々木だけど実は心に闇あり、なんて展開にはなりません。
家庭環境は複雑で、最後の最後には自ら命を絶つのではと思ってしまったけど、
それもちがった。
 
どうにも説明しづらい作品なので、気になる人はご覧くださいとしか言えません。
私が好きだったのは、佐々木の「ナンパじゃないけど明らかにナンパ」のシーン。
カラオケボックスでひとり歌う女性を演じる河合優実もいいんだなぁ。
ドア越しにそっと中を覗いたら、自分が好きな曲を歌っている人がいた。気になりますよね(笑)。
 
ラストシーンをどう取るか。
もしもあまり映画を観ない人と一緒にこれを観たら、
きっと「最後、どういう意味?」と聞かれるでしょう。
答えられんよ、んなもん。だから、イン、マイマイン。

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『THE CROSSING 香港と大陸をまたぐ少女』

『THE CROSSING 香港と大陸をまたぐ少女』(原題:過春天)
監督:バイ・シュエ
出演:ホアン・ヤオ,スン・ヤン,カーマン・トン,ホアン・ヤオ,
   ニー・ホンジエ,リウ・カイチー,エレーナ・コン,チアオ・カン他
 
貯めた鑑賞ポイントの使用期限が半年延長になったから、
別に必死のぱっちで劇場通いしなくてもいいのですけれど、
なんとなく終業後に2本観に行くのが常になってしまいました。
TOHOシネマズ西宮にて。
 
実はこの前日だった日曜日、TOHOシネマズ梅田で観ようとしたら、
ポイント鑑賞者の席数上限に達したので不可の文字。
ぎょえ~、こんなところでつまずくとは予期せず。
観たい人が多いというよりは、使用期限が延長されたことを知らずに
私のようにとにかくポイントを使わなきゃと思った人が多かったのでしょう。
平日の西宮でも観られなかったらどうしようと思ったけど、大丈夫でした。
 
2018年の中国作品。
監督はこれが長編デビュー作となるバイ・シュエ。
男性だとばかり思っていたら女性でした。
女子高生が主人公だし、そういうと女性っぽさもなくはないけれど、
骨太さも感じられて私には意外。えらく面白い。私は好き。
 
香港の新界と接する中国・深圳(しんせん)に暮らす、16歳のペイは、
毎日出入境管理所を通って香港の高校へとかよっている。
同級生で親友のジョーとクリスマスに日本を旅行する約束をしていて、
そのための旅費を稼ごうと割の良いバイトを探し中。
 
学校をさぼって船上パーティーに参加したペイとジョー。
ジョーはそこで知り合ったハオとベタベタ。
カナヅチのくせして海に飛び込んだペイはハオに助けられ、
ハオに好意を抱くものの、ジョーの手前、気持ちは見せられない。
 
そんなある日、ペイはひょんなことからスマホの密輸グループの存在を知る。
最新型のスマホは大陸中国では高くて手に入らず、
価格の安い香港からスマホを大量に密輸して売りさばいているのだ。
ハオもそのメンバーの一員だと知ったペイは、
自分にも運び屋をさせてほしいと頼むのだが……。
 
最初の最初はどういうことかよくわかりませんでした。
だって、国をまたいで通学することがあるなんて知らなかったから。
その時点ですでに衝撃的です。
 
制服を着た女子高生がまさか運び屋だなんて思わない。
ペイが何も疑われずに行き来するのを見て、
密輸団のほかの若い男子メンバーたちも制服を着るのが可笑しい。
 
金儲けができるようになると、誰しもがもっと稼ぎたいと思う。
密輸団の女ボスの目を欺いて直接やりとりしようとするハオ。
好意を寄せるハオから頼まれると断れず、手伝うペイ。
捕まるに決まってるやん!
 
瑞々しくて、痛々しい。
青春というには半端じゃない悪事に手を出しすぎだけど、
切ない想いは誰であろうが青春まっさかりなら同じように抱く。
 
今後もこの監督には注目します。

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『エイブのキッチンストーリー』

『エイブのキッチンストーリー』(原題:Abe)
監督:フェルナンド・グロスタイン・アンドラーヂ
出演:ノア・シュナップ,セウ・ジョルジ,ダグマーラ・ドミンスク,アリアン・モーイエド,
   マーク・マーゴリス,セーレム・マーフィ,トム・マーデロシアン,ダニエル・オレスケス他
 
TOHOシネマズ梅田で『君は彼方』を鑑賞後、テアトル梅田へ。
 
アメリカ/ブラジル作品。
ノア・シュナップ主演というのがウリらしいのですが、知らんし。
調べてみたら、TVドラマ“ストレンジャー・シングス 未知の世界”に出演しているそうで。
“ストレンジャー・シングス”では彼の母親役がウィノナ・ライダー。へ〜っ!
ショーン・レヴィ監督によるホラーとのこと。それって凄く面白そう。
 
という他作品の話はさておき、本作も面白い。
ノア少年はめっちゃ美形で、売れっ子であるのも納得。
 
ブルックリンに暮らす12歳のエイブラハム(通称エイブ)は料理が大好き。
両親からとても愛されているが、家庭環境はかなり複雑。
父親はパレスチナ出身のムスリムで、母親はイスラエル出身のユダヤ人だから。
 
両親は15年前に双方の家族の反対を押し切って結婚した。
今では一応和解してイベントのたびにどちらも同時に招いているが、
お互いに嫌味を言い合ったりして、決して雰囲気はよくない。
 
エイブはどちらの宗教も無理強いされてはいないものの、
双方の祖父母がそもそもエイブとは呼ばず、
イブラヒム、アブラハムと異なる呼び方をするのだ。
ムスリムの習慣に倣えば父方の祖父母が喜び、
ユダヤの習慣に倣えば母方の祖父母が喜ぶ。両親だって同じ。
 
ほとほと疲れ果てたエイブは、ネットで見つけたブラジル人シェフ、チコの屋台を覗く。
両親は夏休み中に子どもを対象としたクッキングスクールにエイブを入れるが、
そこをこっそり抜け出したエイブは毎日チコのもとへと通い……。
 
対立する家族をエイブの料理は救えるか。
現実的には無理かもしれません。
日本人には理解しづらい宗教問題を少年の料理でなんとかできるとは思えない。
でも、美味しいものは美味しい。憎み合いたいわけでもない。
心を痛めている孫を見て、いがみ合うのをやめることはできるはず。
ちょっと泣けます。
 
みんなで同じ美味しいものを食べたなら、気持ちは変わる。
フュージョン料理ってワケわからんと今まで思っていたけれど、こういうことなのですね。
うまい具合に Mix it up!!

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『君は彼方』

『君は彼方』
監督:瀬名快伸
声の出演:松本穂香,瀬戸利樹,山寺宏一,土屋アンナ,仙道敦子,竹中直人,夏木マリ他
 
貯めた鑑賞ポイントのうち、年内に有効期限が来るものをとっとと使わにゃと思っていたのに、
いつのまにか有効期限また延長されてるやん。
こんな必死のぱっちで使うことを考えなくてもよかったんだわ。
とはいうものの、半年延長になったと安心していたらきっとすぐに半年経つ。
今のうちに使うことにして、何の割引もない日曜日、TOHOシネマズ梅田にて。
 
監督はこれが長編初挑戦となる瀬名快伸。
ヒロインの声を松本穂香、その愛役を瀬戸利樹が担当。
他に土屋アンナ竹中直人夏木マリも声優を務めていて豪華。
緒形直人と結婚した仙道敦子がいつから本格的に女優に復帰していたのか知らなかったので、
ヒロインの母親の声のキャストに彼女の名前を見て懐かしい気がしました。
1990年のTVドラマ『クリスマス・イブ』を思い出す。
 
なんでもかんでも「面倒くさい」、努力が嫌いな高校2年生の澪。
放課後はいつも、幼なじみの新と親友の円佳とつるんでいる。
特に新とは通学も一緒、帰りも映画に行ったりしてずっと一緒。
 
新のことが好きだ、そう気づいた澪が告白しようとしていたとき、
円佳から新への好意を打ち明けられ、思わず応援すると言ってしまう。
以来、新との関係がぎくしゃくして、つい心にもない暴言まで吐く。
 
その晩、自己嫌悪に陥った澪は、悲しげな新の表情を思い出し、
自分の気持ちに素直になって新にそれを伝えようと家を飛び出す。
ところが急ぐあまり自転車で車にぶつかって……。
 
目覚めた澪は自分が夢の中にいると思うのですが、実は生死の境をさまよっている。
あの世に行くか、この世に戻るか、ゆらゆら。
現世に戻るには、現世に残してきた忘れ物を「忘れ物窓口」で申告して、
確かにそれは重要な忘れ物だと認められなければなりません。
でも生死の境では現世のことを段々と忘れてゆくから、
「新に気持ちを伝える」という忘れ物を澪はなかなか思い出せません。
 
青春ファンタジーだと思っていたら、宗教色が濃すぎる。
あっちとこっちとをさまよいすぎて、しつこいぐらい(笑)。
途中まで行ってはまた何だったか忘れ、その繰り返しで、どうよこれ。
睡魔に襲われました。はい。
 
松本穂香ちゃんは最近のお気に入りですが、本作の絶叫は耳に悪い。
耳を覆いたくなっちゃいました。
殯(もがり)役の竹中直人の声はいいんですけどねぇ。
 
まぁ、三途の川を渡るか渡らんかって、こんな感じなのかなと思わなくもない。

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